【保育士転職体験談04】園の雰囲気は0歳児・1歳児クラスを見るとよくわかる
2023/04/14
今の職場を辞めたい、転職したいと考える保育士さんの中には、人手不足や退職のタイミングなどにより、「今辞めたら園や他の保育士に迷惑がかかるのでは……」と二の足を踏んでしまっている方は多くいます。
保育士さんは責任感が強い方が多いため、「年度末まで」「あと1年は続けよう」とズルズルと働き続けてしまい体や心を壊してしまう方が多くいるのが現状です。
今回は、考えすぎてしまってなかなか転職に踏み切れない保育士さんの参考になればという思いで、実際に転職に成功されたHさんにインタビューし、体験談を聞かせていただきました。
保育士になったきっかけ・理由
──保育士になったきっかけや理由を教えてください。
子どもが好きだったっていうのと、子どもの成長を追いかけたり手助けをしたりしたかったのが保育士になった理由です。専門学校を出てすぐに保育業界に入りました。
──保育士になりたいと思ったのは何歳ぐらいのころですか?
高校生ぐらいですかね。そろそろ進路を決めなきゃいけないっていうタイミングで、自分に何ができるのか、自分は何に興味があるのかを考えて、保育士になるという答えを出しました。
──保育士は女性が9割と言われていますが、男性保育士として働くにあたって不安などはありましたか?
やっぱりこれまでとは環境が大きく変わるので、少しは「どうなるのかな」と思っていたところはありました。
でも、自分の長い将来のことを考えた時に、男女比を気にしても仕方ないかなっていう結論に至りました。
前の保育園に就職したきっかけ
──転職前に勤務していた保育園(私立保育園)にはどういったきっかけや経緯で就職したんですか?
学校に貼り出されている求人の中から見つけたのがきっかけです。
──求人を探すときに重視した点はありますか?
実家から通う予定だったので、実家からの距離を重視して探していました。
あとは、求人募集のタイミングと教育方針です。
就職した私立保育園は、特に体育などの運動系に力を入れていて、宿題も早くから出すようなところでした。
子どもの伸ばせるところを伸ばしていくような保育方針だったので、ここだったら子どもの成長が見えるかなと思ったので、就職しました。
前の保育園を転職したきっかけ・理由
──前の保育園は11年ぐらい働かれていたということですが、どのような理由で転職することを決めたんですか?
前の保育園の労働環境については就職した当初から気になっていましたが、結婚のタイミングになって家族ができるとなった時に、このままこの保育園でやっていくのはしんどいと思ったので転職しました。
具体的には、持ち帰りの仕事やサービス残業が多かったり、園長との関係が良好ではなかったりしたのが転職を決意した理由になっています。
転職するまでの流れ
──私立保育園から公立保育園に転職するまでの大まかな流れを教えてください。
8月ぐらいから仕事を探し始めて、9月ぐらいに保育園の方に退職の意向を伝えました。
保育士は大体4月に合わせて募集されることが多いので、ちょっと早めに動き出して、どういうところで募集がありそうかなっていうのを見ていました。
保育園の方では退職の意向を伝えてから、引き継ぎなど退職までに必要な段取りをこなしていったという感じです。
──求人情報はどのように探されましたか?
保育士専門の転職エージェントを利用して探したり、近隣の保育園を自転車でぐるっと周って直接求人募集の紙を貼り出しているところを見たり、ハローワークで求人検索をしたりしていました。
主に公立保育園の求人について探しながら、候補となりそうなところは調べたり、その保育園に勤めている人にお話を聞いたり、実際に見学に行かせていただいたりして園を選んで、自分が良さそうだなと思ったところに応募していった感じです。
一つの方法だけではなくて色々な方法を使って転職活動を進めていきました。
転職時の状況
──転職はスムーズに進みましたか?
やっぱり引き留めはありました。
「辞めることを考え直してほしい」と言われましたが、保育園側に「これまでのスタンスを変えていただけるんですか?」と聞いた時に、「変えられない」ということをはっきり言われたので、こちらももう働き続けることはできないということで、きっぱりと断りました。
──転職を考えているけど踏みとどまってしまう保育士さんの中には、引き留めにあって説得されてしまったり、保育士の人数が足りない中で辞めることに後ろめたさを感じてしまって、なかなか転職できないという方も多いのですが、やはりきっぱりと断るということは重要なんですか?
重要だと思います。
確かに、引き留めや人数不足などが理由で転職することを悩んだり、ためらったりする方もいらっしゃいましたけど、でもやっぱり保育園に自分の人生の責任を取ってもらえるわけではないので、引くべき線は引かざるを得ないのかなと思いますね。
転職時に重視した点
──転職するにあたって重視したポイントはありますか?
ある程度ゆとりを持って働ける職場という点に重きを置いて探しました。
具体的には、持ち帰りの仕事が極端に多くないとか、福利厚生が整っているとか、労働環境や労働条件が悪くないとかですね。
家族ができたというところで、1人の時とは重視する点が変わったように感じます。
──転職先を探す際に見学もされたということですが、見学する際はどのような点に注目していましたか?
求人票ではわからないことは先生たちの態度や動きに出てくるので、実際余裕があるのかないのかとか、いっぱいいっぱいなのかとか、先生たちの言動とか、そういったところに注目して見学していました。
現在の保育園を選んだ決め手
──現在の保育園(公立保育園)を選んだ決め手はなんでしたか?
先生たちの言動や動きを実際に見て、先生たちが仕事に追われてるようなところがなかったのと、子どもに対して酷い言い方をされる先生もいなかったので、気持ち的な余裕を持って仕事ができるのかなと思って決めました。
──公立保育園は公務員試験を受ける必要がありますが、公務員試験があることに関して抵抗や不安はありましたか?
特にないですね。
そういうものなので、そこはしっかり勉強して受けたという感じです。
現在の保育園で実際に働いてみて良いと感じた点
──事前に答えていただいたアンケートでは、「現在自分らしく働けている」と回答されていますが、どのようなときに自分らしく働けていると感じますか?
やっぱり時間的なゆとりを感じるときに自分らしく働けていると感じます。
昼休憩がしっかり取れるとか、子どもを急かさなくていいとか。
自分に余裕がなくて子どもに強く当たってしまうようなこともないので、そういうところから、落ち着いて自分らしく、自分でしっかりと考えながら働けているとかなと思います。
──前の保育園で働いていた自分と現在の保育園で働いている自分を比べると、子どもたちへの接し方に変化はありましたか?
やっぱり変わったのは感じますね。
前の保育園にいたときは、余裕がなくて本当はこんなこと言いたくないのにそっけない言い方をしてしまったというのはありました。
でも今は自分の中に余裕があることで、子どものことをもっとゆっくり考えて接することができていると感じます。
現在転職などに悩んでいる保育士の方に向けたアドバイス
──現在転職などに悩んでいる保育士さんに何かアドバイスするとしたらどのようなことを伝えますか?
自分が何に重きを置いているのかというのが重要なのかなと思います。
見学などに行くときは、自分が気になっていることや見たいところを明確にして、意識して見た方がいいのかなと思いますね。
例えば、0歳児とか1歳児ぐらいのお子さん相手にどんなふうに仕事をされているかっていうのを見ると、その園の状況がよく出るのかなと思います。
バタバタしているようであれば、やっぱり労働環境が厳しいのかなというのがわかるので、園の余裕を見るときは参考にしてもいいのかなと思います。
──0歳児、1歳児ぐらいのお子さんへの仕事の仕方にフォーカスしているのはなぜですか?
やっぱり、自分のことが本当に何もできない子どもを相手にするとなると、いろんなことを助けてあげなきゃいけないので、保育士に余裕がないとボロボロになってしまうんですよね。
でも0歳児・1歳児をしっかりできている保育園は、やっぱり時間を割けるだけのゆとりがあるので、ひとつの参考になるんじゃないかなと思います。
現在転職などに悩んでいる保育士の方に向けたHさんからのアドバイス
- アドバイス1:自分が何に重きを置いているのかを明確にする
- アドバイス2:見学に行くときは、自分が気になったていることや見たいところを意識して見る
- アドバイス3:園の余裕を見るときは0歳児・1歳児ぐらいの子どもへの仕事の仕方を見る
ー 取材協力:株式会社トビバコ
カテゴリ
保育士インタビュー
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今の職場を辞めたい、転職したいと考える保育士さんの中には、人手不足や退職のタイミングなどにより、「今辞めたら園や他の保育士に迷惑がかかるのでは……」と二の足を踏んでしまっている方は多くいます。
保育士さんは責任感が強い方が多いため、「年度末まで」「あと1年は続けよう」とズルズルと働き続けてしまい体や心を壊してしまう方が多くいるのが現状です。
今回は、考えすぎてしまってなかなか転職に踏み切れない保育士さんの参考になればという思いで、実際に転職に成功されたHさんにインタビューし、体験談を聞かせていただきました。
保育士になったきっかけ・理由
──保育士になったきっかけや理由を教えてください。
子どもが好きだったっていうのと、子どもの成長を追いかけたり手助けをしたりしたかったのが保育士になった理由です。専門学校を出てすぐに保育業界に入りました。
──保育士になりたいと思ったのは何歳ぐらいのころですか?
高校生ぐらいですかね。そろそろ進路を決めなきゃいけないっていうタイミングで、自分に何ができるのか、自分は何に興味があるのかを考えて、保育士になるという答えを出しました。
──保育士は女性が9割と言われていますが、男性保育士として働くにあたって不安などはありましたか?
やっぱりこれまでとは環境が大きく変わるので、少しは「どうなるのかな」と思っていたところはありました。
でも、自分の長い将来のことを考えた時に、男女比を気にしても仕方ないかなっていう結論に至りました。
前の保育園に就職したきっかけ
──転職前に勤務していた保育園(私立保育園)にはどういったきっかけや経緯で就職したんですか?
学校に貼り出されている求人の中から見つけたのがきっかけです。
──求人を探すときに重視した点はありますか?
実家から通う予定だったので、実家からの距離を重視して探していました。
あとは、求人募集のタイミングと教育方針です。
就職した私立保育園は、特に体育などの運動系に力を入れていて、宿題も早くから出すようなところでした。
子どもの伸ばせるところを伸ばしていくような保育方針だったので、ここだったら子どもの成長が見えるかなと思ったので、就職しました。
前の保育園を転職したきっかけ・理由
──前の保育園は11年ぐらい働かれていたということですが、どのような理由で転職することを決めたんですか?
前の保育園の労働環境については就職した当初から気になっていましたが、結婚のタイミングになって家族ができるとなった時に、このままこの保育園でやっていくのはしんどいと思ったので転職しました。
具体的には、持ち帰りの仕事やサービス残業が多かったり、園長との関係が良好ではなかったりしたのが転職を決意した理由になっています。
転職するまでの流れ
──私立保育園から公立保育園に転職するまでの大まかな流れを教えてください。
8月ぐらいから仕事を探し始めて、9月ぐらいに保育園の方に退職の意向を伝えました。
保育士は大体4月に合わせて募集されることが多いので、ちょっと早めに動き出して、どういうところで募集がありそうかなっていうのを見ていました。
保育園の方では退職の意向を伝えてから、引き継ぎなど退職までに必要な段取りをこなしていったという感じです。
──求人情報はどのように探されましたか?
保育士専門の転職エージェントを利用して探したり、近隣の保育園を自転車でぐるっと周って直接求人募集の紙を貼り出しているところを見たり、ハローワークで求人検索をしたりしていました。
主に公立保育園の求人について探しながら、候補となりそうなところは調べたり、その保育園に勤めている人にお話を聞いたり、実際に見学に行かせていただいたりして園を選んで、自分が良さそうだなと思ったところに応募していった感じです。
一つの方法だけではなくて色々な方法を使って転職活動を進めていきました。
転職時の状況
──転職はスムーズに進みましたか?
やっぱり引き留めはありました。
「辞めることを考え直してほしい」と言われましたが、保育園側に「これまでのスタンスを変えていただけるんですか?」と聞いた時に、「変えられない」ということをはっきり言われたので、こちらももう働き続けることはできないということで、きっぱりと断りました。
──転職を考えているけど踏みとどまってしまう保育士さんの中には、引き留めにあって説得されてしまったり、保育士の人数が足りない中で辞めることに後ろめたさを感じてしまって、なかなか転職できないという方も多いのですが、やはりきっぱりと断るということは重要なんですか?
重要だと思います。
確かに、引き留めや人数不足などが理由で転職することを悩んだり、ためらったりする方もいらっしゃいましたけど、でもやっぱり保育園に自分の人生の責任を取ってもらえるわけではないので、引くべき線は引かざるを得ないのかなと思いますね。
転職時に重視した点
──転職するにあたって重視したポイントはありますか?
ある程度ゆとりを持って働ける職場という点に重きを置いて探しました。
具体的には、持ち帰りの仕事が極端に多くないとか、福利厚生が整っているとか、労働環境や労働条件が悪くないとかですね。
家族ができたというところで、1人の時とは重視する点が変わったように感じます。
──転職先を探す際に見学もされたということですが、見学する際はどのような点に注目していましたか?
求人票ではわからないことは先生たちの態度や動きに出てくるので、実際余裕があるのかないのかとか、いっぱいいっぱいなのかとか、先生たちの言動とか、そういったところに注目して見学していました。
現在の保育園を選んだ決め手
──現在の保育園(公立保育園)を選んだ決め手はなんでしたか?
先生たちの言動や動きを実際に見て、先生たちが仕事に追われてるようなところがなかったのと、子どもに対して酷い言い方をされる先生もいなかったので、気持ち的な余裕を持って仕事ができるのかなと思って決めました。
──公立保育園は公務員試験を受ける必要がありますが、公務員試験があることに関して抵抗や不安はありましたか?
特にないですね。
そういうものなので、そこはしっかり勉強して受けたという感じです。
現在の保育園で実際に働いてみて良いと感じた点
──事前に答えていただいたアンケートでは、「現在自分らしく働けている」と回答されていますが、どのようなときに自分らしく働けていると感じますか?
やっぱり時間的なゆとりを感じるときに自分らしく働けていると感じます。
昼休憩がしっかり取れるとか、子どもを急かさなくていいとか。
自分に余裕がなくて子どもに強く当たってしまうようなこともないので、そういうところから、落ち着いて自分らしく、自分でしっかりと考えながら働けているとかなと思います。
──前の保育園で働いていた自分と現在の保育園で働いている自分を比べると、子どもたちへの接し方に変化はありましたか?
やっぱり変わったのは感じますね。
前の保育園にいたときは、余裕がなくて本当はこんなこと言いたくないのにそっけない言い方をしてしまったというのはありました。
でも今は自分の中に余裕があることで、子どものことをもっとゆっくり考えて接することができていると感じます。
現在転職などに悩んでいる保育士の方に向けたアドバイス
──現在転職などに悩んでいる保育士さんに何かアドバイスするとしたらどのようなことを伝えますか?
自分が何に重きを置いているのかというのが重要なのかなと思います。
見学などに行くときは、自分が気になっていることや見たいところを明確にして、意識して見た方がいいのかなと思いますね。
例えば、0歳児とか1歳児ぐらいのお子さん相手にどんなふうに仕事をされているかっていうのを見ると、その園の状況がよく出るのかなと思います。
バタバタしているようであれば、やっぱり労働環境が厳しいのかなというのがわかるので、園の余裕を見るときは参考にしてもいいのかなと思います。
──0歳児、1歳児ぐらいのお子さんへの仕事の仕方にフォーカスしているのはなぜですか?
やっぱり、自分のことが本当に何もできない子どもを相手にするとなると、いろんなことを助けてあげなきゃいけないので、保育士に余裕がないとボロボロになってしまうんですよね。
でも0歳児・1歳児をしっかりできている保育園は、やっぱり時間を割けるだけのゆとりがあるので、ひとつの参考になるんじゃないかなと思います。
現在転職などに悩んでいる保育士の方に向けたHさんからのアドバイス
- アドバイス1:自分が何に重きを置いているのかを明確にする
- アドバイス2:見学に行くときは、自分が気になったていることや見たいところを意識して見る
- アドバイス3:園の余裕を見るときは0歳児・1歳児ぐらいの子どもへの仕事の仕方を見る
ー 取材協力:株式会社トビバコ