<物価高騰・円安>55.1%の保育士が「保育の質」にも影響を実感『教材の買い替え』『食材の高騰で給食メニューが変わった』など 〜約半数が「保育士を続けること」を不安視も〜
子どもと未来、そしてすべての人がConnect(繋がり、結びつき)する保育研究プロジェクト「子ねくとラボ(https://konnect-labo.jp/)」を運営する株式会社明日香(本社:東京都文京区、代表取締役:萩野 吉俗、https://www.g-asuka.co.jp/index.htm)は、保育士107名を対象に、物価高騰・円安に伴う保育への影響に関する実態調査を実施いたしましたので、お知らせいたします。
■調査サマリー
■調査概要
調査概要:物価高騰・円安に伴う保育への影響に関する実態調査
調査方法:IDEATECHが提供するリサーチPR「リサピー®︎」の企画によるインターネット調査
調査期間:2022年12月5日〜同年12月9日
有効回答:保育士107名
※構成比は小数点以下第2位を四捨五入しているため、合計しても必ずしも100とはなりません。
≪利用条件≫
1 情報の出典元として「子ねくとラボ」の名前を明記してください。
2 ウェブサイトで使用する場合は、出典元として、下記リンクを設置してください。
■保育士の55.1%が「円安や物価高騰による保育の質への影響」を実感
「Q1.2022年は、円安や物価高騰となりましたが、これらが保育の質に影響していると感じる場面はありますか。」(n=107)と質問したところ、「とてもある」が20.5%、「ややある」が34.6%という回答となりました。
・とてもある:20.5%
・ややある:34.6%
・あまりない:34.6%
・全くない:10.3%
■影響を感じる場面として、約半数が「教材・制作物素材の買い控え」「園内の節電」と回答
Q1で「とてもある」「ややある」と回答した方に、「Q2.どのような場面で影響を感じますか。(複数回答)」(n=59)と質問したところ、「教材・制作物素材の買い控え」が50.8%、「園内の節電」が47.5%、「玩具・絵本の買い控え」が45.8%という回答となりました。
・教材・制作物素材の買い控え:50.8%
・園内の節電:47.5%
・玩具・絵本の買い控え:45.8%
・給食費の高騰:44.1%
・待遇の変化(賞与等):35.6%
・業務量の増加(節約・買い控えによる影響):25.4%
・行事数の減少・簡素化:16.9%
・その他:1.7%
ー44歳:消耗品の節約
■「食材の高騰で給食メニューが変わった」や「猛暑の時でも節電呼びかけ」で影響を感じたとの声も
Q1で「とてもある」「ややある」と回答した方に、「Q3.どのような場面で影響を感じますか。自由に教えてください(自由回答)」(n=59)と質問したところ、「食材の高騰で給食メニューが変わった」や「猛暑の時でも節電呼びかけ」など46の回答を得ることができました。
<自由回答・一部抜粋>
・44歳:食材の高騰で給食メニューが変わった。
・31歳:猛暑の時でも節電呼びかけ。
・27歳:物品購入の制限がきつくなった。
・36歳:職員の昼食代が上がったり、用品もまとめ買いをした方が安いとのことですぐに買ってもらえない。
・44歳:消耗品(ペーパー類やごみ袋など)を節約して使う。
・43歳:資材節約への意識。
・42歳:現在の給食費では献立が限られてしまう。
・34歳:レンタルの布団代の値上げ。
■保育士の79.5%が「円安や物価高騰」が自身の生活にも影響していると実感
「Q4.円安や物価高騰が、ご自身の仕事以外の生活環境に影響していると感じる場面はありますか。」(n=107)と質問したところ、「とてもある」が36.5%、「ややある」が43.0%という回答となりました。
・とてもある:36.5%
・ややある:43.0%
・あまりない:16.8%
・全くない:3.7%
■影響を感じる場面として、「生活費の高騰」が96.5%で最多
Q4で「とてもある」「ややある」と回答した方に、「Q5.どのような場面で影響を感じますか。(複数回答)」(n=85)と質問したところ、「生活費の高騰」が96.5%、「趣味の制限」が23.5%、「ストレス発散の制限」が22.4%という回答となりました。
・生活費の高騰:96.5%
・趣味の制限:23.5%
・ストレス発散の制限:22.4%
・家賃の高騰:7.1%
・その他:2.4%
ー33歳:値段が高騰している
■他にも「何でも値上げで生活しにくい」や「燃料費の高騰で行動が制限されることがふえる」などの声も
Q4で「とてもある」「ややある」と回答した方に、「Q6.どのような場面で影響を感じますか。自由に教えてください(自由回答)」(n=85)と質問したところ、「何でも値上げで生活しにくい」や「燃料費の高騰で行動が制限されることがふえる」など74の回答を得ることができました。
<自由回答・一部抜粋>
・52歳:何でも値上げで生活しにくい。
・68歳:燃料費の高騰で行動が制限されることがふえる。食品の高騰で家計への打撃が増える。
・53歳:買い物に行っても高くて買うのを躊躇することが増えた。
・36歳:何を買うにしてもどこに行くにしても値段が上がって、給料は低いままで生活が苦しい。
・33歳:野菜が中々買えない。
・32歳:外食を減らし、食費もプライベートブランドのものを選んだり嗜好品を買うことが減ったりした。
・32歳:食費や生活費、子どもがいるのでオムツなど値上がりして節約してるつもりだが出来てるのかわからない。車通勤で、ガソリン代も値上がりし金銭面がしんどい。
・51歳:物価高騰に加え、社会保険料の増加は本当に、私はパート勤務なので、生活に直面しています。他のことでは我慢できるが、医療費はなかなか節約できない。
■円安や物価高騰の影響で、約半数が「保育士を続けること」に不安
Q4で「とてもある・ややある」と回答した方に、「Q7.円安や物価高騰の影響が理由で、保育士を続けることに不安を感じていますか。」(n=85)と質問したところ、「非常に感じている」が13.0%、「やや感じている」が32.9%という回答となりました。
・非常に感じている:13.0%
・やや感じている:32.9%
・あまり感じていない:50.6%
・全く感じていない:3.5%
■勤め先の保育園で「物価高騰に伴う補助金」の活用率はわずか7.5%
「Q8.あなたがお勤めの保育園では、自治体から物価高騰に伴う補助金(保育園の食費や光熱費等)を受けていますか。」(n=107)と質問したところ、「受けている」が7.5%、「受けていない」が27.1%という回答となりました。
・受けている:7.5%
・受けていない:27.1%
・わからない(自治体の状況がわからない):41.1%
・わからない(園内で情報共有を受けていない):24.3%
■まとめ
今回は、保育士107名を対象に、物価高騰・円安に伴う保育への影響に関する実態調査を実施しました。
円安や物価高騰が続く中、保育士の55.1%は、「保育の質」への影響を実感しており、「教材・制作物素材の買い控え」や「園内の節電」などが理由として挙げられました。さらに、「食材の高騰で給食メニューが変わった」や「猛暑の時でも節電呼びかけ」により影響を感じたとの意見も多く、円安や物価高騰による影響は保育の現場にまで及んでいることが伺えました。
なお、円安や物価高騰により「保育士自身の生活」も困窮しているという悲痛な声も多数挙がっており、保育士としての仕事の継続に対する不安も浮き彫りとなりました。このような状態が慢性化することは、保育士の人材不足が加速する要因ともなります。保育の質を上げるためには、食材費や光熱費といった運営費に係る補助以外に、保育士への生活を守るためのサポートが求められているのではないでしょうか。
■「子ねくとラボ」について
「子ねくとラボ」は、「子ども+Nursery(保育)+Education(教育)・Entertainment(エンターテインメント)+Creation(創造)+Trend(トレンド)」の要素から構成された、子どもと未来、そしてすべての人がConnect(繋がり、結びつき)する保育研究プロジェクトです。子育てや保育に関する「調査レポート」や「ニュース/記事」、また「子ねくとラボ」が提供しているサービスについて発信しております。
事業名 :子ねくとラボ
事業責任者 :末廣 剛
サービス内容:・選ばれる園づくりコンサルティングサービス
・保育施設向け研修&巡回サービス
・保育専門実証実験 コーディネートサービス
・スタートアップ支援サービス