保育研究プロジェクト「子ねくとラボ」、「保育の質向上」等を目的に、“保育士の目線”を動画化した取り組み『まなざしプロジェクト』開始
<新田あすか保育園で実証実験も実施>保育士の「個」のスキルや知識を、組織(保育園等)に還元し、組織レベルでの質向上を目指す!協力園募集中
株式会社明日香(本社:東京都文京区、代表取締役:萩野 吉俗、https://www.g-asuka.co.jp/index.htm)が運営する、子どもと未来、そしてすべての人がConnect(繋がり、結びつき)する保育研究プロジェクト「子ねくとラボ(https://konnect-labo.jp/)」は、「保育の質向上」等を目的に、“保育士の目線”を動画化した取り組み『まなざしプロジェクト』を開始いたしました。
運営する新田あすか保育園(東京都足立区)にて、2023年7月4日より『まなざしプロジェクト』の実証実験を実施。実際の保育士目線の様子や、撮影した映像から同じ園内の保育士同士で行動などの振り返りと学び合いに活かしました。
■『まなざしプロジェクト』とは
加速する少子化を食い止めるため、政府は「こども未来戦略方針」を打ち立て、「異次元の少子化対策」を積極的に推進しています。その中で、保育施設の質向上を目指した配置基準改善の動きも具体的に示されました。
すなわち「量」の拡大から「質」の向上にシフトしているわけですが、もちろん人員増加によって保育の質や安全性が向上することが期待できます。ただ、それを同時に職員の多様性やスキルのバラつきも増し、組織マネージメントが複雑化することも予想できます。
そこで、「個」のスキルや知識を組織に還元して組織レベルでの質向上を実現させるため、職員間のフィードバックや情報共有を効果的に助ける、”保育士の目線”を動画化し、「保育の質向上」「保育士採用ツールへの応用」「ドキュメンテーションへの活用」などにつなげる取り組み「まなざしプロジェクト」をスタートさせました。
■『まなざしプロジェクト』フロー
- 保育士にウェアラブルカメラを装着
- 撮影した動画を編集
- 編集した動画データを観ながら保育士同士での学び合い(職員間レビュー、園内研修、ドキュメンテーションへの活用)を実施。採用活動、人材育成ツールとしての応用も予定。
■『まなざしプロジェクト』に参加した保育士の声
Q.自身の目線動画を見て、どのような気づきがありましたか?
・活動の切り替え時の声かけをもう少し変えた方が良かった。
・普段はあまり気にして見ることのない、他の職員の動きや配慮が、自分視点でみることができ参考になった。
・視野は常に広く、全体を見ることはいつも心がけていたことなので、それができていて良かった。
・声掛けも他の先生に比べ少なかったので、その場に応じた声掛けをもっと出来ると良いなと思った。
・自分の保育を客観視できることは課題もみつけやすいので良いと思った。
・動画にすることで、見逃しがちな場面も振り返られるので良かった。
Q. 他職員の目線動画を見て、どのような気づきがありましたか?
・他の職員の行動を見て自然と連携(アイコンタクト等)が取れている場面が見られた。
・子どもへの言葉かけも職員によって違いが明確化されたので、互いに気付く機会になった。
・一つ一つの声掛けに、意図を持つことの大切さを改めて感じた。
・自分で気づかないことを周りの先生がサポートしてくれていることが分かり、感謝の気持ちが芽生えた。
・声掛けの仕方や子どもとの関わり方が同じ環境にいる職員間でも違い、参考になることがたくさんあったので今後の保育で取り入れていきたい。
・保護者の送迎時や急な外部対応が生じた時、職員はそちらに気を取られがちであるため、そのリスクに改めて気づくきっかけとなった。
・職員間で自然に連携が取れているシーンを確認できたが、危険性の大小に関わらずきちんと言葉にして自分の所在や行動を伝えることを改めて習慣づけることで、職員間での対応のバラつきを無くせると感じた。
Q.今後考えられる動画の活用方法はありますか?
・日々の保育の振り返り
・行事の振り返り
・客観的な自分の保育の振り返り
・具体性のあるヒヤリハットの議論
■『まなざしプロジェクト』に寄せるコメント
<保育専門家のコメント|鎌倉女子大学 准教授 浅井 拓久也 氏>
新人と先輩が双方の「まなざし」動画を視聴することで、何をどう見ているか、もっと言えば何を見ていないかがわかります。自分の「まなざし」を客観的に振り返る際にも、先輩が新人育成したり新人が先輩から学んだりする際にも役立つでしょう。また、未来の保育者である学生にとっては、保育者の「まなざし」動画を視聴することで保育を擬似体験することができます。保育実習以外の保育をシミュレーションする新しい学びの機会となるでしょう。
▼浅井 拓久也 氏|経歴
東京大学大学院修了後、大学や短期大学の教員を経て現職。放送大学や宇都宮大学の兼任講師、保育所や幼稚園の顧問や理事、第三者委員を務める。著書は『マンガでわかる!保育所保育指針 2017年告示対応版』(中央法規出版社)、『先輩保育者が教えてくれる!連絡帳の書き方のきほん』(翔泳社)、『子どもの発達の連続性を支える保育の心理学』(教育情報出版)など多数
<事業責任者|末廣 剛(子ねくとラボ所長/Advanced Marketer(公益社団法人日本マーケティング協会公認)/心理カウンセラー)>
「こども未来戦略方針」で示されたことをきっかけに、「保育の質向上」を目指す取り組みは、全国の保育施設にて今後さらに活発になるでしょう。一方、保育士の人材確保においては未だに大きな課題を抱えており、質向上を実現する上では保育士が個々の力を十分に発揮でき、意欲が高められる環境が必要不可欠です。従来の取り組み方法もレガシーとして残しつつ、時代に最適な保育が実践できるよう、今後もチャレンジを続けて参ります。
■『まなざしプロジェクト』実証実験概要
■『まなざしプロジェクト』協力保育施設募集!
子ねくとラボでは、『まなざしプロジェクト』にご協力いただける保育園・幼稚園・こども園を数園限定で現在募集しています(※応募状況により、急遽終了する場合もございます。ご了承ください)。
「職員の目線を動画化してみたい!」、「園内研修に活用できるか試してみたい!」といった保育施設様に、無償で撮影・動画編集・活用支援をご提供します。お気軽にお問い合わせください。
▼お問い合わせ
子ねくとラボ事業部:seminar-info@g-asuka.jp