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【2024年定点調査】73.4%のママが、産休・育休によるキャリアへの影響を「不安視」 2021年コロナ禍と比べ、4.8ポイントダウン

2024.10.17

お知らせ

〜自治体に求める産後支援や、男性の育休取得の実態も明らかに〜

 株式会社明日香(本社:東京都文京区、代表取締役:萩野 吉俗、https://www.g-asuka.co.jp/index.htm)が運営する子どもと未来、そしてすべての人がConnect(繋がり、結びつき)する保育研究プロジェクト「子ねくとラボ(https://konnect-labo.jp/)」は、第一子となる0歳児のお子様がいて産後の仕事復帰を考えている女性109名を対象に、産後の仕事復帰と自治体の産後支援に関する定点調査を実施しましたので、お知らせいたします。

 なお、本調査では、2021年版の同内容調査(※1)と比較して発表いたします。

■調査サマリー

■調査概要

≪利用条件≫

■73.4%が、産休・育休後のキャリアに「不安を感じる」と回答、2021年から4.8ポイントダウン

「Q1.あなたは、産休や育休など、仕事から一時的に離れることで、自身の仕事上でのキャリアに不安を感じていますか。」(n=109)と質問したところ、「とても感じる」が35.8%、「やや感じる」が37.6%という回答となりました。

<2024年(n=109)>

<2021年(n=110)>

■キャリアに不安を感じる理由、第1位「子育てと仕事の両立ができるか心配」

 Q1で「とても感じる」「やや感じる」と回答した方に「Q2.その理由を教えてください。(複数回答)」(n=80)と質問したところ、「子育てと仕事の両立ができるか心配」が82.5%、「収入面で不安」が68.8%、「仕事のカンが鈍くなる」が52.5%という回答となりました。

<2024年(n=80)>

<2021年(n=86)>

■「復帰するタイミングが難しい」や「社会から取り残されてしまうような感覚になる」などの理由も

 Q1で「とても感じる」「やや感じる」と回答した方に、「Q3.Q2で回答した以外に理由があれば、自由に教えてください。(自由回答)」(n=80)と質問したところ、「復帰するタイミングが難しいから」や「社会から取り残されてしまうような感覚になる」など52の回答を得ることができました。

<2024年(n=80):自由回答・一部抜粋>

■36.2%が、キャリアへの不安から「子育てのモチベーションが高まらない」と実感、2021年より13.8ポイント減少

 Q1で「とても感じる」「やや感じる」と回答した方に、「Q4.キャリアに不安があるために、子育てのモチベーションが高まらないなどと感じることがありますか。」(n=80)と質問したところ、「とてもある」が5.0%、「ややある」が31.2%という回答となりました。

<2024年(n=80)>

<2021年(n=86)>

■モチベーションが高まらない現状について、「言語化できない不安」や「働いていないことで自分自身が成長しないと感じる」などの声も

 Q4で「とてもある」「ややある」と回答した方に、「Q5.モチベーションが高まらないと感じる現状について、思うことを自由に教えてください。(自由回答)」(n=29)と質問したところ、「言語化できない不安」や「働いていないことで自分自身が成長しないと感じる」など18の回答を得ることができました。

<2024年(n=29):自由回答・一部抜粋>

■仕事復帰に対する考えの変化、「産前はすぐ仕事ができたら良いと考えていたが、産後は両立できるかの不安が強くなった」や「仕事内容より、勤務形態、勤務時間や休みやすさを重視したいと思うようになった」など

 「Q6.産前と産後で、仕事復帰に対する考えが変わりましたか。お考えの変化について自由に教えてください。(自由回答)」(n=109)と質問したところ、「産前はすぐ仕事ができたら良いと考えていたが、産後は両立できるかの不安が強くなった」や「仕事内容より、勤務形態、勤務時間や休みやすさを重視したいと思うようになった」など84の回答を得ることができました。

<2024年(n=109):自由回答・一部抜粋>

■自治体の産後支援の充実度、48.6%から「足りない」の声、2021年比12.4ポイント減で改善傾向

「Q7.あなたがお住まいの自治体の産後支援について、充実度を教えてください。」(n=109)と質問したところ、「やや足りない」が37.6%、「非常に足りない」が11.0%という回答となりました。

<2024年(n=109)>

<2021年(n=110)>

■自治体に求める支援、「ブランクがあり、子どもがいる人への就職活動のサポート」や「病児保育の場所が少ない、希望の保育園に入れない」など

 Q7で「非常に足りない」「やや足りない」と回答した方に、「Q8.産後支援について、自治体に行って欲しいこと・サポートして欲しいことがあれば教えてください。(自由回答)」(n=53)と質問したところ、「ブランクがあり、子どもがいる人への就職活動のサポート」や「病児保育の場所が少ない、希望の保育園に入れない」など29の回答を得ることができました。

<2024年(n=53):自由回答・一部抜粋>

■2021年に続き、半数以上が、仕事を「できるだけ早期に復帰したい」と希望

 「Q9.あなたは、仕事をできるだけ早期に復帰したいと思いますか。」(n=109)と質問したところ、「とても思う」が7.4%、「やや思う」が43.1%という回答となりました。

<2024年(n=109)>

<2021年(n=110)>

■早期に仕事復帰したい理由、「ブランクが長くなるほど復帰しづらくなる」や「子供の成長を見守りたいが、金銭面の不安がある」など

 Q9で「とても思う」「やや思う」と回答した方に、「Q10.その理由を自由に教えてください。(自由回答)」(n=55)と質問したところ、「ブランクが長くなるほど復帰しづらくなると思うから」や「子供の成長を見守りたいが、金銭面の不安があるから」など44の回答を得ることができました。

<2024年(n=55):自由回答・一部抜粋>

■育休取得経験がある夫(パートナー)は、35.8%に留まる

 「Q11.あなたの夫(パートナー)は、育休を取得していますか。」(n=109)と質問したところ、「現在取得している」が5.5%、「過去に取得したことがある」が30.3%という回答となりました。

■61.5%が、夫(パートナー)は「育休を取得しづらい」と回答

 「Q12.あなたの夫(パートナー)は育休を取得しやすい環境にあると感じますか。」(n=109)と質問したところ、「全く感じない」が40.4%、「あまり感じない」が21.1%という回答となりました。

■夫(パートナー)の育休取得期間、「1か月以内」が64.2%で最多

 Q11で「現在取得している」「過去に取得したことがある」と回答した方に、「Q13.あなたの夫(パートナー)の育休取得期間について教えてください。」(n=39)と質問したところ、「1か月以内」が64.2%、「3か月以内」が28.2%という回答となりました。

■まとめ

 今回は、第一子となる0歳児のお子様がいて産後の仕事復帰を考えている女性109名を対象に、産後の仕事復帰と自治体の産後支援に関する定点調査を実施しました。

 まず、仕事復帰を考えている女性の73.4%が、産休・育休後のキャリアに「不安を感じる」と回答しており、2021年から4.8ポイントの減少となりました。その理由としては、第1位「子育てと仕事の両立ができるか心配」(82.5%)、第2位「収入面で不安」(68.8%)の結果が出ています。また、自治体の産後支援に不満を感じる女性は48.6%で、2021年比12.4ポイント減と改善傾向ですが、「ブランクがあり、子どもがいる人への就職活動のサポート」や「病児保育の場所が少ない、希望の保育園に入れない」などの支援を求める声が挙がりました。さらに、仕事復帰に関しては、2021年に続き、半数以上が「できるだけ早期に仕事復帰したい」と希望しています。最後に、夫(パートナー)の育休取得の実態について尋ねたところ、育休取得経験がある人は35.8%に留まり、61.5%が、「男性が育休を取得しづらい環境である」と回答しました。

◼️調査結果から読み解く|「子ねくとラボ」所長|末廣剛の見解コメント

 今回の調査では、産後のキャリアに対する不安や、自治体による支援の物足りなさが前回の調査結果から変わらず課題となり続けていることが明らかになりました。また、男性の育休取得についても、取得しづらい環境に置かれている方の割合が高く、取得期間も1ヶ月以内の短期間に留まっています。少子化による人口減少は将来的に経済規模を縮小させるネガティブ要因であることから、国は積極的な少子化対策を長きにわたって謳ってきたわけですが、働き方改革や女性の活躍が促進されるにあたって「産みやすい環境」や「育てやすい環境」が不可欠であるとして、少子化抑止の基盤となる保育の受け皿整備に注力してきました。しかし現状はどうでしょう。共働き世帯数が上昇を続ける(※3)一方、少子化の加速が止まらないのが今の姿です。

 理想と現実のギャップを埋めるのは極めて困難なことかもしれません。アンケート内にも「産前はすぐ仕事ができたら良いと考えていたが、産後は両立できるかの不安が強くなった。」という声がありました。こういった声が減少しない間は、少子化も改善されないと感じます。企業と自治体が連携し、仕事と育児を両立できる本格的な環境づくりが急務と言えるでしょう。

※3|厚生労働省|共働き等世帯数の年次推移https://www.mhlw.go.jp/stf/wp/hakusyo/kousei/22/backdata/02-01-01-03.html

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