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【子ねくとラボ×まつどSDGs】千葉県 松戸市立二十世紀ヶ丘保育所にて、“保育士の目線”を見える化する『まなざしプロジェクト』実証実験を実施

2024/07/12
ニュースリリース

〜「インクルーシブ保育」を、保育士の目線動画で学ぶ〜

 

 株式会社明日香(本社:東京都文京区、代表取締役:萩野 吉俗、https://www.g-asuka.co.jp/index.htm)が運営する、子どもと未来、そしてすべての人がConnect(繋がり、結びつき)する保育研究プロジェクト「子ねくとラボ(https://konnect-labo.jp/)」は、松戸市のSDGsの取り組みの一環として、「保育の質向上」等を目的にした、“保育士の目線”を動画化した取り組み『まなざしプロジェクト』を、松戸市立二十世紀ヶ丘保育所(千葉県松戸市)にて実施しましたので、お知らせいたします。

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◾️実証実験背景

 障がいの有無や国籍の違いに関係なく、多様な背景を持つすべての子どもたちが共に学び成長し合える、社会的包摂や多様性を尊重した保育、「インクルーシブ保育」の重要性が、より一層高まっています。保育士には多様なニーズに対応するための知識とスキルが求められており、そのための学びの場の提供が重要です。

 また、松戸市は以前から、行政だけではなく、民間企業や大学・研究機関等から、松戸市が抱える課題の解決に向けたアイデアを提案できる窓口「まつどSDGs×産学官民連携 事業提案窓口」(※)の設置があったことから、“保育士の目線”を動画化した取り組み『まなざしプロジェクト』を子ねくとラボから松戸市へ提案したところ、本取組みが多様な保育に対応するための新しい研修の場として活用できるのではないかという考えから、松戸市立二十世紀ヶ丘保育所(千葉県松戸市)にて実施する運びとなりました。
 

※:まつどSDGs×産学官民連携 事業提案窓口

https://www.city.matsudo.chiba.jp/shisei/keikaku-kousou/sdgs/sdgs_madoguchi.html

 

◾️【子ねくとラボ×まつどSDGs】千葉県 松戸市立二十世紀ヶ丘保育所 |実証実験内容

<ウェアラブルカメラを装着して外国籍園児を保育する保育士の様子>

<ウェアラブルカメラを装着して外国籍園児を保育する保育士の様子>

 

 『まなざしプロジェクト』は、モデルとなる保育士がウェアラブルカメラを装着したまま保育を行い、撮影した動画を、子ねくとラボより保育の専門家の視点を交える形で編集し、後日保育士の勉強会や職員間レビュー等で上映することで、保育中の目線の動きや言動を学び、組織レベルでの保育の質向上につなげていくという取組みです。

 

 今回の実証実験では、担任保育士の方にウェアラブルカメラを装着いただき、後日、撮影した目線動画を上映しながら、担当・担当外問わず、保育職員の皆さまにお集まりいただき、学習会(フィードバック会)を実施しました。

 

■『まなざしプロジェクト』に参加した保育士の声
<ウェアラブルカメラを装着した保育士の感想>

<ウェアラブルカメラを装着した保育士が保育する様子>

<ウェアラブルカメラを装着した保育士が保育する様子>

 

Q.ご自身の目線動画を見て、どのような気づきがありましたか?

・A.言葉での意思疎通が難しい子ではあるが、改めて映像で見てみると、表情や仕草でとっても感情を伝えてくれていることが分かった。

 

Q.撮影した目線動画の活用方法について、アイデアを自由にご記入ください。

・A.同じように加配等で配慮が必要な子につくことになった際に、参考にしていただける部分、よりよくしていくために必要な手立てを考える材料にする。



 

目線動画によるフィードバック会に参加した保育士の感想

<フィードバック会|他の保育士の目線動画を視聴する保育士の様子>

<フィードバック会|他の保育士の目線動画を視聴する保育士の様子>

 

Q.他職員の目線動画を見て、どのような気づきがありましたか?

・何気ない保育者の声かけ、周りの声や音楽など、それぞれに違った反応ができていて、とても参考になった。本児の想いを受け止めることで、表情が変わったので、自分自身の今後の接し方も変わると感じた。

・受け止め方が温かく、スキンシップや笑顔、笑い声が印象的で、子どもも関わりを楽しんでいた。言葉が端的で分かりやすかった。

・ストレス反応が出て、耳を塞ぐ場面では、スキンシップを取って、それを解消していた。

・自分と関わるときと表情が違った。

・思ったよりも、大人の方をよく見ている、目線が合っていると感じた。

 

Q.撮影した目線動画の活用方法について、アイデアを自由にご記入ください。

・担任だけでなく、職員全体でインクルーシブ保育に繋げていく。

・保育士間での情報共有。関わり方のコツ。保護者との共有の手段

・保育士が何を意識して保育をしているのか、勉強

・ストレス反応は、音に対して起こっているものであると認識していたが、「「人が多い」「普段と異なった雰囲気」に対しても反応が見られていたことに気付いた。本児にとってストレスになるようであるなら、環境を整える上での参考にしたい。

・普段なかなか関われない職員で情報共有の場を作る

・保育の振り返り(環境改善やインクルーシブ実践に向けての課題など)

・園児の理解を深めるためのケース検討


 

Q.当プロジェクトに関しての気づきや感想があれば自由に教えてください。

・本児の現状とどう保育士が関わっていくか、全員で考えていくという姿勢が良いと思う。

・担任以外の保育者でも対象児の関わり方がわかり易く新たな発見があった。

・目線動画、おもしろいと思いました。

・保育の様子を全体的に撮影してみることはやったことがあったが、今回のような目線動画は初めてだった。いろいろな気付きがあり、有意義な勉強会だった。

・保育士の目線の動画を見るということは、とても新鮮で学びが多かったです。

・このようなプロジェクトに参加するのは初めてだったが、動画を通して保育者の関わり方によって子どもの姿に変化がある(影響が大きい)ことを改めて感じた。保育者が保育をする上で必要な目線(視線)は何かを考えるきっかけとなった。

<フィードバック会|目線動画視聴後の感想や学びを共有し合う保育士の様子>

<フィードバック会|目線動画視聴後の感想や学びを共有し合う保育士の様子>

 

<ウェアラブルカメラを装着した保育士が保育する様子>

<ウェアラブルカメラを装着した保育士が保育する様子>

 

<ウェアラブルカメラを装着した保育士が保育する様子>

<ウェアラブルカメラを装着した保育士が保育する様子>

 

◾️『まなざしプロジェクト』に寄せるコメント

<松戸市 子ども部 保育課 主査 飯島 良太 氏>

 保育課では保育の質の向上を目的に毎年様々な研修会を開催しております。今回の事業提案をいただき、新しい形の研修ができるのではないかと思いプロジェクトに参加いたしました。座学では得られない自分事としての気づきがあったり、自分の保育を見つめ直す良い機会になりました。参加した保育士のアンケートにも、より具体的なコメントが多くあり大変有意義な研修になったと感じています。

 

<松戸市立二十世紀ヶ丘保育所 所長 川島 圭井子 氏>

 子ねくとラボさんの「まなざしプロジェクト」の機会を頂きまして、ありがとうございます。D君が大好きな職員に向けた満面の笑顔を切り取って頂き、私に向けられたようでとても嬉しく思いました。見せて頂いた動画から大好きな職員の援助の仕方を学び、子ねくとラボさんから頂いたアドバイスを職員で話し合い、よりよい援助の仕方を考えていきたいと思います。一人でも多くの職員が満面の笑顔を向けてもらえる様になりたいと思います。

このたびはありがとうございました。

 

<事業責任者|末廣 剛(子ねくとラボ所長/Advanced Marketer(公益社団法人日本マーケティング協会公認)/心理カウンセラー)>

末廣

保育ニーズが多様化する中、保育の質向上を目指す上では、保育者一人ひとりが持つ情報や価値観を共有することがとても重要になります。事後アンケートの回答に、担当外の保育者であっても、その保育の様子が理解でき、保育者間でコミュニケーションがとれたという声をいただきましたが、まさにこういった機会を通して、保育所全体の質向上に繋げていただければ幸いです。二十世紀ヶ丘保育所のこれからの発展を楽しみにしています。

 

■『まなざしプロジェクト』実証実験概要

『まなざしプロジェクト』実証実験概要

 

▼まつどSDGs公式noteで、今回の実証実験についてご紹介いただきました:https://matsudo-city.note.jp/n/n46ae46747dc5



 

■『まなざしプロジェクト』とは

『まなざしプロジェクト』

 加速する少子化を食い止めるため、政府は「こども未来戦略方針」を打ち立て、「異次元の少子化対策」を積極的に推進しています。その中で、保育施設の質向上を目指した配置基準改善の動きも具体的に示されました。

 

 すなわち「量」の拡大から「質」の向上にシフトしているわけですが、もちろん人員増加によって保育の質や安全性が向上することが期待できます。ただ、それを同時に職員の多様性やスキルのバラつきも増し、組織マネージメントが複雑化することも予想できます。

 

 そこで、「個」のスキルや知識を組織に還元して組織レベルでの質向上を実現させるため、職員間のフィードバックや情報共有を効果的に助ける、”保育士の目線”を動画化し、「保育の質向上」「保育士採用ツールへの応用」「ドキュメンテーションへの活用」などにつなげる取り組み「まなざしプロジェクト」をスタートさせました。

 

<『まなざしプロジェクト』フロー>

  1. 保育士にウェアラブルカメラを装着
  2. 撮影した動画を編集
  3. 編集した動画データを観ながら保育士同士での学び合い(職員間レビュー、園内研修、ドキュメンテーションへの活用)を実施。採用活動、人材育成ツールとしての応用も予定。

 

■『まなざしプロジェクト』協力保育施設募集!

 子ねくとラボでは、『まなざしプロジェクト』にご協力いただける認可保育園・幼稚園・こども園を数園限定で現在募集しています(※応募状況により、急遽終了する場合もございます。ご了承ください)。「職員の目線を動画化してみたい!」、「園内研修に活用できるか試してみたい!」といった保育施設様に、無償で撮影・動画編集・活用支援をご提供します。お気軽にお問い合わせください。

 

▼お問い合わせ

 子ねくとラボ事業部:seminar-info@g-asuka.jp