赤ちゃん・子ども同士で噛みつく!噛みつき傷の手当と保育園側で取るべき対応
2017/10/05
0~2歳頃の赤ちゃんや子ども同士の噛みつきのトラブル。実は、その子の性格に起因するものではなく、成長の過程でどの子にも起こり得ることです。そのため、しっかりと注意して見ていても、「目を離した隙にお友達に噛みついてしまった…」ということも少なくありません。重要なことは、その後の対応です。
そこで今回は、噛みつき傷の手当と保育園側で取るべき対応についてご紹介します。
なぜ噛みついてしまうのか
0~2歳頃の赤ちゃんや子どもは、まだしゃべれなかったり語彙が少なかったりするため、言葉で感情を適切に表現することができません。そのため、噛みつくことで意思表示をしようとすることがあります。
例えば、「お友達が遊んでいるおもちゃで自分も遊びたい」「自分のおもちゃを横取りされたことが歯がゆい」といった場面で、自分の気持ちを言葉や身ぶり手ぶりで表現する方法が分からず、とっさに噛みついてしまいます。
また、嫌だという感情表現以外にも、お友達と仲良く遊びたいけれど、接し方が分からなくて噛んでしまう場合もあるでしょう。いずれにせよ「噛みつく行為には必ず理由がある」と理解することが大切です。
噛みつき傷の手当の方法
保育園の赤ちゃんや子どもが噛みついてしまったとき、まずしなければならないことは、噛みつき傷の手当です。噛みつき傷はそのままにしていると痕に残るため、患部をすぐに冷却し、いち早く内出血を止めることが重要です。
患部全体をむらなく冷やすためには氷のうの利用が最も適していますが、常備していない場合は、氷と水を入れたビニール袋でも代用できます。どちらの場合も、患部にタオルを当て、その上からじっくりと冷やします。
氷のうなどを強く押し当てたり、患部周辺を揉んだりすることは、内出血をさらに悪化させる恐れがあるためNGです。
また、患部を冷却する際に冷却ジェルシートを使用することはおすすめできません。冷却ジェルシートはメントールの作用で冷たく感じるわりに冷却効果は低く、誤飲の危険性もあるためです。
噛みつきが起こったときの子どもへの対応
保育園の赤ちゃんや子どもが噛みついてしまったら、そのときの状況からなぜ噛んでしまったのかを推測し、「おもちゃを取られたくなかったんだよね」などと噛んでしまった子の感情を代わりに言葉で表現してあげましょう。お友達との接し方が分からなくて噛んでしまった場合は、実際に子どもの中に入って一緒に遊び、関わり方を示してあげることがおすすめです。
そして、大切なことは、噛むことは悪気がなくてもやってはいけない行為であることをきちんと伝えることです。ただ厳しく叱りつけるのではなく、噛むことは人を傷つける行為であること、噛まれた相手はとても痛い思いをすることを、子どもが分かってくれるまで根気良く説明しましょう。
噛みつきが起こったときの保護者への対応
保護者への対応に関しては、「噛まれた子の保護者には伝えるが、保育園の監督不足であるため、噛んだ子の保護者には伝えない」「双方の保護者にきちんと説明する」など、保育園の方針によってさまざまです。しかし、どのような方針であっても保育士の対応として心掛けるべきことは、保護者としっかりとコミュニケーションを取ることです。
噛みつきがあった事実は、噛まれた方の保護者、噛んだ方の保護者、どちらにとってもショックなことです。そのため、ただ事実だけを伝えるのではなく、そのときの状況や噛んでしまった理由、どのような傷の手当や指導を行ったかなどを詳しく伝えることで、不安を取り除いてあげてください。
おわりに
噛みつきはやってはいけないことですが、その子に自我が芽生えはじめたという成長の証でもあります。噛まれた子には傷が残らないよう速やかに冷却手当をし、噛んでしまった子には噛みつきの理由を理解してあげた上で、噛みつきは良くないことだとしっかり伝えましょう。
とはいえ、未然に噛みつきが起きないよう、防ぐに越したことはありません。子どもから目を離さず様子や機嫌を観察しながら、いさかいが起きそうなときは外遊びや離れた場所へのお散歩に連れて行くなど、環境を変えてあげる工夫も行っていきましょう。
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0~2歳頃の赤ちゃんや子ども同士の噛みつきのトラブル。実は、その子の性格に起因するものではなく、成長の過程でどの子にも起こり得ることです。そのため、しっかりと注意して見ていても、「目を離した隙にお友達に噛みついてしまった…」ということも少なくありません。重要なことは、その後の対応です。
そこで今回は、噛みつき傷の手当と保育園側で取るべき対応についてご紹介します。
なぜ噛みついてしまうのか
0~2歳頃の赤ちゃんや子どもは、まだしゃべれなかったり語彙が少なかったりするため、言葉で感情を適切に表現することができません。そのため、噛みつくことで意思表示をしようとすることがあります。
例えば、「お友達が遊んでいるおもちゃで自分も遊びたい」「自分のおもちゃを横取りされたことが歯がゆい」といった場面で、自分の気持ちを言葉や身ぶり手ぶりで表現する方法が分からず、とっさに噛みついてしまいます。
また、嫌だという感情表現以外にも、お友達と仲良く遊びたいけれど、接し方が分からなくて噛んでしまう場合もあるでしょう。いずれにせよ「噛みつく行為には必ず理由がある」と理解することが大切です。
噛みつき傷の手当の方法
保育園の赤ちゃんや子どもが噛みついてしまったとき、まずしなければならないことは、噛みつき傷の手当です。噛みつき傷はそのままにしていると痕に残るため、患部をすぐに冷却し、いち早く内出血を止めることが重要です。
患部全体をむらなく冷やすためには氷のうの利用が最も適していますが、常備していない場合は、氷と水を入れたビニール袋でも代用できます。どちらの場合も、患部にタオルを当て、その上からじっくりと冷やします。
氷のうなどを強く押し当てたり、患部周辺を揉んだりすることは、内出血をさらに悪化させる恐れがあるためNGです。
また、患部を冷却する際に冷却ジェルシートを使用することはおすすめできません。冷却ジェルシートはメントールの作用で冷たく感じるわりに冷却効果は低く、誤飲の危険性もあるためです。
噛みつきが起こったときの子どもへの対応
保育園の赤ちゃんや子どもが噛みついてしまったら、そのときの状況からなぜ噛んでしまったのかを推測し、「おもちゃを取られたくなかったんだよね」などと噛んでしまった子の感情を代わりに言葉で表現してあげましょう。お友達との接し方が分からなくて噛んでしまった場合は、実際に子どもの中に入って一緒に遊び、関わり方を示してあげることがおすすめです。
そして、大切なことは、噛むことは悪気がなくてもやってはいけない行為であることをきちんと伝えることです。ただ厳しく叱りつけるのではなく、噛むことは人を傷つける行為であること、噛まれた相手はとても痛い思いをすることを、子どもが分かってくれるまで根気良く説明しましょう。
噛みつきが起こったときの保護者への対応
保護者への対応に関しては、「噛まれた子の保護者には伝えるが、保育園の監督不足であるため、噛んだ子の保護者には伝えない」「双方の保護者にきちんと説明する」など、保育園の方針によってさまざまです。しかし、どのような方針であっても保育士の対応として心掛けるべきことは、保護者としっかりとコミュニケーションを取ることです。
噛みつきがあった事実は、噛まれた方の保護者、噛んだ方の保護者、どちらにとってもショックなことです。そのため、ただ事実だけを伝えるのではなく、そのときの状況や噛んでしまった理由、どのような傷の手当や指導を行ったかなどを詳しく伝えることで、不安を取り除いてあげてください。
おわりに
噛みつきはやってはいけないことですが、その子に自我が芽生えはじめたという成長の証でもあります。噛まれた子には傷が残らないよう速やかに冷却手当をし、噛んでしまった子には噛みつきの理由を理解してあげた上で、噛みつきは良くないことだとしっかり伝えましょう。
とはいえ、未然に噛みつきが起きないよう、防ぐに越したことはありません。子どもから目を離さず様子や機嫌を観察しながら、いさかいが起きそうなときは外遊びや離れた場所へのお散歩に連れて行くなど、環境を変えてあげる工夫も行っていきましょう。