2024.10.08
お知らせ
〜90.2%から、外国にルーツを持つ子どもの対応に難しさを感じる声、2020年より35.4ポイント高い結果に〜
株式会社明日香(本社:東京都文京区、代表取締役:萩野 吉俗、https://www.g-asuka.co.jp/index.htm)が運営する子どもと未来、そしてすべての人がConnect(繋がり、結びつき)する保育研究プロジェクト「子ねくとラボ(https://konnect-labo.jp/)」は、保育士107名を対象に、【2024年版】インクルーシブ保育に関する実態調査を実施しましたので、お知らせいたします。
なお、本調査では、2020年版の同内容調査(※1)と比較して発表いたします。
▼本調査のレポートダウンロードはこちら:https://bit.ly/47Rjcrm
※1|【2020年版】インクルーシブ保育に関する実態調査:2020年9月24日〜同年9月28日|https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000026.000043389.html
※2|構成比は小数点以下第2位を四捨五入しているため、合計しても必ずしも100とはなりません。
≪利用条件≫
「Q1.国籍や障がいの有無にかかわらず、様々な子どもを受け入れるインクルーシブ保育が推進されています。あなたはインクルーシブ保育を知っていますか。」(n=107)と質問したところ、「知っている」が82.2%、「知らない」が17.8%という回答となりました。
<2024年(n=107)>
<2020年(n=103)>
Q1で「知っている」と回答した方に、「Q2.どこでインクルーシブ保育を知りましたか。(複数回答)」(n=88)と質問したところ、「保育園が行う研修」が64.8%、「保育士養成校の授業」が38.6%という回答となりました。
<2024年(n=88)>
<2020年(n=39)>
「Q3.あなたがお勤めの保育園では、子どもの国籍や障がい、年齢、貧困などの「違い」をすべて受け入れる姿勢で保育を行っていますか。」(n=107)と質問したところ、「行っている」が66.3%、「行っていない」が8.4%という回答となりました。
<2024年(n=107)>
<2020年(n=103)>
Q3で「行っている」と回答した方に、「Q4.「違い」のうち、特に外国にルーツを持つ子どもへの対応に難しさを感じますか。」(n=71)と質問したところ、「とても感じる」が55.0%、「感じる」が35.2%という回答となりました。
<2024年(n=71)>
<2020年(n=62)>
Q4で「とても感じる」「感じる」と回答した方に、「Q5.具体的に難しさを感じたエピソードがあれば教えてください。(自由回答)」(n=64)と質問したところ、「言葉で説明するのが難しく、意思疎通がなかなかできない」や「宗教上の約束事を知ることが大事」など47の回答を得ることができました。
<2024年(n=64):自由回答・一部抜粋>
<2020年(n=32):自由回答・一部抜粋>
Q4で「とても感じる」「感じる」と回答した方に、「Q6.外国にルーツを持つ子どもの親への対応に難しさを感じたことはありますか。」(n=64)と質問したところ、「ある」が93.8%、「ない」が6.2%という回答となりました。
<2024年(n=64)>
<2020年(n=34)>
「Q7.近年、保育の現場で外国にルーツを持つ子どもが増加しています。業務を行う中で、保育者向けの通訳機を使ったことがありますか。」(n=107)と質問したところ、「ある」が47.7%、「ない」が52.3%という回答となりました。
Q7で「ある」と回答した方に、「Q8.保育者向けの通訳機は役に立っていると感じますか。」(n=51)と質問したところ、「非常に感じる」が39.3%、「やや感じる」が52.9%という回答となりました。
Q8で「非常に感じる」「やや感じる」と回答した方に、「Q9.保育者向けの通訳機が役に立っていると感じる理由を教えてください。(複数回答)」(n=47)と質問したところ、「言語的な不安が解消され、ストレスが減ったから」が57.4%、「緊急時や重要な情報伝達の際に、迅速な対応が可能になったから」が55.3%、「通訳者を介する必要がなくなり、時間と労力を節約できるようになったから」が40.4%という回答となりました。
Q9で「わからない/答えられない」以外を回答した方に、「Q10.Q9で回答した以外に保育者向けの通訳機が役に立っていると感じる理由があれば、自由に教えてください。(自由回答)」(n=46)と質問したところ、「保育用語は一般の通訳機では不自然なことがあったが、その点が解消されたから」や「保護者の方の思いもオンタイムで知ることが出来る」など26の回答を得ることができました。
<自由回答・一部抜粋>
今回は、保育士107名を対象に、【2024年版】インクルーシブ保育に関する実態調査を実施しました。
まず、保育士の82.2%(2020年比44.3ポイント増)が、子どもの国籍や障がい、年齢、貧困などの「違い」をすべて受け入れる「インクルーシブ保育」を「知っている」と回答しており、インクルーシブ保育を知った場面は、2020年に続き、「保育園が行う研修」が最多となりました。一方で、インクルーシブ保育を実施している保育園は66.3%で、2020年から6.0ポイントの増加に留まっています。また、外国にルーツを持つ子どもへの対応に難しさを感じている保育士は90.2%(2020年比35.4ポイント増)、外国にルーツを持つ子どもの親への対応に難しさを感じている保育士は93.8%(2020年比17.3ポイント増)で、いずれも高い結果になりました。さらに、約半数が、保育者向け通訳機の使用経験があり、そのうち92.2%が、通訳機が「役に立っている」と実感しています。その理由として、「言語的な不安が解消され、ストレスが減ったから」などを挙げました。
今回の調査では、保育士の間でインクルーシブ保育への理解が広がりつつある一方で、外国にルーツを持つ子どもと保護者への対応にまだまだ課題が多いことが明らかになりました。通訳機などの技術的な進歩によって保育業務に良い影響が起きている一方、文化や慣習の違いといった、人間的側面へのアプローチスキルや情報量が未だに不足気味な印象があります。「2025年問題」や少子化の加速など、保育分野は不確実で複雑な状況に今直面していますが、目の前にいる子どもたちや保護者のために、保育者は日々弛まぬ努力を続けています。そういった保育者を後押しするためにも、グローバルな分野で活躍する企業や団体などから技術やアイデアの提供・支援などがあると、より包括的な保育が実現できるのかもしれません。これからの保育・子育て支援においては、垣根を超えたより強固なパートナーシップが求められています。
▼本調査のレポートダウンロードはこちら:https://bit.ly/47Rjcrm
株式会社 明日香は、浜松市協力の下、保育現場における有用性のある通訳システムについての実証実験を実施しました。この実験では、保育現場における有用性のある通訳システムを調査・開発し、効果的なインクルーシブ保育の実現と、 保護者支援を含む保育業務全般の質向上を目指しています。
(詳しくはこちら:https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000021.000043389.html)
今後も、子ねくとラボは、翻訳機をはじめとした、インクルーシブ保育に役立つプロダクトやサービス等を用いた実証実験を企画・実施して参ります。是非ご一緒に未来を生きる子どもたちのために、保育環境を整備していきましょう。
実証実験のご相談はこちら:https://konnect-labo.jp/contact
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