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【名古屋保育士1200人「雇い止め」、保育者のキャリア不安を調査】保育者の約3割が、この先3年の園児減少を予測 保育士・幼稚園教諭のキャリア継続、最も不安に感じる要因が明らかに

2024.11.12

ニュースリリース

〜勤務先が廃園になったらどうする? 第2位「認定こども園に転職する」を抑え、第1位は?〜

 株式会社明日香(本社:東京都文京区、代表取締役:萩野 吉俗、https://www.g-asuka.co.jp/index.htm)が運営する子どもと未来、そしてすべての人がConnect(繋がり、結びつき)する保育研究プロジェクト「子ねくとラボ(https://konnect-labo.jp/)」は、勤続年数3年以上の保育士または幼稚園教諭115名を対象に、保育士・幼稚園教諭のキャリアと保育現場の現状に関する実態調査を実施しましたので、お知らせいたします。

■調査サマリー

■調査概要

「Q1.令和6年4月時点の待機児童数が発表されましたが、過去3年間で、あなたの勤務先の園児数はどのように変化しましたか。」(n=115)と質問したところ、「やや減少した」が14.8%、「大きく減少した」が5.2%という回答となりました。

※地域内訳(北海道7|東北地方8|関東地方47|中部地方15|近畿地方19|中国地方7|四国地方 4|九州地方8)

■今後3年間で、「園児数が減る」と予測しているのは、約3割

「Q2.今後3年間で、あなたが所属する保育園/幼稚園の園児数はどのように変化すると思いますか。」(n=115)と質問したところ、「やや減ると思う」が15.7%、「かなり減ると思う」が9.6%という回答となりました。

■勤務先が廃園になった場合のキャリア選択、「同じ地域の他の保育園/幼稚園で働く」、「認定こども園に転職する」が上位

「Q3.勤務先の施設が1年以内に廃園になると仮定した場合、どのようなキャリアを選択しますか。(複数回答)」(n=115)と質問したところ、「同じ地域の他の保育園/幼稚園で働く」が42.6%、「認定こども園に転職する」が31.3%、「保育・教育以外の職種に完全に転向する」が22.6%という回答となりました。

■キャリアを継続する上で、最も不安に感じる要因、「給与水準が上がらない」が47.0%で最多

「Q4.保育士・幼稚園教諭としてのキャリアを継続する上で、最も不安に感じる要因を教えてください。」(n=115)と質問したところ、「給与水準が上がらない」が47.0%、「雇用の不安定さ」が14.8%、「少子化による保育需要の減少」が13.0%という回答となりました。

■保育・教育の質を向上させるために、重要な取り組み、第1位「保育者の待遇改善」、第2位「ICTの活用(園児の成長記録のデジタル化など)」

 「Q5.現在の社会課題を踏まえて、保育・教育の質を向上させるために、重要だと考える取り組みを教えてください。(複数回答)」(n=115)と質問したところ、「保育者の待遇改善」が61.7%、「ICTの活用(園児の成長記録のデジタル化など)」が34.8%、「発達の姿や内面を理解し、園児一人一人に応じた保育をする」が19.1%という回答となりました。

■新たに獲得したいスキルや知識、「特別支援教育」や「子育て支援に関する知識」など

「Q6.今後のキャリアにおいて、新たに獲得したいスキルや知識があれば教えてください。(複数回答)」(n=115)と質問したところ、「特別支援教育」が32.2%、「子育て支援に関する知識」が31.3%、「外国語教育」が23.5%という回答となりました。

■多様な保育ニーズに対応するために、取り組んでいる施策、「延長保育の実施」や「外国籍の子どもへの対応」が上位に

 「Q7.多様な保育ニーズに対応するために、あなたの園で現在取り組んでいる施策を全て教えてください。(複数回答)」(n=115)と質問したところ、「延長保育の実施」が47.8%、「外国籍の子どもへの対応」が33.0%、「特別支援教育の強化」が31.3%という回答となりました。

■まとめ

 今回は、勤続年数3年以上の保育士または幼稚園教諭115名を対象に、保育士・幼稚園教諭のキャリアと保育現場の現状に関する実態調査を実施しました。

 まず、調査対象者の約2割が過去3年間で園児数の減少に直面している状況が確認されました。今後3年間の園児数に関しては、約3割が減少すると予測しています。また、勤務先が廃園になった場合には、42.6%が「同じ地域の他の保育園や幼稚園で働く」と回答し、次いで31.3%が「認定こども園に転職する」と答えています。キャリアを継続する上での最大の不安要因については、47.0%が「給与水準が上がらない」を挙げており、保育の質向上に必要な取り組みとして、61.7%から「保育者の待遇改善」が求められました。最後に、保育施設で現在取り組んでいる施策としては、47.8%が「延長保育の実施」、33.0%が「外国籍の子どもへの対応」を進めていることがわかりました。

 今年10月、名古屋市で非正規公務員として働く保育士約1,200人が、来年3月末で「雇い止め」に遭う恐れがあると報道されました※。全国的な保育人材不足が続く中、驚きの内容ではありますが、今回の調査でも、キャリアの継続に関して不安を感じている保育士や幼稚園教諭の実態が見えてきました。まさにVUCA時代の真っ只中にある保育業界においては、少子化を原因とした利用者減少による保育施設の統廃合や事業者の倒産は実際に起きている事実です。そのため利用者から「選ばれる」ことが昨今の事業継続においては重要な要素となっているわけですが、しかしながらそもそも保育所とは、子どもの最善の利益を考慮しその福祉を積極的に増進することに最もふさわしい場所でなければなりません。そういった環境に身を置く保育者が保育の質向上に専念し、しっかりアウトプットできるからこそ、子どものウェルビーイング実現に繋がり、利用者から「選ばれる」という好循環も生まれるわけです。

 保育者が安定したキャリアを構築できるよう、外部の支援も含め、環境整備が求められます。

※参照|東京新聞|保育士ら1200人「雇い止め」か…問題は非正規公務員の再任用上限 名古屋市「撤廃する状況にない」と見放す:https://www.tokyo-np.co.jp/article/358519

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