【神奈川県】保育士向けの家賃補助が手厚い自治体4選!条件や上限補助額は?
2024/06/14
「家賃が高めなのに物価が高騰しちゃって……」
「家賃ってもう少し安くならないのかな?」
こんなお悩みを抱えている保育士さんは必見です。
全国第2位の人口を抱える神奈川県ですが、実は保育士への家賃補助がとても充実している県だということをご存知でしたか?
神奈川県は、保育士不足に対応し、新たな人材の確保や保育士の定着を促すため、県内の様々な自治体で保育士向けの家賃補助の制度(宿舎借り上げ支援事業)が実施されています。
そこで今回は、神奈川県の家賃補助制度について詳しくお伝えしたいと思います。
家賃補助を受けるために必要な条件や上限補助額、注意点なども細かく解説していますので、家賃問題を何とかしたい保育士の方は、ぜひ最後までご覧ください。
【神奈川県】保育士向けの家賃補助(宿舎借り上げ支援事業)が手厚い市町村4選
まずは、神奈川県の中でも保育士向けの家賃補助(宿舎借り上げ支援事業)が手厚い市町村を4つ紹介します。どれも補助が手厚い自治体ばかりなのでチェックしてみてください。
【1】横浜市
神奈川県の県庁所在地である横浜市。
全国の市町村の中でも人口トップを走り続けています。
そんな横浜市は、保育士向けの家賃補助制度(宿舎借り上げ支援事業)を充実させていることで知られています。そんな横浜市の家賃補助の詳細を下記の「表1」にまとめましたのでご覧ください。
表1:横浜市 保育士向け家賃補助(宿舎借り上げ支援事業)
補助対象者
・補助対象事業者の雇用開始日が属する会計年度から起算して、10年目の会計年度末までの者
・月120時間以上保育に従事している者
上限補助額
1戸あたり月額82,000円
上限割合
借り上げた宿舎の家賃と共益費・管理費の合算額(補助基準額)の3/4
補助対象物件
・補助対象保育士を居住させるため補助対象事業者が借り上げている居住用の家屋及び家屋の部分並びにこれらに付帯する工作物その他の施設
・原則として横浜市内施設とする。ただし、特段の理由がある場合は、市外施設も対象とする
参考:横浜市「保育士宿舎借り上げ支援事業」
【2】川崎市
横浜市に次いで神奈川県2位の人口をほこる川崎市。
そんな川崎市も横浜市と肩を並べて保育士の家賃補助(宿舎借り上げ支援事業)が充実しています。
詳しくは、下記の「表2」をご覧ください。
表2:川崎市 保育士向け家賃補助(宿舎借り上げ支援事業)
補助対象者
次の要件をすべて満たした方が対象
・施設長を除く、常勤(正規雇用)の保育士、看護師、准看護師、保健師、小学校教諭、幼稚園教諭、養護教諭であること
・世帯主又は準ずる者(世帯総収入の50%超)であって、住宅手当等を受けていないこと
・法人に採用された日から7年以内であること
上限補助額
1戸あたり月額82,000円
上限割合
月額82,000円と補助対象経費を比較し、少ない方の額に3/4を乗じて得た額
補助対象物件
補助対象保育士を居住させるために事業実施者が借り上げている居住用の家屋及びこれらに付帯する工作物その他の施設
※1 事業実施者(法人)が所有している物件は対象外
※2 宿舎が川崎市内である必要はなし
参考:川崎市「川崎市保育士宿舎借り上げ支援事業」
【3】鎌倉市
観光地でもあり、住みやすいエリアとして知られている鎌倉市。
そんな鎌倉市は、鎌倉市内で働きたい保育士に対して様々な支援を行っています。
以下の「表3」をご覧ください。
表3:鎌倉市 保育士向け家賃補助(宿舎借り上げ支援事業)
補助対象者
・保育所等に勤務する常勤の保育士(平成 24 年度以前に保育所等が借り上げる宿舎に入居している者を除く)
・保育所等に採用された日から起算して6年以内の者
上限補助額
1人あたり月額61,000円
上限割合
82,000円と、借上げ費から保育士負担額を引いた額を比較して低い方の額の3/4(1,000円未満の端数は切り捨て)
※借上げ費の詳細については、下記の鎌倉市要綱第に3条に順ずる
第3条 補助金の額は、第1号及び第2号に掲げる経費の額から第3号に掲げる額を控除した額と保育士1人当たり月額82,000円の基準額を比較して少ない方の額に4分の3を乗じて得た額とする。ただし、算出した額に1,000円未満の端数があるときは、これを切り捨てる。
(1)1箇月当たりの賃借料、共益費及び管理費
(2)礼金及び更新料又はそれらに準ずる費用として市長が認める費用を、補助対象となる住居の賃貸借契約期間の月数で除して得た額(1円未満の端数があるときは、これを切り捨てるものとする)
(3)補助対象となる住居に居住する保育士が賃借料等の一部を負担する場合は、1箇月当たりの当該負担額
補助対象物件
・法人の自己所有物件は対象外
・鎌倉市外の物件は対象
参考:鎌倉市「鎌倉市で保育士になりませんか」
【4】海老名市
交通の便がよいだけでなく、子どもの医療費の無償化など子育て支援が充実している海老名市。
そんな海老名市では、国の基準に従った保育士向けの家賃補助制度(保育士宿舎借り上げ支援事業)が設けられています。
以下の「表4」をご覧ください。
表4:海老名市 保育士宿舎借り上げ支援事業
補助対象者
採用された日から起算して10年以内
上限補助額
1人あたり月額7万円
補助対象物件
海老名市内の物件に限る
参考①:海老名市「保健福祉部 保育・幼稚園課」
神奈川県で家賃補助(宿舎借り上げ支援事業)を実施しているその他の自治体
ここまで、神奈川県の中でも保育士向けの家賃補助(宿舎借り上げ支援事業)が手厚い市町村について紹介してきました。では、そのほかの神奈川県内の自治体はどうなっているのでしょうか。
実は、神奈川県は上記の4市以外の自治体の家賃補助も充実しています。
ここからは、神奈川県で家賃補助を実施しているその他の自治体について見ていきましょう。
ただし、自治体ごとで補助額や条件などが少しずつ違いますので注意が必要です。
詳しくは、下記の「表5」をご覧ください。
表5:保育士向けの家賃補助(その他の自治体)
横須賀市
家賃の上限補助額:一戸あたり月額43,500円
家賃補助の上限割合:3/4
補助対象項目:家賃
条件:雇用開始から6年以内の常勤保育士
その他:園長、施設長などは不可、年度によって変更あり
相模原市
家賃の上限補助額:一戸あたり月額72,000円
家賃補助の上限割合:3/4
補助対象項目:家賃・共益費
条件:指定保育士養成施設の新卒者で、自宅からの通勤時間が概ね1時間以上の方
厚木市
家賃の上限補助額:一戸あたり月額62,000円
家賃補助の上限割合:3/4
補助対象項目: 家賃
条件:勤務する常勤の保育士のうち、採用された日から起算して6年以内の者
その他:厚木市では市内定住促進を行っており、可能な限り市内の物件での契約の協力に働きかけている
大和市
家賃の上限補助額:一施設あたり月額345,000円
家賃補助の上限割合:3/4
補助対象項目: 家賃
条件: 採用から6年以内の常勤保育士
その他:主任・園長は不可
座間市
家賃の上限補助額:一戸あたり月額61,000円
家賃補助の上限割合:3/4
補助対象項目: 家賃・共益費
条件:以下の条件にあてはまる保育士
・月120時間以上勤務の常勤および非常勤保育士
・座間市に住民票がある保育士
・座間市内の保育園に新たに勤務する保育士
その他:以下にあてはまる方は対象外
・施設長
・座間市以外の物件
・法人(保育施設)が所有している物件
・住居手当を受け取っている保育士
綾瀬市
家賃の上限補助額:
月額家賃から住宅手当を控除した額で月額上限4万円
補助対象項目:家賃
条件:以下のすべてに該当する方
(1)市内認可保育施設に勤務する保育士、保健師、看護師、子育て支援員
(2)当該年度を基準に、綾瀬市内の保育施設に勤務を開始してから7年以内の方
(3)独身で単身世帯の方又は独身で当該年度において18歳に達する日以後の最初の3月31日までの間にある子と同居する方
(4)常勤職員又は1日6時間以上かつ1か月20日以上勤務する方(それと同等の勤務条件と市長が認めるものを含む)
(5)保育施設を設置し、又は運営している事業者の役員ではない方
藤沢市
家賃の上限補助額:保育士1人あたり月額61,500円
家賃補助の上限割合:
補助対象経費(【月毎の事業対象経費】―【月毎の本人負担額】)×4分の3×月数
補助対象項目:賃借料・共益費(管理費)
条件:
次に掲げる要件のいずれにも該当する方
(1)保育士資格を有すること
(2)常勤の職員であり,保育施設を適用事業所とする社会保険に加入していること
(3)保育士本人、同居人が住宅手当等の支給を受けていないこと(4)雇用開始された日の属する年度から起算して,10年以内であること
その他:1施設あたり7人分まで
茅ヶ崎市
家賃の上限補助額:1戸あたり月額73,000円
家賃補助の上限割合:3/4
千円未満切り捨て(令和元年からこの制度を使っている方のみ、家賃上限82,000円の3/4負担で最大61,000円補助)
補助対象項目: 家賃
条件:茅ヶ崎市内の保育園に勤務する常勤保育士(採用から9年未満)、茅ヶ崎市内の物件
その他:園長は不可
伊勢原市
家賃の上限補助額:保育士1人あたり月額58,000円
家賃補助の上限割合:3/4
補助対象項目: 家賃
条件:伊勢原市内の保育所、認定こども園、小規模保育施設で働く保育士
参考①:横須賀市「横須賀市保育所等運営費補助金交付要綱」
参考②:相模原市「貸付金や補助制度」
参考③:厚木市「健康こどもみらい部 保育課 保育認定・給付係」
参考④:大和市「大和市の保育士確保策について 借り上げ社宅制度」
参考⑤:座間市「保育・幼稚園課 認定給付係」
参考⑥:綾瀬市「綾瀬市保育士等家賃補助金について」
参考⑦:藤沢市「藤沢市の保育士向け支援策(保育士確保策)」
参考⑧:茅ヶ崎市「ちがさき保育士応援策(茅ヶ崎市保育士確保策)」
参考⑨:伊勢原市「伊勢原市の保育士等確保策について」
神奈川県の保育士が家賃補助を受けるための条件
ここまで、神奈川県内のたくさんの自治体の家賃補助(宿舎借り上げ支援事業)について見てきました。
どれも、経済的な負担を軽減する魅力的なものですが、残念ながら家賃補助は誰もが受けられるわけではありません。
しかし、せっかく神奈川県で保育士として活躍するなら、できるだけ家賃補助の恩恵は受けたいもの。そこで、ここからは神奈川県の保育士が家賃補助を受けるための条件について見ていきましょう。
条件1:宿舎借り上げ支援事業を利用可能な保育園に就職する
条件の1つ目は、保育士向けの家賃補助(宿舎借り上げ支援事業)を利用可能な保育園に就職することです。
保育士向けの家賃補助は、自治体では実施していても、そのエリアの保育園すべてが活用しているわけではありません。
そのため、家賃補助を受けるには、支援事業を利用できる保育園に就職する必要があります。
保育園の求人情報を見る際は、「家賃補助」「住宅手当」「宿舎借り上げ」などのワードが記載されているか必ず確認するようにしましょう。
条件2:市町村ごとに異なる条件をクリアする
条件の2つ目は、市町村ごとに異なる条件をクリアすることです。
保育園が家賃補助を活用していたとしても、市町村ごとに条件が異なっている場合があります。
たとえば、居住地域や採用からの年数、市内の物件に限るなど条件はたくさんあります。
家賃補助の条件をしっかり満たすことができるか、検討している自治体や保育園に直接聞いてみるのもよいでしょう。
神奈川県の保育士が家賃補助を受ける時の注意点
神奈川県の保育士が家賃補助(宿舎借り上げ支援事業)を受けるにあたって、いくつかの注意点があります。
後から「そんなの聞いてないよ……」とならないためにも、ここでしっかりと確認しておきましょう。
注意点1:個人ではなく法人で不動産契約を結ぶ
まず1つ目の注意点は、家賃補助(宿舎借り上げ支援事業)は、個人ではなく法人で不動産契約を結ぶということです。
つまり、保育園側が不動産業者との契約を結んで住宅を借り、保育士に提供する制度です。
そのため、保育士が個人で住宅を借りるわけではありませんので注意しましょう。勝手に個人で住宅を借りてしまった場合、家賃補助が適用されないかもしれません。
注意点2:個人負担が必要な費用がある
2つ目の注意点は、個人負担が必要な費用があるということです。
いくら家賃補助(宿舎借り上げ支援事業)が手厚い自治体でも、家賃の全額負担は行っていません。
月額の家賃から補助金額を差し引き、のこりの負担分を保育士個人が支払うのか、保育園と折半するのか、保育園がそのまま負担してくれるのかは保育園の規定次第となります。
保育士の個人負担をゼロにしている保育園もありますが、すべてではありません。
そのため、保育園によっては、一部の家賃を保育士個人が負担する場合もあることを頭に入れておきましょう。
注意点3:物件の探し方は園によって異なる
3つ目の注意点は、物件の探し方が園によって異なるということです。
家賃補助(保育士宿舎借り上げ支援事業)では、保育園が法人契約で借りた物件に保育士が居住します。
物件の探し方は、保育士の就職や異動が決定した後に、保育園が探した物件に入居する場合もあれば、保育士が好きな物件を選んで保育園に契約を依頼するケースもあります。
つまり、どのような物件に住めるかは保育園によって違うので、事前に確認しておくとよいでしょう。
注意点4:家賃補助の制度が廃止される可能性がある
最後の4つ目は、家賃補助(宿舎借り上げ支援事業)の制度自体が廃止される可能性があることです。
保育士にとって大きな負担軽減となる家賃補助ですが、近年は縮小傾向にあり、毎年国によって見直しが行われています。
国の支援が廃止されると、自治体も続けることは難しくなりますので、今後の動きはこまめにチェックしていく必要があるでしょう。
神奈川県の家賃補助の上限額は自治体によって様々!
いかがだったでしょうか?
今回は、神奈川県の家賃補助(宿舎借り上げ支援事業)についてお伝えしてきました。
上限額や条件が自治体によって様々なので驚かれた方もいるのではないでしょうか。
そのため、就職や転職を考える際に、どの地域を選ぶかは大きな判断材料になります。
家賃補助を充実させている地域や保育園を選ぶことができれば、あなたの経済的負担を大きく減らすことできるでしょう。
家賃補助を受ける際は、今回の記事を思い出して、ぜひ活用してみてください。
そして、家賃で悩みを抱えている保育士の方は、家賃補助が充実している自治体が多い神奈川県で働くことも視野に入れてみてはいかがでしょうか。
カテゴリ
保育士ライフ
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「家賃が高めなのに物価が高騰しちゃって……」
「家賃ってもう少し安くならないのかな?」
こんなお悩みを抱えている保育士さんは必見です。
全国第2位の人口を抱える神奈川県ですが、実は保育士への家賃補助がとても充実している県だということをご存知でしたか?
神奈川県は、保育士不足に対応し、新たな人材の確保や保育士の定着を促すため、県内の様々な自治体で保育士向けの家賃補助の制度(宿舎借り上げ支援事業)が実施されています。
そこで今回は、神奈川県の家賃補助制度について詳しくお伝えしたいと思います。
家賃補助を受けるために必要な条件や上限補助額、注意点なども細かく解説していますので、家賃問題を何とかしたい保育士の方は、ぜひ最後までご覧ください。
【神奈川県】保育士向けの家賃補助(宿舎借り上げ支援事業)が手厚い市町村4選
まずは、神奈川県の中でも保育士向けの家賃補助(宿舎借り上げ支援事業)が手厚い市町村を4つ紹介します。どれも補助が手厚い自治体ばかりなのでチェックしてみてください。
【1】横浜市
神奈川県の県庁所在地である横浜市。
全国の市町村の中でも人口トップを走り続けています。
そんな横浜市は、保育士向けの家賃補助制度(宿舎借り上げ支援事業)を充実させていることで知られています。そんな横浜市の家賃補助の詳細を下記の「表1」にまとめましたのでご覧ください。
表1:横浜市 保育士向け家賃補助(宿舎借り上げ支援事業)
補助対象者 |
・補助対象事業者の雇用開始日が属する会計年度から起算して、10年目の会計年度末までの者 ・月120時間以上保育に従事している者 |
上限補助額 |
1戸あたり月額82,000円 |
上限割合 |
借り上げた宿舎の家賃と共益費・管理費の合算額(補助基準額)の3/4 |
補助対象物件 |
・補助対象保育士を居住させるため補助対象事業者が借り上げている居住用の家屋及び家屋の部分並びにこれらに付帯する工作物その他の施設 ・原則として横浜市内施設とする。ただし、特段の理由がある場合は、市外施設も対象とする |
参考:横浜市「保育士宿舎借り上げ支援事業」
【2】川崎市
横浜市に次いで神奈川県2位の人口をほこる川崎市。
そんな川崎市も横浜市と肩を並べて保育士の家賃補助(宿舎借り上げ支援事業)が充実しています。
詳しくは、下記の「表2」をご覧ください。
表2:川崎市 保育士向け家賃補助(宿舎借り上げ支援事業)
補助対象者 |
次の要件をすべて満たした方が対象 ・施設長を除く、常勤(正規雇用)の保育士、看護師、准看護師、保健師、小学校教諭、幼稚園教諭、養護教諭であること ・世帯主又は準ずる者(世帯総収入の50%超)であって、住宅手当等を受けていないこと ・法人に採用された日から7年以内であること |
上限補助額 |
1戸あたり月額82,000円 |
上限割合 |
月額82,000円と補助対象経費を比較し、少ない方の額に3/4を乗じて得た額 |
補助対象物件 |
補助対象保育士を居住させるために事業実施者が借り上げている居住用の家屋及びこれらに付帯する工作物その他の施設 ※1 事業実施者(法人)が所有している物件は対象外 ※2 宿舎が川崎市内である必要はなし |
参考:川崎市「川崎市保育士宿舎借り上げ支援事業」
【3】鎌倉市
観光地でもあり、住みやすいエリアとして知られている鎌倉市。
そんな鎌倉市は、鎌倉市内で働きたい保育士に対して様々な支援を行っています。
以下の「表3」をご覧ください。
表3:鎌倉市 保育士向け家賃補助(宿舎借り上げ支援事業)
補助対象者 |
・保育所等に勤務する常勤の保育士(平成 24 年度以前に保育所等が借り上げる宿舎に入居している者を除く) ・保育所等に採用された日から起算して6年以内の者 |
上限補助額 |
1人あたり月額61,000円 |
上限割合 |
82,000円と、借上げ費から保育士負担額を引いた額を比較して低い方の額の3/4(1,000円未満の端数は切り捨て)
※借上げ費の詳細については、下記の鎌倉市要綱第に3条に順ずる 第3条 補助金の額は、第1号及び第2号に掲げる経費の額から第3号に掲げる額を控除した額と保育士1人当たり月額82,000円の基準額を比較して少ない方の額に4分の3を乗じて得た額とする。ただし、算出した額に1,000円未満の端数があるときは、これを切り捨てる。 (1)1箇月当たりの賃借料、共益費及び管理費 (2)礼金及び更新料又はそれらに準ずる費用として市長が認める費用を、補助対象となる住居の賃貸借契約期間の月数で除して得た額(1円未満の端数があるときは、これを切り捨てるものとする) (3)補助対象となる住居に居住する保育士が賃借料等の一部を負担する場合は、1箇月当たりの当該負担額 |
補助対象物件 |
・法人の自己所有物件は対象外 ・鎌倉市外の物件は対象 |
参考:鎌倉市「鎌倉市で保育士になりませんか」
【4】海老名市
交通の便がよいだけでなく、子どもの医療費の無償化など子育て支援が充実している海老名市。
そんな海老名市では、国の基準に従った保育士向けの家賃補助制度(保育士宿舎借り上げ支援事業)が設けられています。
以下の「表4」をご覧ください。
表4:海老名市 保育士宿舎借り上げ支援事業
補助対象者 |
採用された日から起算して10年以内 |
上限補助額 |
1人あたり月額7万円 |
補助対象物件 |
海老名市内の物件に限る |
参考①:海老名市「保健福祉部 保育・幼稚園課」
神奈川県で家賃補助(宿舎借り上げ支援事業)を実施しているその他の自治体
ここまで、神奈川県の中でも保育士向けの家賃補助(宿舎借り上げ支援事業)が手厚い市町村について紹介してきました。では、そのほかの神奈川県内の自治体はどうなっているのでしょうか。
実は、神奈川県は上記の4市以外の自治体の家賃補助も充実しています。
ここからは、神奈川県で家賃補助を実施しているその他の自治体について見ていきましょう。
ただし、自治体ごとで補助額や条件などが少しずつ違いますので注意が必要です。
詳しくは、下記の「表5」をご覧ください。
表5:保育士向けの家賃補助(その他の自治体)
横須賀市 |
家賃の上限補助額:一戸あたり月額43,500円 家賃補助の上限割合:3/4 補助対象項目:家賃 条件:雇用開始から6年以内の常勤保育士 その他:園長、施設長などは不可、年度によって変更あり |
相模原市 |
家賃の上限補助額:一戸あたり月額72,000円 家賃補助の上限割合:3/4 補助対象項目:家賃・共益費 条件:指定保育士養成施設の新卒者で、自宅からの通勤時間が概ね1時間以上の方 |
厚木市 |
家賃の上限補助額:一戸あたり月額62,000円 家賃補助の上限割合:3/4 補助対象項目: 家賃 条件:勤務する常勤の保育士のうち、採用された日から起算して6年以内の者 その他:厚木市では市内定住促進を行っており、可能な限り市内の物件での契約の協力に働きかけている |
大和市 |
家賃の上限補助額:一施設あたり月額345,000円 家賃補助の上限割合:3/4 補助対象項目: 家賃 条件: 採用から6年以内の常勤保育士 その他:主任・園長は不可 |
座間市 |
家賃の上限補助額:一戸あたり月額61,000円 家賃補助の上限割合:3/4 補助対象項目: 家賃・共益費 条件:以下の条件にあてはまる保育士 ・月120時間以上勤務の常勤および非常勤保育士 ・座間市に住民票がある保育士 ・座間市内の保育園に新たに勤務する保育士 その他:以下にあてはまる方は対象外 ・施設長 ・座間市以外の物件 ・法人(保育施設)が所有している物件 ・住居手当を受け取っている保育士 |
綾瀬市 |
家賃の上限補助額: 月額家賃から住宅手当を控除した額で月額上限4万円 補助対象項目:家賃 条件:以下のすべてに該当する方 (1)市内認可保育施設に勤務する保育士、保健師、看護師、子育て支援員 (2)当該年度を基準に、綾瀬市内の保育施設に勤務を開始してから7年以内の方 (3)独身で単身世帯の方又は独身で当該年度において18歳に達する日以後の最初の3月31日までの間にある子と同居する方 (4)常勤職員又は1日6時間以上かつ1か月20日以上勤務する方(それと同等の勤務条件と市長が認めるものを含む) (5)保育施設を設置し、又は運営している事業者の役員ではない方 |
藤沢市 |
家賃の上限補助額:保育士1人あたり月額61,500円 家賃補助の上限割合: 補助対象経費(【月毎の事業対象経費】―【月毎の本人負担額】)×4分の3×月数 補助対象項目:賃借料・共益費(管理費) 条件: 次に掲げる要件のいずれにも該当する方 (1)保育士資格を有すること (2)常勤の職員であり,保育施設を適用事業所とする社会保険に加入していること (3)保育士本人、同居人が住宅手当等の支給を受けていないこと(4)雇用開始された日の属する年度から起算して,10年以内であること その他:1施設あたり7人分まで |
茅ヶ崎市 |
家賃の上限補助額:1戸あたり月額73,000円 家賃補助の上限割合:3/4 千円未満切り捨て(令和元年からこの制度を使っている方のみ、家賃上限82,000円の3/4負担で最大61,000円補助) 補助対象項目: 家賃 条件:茅ヶ崎市内の保育園に勤務する常勤保育士(採用から9年未満)、茅ヶ崎市内の物件 その他:園長は不可 |
伊勢原市 |
家賃の上限補助額:保育士1人あたり月額58,000円 家賃補助の上限割合:3/4 補助対象項目: 家賃 条件:伊勢原市内の保育所、認定こども園、小規模保育施設で働く保育士 |
参考①:横須賀市「横須賀市保育所等運営費補助金交付要綱」
参考②:相模原市「貸付金や補助制度」
参考③:厚木市「健康こどもみらい部 保育課 保育認定・給付係」
参考④:大和市「大和市の保育士確保策について 借り上げ社宅制度」
参考⑤:座間市「保育・幼稚園課 認定給付係」
参考⑥:綾瀬市「綾瀬市保育士等家賃補助金について」
参考⑦:藤沢市「藤沢市の保育士向け支援策(保育士確保策)」
参考⑧:茅ヶ崎市「ちがさき保育士応援策(茅ヶ崎市保育士確保策)」
参考⑨:伊勢原市「伊勢原市の保育士等確保策について」
神奈川県の保育士が家賃補助を受けるための条件
ここまで、神奈川県内のたくさんの自治体の家賃補助(宿舎借り上げ支援事業)について見てきました。
どれも、経済的な負担を軽減する魅力的なものですが、残念ながら家賃補助は誰もが受けられるわけではありません。
しかし、せっかく神奈川県で保育士として活躍するなら、できるだけ家賃補助の恩恵は受けたいもの。そこで、ここからは神奈川県の保育士が家賃補助を受けるための条件について見ていきましょう。
条件1:宿舎借り上げ支援事業を利用可能な保育園に就職する
条件の1つ目は、保育士向けの家賃補助(宿舎借り上げ支援事業)を利用可能な保育園に就職することです。
保育士向けの家賃補助は、自治体では実施していても、そのエリアの保育園すべてが活用しているわけではありません。
そのため、家賃補助を受けるには、支援事業を利用できる保育園に就職する必要があります。
保育園の求人情報を見る際は、「家賃補助」「住宅手当」「宿舎借り上げ」などのワードが記載されているか必ず確認するようにしましょう。
条件2:市町村ごとに異なる条件をクリアする
条件の2つ目は、市町村ごとに異なる条件をクリアすることです。
保育園が家賃補助を活用していたとしても、市町村ごとに条件が異なっている場合があります。
たとえば、居住地域や採用からの年数、市内の物件に限るなど条件はたくさんあります。
家賃補助の条件をしっかり満たすことができるか、検討している自治体や保育園に直接聞いてみるのもよいでしょう。
神奈川県の保育士が家賃補助を受ける時の注意点
神奈川県の保育士が家賃補助(宿舎借り上げ支援事業)を受けるにあたって、いくつかの注意点があります。
後から「そんなの聞いてないよ……」とならないためにも、ここでしっかりと確認しておきましょう。
注意点1:個人ではなく法人で不動産契約を結ぶ
まず1つ目の注意点は、家賃補助(宿舎借り上げ支援事業)は、個人ではなく法人で不動産契約を結ぶということです。
つまり、保育園側が不動産業者との契約を結んで住宅を借り、保育士に提供する制度です。
そのため、保育士が個人で住宅を借りるわけではありませんので注意しましょう。勝手に個人で住宅を借りてしまった場合、家賃補助が適用されないかもしれません。
注意点2:個人負担が必要な費用がある
2つ目の注意点は、個人負担が必要な費用があるということです。
いくら家賃補助(宿舎借り上げ支援事業)が手厚い自治体でも、家賃の全額負担は行っていません。
月額の家賃から補助金額を差し引き、のこりの負担分を保育士個人が支払うのか、保育園と折半するのか、保育園がそのまま負担してくれるのかは保育園の規定次第となります。
保育士の個人負担をゼロにしている保育園もありますが、すべてではありません。
そのため、保育園によっては、一部の家賃を保育士個人が負担する場合もあることを頭に入れておきましょう。
注意点3:物件の探し方は園によって異なる
3つ目の注意点は、物件の探し方が園によって異なるということです。
家賃補助(保育士宿舎借り上げ支援事業)では、保育園が法人契約で借りた物件に保育士が居住します。
物件の探し方は、保育士の就職や異動が決定した後に、保育園が探した物件に入居する場合もあれば、保育士が好きな物件を選んで保育園に契約を依頼するケースもあります。
つまり、どのような物件に住めるかは保育園によって違うので、事前に確認しておくとよいでしょう。
注意点4:家賃補助の制度が廃止される可能性がある
最後の4つ目は、家賃補助(宿舎借り上げ支援事業)の制度自体が廃止される可能性があることです。
保育士にとって大きな負担軽減となる家賃補助ですが、近年は縮小傾向にあり、毎年国によって見直しが行われています。
国の支援が廃止されると、自治体も続けることは難しくなりますので、今後の動きはこまめにチェックしていく必要があるでしょう。
神奈川県の家賃補助の上限額は自治体によって様々!
いかがだったでしょうか?
今回は、神奈川県の家賃補助(宿舎借り上げ支援事業)についてお伝えしてきました。
上限額や条件が自治体によって様々なので驚かれた方もいるのではないでしょうか。
そのため、就職や転職を考える際に、どの地域を選ぶかは大きな判断材料になります。
家賃補助を充実させている地域や保育園を選ぶことができれば、あなたの経済的負担を大きく減らすことできるでしょう。
家賃補助を受ける際は、今回の記事を思い出して、ぜひ活用してみてください。
そして、家賃で悩みを抱えている保育士の方は、家賃補助が充実している自治体が多い神奈川県で働くことも視野に入れてみてはいかがでしょうか。