【定点調査】2022年「SDGs」に取り組む保育園は約6割 84.9%がSDGsに積極姿勢、前年比9.1ポイント増
〜『SDGsに取り組む企業は働きやすいと思う』、約8割の保育士が「SDGsに取り組む施設や団体」に就職希望〜
子どもと未来、そしてすべての人がConnect(繋がり、結びつき)する保育研究プロジェクト「子ねくとラボ(https://konnect-labo.jp/)」を運営する株式会社明日香(本社:東京都文京区、代表取締役:萩野 吉俗、https://www.g-asuka.co.jp/index.htm)は、SDGsを知っている現役保育士106名を対象に、保育の現場におけるSDGsへの取り組みに関する実態調査を実施いたしましたので、お知らせいたします。尚、本調査は2021年に発表した同内容の調査(*)の定点観測調査です。
■調査サマリー
■調査概要
調査概要:保育の現場におけるSDGsへの取り組みに関する実態調査
調査方法:IDEATECHが提供するリサーチPR「リサピー®︎」の企画によるインターネット調査
調査期間:2022年11月14日〜同年11月19日
有効回答:SDGsを知っている現役保育士106名
※構成比は小数点以下第2位を四捨五入しているため、合計しても必ずしも100とはなりません。
*参考|2021年6月25日発表「保育の現場におけるSDGsへの取り組み」に関する実態調査
https://www.g-asuka.co.jp/topics/20210625.html
≪利用条件≫
1 情報の出典元として「子ねくとラボ」の名前を明記してください。
2 ウェブサイトで使用する場合は、出典元として、下記リンクを設置してください。
■2022年、「SDGsに取り組む保育園」は約6割
「Q1.あなたが勤める保育園では地域貢献や環境保全などSDGsに関係する取り組みを行っていますか。」(n=106)と質問したところ、「はい」が56.6%、「いいえ」が21.7%、2021年(n=95)は「はい」が61.1%、「いいえ」が18.9%という回答となりました。
<2022年(n=106)>
・はい:56.6%
・いいえ:21.7%
・わからない:21.7%
<2021年(n=95)>
・はい:61.1%
・いいえ:18.9%
・わからない:20.0%
■2022年のSDGsの取り組み内容、「食事等のゴミを出さない取組み」や「環境問題に関心をもてるようなイベントの開催」などを実施
Q1で「はい」と回答した方に、「Q2.取り組みの内容について具体的に教えてください。」と質問したところ、2022年(n=60)は「食事等のゴミを出さない取組み」や「環境問題に関心をもてるようなイベントの開催」、2021年(n=58)は「ペットボトルや牛乳パックなどで工作をする」や「シーズンに1度、使用する公園をみんなで掃除する」などの回答を得ることができました。
<2022年:自由回答・一部抜粋>
・30歳:食事等のゴミを出さない取組み。
・34歳:環境問題に関心をもてるようなイベントの開催。
・38歳:使い捨てでなく様々な物のリサイクルを心がけている。
・31歳:子供服の回収リサイクルゴミ分別の徹底。
・36歳:ペットボトルのキャップを集めて寄付する。
・37歳:子どもたちにSDGsの大切さを教えている。
・36歳:オムツゴミの回収。
・36歳:畑での活動、地域のゴミ拾いなど。
<2021年:自由回答・一部抜粋>
・36歳:リサイクルできるものを集めている。
・45歳:ペットボトルや牛乳パックなどを使って、工作をする。
・45歳:地域の高齢者施設との交流や外国へ古着を送る団体への協力。
・43歳:シーズンに1度、使用する公園をみんなで掃除する。
・25歳:給食の残飯を残さないように食事前に残す子どもには減らすように声をかける。
・53歳:園内の自然環境整備、子どもたちに自然とふれあう大切さなどを経験できる環境づくりをしています。
・33歳:地域の学校や老人施設などとの交流がある。
・53歳:食べ物の大事さを教えている。
■6割の保育園で「SDGs」に関して学ぶ機会あり
Q1で「はい」と回答した方に、「Q3.あなたが勤める保育園では、SDGsに関して学ぶ機会(研修・勉強会など)はありますか。」と質問したところ、2022年(n=60)は「はい」が60.0%、「いいえ」が33.3%という回答となりました。
<2022年(n=60)>
・はい:60.0%
・いいえ:33.3%
・わからない:6.7%
■84.9%の保育士が「保育の現場でのSDGs目標への取り組み」に意欲、前年比9.1ポイント増
「Q4.あなたは保育の現場でSDGs目標に取り組みたいと思いますか。」と質問したところ、2022年(n=106)は「とても思う」が25.5%、「思う」が59.4%、2021年(n=95)は「とても思う」が28.4%、「思う」が47.4%という回答となりました。
<2022年(n=106)>
・とても思う:25.5%
・思う:59.4%
・あまり思わない:11.3%
・思わない:1.9%
・わからない:1.9%
<2021年(n=95)>
・とても思う:28.4%
・思う:47.4%
・あまり思わない:4.2%
・思わない:2.1%
・わからない:8.4%
・既に取り組んでいる:9.5%
■最も注目度の高い項目は、「人々に保健と福祉を」
Q4で「とても思う」「思う」と回答した方に、「Q5.取り組みたい項目を教えてください。(複数回答)」と質問したところ、2022年(n=90)は「人々に保健と福祉を」が53.3%、「質の高い教育をみんなに」が45.6%、「ジェンダー平等を実現しよう」が41.1%、2021年(n=72)は「質の高い教育をみんなに」が55.6%、「すべての人に健康と福祉を」が47.2%という回答となりました。
<2022年(n=90)>
・人々に保健と福祉を:53.3%
・質の高い教育をみんなに:45.6%
・ジェンダー平等を実現しよう:41.1%
・住み続けられるまちづくりを:36.7%
・貧困をなくそう:34.4%
・平和と公正をすべての人に:32.2%
・人や国の不平等をなくそう:31.1%
・海の豊かさを守ろう:27.8%
・飢餓をゼロに:26.7%
・陸の豊かさも守ろう:26.7%
・安全な水とトイレを世界中に:23.3%
・つくる責任つかう責任:23.3%
・エネルギーをみんなに、そしてクリーンに:20.0%
・働きがいも経済成長も:16.7%
・気候変動に具体的な対策を:14.4%
・パートナーシップで目標を達成しよう:7.8%
・産業と技術革新の基盤をつくろう:5.6%
<2021年(n=72)>
・質の高い教育をみんなに:55.6%
・人々に健康と福祉を:47.2%
・飢餓をゼロに:37.5%
・ジェンダー平等を実現しよう:37.5%
・人や国の不平等をなくそう:37.5%
・貧困をなくそう:36.1%
・海の豊かさを守ろう:33.3%
・住み続けられるまちづくりを:31.9%
・エネルギーをみんなに そしてクリーンに:30.6%
・つくる責任つかう責任:30.6%
・陸の豊かさも守ろう:30.6%
・安全な水とトイレを世界中に:29.2%
・平和と公正をすべての人に:27.8%
・気候変動に具体的な対策を:22.2%
・働きがいも経済成長も:20.8%
・産業と技術革新の基盤をつくろう:11.1%
・パートナーシップで目標を達成しよう:6.9%
■8割強が、保育園で環境問題や地域貢献について「取り組むべき」と回答
「Q6.保育園では環境問題や地域貢献など社会的な取り組みを行うべきだと思いますか。」と質問したところ、2022年(n=106)は「とても思う」が29.2%、「思う」が53.8%、2021年(n=95)は「とても思う」が41.0%、「思う」が49.5%という回答となりました。
<2022年(n=106)>
・とても思う:29.2%
・思う:53.8%
・あまり思わない:12.3%
・思わない:2.8%
・答えたくない:1.9%
<2021年(n=95)>
・とても思う:41.0%
・思う:49.5%
・あまり思わない:6.3%
・思わない:2.1%
・答えたくない:1.1%
■保育園で環境問題や地域貢献に取り組むべき理由、「子供たちに将来そういった意識を自然と持ってもらうため」や「まだ小さなうちに当たり前のこととして身につけてほしいので」など
Q6で「とても思う」「思う」と回答した方に、「Q7.その理由を具体的に教えてください。(自由回答)」と質問したところ、2022年(n=93)は「子供たちに将来そういった意識を自然と持ってもらうため」や「まだ小さなうちに当たり前のこととして身につけてほしいので」、2021年(n=86)は「保育園から始めれば、子どもたちも身近に感じやすい」や「地域との交流によって子どもたちが得ることも多いから」などの回答を得ることができました。
<2022年:自由回答・一部抜粋>
・38歳:子供たちに将来そういった意識を自然と持ってもらうため。
・39歳:まだ小さなうちに当たり前のこととして身につけてほしいので。
・40歳:未来を担う子供たちに、SDGsの考えを早くから知り慣れてもらいたいから。
・41歳:小さい頃から当たり前に行動することが未来の当たり前に繋がっていくと思うから。
・34歳:地球に住み続けるためには、今生きている自分たちから、様々な問題に関心をもつべきだと思うから。
・29歳:将来を担う子どもたちに、見本を示すため。
・28歳:今後生きていく子どもたちが自然と環境について考えられるようにしていきたい。
<2021年:自由回答・一部抜粋>
・29歳:保育園から始めれば、子どもたちも身近に感じやすい。
・59歳:地域との交流によって子どもたちが得ることも多いから。
・49歳:今の子どもが大きくなる頃のほうがより、身近になっているので、今からそれが普通になって欲しいから。
・31歳:幼い頃から問題を身近に感じることが大事だから。
・34歳:大人が子どもたちに伝えるべき教育のひとつとして、必要だと思うから。
・26歳:保育園が人間性や社会性を培う基礎の段階だと思っているから。
■約8割の保育士が「SDGsに取り組む施設や団体」に就職を希望
「Q8.あなたはSDGsに関する取り組みを行っている施設・団体に就職したいと思いますか。」と質問したところ、2022年(n=106)は「とても思う」が23.6%、「思う」が55.7%、2021年(n=95)は「とても思う」が32.6%、「思う」が56.8%という回答となりました。
<2022年(n=106)>
・とても思う:23.6%
・思う:55.7%
・あまり思わない:17.9%
・思わない:2.8%
<2021年(n=95)>
・とても思う:32.6%
・思う:56.8%
・あまり思わない:9.5%
・思わない:1.0%
■「園全体として意識が高く、子供の教育にもよいから」や「平等意識のある職場は働きやすいと思うから」などの意見も
Q8で「とても思う」「思う」と回答した方に、「Q9.その理由を具体的に教えてください。(自由回答)」と質問したところ、2022年(n=84)は「園全体として意識が高く、子供の教育にもよいから」や「平等意識のある職場は働きやすいと思うから」、2021年(n=85)は「子どもたちの将来を考えて」や「SDGsに取り組んでいる団体は、労働条件についても考えていそうだから」などの回答を得ることができました。
<2022年:自由回答・一部抜粋>
・38歳:園全体として意識が高く、子供の教育にもよいから。社会貢献にもつながりそうだから。
・34歳:SDGsに対して取り組むことが当然の世の中になってきているほど、大切なことだから。
・55歳:自分自身も積極的に社会貢献したいと思ったから。
・40歳:平等意識のある職場は働きやすいと思うから。
・31歳:未来を見据えていると思うから。
・35歳:自分だけではなかなか何から取り組んでいけば良いのかわからないからです。
・33歳:保育園も環境や社会に適していく必要がある。子どもにも伝えていきたい内容だから。
・29歳:プライベートだけでなく、仕事でも持続可能な開発を続け、貢献したいから。
・27歳:社会で大事にされている取り組みを行うことに積極的だと感じるから。
<2021年:自由回答・一部抜粋>
・59歳:いろいろな観点からみていけるほうが人や物に対して敬意をもって接することができるから。
・49歳:それが普通の生活になっていくと思うから。
・49歳:環境問題は個人の活動の積み重ねが大事だと思うので、どうせならSDGsに取り組むところで働きたい。
・44歳:変わらないところよりも進化するところの方が良いから。
・43歳:そこに目がいっていないところで、教育が行われても口だけにしか感じないから
・43歳:子どもたちの将来を考えて。
・57歳:意識が高い企業は労働条件についても考えてくれているのではないかと思うので。
■91.7%が、勤務する保育園の「SDGsに関する取り組みの情報発信」を希望
Q1で「はい」と回答した方に、「Q10.SDGsに関する取り組みについて、お勤めの保育園がより外へ情報発信をして欲しいと思いますか。」と質問したところ、2022年(n=60)は「とても思う」が35.0%、「思う」が56.7%、2021年(n=58)は「とても思う」が51.8%、「思う」が37.9%という回答となりました。
<2022年(n=60)>
・とても思う:35.0%
・思う:56.7%
・あまり思わない:6.7%
・思わない:1.7%
<2021年(n=58)>
・とても思う:51.8%
・思う:37.9%
・あまり思わない:6.9%
・思わない:3.4%
■まとめ
定点で実施している、保育の現場におけるSDGsへの取り組みに関する実態調査。2022年の「SDGsに取り組む保育園」は約6割となりました。また、84.9%の保育士が、保育の現場でSDGs目標に取り組みたいと回答しており、「環境問題や地域貢献」についての園での取り組みにも8割強が意欲を示しています。その背景には、「子供たちに将来そういった意識を自然と持ってもらうため」や「まだ小さなうちに当たり前のこととして身につけてほしいので」などの理由が挙げられており、保育士の保育に対する想いも伺えました。
SDGsへの関心が高まる中、保育の現場においてもSDGsへの取り組みが拡がっていることが明らかになりました。また、約8割の保育士が「SDGsに取り組む施設や団体」に就職を希望している通り、保育園の方針としてSDGsへの取り組みが積極的に行われていると、その保育園の働く環境も良いイメージを持つ保育士が多いことが分かりました。SDGsは、地球規模の目標ですが、保育園における取り組みを切り取ってもポジティブな連鎖が起こっているようです。意識の高い保育士を起点に、子どもや保護者、地域の人たちへもSDGsの和が拡がるきっかけにもなるのではないでしょうか。
■「子ねくとラボ」について
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