8割のママが出産後の体調悪化を実感 自治体による支援の期待大 〜認知度約9割の「産後うつ」、経験エピソードも〜
子どもと未来、そしてすべての人がConnect(繋がり、結びつき)する保育研究プロジェクト「子ねくとラボ」を運営する株式会社 明日香(本社:神奈川県横浜市、代表取締役:萩野吉俗)は、2020年もしくは2021年に出産を経験した女性110名に対し、「出産後の体調」に関するアンケート調査を実施いたしましたので、お知らせいたします。
■調査概要
調査概要:「出産後の体調」に関するアンケート調査
調査方法:インターネット調査
調査期間:2021年4月13日〜同年4月14日
有効回答:2020年もしくは2021年に出産を経験した女性110名
■「産後うつ」の認知度は約9割
「Q1.産後うつは、妊娠中から産後4週間以内に現れるうつ症状で、不眠や頭痛、気分の落ち込みなど引き起こします。あなたは産後うつを知っていましたか?」(n=110)と質問したところ、「はい」が89.1%、「いいえ」が10.9%という回答となりました。
・はい:89.1%
・いいえ:10.9%
・答えたくない:0.0%
■8割のお母さんが出産後の体調悪化を経験
「Q2.あなたはお子さんを産んだあとに、体調が悪くなるような症状はありましたか?」(n=110)と質問したところ、「ある」が48.2%、「多分ある」が31.8%という回答となりました。
・ある:48.2%
・多分ある:31.8%
・ない:16.4%
・わからない:3.6%
■産後の体調不良「やる気が出ない」「食欲や感情がなくなった」などのエピソード
Q2で「ある」「多分ある」と回答した方に「Q3.体調不良と思われるような当時のエピソードを教えてください。(自由回答)」(n=88)と質問したところ、
「身体がだるく、やる気が出ない」や「子供が一日中泣き止まず、食欲や感情が無くなった。」など68の回答を得ることができました。
<自由回答・一部抜粋>
・33歳:寝不足、食欲不振
・37歳:寝不足が続くので疲れていらいらした
・33歳:泣きたくなる
・32歳:頭痛が止まらない日があった
・30歳:身体がだるく、やる気が出ない
・34歳:血圧が高くなり高圧薬を処方され、1ヶ月ほど血圧を自己測定していた。
・26歳:ストレス発散ができない状況で体に痒みが出た
・30歳:夜中の授乳中に孤独感で泣いてしまった。
・32歳:子供が一日中泣き止まず、食欲や感情が無くなった。
・39歳:帝王切開だったためその痛み、高血圧症だったため高血圧とその頭痛とくらくらと耳鳴り。ふらふら。たちくらみ
■最も出産後のサポートをしていた人は「パートナー」、続いて「実母」
「Q4.出産後、育児や家事をサポートしていた人とその度合いを教えてください。」(n=110)と質問したところ、それぞれ下記のような回答となりました。
<パートナー>
・とても協力していた:40.9%
・やや協力していた:43.6%
・あまり協力していない:10.9%
・全く協力していない:4.6%
<実父>
・とても協力していた:19.1%
・やや協力していた:25.5%
・あまり協力していない:20.0%
・全く協力していない:35.4%
<義父>
・とても協力していた:15.5%
・やや協力していた:20.9%
・あまり協力していない:21.8%
・全く協力していない:41.8%
<実母>
・とても協力していた:40.9%
・やや協力していた:22.7%
・あまり協力していない:17.3%
・全く協力していない:19.1%
<義母>
・とても協力していた:22.7%
・やや協力していた:21.8%
・あまり協力していない:27.3%
・全く協力していない:28.2%
<その他>
・とても協力していた:20.9%
・やや協力していた:26.4%
・あまり協力していない:11.8%
・全く協力していない:40.9%
■約9割がパートナーの家事・育児協力がなかったことによる健康への影響を実感
Q4でパートナーについて「あまり協力していない」「全く協力していない」と回答した方に対し「Q5.パートナーが育児や家事に協力してくれなかったことであなたの身体・精神状態に影響はありましたか?」(n=17)と質問したところ、「あった」が88.2%という回答となりました。
・あった:88.2%
・なかった:0.0%
・わからない:11.8%
■半数以上が「自治体」による産前・産後支援を望んでいる
「Q6.あなたは育児を行う上でご自身が暮らす自治体の養育支援産前・産後支援を利用したいですか?それとも保育やベビーシッターなど子育てのプロである事業者の養育支援産前・産後支援を利用したいですか?どちらをより利用したいかお答えください。」(n=110)と質問したところ、「自治体」が51.8%、「事業者」が21.8%という回答となりました。
・自治体:51.8%
・事業者:21.8%
・どちらも利用したくない:12.7%
・わからない:13.7%
■自治体に求めるサポート、「一時預かり」「子育て情報提供」など
Q6で「自治体」と回答した方に対し「Q7.どのようなサポート内容を期待しますか?(複数回答)」(n=57)と質問したところ、「一時預かりサービスの実施」が56.1%
「地域の子育てに関する情報提供」が50.9%、「子育てに関する講習の実施」が42.1%という回答となりました。
・一時預かりサービスの実施:56.1%
・地域の子育てに関する情報提供:50.9%
・子育てに関する講習の実施:42.1%
・他の子育て家庭との交流の場の提供:36.8%
・産褥期(産後6~8週間まで)の育児支援:36.8%
・子育てに関する悩み相談:36.8%
・多世代交流の場の提供:28.1%
・地域の保育園・保育施設の情報提供:28.1%
・保護者の身体・精神不調に関する相談・指導:26.3%
・家事の補助:26.3%
・栄養指導:21.1%
・その他:3.5%
・特になし:0.0%
■「産後の人と知り合えるアプリ」「未就園児の預かりサービス」などに期待
Q6で「自治体」と回答した方にお聞きします。「Q8.Q7で回答した以外に期待するサポート内容があれば、自由に教えてください。(自由回答)」(n=57)と質問したところ、「アプリで似ている人を知りやすいような更に身近なサービス」、「未就園児を一時的に預かってくれる支援」など32件の回答を得ることができました。
<自由回答/一部抜粋>
・40歳:子育て支援
・32歳:どう利用したらいいかが知れるようにしてほしい
・32歳:割引券など
・31歳:不安定でツラいときもインターネット環境で見かけるアプリに似ている人を知りやすいような更に身近なサービスがもっとあると気軽に参加しやすくなると思います。
・35歳:出産前に安静診断された場合、上の子の子守りサービスができると安心できる。
・37歳:仕事をしていなくても、例えば上の子の役員などで対応しなくてはならないとき、未就園児を一時的に預かってくれる支援がほしい
・30歳:訪問で母親の話を聞いてくれる
■まとめ
今回は、2020年もしくは2021年に出産を経験した女性110名に対し、出産後の体調に関するアンケート調査を実施しました。
「産後うつ」の認知度は、約9割に上り、産後の女性に幅広く認知されているようです。実際、産後に頭痛や不眠、食欲の減退など、体調不良の症状があったと回答したのは8割で、自らの経験からも実感があるのではないでしょうか。続く体調不良に関する具体的なエピソードを伺った問では、上記の症状以外にも感情のコントロールが難しくなったり、ストレス発散に苦しむような回答がありました。
それに対して、最も出産後のサポートをしていた人は、パートナーでした。続いて実母が高い数値です。数は少ないものの、パートナーが出産後のサポートを行わなかった場合には、約9割がパートナーの家事・育児協力がなかったことによる健康への影響を実感していることから、産後の健康状態を保つためには、パートナーとの協力関係が必要となるようです。このことは「少子化社会対策大綱」(令和2年5月29日閣議決定)でも示されている、ひとり親家庭など多様化する子育てへの支援の重要性をより一層強調するものとも言えます。
産前・産後に関する育児支援に関しては、自治体による支援を期待する声が半数以上を占めました。具体的なサービスに関しては「一時預かりサービスの実施」が56.1%、「地域の子育てに関する情報提供」が50.9%、「子育てに関する講習の実施」が42.1%と、高い数字が示されています。自由回答の問においても母親同士のコミュニケーションを求める声や、預かりサービスを求める声が目立つなど、情報交換を通じたコミュニケーションと、託児によるゆとりが求められている傾向がありました。
「産後うつ」のような、産後の女性が苦しむ体調不良を軽減し、より一層複雑化する子育てニーズに応えるためにも、自治体や事業者によるサポートの仕組みが求められています。