子どもの急な体調不良による「早退」経験者は9割以上! 育休復帰後の会社員ママが望む、保育サポート/サービスが明らかに
〜職場への「申し訳なさ」という根強い課題も〜
株式会社明日香(本社:東京都文京区、代表取締役:萩野 吉俗、https://www.g-asuka.co.jp/index.htm)が運営する子どもと未来、そしてすべての人がConnect(繋がり、結びつき)する保育研究プロジェクト「子ねくとラボ(https://konnect-labo.jp/)」は、育休復帰から2年以内且つ、子どもを保育園に預けており、産休・育休に対して理解がある職場で働いている原則出社の女性会社員105名を対象に、育休復帰後の子育ての葛藤に関する意識調査を実施しましたので、お知らせいたします。
■調査サマリー
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■調査概要
調査名称:育休復帰後の子育ての葛藤に関する意識調査
調査方法:IDEATECHが提供するリサーチPR「リサピー®︎」の企画によるインターネット調査
調査期間:2024年6月28日〜同年7月1日
有効回答:育休復帰から2年以内且つ、子どもを保育園に預けており、産休・育休に対して理解がある職場で働いている原則出社の女性会社員105名
※構成比は小数点以下第2位を四捨五入しているため、合計しても必ずしも100とはなりません。
≪利用条件≫
1 情報の出典元として「子ねくとラボ」の名前を明記してください。
2 ウェブサイトで使用する場合は、出典元として、下記リンクを設置してください。
■94.3%が、「勤務中、子どもの体調不良など保育園からの緊急連絡を受けて早退したことがある」と回答
「Q1.あなたは勤務中、子どもの体調不良など保育園からの緊急連絡を受けて早退したことがありますか。」(n=105)と質問したところ、「ある」が94.3%という回答となりました。
・ある:94.3%
・ない:5.7%
■半数以上が、子どもの「発熱(37.5度超え)の時点」で保育園からの連絡を希望
「Q2.子どもが発熱した際に、保育園からの連絡はどの段階から欲しいですか。」(n=105)と質問したところ、「発熱(37.5度超え)の時点」が50.5%、「高熱(38度以上)の時点」が31.4%、「発熱(37.5度付近)する兆しがある時点」が12.4%という回答となりました。
・平熱より高い時点(37.0度前後):2.8%
・発熱(37.5度付近)する兆しがある時点:12.4%
・発熱(37.5度超え)の時点:50.5%
・高熱(38度以上)の時点:31.4%
・わからない/答えられない:2.9%
■産休・育休復帰後に、仕事と育児を両立するために取り組んだこと、「上司から育児への理解を得ること」「職場の人間関係の構築」が56.2%で同率1位に
「Q3.産休・育休復帰後に、仕事と育児を両立するために取り組んだことを教えてください。(複数回答)」(n=105)と質問したところ、「上司から育児への理解を得ること」が56.2%、「職場の人間関係の構築」が56.2%、「夫婦間で家事の分担」が53.3%という回答となりました。
・上司から育児への理解を得ること:56.2%
・職場の人間関係の構築:56.2%
・夫婦間で家事の分担:53.3%
・仕事の組み立て方の再考:22.9%
・育児について親戚からの理解を得ること:18.1%
・ベビーシッターなどの制度の利用:6.7%
・資格の取得:4.8%
・リモートワークへの転向:3.8%
・その他:3.8%
―32歳:家事の効率化、ルーティーン化
―35歳:勤務時間の変更
・特にない:10.5%
・わからない/答えられない:0.0%
■「病児保育に登録しておいた」や「なるべく仕事は残さずに帰る。いつでも引き継げるようにしておく」などの取り組みも
Q3で「わからない/答えられない」「特にない」以外を回答した方に、「Q4.Q3で回答した以外に、育休復帰にあたり、円滑に仕事をするために気をつけたことがあれば、自由に教えてください。(自由回答)」(n=94)と質問したところ、「病児保育に登録しておいた」や「なるべく仕事は残さずに帰る。いつでも引き継げるようにしておく」など60の回答を得ることができました。
<自由回答・一部抜粋>
・38歳:病児保育に登録しておいた。
・33歳:家庭の事情も話しながら、職場に迷惑がかからないよう時には知人に助けを求めたりしてやりくりした。
・40歳:なるべく仕事は残さずに帰る。いつでも引き継げるようにしておく。
・27歳:子どもを中心に考えて仕事の休みを考えたり、家事は旦那と分担して行い手を抜くところは抜く。夜ご飯を買って帰るなどして少し楽する。時間をお金で買う。
・40歳:自分の業務を他の人にも共有し、何かあっても他のメンバーでも対応できるようにした。
・37歳:子供関係の休みや早退がある分、勤務中は誰よりも動く、スタッフといい関係を築いておく、上司には主に自分が子どもの対応をしなければならないことを伝えておく。
・35歳:早めに小児科を受診して鼻水や咳のクスリももらってのんでおく。
・36歳:子どもの病気の症状に合わせて行く病院をあらかじめ決めておいた。
■94.3%から、仕事と育児の両立を行うにあたって、「保育園などの子どもを預ける施設は不可欠」の声
「Q5.あなたは、仕事と育児の両立を行うにあたって、保育園などの子どもを預ける施設は不可欠と感じましたか。」(n=105)と質問したところ、「非常に感じた」が82.9%、「やや感じた」が11.4%という回答となりました。
・非常に感じた:82.9%
・やや感じた:11.4%
・あまり感じていない:1.9%
・全く感じていない:1.9%
・わからない/答えられない:1.9%
■保育園など、子どもを預ける施設が不可欠だと感じる理由、第1位「安心して預けられるため仕事に専念できるから」
Q5で「非常に感じた」「やや感じた」と回答した方に、「Q6.保育園など、子どもを預ける施設が不可欠だと感じた理由を教えてください。(複数回答)」(n=99)と質問したところ、「安心して預けられるため仕事に専念できるから」が75.8%、「仕事を続けられるため経済的安定に繋がるから」が62.6%、「家庭では難しい、子どもの社会性が育つから」が61.6%という回答となりました。
・安心して預けられるため仕事に専念できるから:75.8%
・仕事を続けられるため経済的安定に繋がるから:62.6%
・家庭では難しい、子どもの社会性が育つから:61.6%
・仕事や育児のストレスを軽減できるから:43.4%
・長期的にキャリアを維持できるから:22.2%
・専門家に育児の相談ができるから:16.2%
・同じ境遇の保護者と出会うことができるから:14.1%
・その他:2.0%
ー32歳:トイレトレーニングなど子どもへの対応に協力が得られる
ー35歳:子供連れて仕事に行けないから
・わからない/答えられない:0.0%
■今まで以上に仕事と育児の両立を行いやすくなると思う保育サポート/サービス、「病児保育の利用しやすさの向上」「緊急でお迎えが必要な時の代替保育」など
「Q7.どのような保育サポート/サービスがあると、今まで以上に仕事と育児の両立を行いやすくなると思いますか。(複数回答)」(n=105)と質問したところ、「病児保育の利用しやすさの向上」が59.0%、「緊急でお迎えが必要な時の代替保育」が49.5%、「休日保育や保育時間の延長」が46.7%という回答となりました。
・病児保育の利用しやすさの向上:59.0%
・緊急でお迎えが必要な時の代替保育:49.5%
・休日保育や保育時間の延長:46.7%
・登園時の準備や持ち物の軽減:42.9%
・保育園等までの送迎:41.0%
・その他:0.0%
・特にない:3.8%
・わからない/答えられない:0.0%
■勤務先の育児がしやすくなるような制度、「2個」が36.2%で最多、一方4割が制度について「わからない/答えられない」と回答し、制度の認知に課題も
「Q8.お勤め先には育児がしやすくなるような制度はどの程度ありますか。」(※育児がしやすくなるような制度は、育児・介護休業法などの改正案の中で、2つ以上設けることが政府から企業に義務づけられています。育児がしやすくなるような制度とは、テレワーク制度、フレックスタイム制度、短時間勤務制度、育児支援手当の支給、育児中の社員向けカウンセリングサービス、企業内保育施設の設置などが当てはまります。)(n=105)と質問したところ、「わからない/答えられない」が40.0%、「2個」が36.2%、「3個」が10.5%という回答となりました。
・7個以上:3.8%
・6個:2.9%
・5個:4.8%
・4個:1.9%
・3個:10.5%
・2個:36.2%
・わからない/答えられない:40.0%
■8割以上が、育児がしやすくなるような制度の利用に「申し訳なさ」を感じると回答
Q8で「2個以上」と回答した方に、「Q9.職場での仕事と育児の両立において、お勤め先にある育児がしやすくなるような制度を利用する際に、周囲に対して遠慮を感じたり、「申し訳なさ」を感じたりした経験がありますか。」(n=63)と質問したところ、「ある」が80.9%という回答となりました。
・ある:80.9%
・ない:17.5%
・わからない/答えられない:1.6%
■まとめ
今回は、育休復帰から2年以内且つ、子どもを保育園に預けており、産休・育休に対して理解がある職場で働いている原則出社の女性会社員105名を対象に、育休復帰後の子育ての葛藤に関する意識調査を実施しました。
まず、勤務中に「子どもの体調不良など保育園からの緊急連絡を受けて早退したことがある」と回答した人は94.3%に上りました。また、保育園からの緊急連絡を希望するタイミングについて、「発熱(37.5度超え)の時点」と回答した人が50.5%、次いで「高熱(38度以上)の時点」が31.4%でした。さらに、産休・育休復帰後に、仕事と育児を両立するために取り組んだことは、「上司から育児への理解を得ること」や「職場の人間関係の構築」がそれぞれ56.2%で同率1位となりました。また、保育園などの子どもを預ける施設が仕事と育児の両立に不可欠であると感じている人は94.3%で、その理由として「安心して預けられるため仕事に専念できるから」が75.8%、「仕事を続けられるため経済的安定に繋がるから」が62.6%という結果になりました。最後に、今後仕事と育児の両立を行いやすくするためのサポートやサービスを伺うと、「病児保育の利用しやすさの向上」(59.0%)や「緊急でお迎えが必要な時の代替保育」(49.5%)が上位に挙げられました。
今回の調査では、育休復帰後の会社員が仕事と育児の両立において葛藤を感じていることが明らかになりました。国は改正育児・介護休業法を公布し、企業は育児支援制度を整備するなど、子育てしやすい職場を目指していますが、実態としては多くの方が利用時に遠慮や申し訳なさを感じているようです。そういった、自身が育児側の立場に立って感じた”違和感”が後者にも伝わり、少子化を加速させる要因にもなっているのではないでしょうか。しかしそんな中でも、仕事と育児の両立を目指して、上司や職場から理解を得る姿勢や、仕事の進め方の工夫など、積極的な姿勢も当調査内で見受けられました。多様性が尊重される社会風潮の中、育児に専念する選択肢もあって当然ですが、育児がキャリアの妨げになるようなことがあってもいけません。少子化によって保育施設利用者数がピークを迎える今、まだまだ保育施設は育児と仕事の両立を目指す人々にとっては不可欠な存在ですが、そういった公共サービスの在り方も含め、社会全体で子育てに対する考え方や支援方法をアップデートしていくことが求められているのではないでしょうか。
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