保育のコラム

50代の保育士でも転職・復職できる?求人の傾向や探し方について

2020/11/03

「50代で子育てがひと段落、これまでの育児の経験とかつて保育士として働いていた経験を活かして保育士として復職したい」「これまでの育児の経験を活かし、50代から新たに保育業界で働き始めたい」と50代になった今だからこそ、保育園で働きたいと考えている方もいらっしゃるのではないでしょうか。

一方で、「体力的に不安」「保育できるのかしら」という不安もあります。

また、50代から新しい環境に飛び込むのは、やはり怖くなってしまうこともあると思います。

しかし今、50代の保育士の活躍が増えてきています。

今回は50代の保育士として活躍するためにはどうすれば良いか、また求人の傾向なども合わせて紹介いたします。

“ずっと保育士編集部”

【記事監修】ずっと保育士編集部

「ずっと保育士」は、保育ひとすじ28年の株式会社明日香が運営する保育専門のキャリアサポートサービスです。結婚や出産、育児など、目まぐるしく変わるライフステージの中で、その時その時にぴったり合うお仕事を紹介したい。そして、保育の仕事でずっと輝き続けるあなたを応援したい、という想いで保育士の就職、転職、復職などのキャリア支援を行っています。また、「ずっと保育士」では保育士さんの疑問や悩みなどを少しでも解決すべくコラムを通した情報発信も積極的に行っています。

そもそも50代の保育士の求人はあるの?

慢性的な保育士不足に悩む保育業界では、50代の保育士は経験ある現役保育士として歓迎される存在でもあります。

ずっと保育士を続けてきた方は、保育士としてはもちろんのこと、園長や管理職としてもその手腕に期待されます。

また、長期的なブランクがあった場合でも30代〜40代の保育士に比べ、子育てもひと段落していることから急な予定変更も少なく、子育て経験があるという事もプラスに働きます。

保護者の中には、自分より若い保育士に預けるよりもベテランの先生に預けたいという方もいらっしゃるので、人生経験豊かな保育士はニーズは年々高くなっていると言えます。

50代の保育士が転職・復職を考える際に考えるべき4つのポイント

ニーズはあるとはいえ、50代で保育士として復職・転職・就職する際には体力面、精神面などにおいて、様々な不安がでてくると思います。

50代で保育士として復職・転職・就職する際には、どんなことに気をつけておけば良いのか、4つのポイントをまとめてみます。

ポイント1:保育士資格または他の資格を保有しているかどうか?

保育士として働くには、まずは保育士資格の確認が必要です。

平成15年に児童福祉法が改正され、保育士定義が大きく変更されました。

保育士(保母)の資格証明書を取得済みの方は保育士となる資格を有しているため、新しく試験を受ける必要はありませんが、改めて保育士登録を申請し、保育士証の交付を受ける必要があります。

詳しくは社会福祉法人日本保育協会の『保育士の登録』ページをご確認ください。

簡単な手続きのみで完了しますが、保育士として再び働く上では必ず必要なのでご確認ください。

また、その他にも保育士として働く時に有利な資格があれば、あらかじめ確認しておきましょう。

例えばブランク期間にベビーシッター認定資格や介護関連の資格を取得するなど、人の介助、補助をする資格などを取得していると、面接などの好印象に繋がります。

未経験もしくは無資格はダメなの?

正職員(正社員)としての採用を目指す場合は、保育士資格は必須ですが、保育士の資格がなくても、パートやアルバイトなど、保育園の求人はあります。

つまり、保育士資格があれば未経験でも50代から正職員(正社員)での採用も目指せます。

未経験や無資格の方でも、保育園で働くこと自体は歓迎されます。

特に「子どもが好き」「支援したい」という思いを強く持っていたり、これまでの子育て経験などを通じて、子ども達への愛着形成が上手にできる方であれば、さらに良いと言えるでしょう。

50代から保育士資格を取得することは可能?

保育士資格の取得は、50代からでも可能です。

現在は高校卒業後に2年生以上の専門学校、短大、大学などの学歴が必要とされる保育士資格の受験資格ですが、1991年3月31日以前に高等学校を卒業した人は経過措置のために高卒でも受験資格があると定められています。

そのため、50代の方は高卒以上であれば、受験可能です。

8教科9科目ある保育士資格は暗記中心の資格なので、暗記が得意な人には有利です。

しかし、残念ながら年齢とともに記憶力や暗記力は低下してしまいがちです。

1度のチャレンジでは保育士資格合格に必要なすべての科目合格は難しいかもしれません。

しかし、保育士資格は年2回程度実施されますので、諦めずに計画的に勉強しながら試験に合格していくことが大切です。

ポイント2:何を目的に転職・復職をするのか?

あなたはなぜ保育士として転職・復職をしたいでしょうか。

保育士としてすでに働いていて、転職を希望されている方は園長などキャリアアップが目的でしょうか。

昨今の待機児童問題の解消のため、今各地でたくさんの保育所が新設されています。

そこでは園長やリーダーなど、経験豊富な役職者などの募集が積極的に行われており、保育士としてのキャリアを積んでこられた50代の方のニーズが高まっています。

また、今後働く女性はますます増加するとみられ、そのニーズは当面高いまま、もしくはそれ以上と考えられます。

50代の保育士として最後の転職になる可能性がある方には大きなチャンスといえるでしょう。

一方、しばらく保育士としてのキャリアにブランクのある方であれば、子育てなど落ち着いた環境でもう一度保育士として働きたいと思ったり、自分もなにか社会の役に立ちたいという気持ちが強いのかもしれません。

50代の保育士はその人生経験なども含めて、若い保育士にはない落ち着きや保護者対応などが保育園からは望まれています。

これまで培ってきたあなたの人生経験を役立て、どのような保育士になりたいのかを明確にしておくと良いでしょう。

ポイント3:転職・復職にあたって重視する条件は何か?

保育士として働くにあたり、重視することは何でしょうか。

勤務時間、給与、待遇、など様々な条件の中で、今は様々な働き方ができる時代です。

フルタイムしっかり働きたいのであれば正職員(正社員)、時短や空いた時間に働きたいのであれば、派遣社員やパート・アルバイトなども選択肢の1つになります。

一口で給与へのこだわりも、しっかり稼ぎたい方と、扶養内などに収まる範囲で働きたいなどこだわりは人それぞれです。

ご自身がどのような働き方をしたいのか、まずは転職・復職前に冷静に考えてみてください。

正職員(正社員)、契約社員(臨時職員)、派遣社員、パート・アルバイトなど働き方の違いによる保育士の給与相場については「保育士の平均年収や給料相場ってどれくらい?」の記事にも詳しくまとめてあります。

50代で保育園への就職、転職、復職を検討されている方は、ぜひこちらも参考にしてみてください。

>>「保育士の平均年収や給料相場ってどれくらい?」の記事を見る

ポイント4:転職・復職にあたって不安な事はあるか?

50代の保育士として転職・復職するにあたって不安になる理由として代表的なものが「体力面の不安」「ブランクの不安」「人間関係の不安」です。

それぞれの不安について、どう考えていけばいいのか、またどう対処していけば良いのかについて詳しく解説していきます。

体力面が不安な場合

保育士は体力を使う仕事です。

元気いっぱいの子ども達と外遊びやお散歩をするときは、全力で走り回りながらも、危険がないかなど配慮しなければならないのは、精神的にも肉体的にも厳しい仕事です。

また、甘えたい子どもからは抱っこやおんぶをお願いされることもあるでしょう。

泣いている子どもを抱っこしてあやしたり、手歌遊びの中には高く持ち上げる動きをするものもあります。

保育士の職業病の一つに「腰痛」があげられるとおり、50代の保育士にとっては肉体的な辛さは大きな不安要素の一つだと思います。。

トレーニングや健康維持などとともに、若い先生に頼ったり、子ども達を上手にあやしたりしながらご自身の体をいたわれるようになるのが理想的です。

また手歌遊びなどは、種類をたくさん覚えることで、高く持ち上げるものを避け、子ども達が楽しめるように誘導するのもテクニックの一つです。

そして、働き方も体力に合わせて決めていくのが大切です。

例えば、パートやアルバイトの保育士であれば、時間を遅番専門にすることもできます。

基本的に体を使った遊びは午前中に行うことが多いので、遅番の保育士であれば比較的体力を使わずに子ども達と遊ぶことができるからです。

50代はまだまだ動けるといっても、若い20代、30代に比べると体力が大きく落ちています。

もし、50代から保育士への転職・就職・復職をしたいと思っているのであれば、ご自身の体力と相談しながら働き方も考えておくと良いでしょう。

ブランクが不安な場合

ブランク期間に保育現場の状況が変わってしまったのではないか、手遊びや歌など覚えているのかなど、スキルについては、ご自身で努力する必要があります。

例えば、保育セミナーや研修を活用するなど、自己研鑽が欠かせません。

そういった自分に足りないかもしれないことを学ぶ努力は、面接時にも好印象になりますし、実際に転職・復職した後も職場内で大きく役立つことは間違いありません。

保育士に必要なスキルの習得や勉強ができるセミナーや研修については「転職が有利になる!?転職したい保育士が活用すべき保育士等キャリアアップ研修・セミナーとは?」の記事にも詳しくまとめてあります。

ぜひ、ご自身のスキル向上のために役立ててください。

>>「転職が有利になる!?転職したい保育士が活用すべき保育士等キャリアアップ研修・セミナーとは?」の記事を見る

人間関係が不安な場合

保育士として働くにあたり、年代関係なく不安なのは人間関係です。

特に50代の保育士となると、若い人の割合が多い保育士業界の中で、うまく話ができるのかどうか、職場に馴染めるのかどうか不安になることもあると思います。

人間関係に不安な方は、一度第三者の存在を介して、働いてみるという働き方もあります。

その働き方とは派遣保育士という働き方です。

派遣保育士がどのような働き方なのか?

詳しくは「派遣保育士という新しい働き方!保育士が派遣で働くメリットとデメリット」の記事にもあります。

こちらも合わせて参考にしてみてください。

>>「派遣保育士という新しい働き方!保育士が派遣で働くメリットとデメリット」の記事を見る

50代の保育士の求人の傾向と探し方

保育士の求人に限らず、求人票に「年齢不問」と書いてある求人が多いのが最近の傾向です。

求人票の通り、本当に年齢不問のところもありますが、実は内部では年齢制限をしている保育所もあります。

50代の保育士も歓迎しているかどうかはその内容で読み取ることができます。

まず、「未経験者歓迎」「若い保育士が活躍中」「育休復帰100%」などの言葉がある求人は残念ながら20代〜30代を募集する求人だと考えられます。

逆に「経験者優遇」「園長候補募集」「生涯現役」などの言葉がある求人は50代の保育士など、少し生活に落ち着きが出た保育士の募集を行っている傾向にあります。

今は保育士不足の問題が大きく、50代の保育士のニーズはとても高く、求人も豊富にあります。

保護者の中には、自分よりも年下の保育士に子どもを預ける不安から、50代の保育士などは安心できるという評価もあり、保育士としての経験、人生経験も含めて、今活躍が求められています。

実際の保育士経験以外にも子育て経験や人生経験豊かな人が欲しいという求人は50代の保育士にとってぴったりの求人といえるでしょう。

50代でも保育士として復職・転職は可能!

50代になると、保育士への転職や復職が難しいイメージがあると思います。

しかし、実際には50代の保育士には需要がたくさんあり、保育の現場で求められているといっても過言ではありません。

そして、今現在は様々な働き方の選択肢があり、50代の保育士の方が復帰しやすい時代です。

かつては定年は60歳と決まっていましたが、今は社会的にも定年の年齢は伸びており、保育士も例外ではありません。

不安や心配事もあると思いますが、ご自身の経験を生かし、年齢を重ねたからこそできる保育士としての活躍を考えてみてください。

あなたがいくつになっても、楽しく働いていることは子ども達にとっても、年齢を重ねることの楽しさ、大人って楽しいということが伝わり、精神面での発達に大きな影響を及ぼすことは間違いありません。

保育園にとっても、保育士の年齢に幅があり、若手からベテランまでいる保育士構成は互いに補完し合い、学び合う環境として良いと言えるでしょう。

「もう50代だし…」と諦める必要はありません。

あなたらしい活躍できる転職・復職をしてみてください。

明日香では、あなたの保育士としての再出発、または保育士としての門出を後押しする環境が整っています。

もし50代で保育士に就職、転職、復職したいと考えているのであれば、一度保育専門のキャリアコンサルタントに相談してみましょう。

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