【定点調査】2023年「SDGsに取り組む保育園」は68.3%、昨対比11.7ポイントアップ SDGsを保育に取り入れ、7割以上の園で「良い変化」を実感
〜SDGsを取り入れた保育、「子どもたちの人格形成や発達に効果あり」54.0%、「子どもたちの生活習慣(食事など)に変化あり」50.0%〜
子どもと未来、そしてすべての人がConnect(繋がり、結びつき)する保育研究プロジェクト「子ねくとラボ(https://konnect-labo.jp/)」を運営する株式会社明日香(本社:東京都文京区、代表取締役:萩野 吉俗、https://www.g-asuka.co.jp/index.htm)は、SDGsを知っている現役保育士105名を対象に、【2023年版】保育の現場におけるSDGsへの取り組みに関する実態調査を実施しましたので、お知らせいたします。尚、本調査は2022年に発表した同内容の調査(※)の定点観測調査です。
■調査サマリー
■調査概要
調査概要:【2023年版】保育の現場におけるSDGsへの取り組みに関する実態調査
調査方法:IDEATECHが提供するリサーチPR「リサピー®︎」の企画によるインターネット調査
調査期間:2023年7月6日〜同年7月7日
有効回答:SDGsを知っている現役保育士105名
※構成比は小数点以下第2位を四捨五入しているため、合計しても必ずしも100とはなりません。
※定点調査:2022年12月発表|【2022年版】保育の現場におけるSDGsへの取り組みに関する実態調査
|https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000085.000043389.html
≪利用条件≫
1 情報の出典元として「子ねくとラボ」の名前を明記してください。
2 ウェブサイトで使用する場合は、出典元として、下記リンクを設置してください。
■SDGsに関する取り組みを実施している保育園は68.3%、2022年と比較して11.7ポイント増
「Q1.あなたが勤める保育園では地域貢献や環境保全などSDGsに関係する取り組みを行っていますか。」(n=104)と質問したところ、「はい」が68.3%、「いいえ」が15.4%という回答となりました。
<2023年(n=104)>
・はい:68.3%
・いいえ:15.4%
・わからない:16.3%
<2022年(n=106)>
・はい:56.6%
・いいえ:21.7%
・わからない:21.7%
■約7割の保育園でSDGsに関して学ぶ機会あり、2022年と比較して6.2ポイント増
Q1で「はい」と回答した方に、「Q2.あなたが勤める保育園では、SDGsに関して学ぶ機会(研修・勉強会など)はありますか。」(n=71)と質問したところ、「はい」が66.2%、「いいえ」が33.8%という回答となりました。
<2023年(n=71)>
・はい:66.2%
・いいえ:33.8%
・わからない:0.0%
<2022年(n=60)>
・はい:60.0%
・いいえ:33.3%
・わからない:6.7%
■7割以上が、SDGsを保育に取り入れたことにより「良い変化があった」と回答
Q1で「はい」と回答した方に、「Q3.SDGsを保育に取り入れたことにより、どのような変化がありましたか。」(n=71)と質問したところ、「非常に良い変化があった」が23.9%、「やや良い変化があった」が46.5%という回答となりました。
・非常に良い変化があった:23.9%
・やや良い変化があった:46.5%
・やや悪い変化があった:1.4%
・非常に悪い変化があった:1.4%
・変化はない:19.7%
・わからない/保育に取り入れていない:7.0%
■良い変化の内容、「子どもたちの人格形成や発達に効果があった」が54.0%で最多
Q3で「非常に良い変化があった」「やや良い変化があった」と回答した方に、「Q4.SDGsを保育に取り入れたことによる良い変化について教えてください。(複数回答)」(n=50)と質問したところ、「子どもたちの人格形成や発達に効果があった」が54.0%、「子どもたちの生活習慣(食事など)に変化があった」が50.0%、「保護者との関わりのきっかけとなった」が30.0%という回答となりました。
・子どもたちの人格形成や発達に効果があった:54.0%
・子どもたちの生活習慣(食事など)に変化があった:50.0%
・保護者との関わりのきっかけとなった:30.0%
・子どもたちの間でコミュニケーションの機会が増えた:26.0%
・周辺地域や外部団体との連携につながった:22.0%
・保育士の新規採用に効果があった:14.0%
・職員の離職防止に効果があった:8.0%
・その他:2.0%
・わからない/答えられない:0.0%
■SDGsを取り入れる際に課題となったもの、「わかりやすくSDGsについて伝えること」が51.5%で最多
Q3で「わからない/保育に取り入れていない」以外を回答した方に、「Q5.SDGsを取り入れる際に課題となったものについて教えてください。(複数回答)」(n=66)と質問したところ、「わかりやすくSDGsについて伝えること」が51.5%、「子どもに興味を持ってもらうこと」が45.5%、「保育士のSDGsについての勉強時間の確保」が30.3%という回答となりました。
・わかりやすくSDGsについて伝えること:51.5%
・子どもに興味を持ってもらうこと:45.5%
・保育士のSDGsについての勉強時間の確保:30.3%
・子どもに興味を持ってもらえるような指導を考えること:27.3%
・保護者への発信:25.8%
・SDGsを学ぶイベントの企画:16.7%
・その他:0.0%
・特にない:12.1%
・わからない/答えられない:4.5%
■SDGsを取り入れる際に課題となったもの、「職員の意識にばらつきがある」や「年齢ごとにどこまで取り組めるか」などの声
Q5で「わからない/答えられない」「特にない」以外を回答した方に、「Q6.Q5で回答された以外にSDGsを取り入れる際に課題となったものがあれば教えてください。(自由回答)」(n=63)と質問したところ、「職員の意識にばらつきがあること」や「年齢ごとにどこまで取り組めるか」など39の回答を得ることができました。
<自由回答・一部抜粋>
・38歳:職員の意識にばらつきがあること。
・38歳:年齢ごとにどこまで取り組めるか。
・43歳:職員の意識の変革。
・35歳:子どもへ伝えるための教材作り。
・29歳:職員の共通認識、熱量が必要であった。
・39歳:言葉が難しいこと。
・33歳:どのような場面で取り入れ、指導していくと良いか。
■約6割が「子どもたちの成長・発達への効果」を目的として、今後のSDGsの取り組みを進めていくと回答
Q1で「はい」と回答した方に、「Q7.今後どのような効果を目的として、SDGsの取り組みを進めていくつもりか教えてください。(複数回答)」(n=71)と質問したところ、「子どもたちの成長・発達への効果」が59.2%、「保護者・利用者への園の魅力向上」が39.4%、「地域や自治体に向けた社会貢献度のアピール」が33.8%という回答となりました。
・子どもたちの成長・発達への効果:59.2%
・保護者・利用者への園の魅力向上:39.4%
・地域や自治体に向けた社会貢献度のアピール:33.8%
・園内全体のコミュニケーションレベルの向上:25.4%
・保育士の仕事への満足度向上による離職率の低下:22.5%
・保育士の新規採用にむけた園の魅力向上:21.1%
・その他:7.0%
・わからない/答えられない:8.5%
■2022年に比べ12ポイント減したものの、約7割の保育士が、SDGsに関する取り組みを行っている施設・団体に就職希望
「Q8.あなたはSDGsに関する取り組みを行っている施設・団体に就職したいと思いますか。」(n=104)と質問したところ、「とても思う」が23.1%、「思う」が44.2%という回答となりました。
<2023年(n=104)>
・とても思う:23.1%
・思う:44.2%
・あまり思わない:15.4%
・思わない:5.8%
・わからない:11.5%
<2022年(n=106)>
・とても思う:23.6%
・思う:55.7%
・あまり思わない:17.9%
・思わない:2.8%
■SDGsに関する取り組みを行っている施設・団体に就職したい理由、「意識が高く、社会への貢献ややりがいもありそうだから」や「環境について子どもたちに伝えられるきっかけになるから」などの声
Q8で「とても思う」「思う」と回答した方に、「Q9.その理由を具体的に教えてください。(自由回答)」(n=70)と質問したところ、「意識が高く、社会への貢献ややりがいもありそうだから」や「環境について子どもたちに伝えられるきっかけになるから」など55の回答を得ることができました。
<2023年:自由回答・一部抜粋(n=70)>
・38歳:意識が高く、社会への貢献ややりがいもありそうだから。
・25歳:環境について子どもたちに伝えられるきっかけになるから。
・29歳:地球に貢献的な企業は福利厚生面などでも様々な面で協力的であると思うから。
・29歳:今後の子どもたちのために大切な取り組みだと思うから。
・30歳:環境や社会などに良い行いをするのは良いと思うから。
・39歳:小さい頃から伝えることで、将来を担う子どもたちにとって当たり前になると思うから。
・44歳:社会情勢に敏感でありたい。
<2022年:自由回答・一部抜粋(n=84)>
・38歳:園全体として意識が高く、子供の教育にもよいから。社会貢献にもつながりそうだから。
・34歳:SDGsに対して取り組むことが当然の世の中になってきているほど、大切なことだから。
・55歳:自分自身も積極的に社会貢献したいと思ったから。
・40歳:平等意識のある職場は働きやすいと思うから。
・31歳:未来を見据えていると思うから。
・35歳:自分だけではなかなか何から取り組んでいけば良いのかわからないからです。
・33歳:保育園も環境や社会に適していく必要がある。子どもにも伝えていきたい内容だから。
・29歳:プライベートだけでなく、仕事でも持続可能な開発を続け、貢献したいから。
・27歳:社会で大事にされている取り組みを行うことに積極的だと感じるから。
■7割以上が、「SDGsに関する取り組みについて、勤務先の保育園がより外へ情報発信をしてほしい」と回答
Q1で「はい」と回答した方に、「Q10.SDGsに関する取り組みについて、お勤めの保育園がより外へ情報発信をして欲しいと思いますか。」(n=71)と質問したところ、「とても思う」が35.2%、「思う」が39.4%という回答となりました。
<2023年(n=71)>
・とても思う:35.2%
・思う:39.4%
・あまり思わない:18.3%
・思わない:7.0%
<2022年(n=60)>
・とても思う:35.0%
・思う:56.7%
・あまり思わない:6.7%
・思わない:1.7%
■まとめ
今回は、SDGsを知っている現役保育士105名を対象に、【2023年版】保育の現場におけるSDGsへの取り組みに関する実態調査を実施しました。
2023年、SDGsに取り組む保育園は、68.3%となり、2022年12月調査と比較して、11.7ポイントアップとなりました。また、約7割の保育園でSDGsを学ぶ機会があり、こちらは前回の調査より6.2ポイント増加という結果となりました。保育にSDGsを取り入れたことで、「子どもたちの人格形成や発達に効果があった」や「子どもたちの生活習慣に変化があった」など、7割以上の保育士が「良い変化があった」と実感しており、SDGsの取り組みの効果が現れているようです。一方で、「わかりやすくSDGsについて伝える」や「子どもに興味をもってもらう」などが保育にSDGsを取り入れる際に課題として挙げられました。
前回の調査に引き続き、「社会への貢献ややりがいもありそう」や「環境について子どもたちに伝えられるきっかけになる」などのポジティブな理由から「SDGsに取り組む施設や団体」への就職を希望する保育士も約7割を占めました。SDGsそのものの社会的浸透が醸成しつつある中、今なおインクルーシブ社会の形成に向けて多くの課題も存在します。これから子どもたちが直面する未来を考えるうえで、地域や社会との繋がり方にも様々な工夫が求められるでしょう。今後も各保育園での取り組みに注目です。