転職が有利になる!?転職したい保育士が活用すべき保育士等キャリアアップ研修・セミナーとは?
2019/11/02
「保育士としてもっと自分にあった職場を探したい!」「もっといい待遇の保育所に転職したい」と考えていらっしゃる保育士の方もいらっしゃると思います。
保育士は子どもの命を預かり、子どもの成長を支援する責任の大きな仕事です。
これまでは、そんな仕事の責任の大きさに給与額や職場環境など保育士の待遇が比例していないというのが実情でした。
近年、保育士不足を少しでも解消すべく、国が保育士の処遇改善を積極的に行なっており、昔に比べると保育士の待遇は徐々に良くなってきています。
しかし、待遇改善が進む職場がある一方で、まだまだ昔の雰囲気が残る職場やそもそも人手不足なために、多忙な職場もあるというのが現状です。
保育士としてもっと待遇の良い職場へ転職したい」という思いがでてくるのも当然です。
では、より待遇の良い職場へ転職したいとおもった時、どのようにすれば転職を有利にすすめることができるのでしょうか。
その一つが、保育士のためのキャリアアップ研修や保育セミナーへの参加です。
ここでは、これから転職を考えている方にキャリアアップ研修やセミナーとは何か、どういうセミナーがあるのか、なぜ転職が有利になるのかについて詳しく解説いたします。
【記事監修】ずっと保育士編集部
「ずっと保育士」は、保育ひとすじ28年の株式会社明日香が運営する保育専門のキャリアサポートサービスです。結婚や出産、育児など、目まぐるしく変わるライフステージの中で、その時その時にぴったり合うお仕事を紹介したい。そして、保育の仕事でずっと輝き続けるあなたを応援したい、という想いで保育士の就職、転職、復職などのキャリア支援を行っています。また、「ずっと保育士」では保育士さんの疑問や悩みなどを少しでも解決すべくコラムを通した情報発信も積極的に行っています。
保育士にとって研修やセミナー受講が大切な理由
なぜ保育士にとって研修やセミナーが必要になるのでしょうか。
その理由は、保育士としてスキルアップすることが、子どもたちのためになることはもちろん、保育士自身にとってもメリットになることがたくさんあるからです。
そこで、研修やセミナーの受講が保育士にとってどんな良いことに繋がるのか、研修やセミナー参加が大切であるという具体的な理由をいくつかご紹介いたします。
理由1:キャリアアップや給料アップに繋がる
保育士の処遇の悪さは国会でも大変話題になりました。
そこで今、国を挙げて未来の子どもたちを育てる保育士への待遇改善に取り組んでいます。
ただ、公的予算を使用するという意味において、闇雲に保育士の給料ベースアップができるわけではありません。
そこで、「キャリアアップ」への取り組みを修了した保育士から給料をアップさせるという施策が行われることになりました。
代表的な研修は「保育士等キャリアアップ研修」ですが、このようなセミナーを受講することで、実質的に給料アップが見込まれるというメリットがあります。
理由2:転職・復職時に有利になる
保育士の有効求人倍率は年々上がっており、転職自体はしやすい環境にあります。
しかし、より良い環境、より求める環境で就業したいと考えた場合、競争率は上がります。
採用担当者に「この人材が欲しい」と思ってもらうためにも、保育士としてのスキルを磨くことは有利に働きます。
セミナーや研修で保育士としてのスキルを磨くことはもちろん、スキルアップに対して常に意欲的である保育士はどこの保育園でも必要人材であることは間違いありません。
自分にとってより良い転職、復職をしようと考えた場合、自己研鑽を怠らないということは、重要なことです。
理由3:自分自身の今後の選択肢や活動範囲が広がる
研修やセミナーでは、今自分に必要な知識や経験に加え、今後の保育現場で必要な知識や経験が身につきます。
例えば、障がい児保育研修などでは、昔に比べて増えつつある発達障がいを抱える子どもの保育知識や経験を身につけることができます。
また、昔に比べて幼児教育がさかんに行われるようになった昨今では、リトミック教育研修や英語研修など新しい幼児教育方法などを身につけておくことも有効です。
もちろん、研修やセミナーをうけたからと言って、すぐにそれが仕事で活きるわけではありませんが、保育士としての知識や経験が増えるということは日常の保育にも幅ができます。
また、研修やセミナーでは多くの他の保育士とワークショップをしたりロールプレイをしたりします。
これまで接している保育士の同僚たちとは全く違う価値観の保育に出会うことで、選択肢や行動が変わることもあるでしょう。
この先保育士として長くキャリアを形成していく上で、選択肢や活動範囲が広がるということは、あなたの価値が高まっていくに違いありません。
保育士の研修やセミナーの種類
保育士向けの研修やセミナーには多種多様な種類があります。
大きく分けると、保育士向けのセミナーは内部研修と外部研修に分かれます。
内部研修とは、保育園が園で働く保育士に向けて開く研修会で、その保育園の保育士に必要だと思われる研修を独自アレンジし内部講師、外部講師を呼んで行います。
一方、外部研修とは、国や自治体が主催したり、保育士支援会社が支援する研修会です。
保育園から推薦の上、申し込みをすることもありますし、自分で必要なものを率先して受講することができます。
研修やセミナーを受講するには?どこで探せる?
内部研修であれば、保育園から受講対象保育士に直接連絡があり、業務研修として受講可能です。
外部研修は自治体で開催するものは市町村報やホームページ、または保育園へ直接案内があります。
保育士支援会社についても、保育園へ直接案内がある場合もありますが、多くはホームページなどで案内されていますので、自分で検索などをしてみるのも良いでしょう。
料金はかかるの?有料?無料?
研修により、有料のものと無料のものがあります。
内部研修であれば、自社の教育費で賄われますので、無料です。
一方、外部研修はほとんどのものが有料です。
金額は1,000円〜10,000円まで幅広くあります。
ただし、外部研修であっても保育園が指定して行くように指示した場合や、保育園に必要性が認められた場合、研修費用を負担してくれることもあります。
お勤めの保育園と確認してみてください。
未経験の保育士でも参加は可能?参加条件はあるの?
保育士不足の背景から、未経験であっても保育士資格を保有している人にはぜひ保育現場で活躍した欲しいというのが昨今の流れです。
そのため、未経験であっても保育士資格を持っていれば研修等の参加は歓迎されるでしょう。
未経験から保育士として働くための研修やセミナーも積極的に開催されています。
ただ、現在どこかしらの園で働いていることが条件になっている研修もあります。
参加を希望する研修の応募資格については個別に確認してください。
研修やセミナーを受講する際の服装は?
基本的には研修によりますが、保育士の研修でスーツでなければならないということはほとんどありません。
かといって、極端に派手な服装やカジュアルな服装が適しているわけではありません。
大まかに分けると、座学系の研修であれば、ロールプレイイングなどはあっても、あまり体を動かすということはありませんので、少しきれい目で、カチッとした服装などが良いでしょう。
一方で、「リトミック研修」「抱っこの仕方研修」「救命救急研修」などの体を動かす系の研修では、動きやすい服装が理想です。
ストレッチ素材のパンツや出来るだけひらひらしない服装を心がけましょう。
保育士が受講しておきたい!今後役立つおすすめの研修やセミナー
一口に保育士向けの研修やセミナーと言っても様々な種類があります。
その中でも受けておくべきなのが、次の5つの研修やセミナーです。
・キャリアアップ研修
・今後需要が増えると考えられる保育の研修
・新しい教育方法に関する研修
・保育技術やスキル向上に関する研修
・防災や事故予防に関する安全・衛生研修
なぜなら、保育に関する需要は常に変化しているためです。
例えば、今は様々な幼児教育が注目されており、保護者からの需要も高いのがリトミック教育や食育、幼児英語教育などです。
これらの研修やセミナーを受講しておけば、そういった需要に答えることができるという意味でも自分自身の保育士としての専門性や価値を向上させれることができます。
また、政府が日本の人口減少を食い止める1つの策として、今後毎年20万人の移民を受け入れていくという構想を持っていることから、今後移民者の子どもの保育という需要が高まることが予想されています。
そのためにも自分自身の語学力のアップと、幼児英語教育に関する研修を受けておくことは非常に有益と言えます。
このように将来の保育需要などを見据えた研修やセミナーを受講するのがおすすめです。
もちろん今現時点での保育技術の向上や、昨今の保育園児を巻き込んだ事故のニュースが話題になったことから防災や事故予防に関する研修を受けるのも有益と言えます。
そういったことを考えながら、どの研修を受けるべきなのかを今一度考えてみましょう。
保育士等キャリアアップ研修
保育士キャリアアップ研修は、厚生労働省が定めた「保育士等キャリアアップ研修ガイドライン」に基づき、各自治体で専門分野別研修(6分野)、マネジメント研修、保育実践研修で構成された研修が実施されます。
1分野15時間の研修が行われ、 研修の分野や必要修了分野は保育士の役職によっても違ってきます。
ただし、履修した記録は全国共通ですので、他都道府県に引っ越しをしたり、転職をしても研修修了の保育士として新たな保育園にも補助金が支払われることになります。
保育士キャリアアップ研修は、保育士自身のキャリアアップにはもちろん、転職の際にも「履修修了記録」を持っている保育士として大変価値が上がります。
今後需要が増えると考えられる保育の研修
働く女性が増え、保育園へ通う子どもは増えています。
保育対象が年々広くなっていることで、保育園に求められるニーズも幅広くなり、細分化されていきています。
今後長くキャリアを見据える上で、保育士になるまでに習った保育手法やこれまで行ってきた保育だけでは対応できないことも増えてきています。
毎日の保育はもちろん、将来の需要を見据えた研修を受けておくで、保育士としての価値が高まるでしょう。
英語研修
文部科学省の教育改革で2020年より小学校での英語の授業が必須になりました。
保護者の多くがこのことを念頭に、子どもへの英語教育の必要性を求めてきています。
この要望については保育士としても応えていきたいと考えると思いますが、中学生から習う英語のみの教育カリキュラムで育ってきたこともあり、どのように対応して良いかわからないという人がほとんどです。
そこで、実際に未就学児に英語を教える、興味づけを行うためにはどのようにしたら良いか、という研修が実施されています。
障がい児保育研修
厚生労働省の調べによると、保育所における発達障がいを含む障がい児が増えているというデータがあります。(※参考元:厚生労働省「保育所における障害児の増加」)
しかし、保育士になる過程で障がい児に対しての専門知識を十分に理解している保育士はほとんどいません。
個別に配慮する点が異なったり、指導方法が異なる障がい児に対し、「どう関わったら良いのだろう」と悩む保育士は増えています。
障がい児保育研修では、障がいに対する基本的知識はもちろん、関わり方、言葉かけ、保護者との連携などについて学ぶことが多く、その方法は障がい児のみではなく健常児に対しても有用であると好評になっています。
乳児・幼児保育研修
保育の中でも特に専門知識が必要となる「乳児保育」。
保育士の中でも少し苦手意識をお持ちの方もいらっしゃるのではないでしょうか。
「乳児保育」では、実際に現場で起こりうる事故への対策・予防法などの知識・スキルの習得が求められます。
これは受講する研修にもよりますが、実際の保育現場を想定したロールプレイイングなどを行い、対応をシミレーションしながら行うこともありますし、ワークなどを通じて他の保育士と事例を共有したり、意見交換しながら進めていく事もあります。
児童福祉研修
昨今、児童虐待による悲しい事件、事故が話題になっています。
普段接する保育士たちもその現状を知っていながら、最終的に助けてあげることができなかったことは、悔やんでも悔やみきれない心の傷になることでしょう。
児童虐待への取り組みは社会全体が未だ試行錯誤の段階と言えるかもしれません。
しかし、一つだけ確かなことは、虐待児童に関わる大人が連携し、助け出すということです。
どのようにすれば、少しでも助け出せる可能性があるのか、他の機関との連携についてどのような方法があるのか、など今まさに変容しようとしている社会システムについて学ぶ機会です。
新しい保育方法に関する研修
年々新しい保育方法が生み出されているとなどから、次にご紹介するような新しい保育方法を頭に入れておくことが後々のキャリアアップや活動範囲を広げます。
自分の保育士の価値を高めることに繋がり、転職の際にもアピールポイントにもなります。
リトミック・英語リトミック教育研修
幼児教育におけるリトミックとは、主にリズム体操のことです。
音に合わせて体を動かすため、脳に刺激を与え、発達にも良いことが知られています。
現在多くの保育園などで、このリトミックを取り入れた教育を行なってはいますが、保育士の研修過程には「リトミック教育」はありません。
そのため、「ピアノに合わせてどういう動きをさせれば良いのだろう」「ねらいをどのように定めて、この取り組みを行えばいいのだろう」といったことを疑問に思われる方も多いようです。
ご自身のピアノや歌のスキルをさらに引きあげ、リトミックを体系的に学びたいという方に人気の研修です。
また、リズムを使いながら英語に幼少期から取り組んでいかせたいという保護者も多く、最近では英語リトミックも人気です。
新しい分野なので、英語リトミック自体がわからない保育士さんも多くいらっしゃいます。
新しい保育スキルの獲得に役立つ研修です。
食育研修
食は体を作る上で大切で欠かせない要素です。
心身の成長を促す保育園では、給食も大切にしている園がほとんどでしょう。
また、食が細い子、食べ過ぎてしまう子、好き嫌いの激しい子など、様々な子どもが集まる保育園では、保護者からの相談も保育士に多く寄せられます。
「できるだけ力になってあげたいけれど、食に関しては知識がない」「もっと楽しく食べて欲しい」など、食育に関して悩む保育士さんが学ぶことができる研修です。
一般的な食育に加え、最近ではアレルギーを持つ子どもも増えてきましたので、その対応についても学ぶ研修があります。
保育技術やスキル向上に関する研修
保育に関する保護者の要望は年々高まっていることから、より専門性の高い保育技術やスキル向上は有益です。
愛着形成や心の成長に繋がる勉強は、保育士資格を取得する際に勉強したと思いますが、研究も進み、保育技術やスキルは日々変化しています。
保育のプロフェッショナルとして、情報のアップデートは欠かせません。
絵本の読み聞かせ研修
保育士にとって絵本の読み聞かせは日々の業務で欠かせません。
新しくどんな本が子どもたちにとって有益であるのか、読み聞かせのポイントはどんなところにあるのかなど、子どもたちの心を豊かに広げる絵本の読み聞かせを学びます。
制作や遊びの研修
壁面や子どもたちの制作補助などのコツを学びます。
ねらいに対し、どのような制作を行うことが有効なのかやマンネリしがちな季節の壁面なども楽しく盛り上げるやり方を学べば保育士としてのスキルはさらにアップするでしょう。
コミュニケーション能力研修
保育士は仕事上様々な方とのコミュニケーションを求められる仕事です。
子どもとのコミュニケーションはもちろん、保護者や同僚、時には役所の職員や近所の住民などともコミュニケーションしなければならない事もあります。
コミュニケーションと一言で言っても口頭でのコミュニケーションもありますし、お便り、連絡帳など手段は様々です。
時には言いづらいことや、厳しいことも伝えなければならないケースも出てきます。
特に最近では子どもの保護者から無理な要求をされる事があったり、近隣の住民からの「うるさい」などといったクレームにも対処する場合も多くなってきているようです。
・自分の意図していることが伝わらない
・自分の意図と違う解釈をされた
・なかなか心を開いてくれない
実は保育士の仕事の中でも最も悩む人が多いのが、このコミュニケーションについてなのです。
保育セミナーではこのコミュニケーションの悩みや適切なコミュニケーションの方法など、各社が様々な専門家に依頼して開催しています。
防災や事故予防に関する安全・衛生研修
昨今の保育園児を巻き込んだ事故などが話題になったことから、今後さらに安全・衛生に関する関心が高まってきます。
こういった研修を受けているということは子どもを預けている保護者の安心にも繋がりますし、安心して職務にあたることができるようになります。
保育士向けの研修やセミナーを活用して自分の価値を高めよう!
保育士にとって、ご自身のスキルをアップさせることは、日々の現場で活かせることはもちろん、給与アップや待遇アップにつながります。
現在、保育士のスキルアップに対して処遇改善を行う国の施策も着々と進んでいますし、今後も期待できるでしょう。
また、保育士としての価値が高まれば、それだけ転職にも有利です。
保育士の多くが女性です。
女性はライフステージの変化が多く、働き方やキャリアの変更を余儀なくされることもあります。
しかし、ご自身の保育士としての価値を常に高めておくことで、理想のキャリアを手にすることができるでしょう。
そのためにもぜひ上手に研修やセミナーを活用することをおすすめします。
カテゴリ
保育士キャリア
ずっと保育士は、保育のお仕事を始めたい、転職・復職したい方にライフステージにあった保育のお仕事をご紹介したい。そして保育の仕事でずっと輝き続けるあなたを応援し続けたい、という想いでサービスを運営しています。
60秒で完了!無料会員登録をする
「保育士としてもっと自分にあった職場を探したい!」「もっといい待遇の保育所に転職したい」と考えていらっしゃる保育士の方もいらっしゃると思います。
保育士は子どもの命を預かり、子どもの成長を支援する責任の大きな仕事です。
これまでは、そんな仕事の責任の大きさに給与額や職場環境など保育士の待遇が比例していないというのが実情でした。
近年、保育士不足を少しでも解消すべく、国が保育士の処遇改善を積極的に行なっており、昔に比べると保育士の待遇は徐々に良くなってきています。
しかし、待遇改善が進む職場がある一方で、まだまだ昔の雰囲気が残る職場やそもそも人手不足なために、多忙な職場もあるというのが現状です。
保育士としてもっと待遇の良い職場へ転職したい」という思いがでてくるのも当然です。
では、より待遇の良い職場へ転職したいとおもった時、どのようにすれば転職を有利にすすめることができるのでしょうか。
その一つが、保育士のためのキャリアアップ研修や保育セミナーへの参加です。
ここでは、これから転職を考えている方にキャリアアップ研修やセミナーとは何か、どういうセミナーがあるのか、なぜ転職が有利になるのかについて詳しく解説いたします。
【記事監修】ずっと保育士編集部
「ずっと保育士」は、保育ひとすじ28年の株式会社明日香が運営する保育専門のキャリアサポートサービスです。結婚や出産、育児など、目まぐるしく変わるライフステージの中で、その時その時にぴったり合うお仕事を紹介したい。そして、保育の仕事でずっと輝き続けるあなたを応援したい、という想いで保育士の就職、転職、復職などのキャリア支援を行っています。また、「ずっと保育士」では保育士さんの疑問や悩みなどを少しでも解決すべくコラムを通した情報発信も積極的に行っています。
保育士にとって研修やセミナー受講が大切な理由
なぜ保育士にとって研修やセミナーが必要になるのでしょうか。
その理由は、保育士としてスキルアップすることが、子どもたちのためになることはもちろん、保育士自身にとってもメリットになることがたくさんあるからです。
そこで、研修やセミナーの受講が保育士にとってどんな良いことに繋がるのか、研修やセミナー参加が大切であるという具体的な理由をいくつかご紹介いたします。
理由1:キャリアアップや給料アップに繋がる
保育士の処遇の悪さは国会でも大変話題になりました。
そこで今、国を挙げて未来の子どもたちを育てる保育士への待遇改善に取り組んでいます。
ただ、公的予算を使用するという意味において、闇雲に保育士の給料ベースアップができるわけではありません。
そこで、「キャリアアップ」への取り組みを修了した保育士から給料をアップさせるという施策が行われることになりました。
代表的な研修は「保育士等キャリアアップ研修」ですが、このようなセミナーを受講することで、実質的に給料アップが見込まれるというメリットがあります。
理由2:転職・復職時に有利になる
保育士の有効求人倍率は年々上がっており、転職自体はしやすい環境にあります。
しかし、より良い環境、より求める環境で就業したいと考えた場合、競争率は上がります。
採用担当者に「この人材が欲しい」と思ってもらうためにも、保育士としてのスキルを磨くことは有利に働きます。
セミナーや研修で保育士としてのスキルを磨くことはもちろん、スキルアップに対して常に意欲的である保育士はどこの保育園でも必要人材であることは間違いありません。
自分にとってより良い転職、復職をしようと考えた場合、自己研鑽を怠らないということは、重要なことです。
理由3:自分自身の今後の選択肢や活動範囲が広がる
研修やセミナーでは、今自分に必要な知識や経験に加え、今後の保育現場で必要な知識や経験が身につきます。
例えば、障がい児保育研修などでは、昔に比べて増えつつある発達障がいを抱える子どもの保育知識や経験を身につけることができます。
また、昔に比べて幼児教育がさかんに行われるようになった昨今では、リトミック教育研修や英語研修など新しい幼児教育方法などを身につけておくことも有効です。
もちろん、研修やセミナーをうけたからと言って、すぐにそれが仕事で活きるわけではありませんが、保育士としての知識や経験が増えるということは日常の保育にも幅ができます。
また、研修やセミナーでは多くの他の保育士とワークショップをしたりロールプレイをしたりします。
これまで接している保育士の同僚たちとは全く違う価値観の保育に出会うことで、選択肢や行動が変わることもあるでしょう。
この先保育士として長くキャリアを形成していく上で、選択肢や活動範囲が広がるということは、あなたの価値が高まっていくに違いありません。
保育士の研修やセミナーの種類
保育士向けの研修やセミナーには多種多様な種類があります。
大きく分けると、保育士向けのセミナーは内部研修と外部研修に分かれます。
内部研修とは、保育園が園で働く保育士に向けて開く研修会で、その保育園の保育士に必要だと思われる研修を独自アレンジし内部講師、外部講師を呼んで行います。
一方、外部研修とは、国や自治体が主催したり、保育士支援会社が支援する研修会です。
保育園から推薦の上、申し込みをすることもありますし、自分で必要なものを率先して受講することができます。
研修やセミナーを受講するには?どこで探せる?
内部研修であれば、保育園から受講対象保育士に直接連絡があり、業務研修として受講可能です。
外部研修は自治体で開催するものは市町村報やホームページ、または保育園へ直接案内があります。
保育士支援会社についても、保育園へ直接案内がある場合もありますが、多くはホームページなどで案内されていますので、自分で検索などをしてみるのも良いでしょう。
料金はかかるの?有料?無料?
研修により、有料のものと無料のものがあります。
内部研修であれば、自社の教育費で賄われますので、無料です。
一方、外部研修はほとんどのものが有料です。
金額は1,000円〜10,000円まで幅広くあります。
ただし、外部研修であっても保育園が指定して行くように指示した場合や、保育園に必要性が認められた場合、研修費用を負担してくれることもあります。
お勤めの保育園と確認してみてください。
未経験の保育士でも参加は可能?参加条件はあるの?
保育士不足の背景から、未経験であっても保育士資格を保有している人にはぜひ保育現場で活躍した欲しいというのが昨今の流れです。
そのため、未経験であっても保育士資格を持っていれば研修等の参加は歓迎されるでしょう。
未経験から保育士として働くための研修やセミナーも積極的に開催されています。
ただ、現在どこかしらの園で働いていることが条件になっている研修もあります。
参加を希望する研修の応募資格については個別に確認してください。
研修やセミナーを受講する際の服装は?
基本的には研修によりますが、保育士の研修でスーツでなければならないということはほとんどありません。
かといって、極端に派手な服装やカジュアルな服装が適しているわけではありません。
大まかに分けると、座学系の研修であれば、ロールプレイイングなどはあっても、あまり体を動かすということはありませんので、少しきれい目で、カチッとした服装などが良いでしょう。
一方で、「リトミック研修」「抱っこの仕方研修」「救命救急研修」などの体を動かす系の研修では、動きやすい服装が理想です。
ストレッチ素材のパンツや出来るだけひらひらしない服装を心がけましょう。
保育士が受講しておきたい!今後役立つおすすめの研修やセミナー
一口に保育士向けの研修やセミナーと言っても様々な種類があります。
その中でも受けておくべきなのが、次の5つの研修やセミナーです。
・キャリアアップ研修
・今後需要が増えると考えられる保育の研修
・新しい教育方法に関する研修
・保育技術やスキル向上に関する研修
・防災や事故予防に関する安全・衛生研修
なぜなら、保育に関する需要は常に変化しているためです。
例えば、今は様々な幼児教育が注目されており、保護者からの需要も高いのがリトミック教育や食育、幼児英語教育などです。
これらの研修やセミナーを受講しておけば、そういった需要に答えることができるという意味でも自分自身の保育士としての専門性や価値を向上させれることができます。
また、政府が日本の人口減少を食い止める1つの策として、今後毎年20万人の移民を受け入れていくという構想を持っていることから、今後移民者の子どもの保育という需要が高まることが予想されています。
そのためにも自分自身の語学力のアップと、幼児英語教育に関する研修を受けておくことは非常に有益と言えます。
このように将来の保育需要などを見据えた研修やセミナーを受講するのがおすすめです。
もちろん今現時点での保育技術の向上や、昨今の保育園児を巻き込んだ事故のニュースが話題になったことから防災や事故予防に関する研修を受けるのも有益と言えます。
そういったことを考えながら、どの研修を受けるべきなのかを今一度考えてみましょう。
保育士等キャリアアップ研修
保育士キャリアアップ研修は、厚生労働省が定めた「保育士等キャリアアップ研修ガイドライン」に基づき、各自治体で専門分野別研修(6分野)、マネジメント研修、保育実践研修で構成された研修が実施されます。
1分野15時間の研修が行われ、 研修の分野や必要修了分野は保育士の役職によっても違ってきます。
ただし、履修した記録は全国共通ですので、他都道府県に引っ越しをしたり、転職をしても研修修了の保育士として新たな保育園にも補助金が支払われることになります。
保育士キャリアアップ研修は、保育士自身のキャリアアップにはもちろん、転職の際にも「履修修了記録」を持っている保育士として大変価値が上がります。
今後需要が増えると考えられる保育の研修
働く女性が増え、保育園へ通う子どもは増えています。
保育対象が年々広くなっていることで、保育園に求められるニーズも幅広くなり、細分化されていきています。
今後長くキャリアを見据える上で、保育士になるまでに習った保育手法やこれまで行ってきた保育だけでは対応できないことも増えてきています。
毎日の保育はもちろん、将来の需要を見据えた研修を受けておくで、保育士としての価値が高まるでしょう。
英語研修
文部科学省の教育改革で2020年より小学校での英語の授業が必須になりました。
保護者の多くがこのことを念頭に、子どもへの英語教育の必要性を求めてきています。
この要望については保育士としても応えていきたいと考えると思いますが、中学生から習う英語のみの教育カリキュラムで育ってきたこともあり、どのように対応して良いかわからないという人がほとんどです。
そこで、実際に未就学児に英語を教える、興味づけを行うためにはどのようにしたら良いか、という研修が実施されています。
障がい児保育研修
厚生労働省の調べによると、保育所における発達障がいを含む障がい児が増えているというデータがあります。(※参考元:厚生労働省「保育所における障害児の増加」)
しかし、保育士になる過程で障がい児に対しての専門知識を十分に理解している保育士はほとんどいません。
個別に配慮する点が異なったり、指導方法が異なる障がい児に対し、「どう関わったら良いのだろう」と悩む保育士は増えています。
障がい児保育研修では、障がいに対する基本的知識はもちろん、関わり方、言葉かけ、保護者との連携などについて学ぶことが多く、その方法は障がい児のみではなく健常児に対しても有用であると好評になっています。
乳児・幼児保育研修
保育の中でも特に専門知識が必要となる「乳児保育」。
保育士の中でも少し苦手意識をお持ちの方もいらっしゃるのではないでしょうか。
「乳児保育」では、実際に現場で起こりうる事故への対策・予防法などの知識・スキルの習得が求められます。
これは受講する研修にもよりますが、実際の保育現場を想定したロールプレイイングなどを行い、対応をシミレーションしながら行うこともありますし、ワークなどを通じて他の保育士と事例を共有したり、意見交換しながら進めていく事もあります。
児童福祉研修
昨今、児童虐待による悲しい事件、事故が話題になっています。
普段接する保育士たちもその現状を知っていながら、最終的に助けてあげることができなかったことは、悔やんでも悔やみきれない心の傷になることでしょう。
児童虐待への取り組みは社会全体が未だ試行錯誤の段階と言えるかもしれません。
しかし、一つだけ確かなことは、虐待児童に関わる大人が連携し、助け出すということです。
どのようにすれば、少しでも助け出せる可能性があるのか、他の機関との連携についてどのような方法があるのか、など今まさに変容しようとしている社会システムについて学ぶ機会です。
新しい保育方法に関する研修
年々新しい保育方法が生み出されているとなどから、次にご紹介するような新しい保育方法を頭に入れておくことが後々のキャリアアップや活動範囲を広げます。
自分の保育士の価値を高めることに繋がり、転職の際にもアピールポイントにもなります。
リトミック・英語リトミック教育研修
幼児教育におけるリトミックとは、主にリズム体操のことです。
音に合わせて体を動かすため、脳に刺激を与え、発達にも良いことが知られています。
現在多くの保育園などで、このリトミックを取り入れた教育を行なってはいますが、保育士の研修過程には「リトミック教育」はありません。
そのため、「ピアノに合わせてどういう動きをさせれば良いのだろう」「ねらいをどのように定めて、この取り組みを行えばいいのだろう」といったことを疑問に思われる方も多いようです。
ご自身のピアノや歌のスキルをさらに引きあげ、リトミックを体系的に学びたいという方に人気の研修です。
また、リズムを使いながら英語に幼少期から取り組んでいかせたいという保護者も多く、最近では英語リトミックも人気です。
新しい分野なので、英語リトミック自体がわからない保育士さんも多くいらっしゃいます。
新しい保育スキルの獲得に役立つ研修です。
食育研修
食は体を作る上で大切で欠かせない要素です。
心身の成長を促す保育園では、給食も大切にしている園がほとんどでしょう。
また、食が細い子、食べ過ぎてしまう子、好き嫌いの激しい子など、様々な子どもが集まる保育園では、保護者からの相談も保育士に多く寄せられます。
「できるだけ力になってあげたいけれど、食に関しては知識がない」「もっと楽しく食べて欲しい」など、食育に関して悩む保育士さんが学ぶことができる研修です。
一般的な食育に加え、最近ではアレルギーを持つ子どもも増えてきましたので、その対応についても学ぶ研修があります。
保育技術やスキル向上に関する研修
保育に関する保護者の要望は年々高まっていることから、より専門性の高い保育技術やスキル向上は有益です。
愛着形成や心の成長に繋がる勉強は、保育士資格を取得する際に勉強したと思いますが、研究も進み、保育技術やスキルは日々変化しています。
保育のプロフェッショナルとして、情報のアップデートは欠かせません。
絵本の読み聞かせ研修
保育士にとって絵本の読み聞かせは日々の業務で欠かせません。
新しくどんな本が子どもたちにとって有益であるのか、読み聞かせのポイントはどんなところにあるのかなど、子どもたちの心を豊かに広げる絵本の読み聞かせを学びます。
制作や遊びの研修
壁面や子どもたちの制作補助などのコツを学びます。
ねらいに対し、どのような制作を行うことが有効なのかやマンネリしがちな季節の壁面なども楽しく盛り上げるやり方を学べば保育士としてのスキルはさらにアップするでしょう。
コミュニケーション能力研修
保育士は仕事上様々な方とのコミュニケーションを求められる仕事です。
子どもとのコミュニケーションはもちろん、保護者や同僚、時には役所の職員や近所の住民などともコミュニケーションしなければならない事もあります。
コミュニケーションと一言で言っても口頭でのコミュニケーションもありますし、お便り、連絡帳など手段は様々です。
時には言いづらいことや、厳しいことも伝えなければならないケースも出てきます。
特に最近では子どもの保護者から無理な要求をされる事があったり、近隣の住民からの「うるさい」などといったクレームにも対処する場合も多くなってきているようです。
・自分の意図していることが伝わらない
・自分の意図と違う解釈をされた
・なかなか心を開いてくれない
実は保育士の仕事の中でも最も悩む人が多いのが、このコミュニケーションについてなのです。
保育セミナーではこのコミュニケーションの悩みや適切なコミュニケーションの方法など、各社が様々な専門家に依頼して開催しています。
防災や事故予防に関する安全・衛生研修
昨今の保育園児を巻き込んだ事故などが話題になったことから、今後さらに安全・衛生に関する関心が高まってきます。
こういった研修を受けているということは子どもを預けている保護者の安心にも繋がりますし、安心して職務にあたることができるようになります。
保育士向けの研修やセミナーを活用して自分の価値を高めよう!
保育士にとって、ご自身のスキルをアップさせることは、日々の現場で活かせることはもちろん、給与アップや待遇アップにつながります。
現在、保育士のスキルアップに対して処遇改善を行う国の施策も着々と進んでいますし、今後も期待できるでしょう。
また、保育士としての価値が高まれば、それだけ転職にも有利です。
保育士の多くが女性です。
女性はライフステージの変化が多く、働き方やキャリアの変更を余儀なくされることもあります。
しかし、ご自身の保育士としての価値を常に高めておくことで、理想のキャリアを手にすることができるでしょう。
そのためにもぜひ上手に研修やセミナーを活用することをおすすめします。