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【行事業務を行う保育士に定点比較調査】9割以上が行事業務に「負担」を実感、2023年より14.9ポイント上昇

2025.01.30

お知らせ

〜業務負担から、園児一人ひとりに向き合う機会が少なくなっているとの意見も〜

 株式会社明日香(本社:東京都文京区、代表取締役:萩野 吉俗、https://www.g-asuka.co.jp/index.htm)が運営する子どもと未来、そしてすべての人がConnect(繋がり、結びつき)する保育研究プロジェクト「子ねくとラボ(https://konnect-labo.jp/)」は、イベントや行事を行う保育施設に勤める保育士、幼稚園教諭、保育教諭111名を対象に、【2024年版】保育士の行事業務の負担に関する定点実態調査を実施しましたので、お知らせいたします。

 なお、本調査では、2023年版の同内容調査(※1)と比較して発表いたします。

■調査サマリー

▼本調査のレポートダウンロードはこちらhttps://bit.ly/42skHM6

■調査概要

≪利用条件≫

■保育園での実施行事、第1位「クリスマス会」、第2位「卒園式」

 「Q1.あなたの勤務する保育施設ではどのような行事を行なっていますか。(複数回答)」(n=111)と質問したところ、「クリスマス会」が76.6%、「卒園式」が73.9%、「運動会」が70.3%という回答となりました。

<2024年(n=111)>

<2023年(n=108)>

■保育士の行事に関する業務、2023年と同じく7割以上が「行事後の片付け」や「製作の準備」と回答

「Q2.あなたは、どのような行事業務を行なっていますか。(複数回答)」(n=111)と質問したところ、「行事後の片付け」が76.6%、「製作の準備」が70.3%という回答となりました。

<2024年(n=111)>

<2023年(n=108)>

■全体業務の中での行事業務の割合、約7割が「30%以上」と回答、2023年から14.9ポイントアップ

 「Q3.あなたは、年間を通した行事業務(行事・製作含めた業務)について、全体の業務の中でどのくらいの割合を占めていますか。」(n=111)と質問したところ、「30%~40%未満」が33.3%、「40%~50%未満」が14.4%という回答となりました。

<2024年(n=111)>

<2023年(n=108)>

■行事業務に関して、94.6%の保育士が「精神的な負担」を実感、「かなりある」と感じている保育士は、2023年より17.9ポイント上昇

 「Q4.あなたは行事業務が精神的に負担に感じた経験はありますか。」(n=111)と質問したところ、「かなりある」が55.0%、「ややある」が39.6%という回答となりました。

<2024年(n=111)>

<2023年(n=108)>

■精神的負担のエピソード、「休日も仕事のことを考えていた」(64.8%)や「行事のための練習が多く、行事のための保育になってしまっている」(53.3%)が変わらず上位に

 Q4で「かなりある」「ややある」と回答した方に、「Q5.行事業務が精神的に負担に感じた経験を具体的に教えてください。(複数選択)」(n=105)と質問したところ、「休日も仕事のことを考えていた」が64.8%、「行事のための練習が多く、行事のための保育になってしまっている」が53.3%、「責任が重かった」が45.7%という回答となりました。

<2024年(n=105)>

<2023年(n=86)>

■「何の出し物にするかなど毎回、アイデアを考えるのが大変だった」や「ただでさえない人手が取られて毎日がしんどい」などの精神的負担も

Q4で「かなりある」「ややある」と回答した方に、「Q6.Q5で回答した以外に、行事業務が精神的に負担に感じた経験があれば、具体的なエピソードを自由に教えてください。(自由回答)」(n=105)と質問したところ、「何の出し物にするかなど毎回、アイデアを考えるのが大変だった」や「ただでさえない人手が取られて毎日がしんどい」など61の回答を得ることができました。

<2024年(n=105):自由回答・一部抜粋>

■行事業務に関して、8割以上の保育士が「身体的な負担」を実感、2023年に比べ11.6ポイント高い結果に

「Q7.あなたは行事業務が身体的に負担に感じた経験はありますか。」(n=111)と質問したところ、「かなりある」が40.6%、「ややある」が43.2%という回答となりました。

<2024年(n=111)>

<2023年(n=108)>

■身体的負担として、「残業や持ち帰りの仕事があった」が65.6%で最多、「休憩時間を削って準備を行った」は、2023年比32.6ポイント増

 Q7で「かなりある」「ややある」と回答した方に、「Q8.行事業務が身体的に負担に感じた経験を具体的に教えてください。(複数回答)」(n=93)と質問したところ、「残業や持ち帰りの仕事があった」が65.6%、「休憩時間を削って準備を行った」が63.4%、「睡眠時間が十分に取れなかった」が37.6%という回答となりました。

<2024年(n=93)>

<2023年(n=78)>

■約3人に1人の保育士が、園児一人ひとりに向き合った保育が「できていない」と実感

 「Q9.あなたは、現在、園児一人ひとりに向き合った保育が実現できていると思いますか。」(n=111)と質問したところ、「あまりそう思わない」が28.8%、「全くそう思わない」が2.7%という回答となりました。

<2024年(n=111)>

<2023年(n=108)>

■園児に向き合う保育実現への障壁、「保育士の人手が足りないから」、「業務が多いから」が2023年同様上位に

 Q9で「あまりそう思わない」「全くそう思わない」と回答した方に、「Q10.園児一人ひとりに向き合った保育実現の障壁になっていることを教えてください。(複数回答)」(n=35)と質問したところ、「保育士の人手が足りないから」が80.0%、「業務が多いから」が71.4%、「特定の園児につきっきりになるから」が40.0%という回答となりました。

<2024年(n=35)>

<2023年(n=37)>

■「行事手当」等の待遇改善により、92.9%の保育士が「行事に対する意欲は向上する」と回答

 Q4で行事業務が精神的に負担に感じた経験が「かなりある」「ややある」と回答した方に、「Q11.もし行事業務を行う際に「行事手当」等の待遇改善があれば、行事に対する意欲は向上しますか。」(n=98)と質問したところ、「かなり向上する」が48.0%、「やや向上する」が44.9%という回答となりました。

<2024年(n=98)>

<2023年(n=86)>

■まとめ

 今回は、イベントや行事を行う保育施設に勤める保育士、幼稚園教諭、保育教諭111名を対象に、【2024年版】保育士の行事業務の負担に関する定点実態調査を実施しました。

 まず、「保育施設での行事実施状況」では、「クリスマス会」が76.6%で最多となり、「卒園式」(73.9%)、「運動会」(70.3%)と続きました。次に、「行事業務の内容」では、「行事後の片付け」が76.6%、「製作の準備」が70.3%と2023年同様、高い割合を占めました。さらに、「行事業務の割合」では、保育業務全体の中で「30%以上」を占めると答えた保育士が約7割となり、2023年より14.9ポイント増加しました。また、94.6%の保育士が行事業務に対し「精神的負担」を感じており、特に「かなりある」と答えた割合は55.0%と、2023年より17.9ポイント増加しています。負担の理由としては「休日も仕事のことを考えていた」が64.8%で最多でした。身体的負担では「残業や持ち帰り仕事」(65.6%)や「休憩時間の削減」(63.4%)が挙がっています。また、「園児一人ひとりに向き合った保育」を実現できていないと感じる保育士は31.5%で、障壁として「人手不足」(80.0%)が指摘されています。最後に、「行事手当など待遇改善」の影響について、92.9%が「意欲が向上する」と回答しています。

 今回の調査では、2023年と比較して行事業務における保育士の精神的負担が大きく増加していることが明らかになりました。さらに、行事業務が全体の業務で占める割合が増え、園児一人ひとりに向き合えないと感じる保育士も増加しています。この背景には、コロナ禍の収束による通常運営の回復に伴い、保育士の人手不足や業務過多も重なって、職場環境に影響を及ぼしていると考えられます。行事は子どもたちにとってかけがいのない想い出にもなると同時に、季節を感じたり文化や人と触れ合う絶好の機会です。また、これは保護者にとっても同様です。ただ、子どもの最善の利益を追及する中では、行事そのもののあり方や方法を振り返りポジティブな変化を加えていくことで、保育環境が改善されて結果的に子どもたちに還元されていくというケースもあるでしょう。

保育士の負担軽減や待遇改善はもちろんですが、保育の質向上のためには様々な仕組みの適正化も急務となっています。

▼本調査のレポートダウンロードはこちらhttps://bit.ly/42skHM6

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