保育のコラム

保育士でも年収700万円を目指せる?達成する方法は?

2024/04/20

保育士は、子どもたちの笑顔や成長を間近で見られるなど、やりがいの多い仕事です。

一方で、体力が必要なうえに、子どもの命を預かるという責任から、精神的にも負担が重くのしかかる仕事でもあります。

 

そして、国家資格や専門知識が必要なわりには、もらえる給料が低いイメージがあるのではないでしょうか。

 

「保育士の労力を考えたら、給料が安すぎる!」

「保育士でも、大企業と同じくらい稼いでみたい!」

 

こんなことを思われる方もいらっしゃるかもしれません。

 

それでは、年収700万円もらえる保育士だとしたらどうでしょう?

年収が700万円あれば、より良い生活を送ることができ、経済的な余裕もできるはず。

 

ただ、保育士でも年収700万円を目指せるのでしょうか?

そこで今回は、保育士が年収700万円を目指すための具体的な方法を解説していきます。

 

保育士として大きく稼いでみたい方、この記事が気になる方は、ぜひ最後までご覧ください。

 

保育士でも年収700万円を目指せる?

結論から言うと、保育士でも年収700万円を目指すことは可能です。

 

ちなみに、国税庁「令和4年分 民間給与実態調査統計」によると、年収700万円超~800万円以下の人は、給与所得者のうちのわずか4.8%。そのため、何の専門スキルもキャリアも持たない状態で、年収700万円を目指すのは限りなく難しいと言わざるをえません。

 

保育士の平均年収は、国の補助金などにより、以前に比べれば上がりましたが、日本の平均年収と比べると、まだまだ低い傾向にあります。

 

新しい分野や環境に挑戦したり、専門性の高いスキルを習得したりすることで、年収700万円を目指せるようになるでしょう。

 

そもそも保育士の平均年収はどれくらい?

そもそも保育士の平均年収は、一体どれくらいだと思いますか?

 

厚生労働省が発表している「令和4年賃金構造基本統計調査」によると、男女を合わせた保育士の平均年収は「382万」でした(「きまって支給する現金給与額」×12+「年間賞与その他特別給与額」で計算)。

 

比較として、日本の平均年収を見てみると「458万円」でした。

(国税庁「令和4年分 民間給与実態統計調査」)

 

このことから、保育士の平均年収は、日本の平均年収と比べると「76万円」ほど少ない計算になります。

 

保育士が年収700万円を目指す4つの方法

それでは、保育士が年収700万円を目指すための方法を4つ紹介していきます。

 

冒頭でもお伝えしましたが、保育士でも年収700万円を目指すことは不可能ではありません。

しかし、単に保育士として勤務するだけでは非常に難しく、それ以外の方法も行っていく必要があります。

 

年収700万円といえば、保育士の平均年収の約2倍。

決して簡単に達成できるわけではありませんが、達成した場合は、あなたにとっての大きな自信や価値につながるでしょう。

 

方法1:公立保育園の園長や主任にキャリアアップする

1つ目の方法は、「公立保育園」の園長や、主任保育士にキャリアアップすることです。

 

子ども家庭庁が発表するデータによれば、園長・主任保育士のどちらの場合も、私立保育園よりも、公立保育園で働く方が年収は高くなっています。

 

詳しくは、下記の「表1」をご覧ください。

 

表1:園長・主任保育士の平均年収(私立・公立保育園の比較)

 

私立保育園(常勤)

平均

勤続年数

公立保育園(常勤)

平均

勤続年数

園長(施設長)

679万740円

25.8年

759万5,784円

31.8年

主任保育士

507万5,592円

21.7年

674万700円

25.1年

参考:子ども家庭庁「令和元年度幼稚園・保育所・認定こども園等の経営実態調査

※年収は、1人当たり給与月額(賞与込み)×12で計算

 

ご覧の通り、公立保育園の園長であれば年収700万円を突破しており、主任保育士の場合もかなり近いことがわかるのではないでしょうか。

 

ただし、平均勤続年数を見てみると、公立保育園の園長は31.8年、主任保育士の場合は25.1年となっており、相応のキャリアを積み重ねる必要がありそうです。周囲からの評価にくわえて、多くの知識や人脈なども必要になってくるでしょう。

 

そして、公立保育園の場合は、転勤や異動をする可能性もあります。

勤務先が変わったり、引っ越したりしても大丈夫なのか、しっかり考えたうえで目指した方がよいかもしれません。

 

方法2:保育士の資格を活かせる一般企業に転職する

2つ目の方法は、保育士の資格を活かせる一般企業に転職することです。

 

保育士の資格があるからといって、必ずしも保育士で年収700万円を目指さなければならないわけではありません。

 

保育士として学んだ知識や、保育の現場で積み上げてきた経験は、保育に関連する一般企業に転職することでも活かすことができます。

 

ただし、ただ転職するだけでは年収700万円は目指せません。

 

必ず転職した一般企業で、責任ある役職に就く必要があります。

役職に就くことで役職手当をもらえれば、年収を引き上げることができるでしょう。

 

そのためには、リーダーシップ能力やコミュニケーション能力、円滑な協力関係を築く能力などを磨かなくてはなりません。

 

今まで、子どもたちの命を預かるという責任ある仕事や、保護者や同僚など、多くのコミュニケーションを通じて関係を築きあげてきた経験がきっと役に立つはずです。

 

以下の「表2」は、保育士の資格を活かせる業種の一覧ですので、ぜひ参考にしてみてください。

 

表2:保育士の資格を活かせる業種

業種

理由

保育用具の商材メーカー

・子どもの玩具や絵本など、保育に必要な用具を販売するメーカーであれば、保育の現場で働いてきた保育士の経験はとても価値があります。

 

・子どもが喜ぶポイントや、危険な部分などを熟知しているため、商品開発として重宝される可能性もあります。

子ども服のアパレル企業

・保育の現場に関わってきた経験から、子ども服としての機能やデザインなど、商品開発としての意見を反映させることができます。

 

・店内での接客では、保育士時代で培ってきた保護者への対応力、コミュニケーション能力が活きてきます。

 

・子どもの気持ちも、親の気持ちも理解できるので、企業として重宝される可能性が高いです。

写真館

・泣いている子どもをあやしたり、子どもの笑顔を引き出したりする必要がある職場なので、即戦力としての活躍が期待できます。

子ども向けの教室

・幼児教室やピアノ教室、書道教室などで保育士の指導能力が活かせます。

 

・子どもにわかりやすい言葉で説明をしたり、子どもの好奇心を引き出したりするスキルが役立ちます。

アミューズメントパーク

テーマパーク

・子どもとの接点が多く、保育士の経験が活かせます。

 

・子どもたちが喜ぶポイントや、ケガや事故が起きないような環境づくりの提案ができます。

保育士向け人材派遣会社

・保育士のキャリアや、働き方などの悩みが理解できるため、保育士経験がある人材は重宝されます。

 

・求人の紹介・仲介のほかにも、転職に関する相談や、面接のアドバイスなど幅広く活躍できます。

 

方法3:専門性を高められる資格を取得する

3つ目は、専門性を高められる資格を取得することです。

 

保育業界や、保護者から求められているような専門性を高められる資格を取得すれば、必要な人材と見なされて年収アップが期待できるでしょう。

 

そして、資格を選ぶときは、難易度が低い資格を避けることも重要です。

難易度が低いということは、誰にでも取得しやすく、専門性を高められるとは言えません。

 

保育士で年収700万円を目指すのであれば、保育に関連する資格で、需要が高く、誰でも簡単に取得できない難易度の高い資格を選ぶことが大切です。

 

資格を取得したからといって、必ずしも勤めている保育園が給料を上げてくれるとは限りません。

そのため、取得した資格を持つ保育士を求めている保育園に移るという選択肢も考える必要があります。

 

いずれにせよ、資格を取得することで給料が上がるのかどうか、まずは勤務している保育園と相談してから資格取得を目指しましょう。

 

以下の「表3」では、保育士の専門性を高められる資格をまとめましたので参考にしてみてください。

 

表3:保育士の専門性を高められる資格

資格

理由

幼稚園教諭免許

・保育園と幼稚園の機能をもった「認定こども園」への移行が進んでいるため、需要があります。

 

・保育士資格と幼稚園教諭の免許の両方を取得している「保育教諭」が今後の主流となっていくことが考えられます。

臨床発達心理士

・臨床発達心理士とは、子どもから高齢者に至るまで、心の問題を支援する仕事です。

 

・保育業界では、子育て支援や、発達障害を持つ子どもへのサポートなどの需要が高まっています。

・需要の高さから、活躍の場が広がると同時に、昇格や昇給が見込めます。

 

・受験資格は厳しく、資格取得までの難易度は高いです。

リトミック指導員

・リトミックとは、音楽を通して子どもの感性や表現力を育てる教育です。

 

・近年、導入している園や、保護者からの希望も増えて需要が高まっています。

 

・ほかの保育士に対して指導を行うことができ、保育園側としても資格手当を払ってでも欲しい人材となりそうです。

幼児教育・保育英語検定(幼保英検)

・グローバル化に伴い、英語教育を行う保育施設が増えてきています。

 

・保護者としても、子どもの頃から英語に慣れ親しんでほしいとのことから需要が高まっています。

 

・保育士として英語ができることで、外国人が多い地域では、保護者とのコミュニケーションなどで重宝されるでしょう。

社会福祉士

(ソーシャルワーカー)

・日常生活が困難で、サポートが必要な子どもがいるときなど、保護者に対して適切なアドバイスや支援を行うことができます。

 

・受験資格は厳しく、合格率も低いので、難易度が高い資格になります。

モンテッソーリ教員

・モンテッソーリ教育は、プロ棋士の藤井聡太さんをはじめ、世界の著名人たちも受けていた教育方法です。

 

・子どもの自主性や集中力、柔軟な対応力を育てることができることで注目が集まっています。

 

・導入している園は今のところ限られていますが、子どもの教育のためなら教育費をいとわないと考える教育熱心な親が多く、資格を持つことで、貴重な人材となるでしょう。

 

方法4:副業をする

4つ目の方法は、副業をすることです。

 

公立保育園で働く保育士は公務員となるため、副業は禁止されていますので気をつけましょう。

私立保育園の保育士は、勤務する保育園によって副業がOKなところもあります。

だからといって勝手に判断したりせず、必ず就業規則を確認するようにしてください。

 

副業は、原則として一定の金額以上(年間収入と所得の合計が20万円を超える場合)を稼いだ場合は「確定申告」が必要になります。

 

 確定申告をすると、副業をした収入分が加算されて、所得税や住民税の金額が増えます。

住民税の金額で、保育園側に副業がバレてしまう可能性が高くなることも覚えておきましょう。

 

保育士としての本業がある以上、副業をするには日ごろの体調管理がとても大切です。

副業をしたことで体調を崩し、本業に支障をきたしては本末転倒ですので、無理のない範囲で副業を行いましょう。

 

いざ副業を始めるとしても、何を選んでよいかわからない人もいると思います。

そこで、下記の「表4」では、保育士にオススメの副業を紹介しています。

自分に合いそうな仕事があるかチェックしてみてください。

 

表4:保育士にオススメの副業

副業

理由

ベビーシッター

・保育士のスキルや経験が活かせて、比較的に高収入を狙いやすい仕事です。

 

・共働き世帯が増えているため、需要が増えています。

 

・1回のシフトが1〜3時間程度なので、空いた時間で無理なく働きやすいでしょう。

子ども向けピアノ講師

・日ごろから子どもに接しているため、仕事に早く慣れやすいでしょう。

 

・子どもにわかりやすい言葉で説明をしたり、子どもの好奇心を引き出したりするスキルが役立ちます。

 

・比較的に時給が高く設定されている場合が多いです。

 

・保育士の仕事と違い、抱っこや、おんぶがないので、肉体的な負担が少なくてすみます。

内職・在宅ワーク

・通勤する必要がありません。

 

・職種によっては高単価を狙えます。

 

・空いている時間で仕事ができます。

ブログ運営

・保育士の経験を活かした記事を書くことができます。

 

・時間はかかりますが、大きな広告収入が入ってくる可能性もあります。

 

・PCとネット環境があれば、どこでも仕事ができます。

 

方法5:運営会社の本部スタッフとして働く

5つ目は、保育園運営会社の本部スタッフとして働くことです。

 

保育園運営会社とは、その名の通り保育園を運営するための会社のこと。

一般企業と同じように、営業や人事、事務など、保育園の運営をサポートするための仕事もあれば、系列の保育園を巡回しながら保育士として働く場合もあります。

 

以下の「表5」は、保育園運営会社の働き方・仕事内容になります。

 

表5:保育園運営会社の働き方・仕事内容

働き方

仕事内容

総合保育士

いろいろな地域の保育園を定期的に異動しながら保育現場を経験。経験を積んでから、園長や主任保育士を目指すパターンと、本部スタッフとして働くパターンの2種類を選択できます。

スーパーバイザー

おもに保育園の運営を円滑にするためのサポート業務。たとえば、新規園の開園準備、行政への対応、保育士の採用など、幅広い業務内容が特徴です。

総合職

一般企業と同じように、営業・人事・広報・事務・運営管理などの業務を行います。

 

運営会社の本部スタッフとして働けば、保育士の経験を活かして保育現場での課題を解決したり、人事や職員の教育に役立てたりできるでしょう。

 

ただし、運営会社の本部スタッフとして働くだけでは年収700万円は目指せません。

保育士の資格を活かせる一般企業に転職する場合と同じく、必ず役職に就くことが年収を上げるためには必要です。

 

保育士が年収700万円を目指すのは不可能ではない!

今回は、保育士が年収700万円を目指すための方法を見てきました。

 

給与所得者のうち、わずか5%ほどしかいない年収700万円への道は、保育士としてのフルタイム勤務だけでは、かなり難しいことをわかっていただけたかと思います。

 

ただ、役職への昇進、副業、専門資格の取得、働き方の変更などの方法を積極的に行うことで、保育士でも年収700万円を目指すことは不可能ではありません!

 

けっして楽な道ではなく、誰もが目指せるわけでもないからこそ、挑戦する意味もあるのではないでしょうか。

保育士で年収700万円を目指したいと思う方は、この記事の方法を参考にチャレンジしてみてください。

 

 

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