コロナでなくなった保育実習の機会をオンラインで実現! 明日香主催「オンライン保育実習」に、保育士養成校の学生20名が参加 〜「少しでも現場の雰囲気を感じることができた」などポジティブな意見多数! 明日香、”未来の保育士”支援に向け「オンライン保育実習」の定期開催も視野に〜
株式会社明日香(本社:神奈川県横浜市、代表:萩野吉俗、以下 明日香)は、秋草学園短期大学 准教授 浅井拓久也先生ご協力の下、保育の現場とオンラインで繋ぎ、学生たちに保育現場を体験していただく「オンライン保育実習」を、2020年8月27日に開催いたしました。
当日は、新型コロナウイルスの影響で保育実習の機会がなくなった秋草学園短期大学の学生20名が参加し、保育活動の体験や園見学等をオンラインで実施。参加した学生からは、コロナの影響でなかなか保育所見学はできない中で、オンラインででも実習をすることができてよかったなど、ポジティブな意見が多く挙がりました。
明日香は、現場実習を経験できないことで引き起こされる保育業界の課題解決に向け、今後も「オンライン保育実習」の定期開催を視野に入れております。
■明日香、「オンライン保育実習」実施
<オンライン画面上の保育室の様子>
■「オンライン保育実習」開催背景
新型コロナウイルスは、保育士を世に輩出する短大・専門学校等の保育士養成校にも甚大な影響を及ぼしています。通常、最終学年を迎える保育士養成校の学生たちは、夏〜秋ごろにかけて保育現場における実習を行い、現場感覚を培うことで保育士としての実践力を身につけていますが、コロナ禍の影響で、実習受け入れ先施設が無くなる状況に陥っています。これは即ち、卒業後、入職した保育園で初めて現場感覚を味わうことになり、イメージとのギャップから早期退職に繋がることも予想されるため、深刻な保育士不足の加速に拍車をかけかねません。
「オンライン保育実習」は、現場実習を経験できない”未来の保育士”を支援し、保育業界全体の質向上を目指す施策として期待しています。
■オンライン保育実習内容
〈実施協力者〉
・学生側:秋草学園短期大学 准教授 浅井拓久也先生
・施設側:徳田有里 園長
〈参加者〉
・保育士、幼稚園教諭を目指す秋草学園短期大学の生徒 20名
〈モデレーター〉
・株式会社明日香 経営企画・人事本部/事業企画・人財開発室 室長 末廣剛
<園で作成した日ごとの保育のスケジュールをクラスごとに共有している様子>
【タイムテーブル】
9:30 ・開会、イントロダクション(企画説明)
・施設概要説明
-院内保育所と一般の認可園との違いについて
-保育の中で特に大切にしている点について
-シフトパターンや職員数などの勤務状況について
-保護者との関わりについて
10:00 ・保育室内の様子(年齢別)
-日々の保育業務について
-日案と実践の関係性
-年齢別保育の配慮点
-子どもとの関わり方について
-目指している保育について
10:40 ・質疑応答
11:00 ・アンケート、閉会
■オンライン保育実習生へのアンケート結果(一部抜粋)
オンライン保育実習を体験した学生を対象に、アンケート調査を実施しました。Q2では、「保育現場の雰囲気を感じ取れた」と回答した学生に「関心がある点」を聞いたところ、「保育士の言葉掛け」や「年齢ごとの発達の様子」などに多く回答が得られました。
さらに、「オンラインを活用した保育実習は、学びの上で役立つ」と回答した学生にその理由を聞いたところ、「オンラインだと話をきける時間が多くある」「現場に出る前にイメージができる」などオンライン保育実習に対してポジティブな意見が多く挙がりました。
〈自由回答・一部抜粋〉
l 現場の実習では直接話を聞くことがあまり出来ないけどオンラインだと話を聞ける時間が多くあるのでいいと思いました。
l 今コロナという状況で現場に行って行う実習が難しい状況で、少しでも現場の雰囲気を感じることができるので役に立つと思います。
l オンライン通して保育実習を行うことは、実際に対面をして行うよりも、わかりにくい事もあると思いますが、今はコロナの影響があるので、オンラインを通して学べる事もあるので役立つのではないかと思いました。
l 今こうした状況でなかなか保育所見学などはできないので、この幼稚園、保育所はどういった感じの雰囲気なのか、教育方針はどんななのかなど実習で事細かなところにしっかりと視点を置いて見られるので、細かいことを説明するには良いなと思いました。
l オンラインで園見学をすることにより、現場に出る前にイメージができると思う。説明を受けながら見ることで、自分では 気付かなかったことに注目して学んでいけると感じた。
一方で、「いいえ」と回答した学生にその理由を伺うと、「実際に子どもとコミュニケーションをとりたい」「物足りなく感じた」などリアルでの実習の良さと比較した意見も多く見受けられました。
〈自由回答・一部抜粋〉
l 実際に体験しないと園の中の雰囲気や 現場で働いている先生方の対応など分からないこともあると考えるため、出来ることなら現場に行って実習はしたいと思います。
l 難しい状況なのは理解した上でもやっぱりオンライン上では物足りなく感じました。実際に子供たちとコミュニケーションを取りたいと思いました。
l やはり、子どもと関わってみないとわからないことや、実際に保育者の援助を目の前で観察しないとわからない部分を学ぶ場なので役に立たないと思います。
l 実習を行うことがこの先難しくなった場合、実際に行けなくても保育の場を見ることができるという点では学びの役に立つと感じた。しかし前期教育実習と保育所実習に参加した感想を踏まえてしまうとそれ相応の経験にするには、今までとは違う園側の負担も大きくあるだろうし、たくさんの工夫が必要になるのではないかと感じた。
■明日香、保育業界のニューノーマル創出を目指す
「オンライン保育実習」は、新型コロナウイルスの影響を受け、対面での保育実習の機会がなくなった学生に保育の現場を知ってもらい、働くイメージを持ってもらうために実施しましたが、今回の結果を受け、保育士に質問する際の抵抗感が薄れたことや、メモをとりながら現場を見られること、録画して見直すことで学びを深められることなどオンライン配信だからできることが明らかになりました。しかし、実際の子どもとのコミュニケーションや保育者の援助を間近でみることなど、オフラインの良さを実感する学生も多くいました。
感染拡大が続く中で、今回のプログラムは実習のオンライン化への第一歩といえます。明日香は、これからも日々変化する世界情勢の中、保育業界におけるニューノーマルを創出してまいります。
■秋草学園短期大学准教授 浅井 拓久也先生からのコメント
今回の取り組みを通じて、オンライン実習という実習の新しい枠組みを作る必要性を感じました。つまり、学生が保育所で行う既存の実習にいかに近づけるかではなく、オンライン実習だからこそできる実習とは何かをゼロベースで考えていく必要があるということです。こうした新しい枠組みの構築には、保育の研究者だけではなく、保育所運営者との協働、連携がいっそう必要になってくるでしょう。
<プロフィール>
浅井 拓久也(あさい たくや)/秋草学園短期大学 准教授
経歴:東京大学大学院修了後、米国大学大学院留学、民間シンクタンク主任研究員や環太平洋大学専任講師などを経て現職。専門は幼児教育学。認定こども園や保育園の顧問やアドバイザーも務めている。著書は『マンガでわかる!保育所保育指針 2017年告示対応版』(中央法規出版社)、『先輩保育者が教えてくれる!連絡帳の書き方のきほん』(翔泳社)、『子どもの発達の連続性を支える保育の心理学』(教育情報出版)など多数
■秋株式会社明日香 経営企画・人事本部/事業企画・人財開発室 室長 末廣 剛のコメント
様々な分野でオンライン活用が普及していますが、保育分野においても大いに有用性があることを改めて感じました。ただ、だからこそリアルの重要性も明確になり、保育業界における「ニューノーマル」が少しずつ具体的な姿を現してきたように思います。今後、更にオンラインを適正かつ効果的に活用し、未曽有の事態を乗り越える保育環境を築くためには、行政(地域)、民間企業、研究機関(者)が一体となって取り組む事が絶対不可欠です。その一翼を担う活動を今後も明日香は続けて参ります。
<プロフィール>
末廣 剛(すえひろ つよし)/株式会社明日香 経営企画・人事本部/事業企画・人財開発室 室長
経歴:立命館大学卒業後、渡英しサブカルチャー/エンタメビジネスを研究。その後広告代理店等の勤務を経て保育業界に。新規立ち上げから人事・採用・運営まで保育事業の全般に携わり、面接・面談を行った保育士数は延べ1,200人以上。