【ニュースリリース】69.4%の保育士が「保育園再開後に不安」と回答! 新型コロナ禍における子どもとの距離感に 不安の声を抱える保育士多数 〜「感染者がでた場合の対応」など、保育士のコロナ対策研修希望の声! 明日香、緊急事態宣言下における「保育士の実態把握調査」を実施〜
総合保育サービスを提供している株式会社 明日香(本社:神奈川県横浜市、代表取締役 :萩野 吉俗、以下 明日香)は、緊急事態宣言下における「保育士の実態把握」を目的にアンケート調査を実施しましたので発表いたします。
■調査概要
調査期間:2020年6月8日〜6月15日
調査方法:インターネット調査
調査目的:保育士の実態把握のため
有効回答:保育園で勤務する保育士98名
■緊急事態宣言を受け、66.3%の保育園が休園・登園自粛要請
「Q1. 4月7日に発令された緊急事態宣言中、あなたが勤める保育園ではどのような対応をとりましたか?」(n=98)と質問したところ、「休園した」が17.3%「登園自粛を要請した」が49.0%となりました。
・休園した:17.3%
・登園自粛を要請した:49.0%
・特別保育を実施した:9.2%
・変わらず開園した:16.3%
・その他:8.2%
■休園・登園自粛中に自身の仕事に関する考え方が変化した保育士は約6割
「Q2.Q1で「休園した」「登園自粛を要請した」と回答した方にお聞きします。休園・登園自粛中に、ご自身の仕事に関する考え方は変わりましたか?」(n=65)と質問したところ、「かなり変わった」が24.6%、「少し変わった」が38.5%となりました。
・「かなり変わった」:24.6%
・「少し変わった」:38.5%
・あまり変わっていない:33.8%
・全く変わっていない:3.1%
■保育士、新型コロナ禍で「子供たちに接する際の心構え」に変化あり
「Q3. Q2で「かなり変わった」「少し変わった」と回答した方にお聞きします。考え方の変化について具体的に教えてください。」(n=25)と質問したところ、「自分が感染したらと恐ろしくなった」「子供たちに接する際の心構え」などの回答があがりました。
〈一部抜粋・自由回答〉
33歳:自分が感染したらと恐ろしくなった
41歳:感染症の怖さを知った
48歳:子供たちに接する際の心構え
34歳:コロナだけではなくインフルエンザや感染症の対策をもっと考えていかないといけないと感じました。
■緊急事態宣言解除後に開園している保育園は72.4%
「Q4. 緊急事態宣言解除がされましたが、あなたの勤務する保育園の開園状況を教えてください。」(n=98)と質問したところ、「開園している」が72.5%、「特別保育を実施」が16.3%ということがわかりました。
・開園している:72.5%
・特別保育を実施:16.3%
・登園自粛を要請:6.1%
・休園中:0.0%
・その他:5.1%
■感染症対策として、「職員・子どものマスク着用」が82.8%
「Q5.Q4で「開園している」「特別保育を実施」「登園自粛を要請」のいずれかを選択した方にお聞きします。開園に伴い、どのような感染症対策を行っていますか?」(n=93)と質問したところ、「職員・子どものマスク着用」が82.8%、「使用器具・おもちゃなどのアルコール消毒」が81.7%いうことがわかりました。
・職員・子どものマスク着用:82.8%
・使用器具・おもちゃなどのアルコール消毒:81.7%
・クラス・職員室内等の定期的な換気:66.7%
・園内イベントの中止・延期:50.5%
・コーナー保育の実施による密集回避:26.9%
・園内での遊びの制限:24.7%
・デイリースケジュールの変更:22.6%
・送り迎えの際の来援人数制限:22.6%
・分散型登園の要請:19.4%
・給食・おやつなど食事提供の休止:18.3%
・その他:4.3%
■約7割の保育士が開園するにあたり不安を感じると回答
「Q6.緊急事態宣言解除後、保育園では開園する動きが見られています。開園するにあたり不安を感じますか?」(n=98)と質問したところ、「とても不安」が19.4%、「不安」が50.0%となりました。
・とても不安:19.4%
・不安:50.0%
・あまり不安でない:26.5%
・全く不安でない:4.1%
■開園するにあたり不安な理由として「感染リスクは回避できない」など
「Q7. Q6で「とても不安」「不安」と回答した方にお聞きします。その理由を自由に教えてください。」(n=43)と質問したところ、「第二波がきたらどうしようと思う」「感染者が出た時の対応」という回答があがりました。
〈一部抜粋・自由回答〉
・33歳:第二派が来たらどうしようと思う
・34歳:コロナが完全に終息したわけではなく、保育園内では三密を避けられないこともあるのでリスクを
感じています。
・28歳:感染リスクは回避できないから
・33歳:感染者が出たときの対応
・38歳:自分の園で万が一感染者が出た場合、自分自身も責任を問われ、信用に関わることになるため。
■新型コロナを踏まえ「感染症がでた場合の対応」の研修を受けたい保育士53.1%
「Q8. 新型コロナを踏まえ、保育研修などを受ける場合、どのような研修を現在受けたいですか。(複数回答)」(n=98)と質問したところ、「感染者がでた場合の対応」が53.1%、「今後の保育の進め方」が49.0%となりました。
・感染者がでた場合の対応:53.1%
・今後の保育の進め方:49.0%
・園内での感染症対策:45.9%
・休園・登園自粛中の子ども・保護者への対応:28.6%
・休園・登園自粛時の自宅での対応:23.5%
・特にない:13.3%・その他:3.1%
■保育士の研修に必要だと思う内容として「適切な除菌方法」「実際に感染者が出てしまったら、どのように消毒をしたらいいのか知りたい」など
「Q9. Q8で回答した内容以外に、保育園での研修に必要だと思う内容を自由に教えてください。」(n=48)と質問したところ、「適切な除菌方法」「家でできるあそびの充実」などの回答があがりました。
〈一部抜粋・自由回答〉
・32歳:家でできるあそびの充実
・33歳:適切な除菌方法
・37歳:子供たちの心のケアの方法など
・38歳:幼稚園と保育園の違い、保育士に必要な資質と覚悟
・32歳:実際に感染者が出てしまったら、どのように消毒をしたらいいのかなど知りたい
■まとめ
本調査では、緊急事態宣言を受けて休園した保育園と登園自粛を要請した保育園は合わせて66.3%ということがわかりました。中でも、休園・登園自粛中に仕事についての考え方が変化した保育士は約6割存在し、新型コロナ禍における保育者としての子どもとの距離感など不安や悩みを抱いている保育士が多くいることが明らかになりました。また、Q5・Q8が示す通り、マスクや消毒等の衛生対策には取り組んでいる園が多いように見える一方で、新しいスタンダードの中での保育方法に戸惑っている保育士も多く、これから学びたいと考えていることが判明しました。
長引くコロナ禍の中、保育士が自信を持って子どもたちを預かれるようになるためには、感染者がでた時の対応や今後の保育の進め方や、除菌方法、子どもたちの心のケアに関してなど、「これからの保育のあり方」として有効な保育方法の研究と情報収集&提供(研修)を進める必要があります。