緊急事態宣言下、テレワーク中の仕事と育児の両立は約4割の母親が 「両立は不安・難しい」内閣府が発表したベビーシッター補助金は34.5%が内容を知らないと回答
総合保育サービスを提供している株式会社 明日香(本社:神奈川県横浜市、代表取締役 :萩野 吉俗、以下 明日香)は、緊急事態宣言下における「在宅勤務と子育ての実態把握」を目的にアンケート調査を実施しましたので発表いたします。
■調査概要
調査期間:2020年4月22日〜4月23日
調査方法:インターネット調査
調査目的:在宅勤務と子育ての実態把握のため
有効回答:東京都在住で現在テレワークを行なっており、緊急事態宣言により子どもが保育園へ登園していない未就学児をもつ20~39歳の母親111名
■テレワークでの仕事と育児の両立に「不安は残ると感じる」「難しいと感じる」母親は約4割
「Q1. 総務省では、テレワークのメリットには「仕事と育児・介護・治療の両立」があると掲げられていますが、あなたは現在リモートワーク・テレワークによって仕事と育児の両立ができていると感じますか。」(n=110)と質問したところ、「両立に不安は残ると感じる」「両立は難しいと感じる」と回答した母親が37.2%と約4割の母親はテレワークによる仕事と育児の両立に不安・困難を感じていることがわかりました。
・両立は難しいと感じる:20.9%
・両立に不安は残ると感じる:17.3%
・ある程度両立できていると感じている:22.7%
・うまく両立できていると感じている:39.1%
■育児と仕事の両立に不安な理由の88.2%は「仕事中に子どもが邪魔をすること」
「Q2.Q1で「両立に不安は残る」「両立は難しいと感じる」と 回答した方にお聞きします。その理由を教えてください」(n=42)と質問したところ、「子供が仕事の邪魔をすることがある」と回答した母親が88.1%となりました。
・子供が仕事の邪魔をすることがある:88.1%
・育児も仕事も中途半端になってしまう:73.8%
・子供が気がかりで仕事に集中できない:54.8%
・子供の影響で仕事のスケジュール管理が上手くいかない:50.0%
・育児と仕事の住み分けが難しい:47.6%
・仕事中は子供が1人になってしまう:42.9%
■「仕事に集中できない」「子供が仕事を阻止してくる」など自宅での育児に悩みを抱える母親多数
「Q3.Q2で「両立に不安は残ると感じる」「両立は難しいと感じる」と回答した方にお聞きします。テレワークの際の育児において、今一番悩んでいることはなんですか。自由にお答えください。」(n=32)と質問したところ、「仕事に集中できない」「子供が仕事を阻止してくる」など仕事・育児にも専念できないという悲痛な声が多数寄せられました。
〈一部抜粋・自由回答〉
32歳:子供が仕事を阻止してくる。泣いてアピールしてくる。
28歳:子供が1歳児のため、目も離せないし、かと言って大人しく遊んでくれるわけでもなく、言葉もわからないので仕事に
ならない。オンライン会議などもマイクをオンにしていると迷惑になってしまう。
30歳:子どもが頻繁に話しかけてくるため、1日に目標としている仕事量が全然終わらない。
34歳:子供の相手をしてあげられないため、宿題以外の時間はテレビを見せていることが多い。
29歳:シングルで幼子2人(0歳、3歳)を見ながら仕事をするなんて、とても無理です。通常の世話だけでも多分にあるの
に、親が家に居ると構ってほしくて仕事の邪魔をかなりしてきます。
■テレワーク時の育児の協力者が「いる」と回答した母親は7割以上
「Q4.テレワークの際の育児において、あなたの周りに育児の協力を頼める人はいますか。」(n=110)と質問したところ、「いる」と回答した母親が74.5%と多くの家庭では育児の協力者がいることがわかりました。
・いる:74.5%
・いない:25.5%
■育児の協力は「配偶者」「父や母」「祖父母」など家族内に頼む母親は91.5%
「Q5.Q4で「いる」と回答した方にお聞きします。それはどのような人ですか。一番該当する方を教えてください。」(n=82)と質問したところ、「配偶者」「ご自身の父や母」「ご自身の祖父母」が91.5%とほとんどの母親は、家族の中で育児の協力を頼んでいることがわかりました。
・配偶者:61.0%
・ご自身の父や母:24.4%
・ご自身の祖父母:6.1%
・友人:2.4%
・ベビーシッターなど外部業者:2.4%
・近隣の住民:1.2%
・その他:2.4%
■37.5%の母親は内閣府のベビーシッター補助を「知らない」
「Q6.内閣府は、新型コロナウイルス感染症対策のための休校休園に伴いベビーシッターを利用した場合、4月1日(水)からの適用で、4月も月額最大26万4000円のベビーシッター補助をすることを決定しました。この内容をご存知ですか?」(n=111)と質問したところ、「知らない」と回答した母親が37.5%と周知されているわけではないことがわかりました。
・知っている:65.5%
・知らない:34.5%
■母親の6割以上は「仕事中に子供の面倒を見てもらえるサービス」利用を希望
「Q7.テレワークの際の育児において、あなたが欲しいと思うサービスを教えてください。(n=110)」と質問したところ、「仕事中に自宅で子どもの面倒をみてもらえるサービス」と回答した方が64.5%、「仕事中に外部で子どもの面倒をみてもらえるサービス」と回答した方が64.5%と6割以上の母親が仕事中に子供の面倒を見てもらえるサービスを利用したいと考えていることがわかりました。
・仕事中に自宅で子供の面倒を見てもらえるサービス:64.5%
・仕事中に外部で子供の面倒を見てもらえるサービス:64.5%
・仕事中でも子供が寂しくならないで済むようなサービス:50.9%
・仕事中の家事等をサポートしてくれるサービス:42.7%
・ある一定の時間だけでも子供を外に連れ出してくれるサービス:40.0%
・特にない:3.6%
・その他:0.0%
■ベビーシッターや子供の面倒を見てくれるサービスを利用したい母親は8割以上
「Q8.テレワークの際の育児において、ベビーシッターやお子様の面倒を見てくれるサービスがあったら利用したいですか?」と質問したところ、「積極的に利用したい」「金額次第で利用したい」と回答した方が89.1%と多くの人がベビーシッター等のサービスを利用したいと考えていることがわかりました。
・積極的に利用したい:46.4%
・金額次第で利用したい:42.7%
・あまり利用したくない:10.0%
・絶対に利用したくない:0.9%
■母親の不安の9割は「お昼寝などリズムが崩れてしまう」「動画ばかり見てしまう」といった保育園と自宅での生活のギャップに関すること
「Q9.保育園を一定期間休園することによるお子様への不安な点はありますか?以下の項目から一番該当するものをお選びください。」(n=110 )と質問したところ、「お昼寝など保育園のリズムが崩れてしまう」31.8%、「動画ばかり見てしまう」31.8%、「友達とのふれあいなど社会性を育めるか不安」22.7%などの回答となりました。
・お昼寝など保育園のリズムが崩れてしまう:31.8%
・動画ばかり見てしまう:31.8%
・友達とのふれあいなど社会性を育めるか不安:22.7%
・適切な教育ができているか不安:10.9%
・特にない:2.7%
■母親から保育士さんへ「努力にいつもありがとう」など感謝の声多数
「Q10.通っている保育園の保育士さんへ「ありがとう」と伝えたいことがあればぜひ教えてください。可能でしたら具体的なエピソードもお願いいたします。」(n=56)と質問したところ、「他人の子供を可愛がってくれて本当にありがとうございます」や、「努力にいつも感謝しています」など、日頃の感謝だけでなく、不安な状況下でも働く保育士に向けて母親たちからの多数のメッセージが寄せられました。
<自由回答・一部抜粋>
・27歳:子供にとって改めて存在の大きさを知りました。今となってはあの頃の日常が懐かしいです。
・32歳:幼稚園と違い、長い時間の保育をいつもしていただき、こういう状況でも幼稚園と違い完全休園に
出来ないから頑張ってくださって感謝しています。
・30歳:いかに子供の面倒を見るのが大変かを実感した。保育園さまさま。そして他人の子供を可愛がってく
れて本当にありがとうと思います。
・32歳:保育士さんも毎日、不安な中働いていると思いますが、その努力にいつも感謝しています。
・36歳:いつも、ご自身の体調管理も気をつけながら、子供ために申し訳ないです。頭が上がりません。
・23歳:1日しか通っていませんが、保育士さんの中にもお子さんがいらっしゃる方もいると思います。自身
の子供を預けて、よその子供の面倒を見ることへの葛藤、毎日の通常業務に加え、コロナの対応もさ
れていて本当に頭が下がります。ありがとうございます。
・23歳:どんな時もちゃんと子どもと向き合い叱ってくれて本当に助かっています。家でもちゃんとお片付け
やお手伝いができるようになりました。
・28歳:こんな事態の中でも何の補償もなく、感染のリスクを負って子供を預かるために出勤してくれている
こと、園を開いてくれていること、皆が困っていないか定期的に連絡をくれること、とてもありがた
く思っている。自分たちの体を一番大切にしてほしい。感染リスクを負って、自分の子供でない他所の子供の命を
かってくれる大切な仕事。
■まとめ
保育園・幼稚園等の休園や登園自粛の要請等により、平日の日中の育児に困難を感じる家庭が増加していることがわかりました。Q3にあるように「生活リズムが不規則になる」「動画ばかりになってしまう」といった保育園での規則正しい生活を自宅で送るのは難しいと感じる家庭は多いです。また、仕事中に一時的に子供を見てもらえるようなサービスへニーズが高いことも今回の調査で判明しました。
今回のQ1では、在宅での仕事と育児について「両立できている」と回答した方が約6割という結果になりましたが、現在のような流れが長引けば長引くほど負担が大きくなります。すでに約4割において両立が不安・難しいとなっている現状から考えると、企業・個人レベルでの対策が必要となるのではないでしょうか。長引くコロナ禍の中で、ベビーシッターの活用や子供に向けたオンライン教育プログラムの利用など様々なサービスを使うことで、少しでも育児負担を軽減できる方法の模索が必要とされます。