【子ねくとラボ】“ベビーシッターの目線”を見える化する『まなざしプロジェクト』を実施
<ベビーシッター目線動画から学ぶ>人材育成と、ベビーシッターサービスの質向上を目指す
株式会社明日香(本社:東京都文京区、代表取締役:萩野 吉俗、https://www.g-asuka.co.jp/index.htm)が運営する、子どもと未来、そしてすべての人がConnect(繋がり、結びつき)する保育研究プロジェクト「子ねくとラボ(https://konnect-labo.jp/)」は、ベビーシッターサービスの質向上と人材育成を目的に、“ベビーシッターの目線”を動画化した取り組み『まなざしプロジェクト』を、明日香社員自宅にて実施しましたので、お知らせいたします。
<ウェアラブルカメラを装着したままシッティングを実施する様子>
『まなざしプロジェクト』は、モデルとなるベビーシッターがウェアラブルカメラを装着したままシッティングを行い、撮影した動画を上映しながら、ベビーシッターの勉強会や手配業務を行うコーディネーター間のフィードバックの機会とすることで、シッティング中の目線の動きや言動を学び、組織レベルでのベビーシッターサービスの質向上につなげていくという取組みです。
今回は、明日香社員の自宅を使用し、利用者(保護者)役として社員とその子どもに協力してもらい、訪問シーンから、ご家庭との打合せ、準備、保育、食事介助、午睡(寝かしつけ)までの場面を、2名のシッター(※途中交代)で撮影しました。フィードバック会議では、撮影した2名のシッター、担当部門のコーディネーター、利用者役として参加した社員が参加し、全員で同じ動画を見ながら、それぞれ保育者目線、コーディネーター目線、保護者目線から、気づきや意見を交わしました。単独で行うことが多いシッティング時の”目線”を動画化することで、自身のシッティングを見直す機会と、良い点・改善できる点を組織的に学ぶ機会となり、大変有意義な取り組みとなりました。
■『まなざしプロジェクト』に参加した社員の声
<シッター目線の感想>
<ウェアラブルカメラを装着したシッター目線の画|食事>
Q:ご自身のスキルアップや保育の質向上において、他のシッターさんの「目線動画」は効果的な材料になると感じましたか?
・(T氏):はい。これまで食事介助を我流でやっていましたが、他シッターさんの目線、声のトーンなどを見聞きして、優しいまなざしが想像され、さすがと思いました。とてもきれいな声で赤ちゃんも安心感がある様子でした。映像でなければ分からないのでよかったです。食事介助の際の自分の座る位置は、訪問するご家庭によって状況が異なるのであまり気にしたことがなかったですが、今後意識したいと思いました。初めてご家庭を訪問するシッターさんはすべてにおいて初めてなので、映像が役に立つと感じます。
・(M氏):どのようなことに注意して気を配っているのか知ることができました。
Q:ご自身の目線動画を見て、どうのような気づきがありましたか?ご自身の保育の振り返りと、子どもの様子や反応を考慮して、自由にご記入ください。
・(T氏):全体的に焦った感じで、もう少しゆとりを持たなければと思いました。訪問時のご挨拶は個人的にとても大事にしていますが、全体的にもう少しご家庭に安心感を持っていただけるようにさらに工夫したいです。
・(M氏):食事介助時の自身が座る位置についてもっと配慮しようと思った。人見知りというところで刺激にならないよう、おもちゃを間接的に使いながら表情をよく読み取るように心がけた。
Q:その他、当プロジェクトに関しての気づきや感想があれば自由にご記入ください。
・(T氏):気付きをたくさん得ることができ、良い経験ができました。振り返ることは本当に良いなと思いました。
・(M氏):対象児の月齢や発達によっては、対応の仕方にバラつきが生じますが、「一つの事例」として「シッター目線」を積み重ねていくと良いと思いました。
<母親目線の感想>
<ウェアラブルカメラを装着したままシッターから見える母親の様子>
Q:保育者間/コーディネーター間の情報共有や振り返りにおいて、「目線動画」は議論を活発化させる材料になると感じましたか?
・(H氏):普段なかなか見れないところが見れたので気づきも多く、改善点等見つけられた。
Q:シッターさんの目線動画を見て、どのような気づきがありましたか?保育者目線を考慮しながら、自由にご記入ください。
・(H氏):保護者との打ち合わせに際し、質問事項を事前にメモに記載していて、抜けにくく良いと思った。
・泣かせない事に注力してしまうと顔を注視する機会が減り、鼻水などが出ていることに気づきにくくなるが、親目線としては、鼻水や涙など適宜拭いてほしいなと思う。
・食前食後の挨拶(「いただきます」「ごちそうさま」)は徹底してほしい。
・声のトーンなど場面によって違い、子どもが気持ちの切り替えをしやすそう。
Q:その他、当プロジェクトに関しての気づきや感想があれば自由にご記入ください。
・(H氏):家族以外と過ごしている姿を動画で見れて母的にも楽しめました。
<コーディネーター目線の感想>
<シッターの目線動画をみるシッター、コーディネーター、母親のフィードバック会議の様子>
Q:保育者間/コーディネーター間の情報共有や振り返りにおいて、「目線動画」は議論を活発化させる材料になると感じましたか?
・(Y氏):はい。シッター業務は密室での保育の為、その様子を第三者が間近で見ることは容易ではないこと。今回はシッター目線で保育の流れや動きを見ること以外にも目線から分かる安全面や、声かけなどシッターさんが行っている小さな工夫など沢山の情報が知ることが出来た為。
・(M氏):文章等で描写された情景や現場の様子は、それぞれの解釈によって実際の動きとは異なったものがつくり上げられることがあるが、目線動画があることによって、子どもの実際の動きや泣き声をそのまま感じ取れるため、現場で業務を見学する以上に学べる部分があると思う。
Q:シッターさんの目線動画を見て、どのような気づきがありましたか?コーディネーター目線を考慮しながら、自由にご記入ください。
・(Y氏):今回は明日香の中でもお客様からの指名が多いお二人だったので、ほぼ教科書のようなお手本となるシッティングだった。気になる点はいくつかあったが、現況のシッター育成や研修教材の中で抜けていた部分でもあったので、知ることが出来て良かった。
・(M氏):とにかく最初のご挨拶・対応の仕方が会社の第一印象になるため、初めにインターホンで身分証を掲示することは利用者様へ安心感を与えられる対応だと思う。
・目線には常にお子様の姿・顔がみえており、常に注意をそらさないという緊張感が感じられた。
・お母様への確認する内容を事前にメモに準備されていて、これまでの仕事経験や仕事に対しての準備がされていることが伺われた。聞き忘れ、伝え忘れを防ぐ効果があると思う。
・(K氏):徐々にお子様がシッターに慣れてきて、目線が合い、笑顔を見せてくれるようになり、だんだんと信頼関係が出来ているのを感じられました。
・(T氏):メモは素晴らしいと思った。打ち合わせ、お子様の普段の生活、好きなおもちゃ等細かいことを聞き、安心材料を少しでも見つけていくことが必須(家庭の方針等)
・(M氏):保育者と子どもとのやり取り(駆け引き?)を保育者目線での動画とそれにリンクした声がけが聞けることにより他の保育者もですが保護者も見られると、今後の子どもへのかかわりのヒントになることもあるのかな、と思いました。
Q:その他、当プロジェクトに関しての気づきや感想があれば自由にご記入ください。
・(Y氏):通常の業務とは違った角度からシッターサービスを見ること、考えることが出来て、面白かったです。
・(M氏):目線動画の場合、聴こえてくる音声も実際のものとほど近いものになるため、よりリアルに現場の様子を感じることができた。
・(H氏):新人シッターとベテランシッターの目線(シッティング)の違いも観てみたい。
◾️『まなざしプロジェクト』に寄せるコメント
<株式会社明日香 子育てサポート事業部 部長 吉田奈緒>
今回の取り組みは、私たちコーディネーターにとっても沢山の気付きや学びに繋がりました。シーンに合わせた動き、言葉使いや、声のトーン、お子様や保護者との関わりなど研修のテキストだけでは伝わりにくいポイントが詰まっていて、現役シッターさんの振り返りや、新人シッターさんへの研修教材としても活用できると感じました。シッターの個性溢れるシッティングも垣間見えたことも面白かったですし、ご利用者側も明日香シッターのイメージがしやすくなると思います。目線動画を通して今後の更なるシッターサービスの可能性に繋げていきたいと思います。
<事業責任者|末廣 剛(子ねくとラボ所長/Advanced Marketer(公益社団法人日本マーケティング協会公認)/心理カウンセラー)>
単独で保育をすることが多いベビーシッターですが、お客様のご自宅にて行うため、施設型保育のように室内環境を適宜変えるということができない難しさがあります。そういったことも踏まえ、シッティングを行うにあたっては柔軟な対応力とご利用者様に関する事前情報がとても重要ですが、コーディネーターとの密な連携によって質の高いサービスのご提供が可能となります。今回の取り組みが、ベビーシッターサービスをより安心してご利用いただけるきっかけの一つになればと思っています。
■『まなざしプロジェクト』実証実験概要
■『まなざしプロジェクト』とは
加速する少子化を食い止めるため、政府は「こども未来戦略方針」を打ち立て、「異次元の少子化対策」を積極的に推進しています。その中で、保育施設の質向上を目指した配置基準改善の動きも具体的に示されました。
すなわち「量」の拡大から「質」の向上にシフトしているわけですが、もちろん人員増加によって保育の質や安全性が向上することが期待できます。ただ、それを同時に職員の多様性やスキルのバラつきも増し、組織マネージメントが複雑化することも予想できます。
そこで、「個」のスキルや知識を組織に還元して組織レベルでの質向上を実現させるため、職員間のフィードバックや情報共有を効果的に助ける、”保育士の目線”を動画化し、「保育の質向上」「保育士採用ツールへの応用」「ドキュメンテーションへの活用」などにつなげる取り組み「まなざしプロジェクト」をスタートさせました。
<『まなざしプロジェクト』フロー>
- 保育士にウェアラブルカメラを装着
- 撮影した動画を編集
- 編集した動画データを観ながら保育士同士での学び合い(職員間レビュー、園内研修、ドキュメンテーションへの活用)を実施。採用活動、人材育成ツールとしての応用も予定。
■『まなざしプロジェクト』協力保育施設募集!
子ねくとラボでは、『まなざしプロジェクト』にご協力いただける認可保育園・幼稚園・こども園を数園限定で現在募集しています(※応募状況により、急遽終了する場合もございます。ご了承ください)。「職員の目線を動画化してみたい!」、「園内研修に活用できるか試してみたい!」といった保育施設様に、無償で撮影・動画編集・活用支援をご提供します。お気軽にお問い合わせください。
▼お問い合わせ
子ねくとラボ事業部:seminar-info@g-asuka.jp