【保育士の採用担当者に調査】約9割が、保育士採用のために「保育施設のPRが必要」と回答
一方、PR未実施の園からは「人員が割けない」「時間がない」などが課題として浮上
子どもと未来、そしてすべての人がConnect(繋がり、結びつき)する保育研究プロジェクト「子ねくとラボ(https://konnect-labo.jp/)」を運営する株式会社明日香(本社:東京都文京区、代表取締役:萩野 吉俗、https://www.g-asuka.co.jp/index.htm)は、自社・自施設に関する保育士の採用業務に携わっていた経験がある方(園長・人事等)85名を対象に、保育士の採用手法に関する実態調査を実施いたしましたので、お知らせいたします。
■調査サマリー
■調査概要
調査概要:保育士の採用手法に関する実態調査
調査方法:IDEATECHが提供するリサーチPR「リサピー®︎」の企画によるインターネット調査
調査期間:2023年2月22日〜同年2月27日
有効回答:自社・自施設に関する保育士の採用業務に携わっている方(園長・人事)85名
※構成比は小数点以下第2位を四捨五入しているため、合計しても必ずしも100とはなりません。
≪利用条件≫
1 情報の出典元として「子ねくとラボ」の名前を明記してください。
2 ウェブサイトで使用する場合は、出典元として、下記リンクを設置してください。
■保育士の採用に向け、約6割が「自社ホームページの作成」を実施
「Q1.保育士の採用に関して、行っていることを教えてください。(複数回答)」(n=85)と質問したところ、「自社ホームページの作成」が57.6%、「転職求人サイトの活用」が55.3%、「ハローワークでの求人掲載」が41.2%という回答となりました。
・自社ホームページの作成:57.6%
・転職求人サイトの活用:55.3%
・ハローワークでの求人掲載:41.2%
・指定保育士養成施設・専門学校での求人募集:36.5%
・SNS活用:28.2%
・人材紹介会社(派遣含む)の活用:23.5%
・転職フェア・イベントへの参加:23.5%
・採用PR動画の発信:18.8%
・保育士・保育所支援センターの活用:17.6%
・リファラル採用(知人紹介)の実施:15.3%
・求職者へのパンフレット作成:14.1%
・自施設でのイベント開催:14.1%
・チラシ配り・ポスティング:9.4%
・折り込みチラシや地域の情報誌、フリーペーパーなどへの記載:4.7%
・ダイレクトリクルーティングの実施:3.5%
・その他:1.2%
・特にない:8.2%
・わからない/答えられない:7.1%
■その他には「勤務されている方からのご紹介等」や「実習先の学校との連携」など
Q2で「特にない」「わからない/答えられない」以外を回答した方に、「Q1で回答した以外に、保育士の採用手法に関して行っていることがあれば、自由に教えてください。(自由回答)」(n=79)と質問したところ、 「勤務されている方からのご紹介等」や「実習先の学校との連携」など49の回答を得ることができました。
<自由回答・一部抜粋>
・27歳:勤務されている方からのご紹介等。
・32歳:実習先の学校との連携。
・26歳:大学訪問。
・48歳:学校に電話していい人いないか相談したりしている。
・43歳:学生アルバイト。
■約9割が「保育士採用のためには、保育施設の魅力を発信する活動が必要」と回答
「Q3.保育士を採用するために、保育施設の魅力を発信する活動(PR)が必要だと感じていますか。」(n=85)と質問したところ、「非常に感じている」が60.0%、「やや感じている」が27.1%という回答となりました。
・非常に感じている:60.0%
・やや感じている:27.1%
・あまり感じていない:8.2%
・全く感じていない:1.2%
・わからない/答えられない:3.5%
■「保育施設のPRが必要」と回答した方のうち、約7割がPR活動を実施中
Q3で「非常に感じている」「やや感じている」と回答された方に、「Q4.保育士を採用するために、保育施設のPRを行っていますか。」(n=74)と質問したところ、「行っている」が66.2%、「行っていない」が24.3%という回答となりました。
・行っている:66.2%
・行っていない:24.3%
・わからない:9.5%
■「法人理念」や「日常の保育の様子、保育士の動き」などの発信も
Q4で「行っている」と回答した方に、「Q5.保育施設のPRとして発信している情報(コンテンツ)を教えてください。(自由回答)」(n=49)と質問したところ、「法人理念」や「日常の保育の様子や、保育士の動き」など42の回答を得ることができました。
<自由回答・一部抜粋>
・47歳:法人理念、園の雰囲気。
・36歳:現場保育士や園長のインタビュー、オンライン園見学。
・26歳:日常の保育の様子や、保育士の動き。
・27歳:保育園内での行事も含めて職員同士の仲の良さや勤務時間等の発信。
・29歳:力を入れているカリキュラム活動の内容について、保育士のインタビュー動画をHPに載せている。
・42歳:施設のきれいさ、立地条件など。
・41歳:施設や周辺環境について。
■保育施設のPRが必要だと感じつつも行っていない理由、半数が「人員が割けない」と回答
Q3で「非常に感じている」「やや感じている」かつQ4で「行っていない」と回答した方に、「Q6.保育士を採用するために、保育施設のPRが必要だと感じつつも行っていない理由を教えてください。」(n=18)と質問したところ、「人員が割けない」が50.0%、「何をしたらいいかわからない」が27.7%という回答となりました。
・何をしたらいいかわからない:27.7%
・人員が割けない:50.0%
・時間がない:11.1%
・予算がない:5.6%
・実行のノウハウがない:0.0%
・その他:5.6%
■保育施設のPRが必要だと感じつつも行っていない理由、「やり方が不明」や「余裕がない」など
Q3で「非常に感じている」「やや感じている」かつQ4で「行っていない」と回答した方に、「Q7.保育士を採用するために、保育施設のPRが必要だと感じつつも行っていない理由を自由に教えてください。(自由回答)」(n=19)と質問したところ、「やり方が不明」や「余裕がない」など16の回答を得ることができました。
<自由回答・一部抜粋>
・33歳:やり方が不明、時間もお金も割けない。
・31歳:いろいろ余裕がない。
・26歳:上が新しいことを始めることに消極的。
・50歳:専門職種なので、特にどうしたら良いのかが分からない。
・35歳:現場の人員確保だけで精一杯で、園のPRまでとなると負担が大きい。就職フェアなども参加したいが、その分をシフトに組まないといけないため、他の人にも負担になる。
・44歳:できる人員と、時間がない。
・46歳:それを決定、遂行する立場にない。
■まとめ
今回は、自社・自施設に関する保育士の採用業務に携わっていた経験がある方(園長・人事等)85名を対象に、保育士の採用手法に関する実態調査を実施しました。
保育士の採用に向けては、「自社ホームページの作成」を筆頭に、転職求人サイトやハローワークの活用、SNS運用など、様々な施策をしていることが分かりました。中には、「チラシ配り」や「ポスティング」を実施している施設もあり、人材確保に奮闘している様子が伺えました。また、約9割が、保育士採用のために「保育施設のPRが必要」と回答しており、約7割の園で「園の様子」や「理念や考え方」を発信するなどのPR活動を実施。一方で、PRの重要性を認識していても実行に移せていない園からは、「人材不足」や「やり方がわからない」などの課題が挙げられています。
先日、岸田総理から保育士の配置基準見直しについて言及がありました(※)。この見直しは保育の質向上と安全性の向上を目的としますが、その他にも保育士の業務負担軽減といった、いわゆる人材確保にも繋がるものです。デジタルネイティブ世代の新卒保育士が就職するようになった今、幅広く保育士から選ばれる園になるためには、時代にマッチした方法で自園の魅力を発信することがとても大切になります。またそれと同時に、評価制度や労働環境など、保育士が長く働ける組織づくりについても、社会動向に適応した取り組みが求められています。異次元の対策は、保育事業全般において必要なのかもしれません。