乳児院の保育士の仕事内容とは?求人の傾向や探し方について
2020/08/06
保育士のはらたく場所は今や保育園だけではありません。
乳児院で働く「乳児院保育士」という仕事をご存知ですか?
保護者の事情により養育がむずかしくなった乳児を預かり保育するお仕事です。
つまり、乳児にとっての「父親」であり「母親」のような存在となり育てていく保育士です。
今回は、乳児院で働く乳児院保育士の役割と仕事内容、求人の傾向についてご紹介します。
【記事監修】ずっと保育士編集部
「ずっと保育士」は、保育ひとすじ30年の株式会社明日香が運営する保育専門のキャリアサポートサービスです。結婚や出産、育児など、目まぐるしく変わるライフステージの中で、その時その時にぴったり合うお仕事を紹介したい。そして、保育の仕事でずっと輝き続けるあなたを応援したい、という想いで保育士の就職、転職、復職などのキャリア支援を行っています。また、「ずっと保育士」では保育士さんの疑問や悩みなどを少しでも解決すべくコラムを通した情報発信も積極的に行っています。
乳児院とは?
乳児院とは、保護者の病気や経済的事情などで、子育てができない状況に置かれた乳児を一時的に預かり養育する施設です。
乳児院の対象となる乳児は原則、0歳から2歳までで、その後は児童養護施設へ行くのが一般的です。
ただし、保護者の状況により、安定した生活が確保されない等、必要であると判断された場合は2歳を超えた幼児も入所しています。
乳児院は家庭に変わって乳児を見守り育てることが目的の施設です。
乳児院の子どもは24時間の保育が必要となるため、保育士の「先生」と言うよりも「父親」「母親」の役割を担うのが保育園で働く保育士との大きな違いです。
厚生労働省「令和4年社会福祉施設等調査の概況 総括表」によると、令和4年10月1日現在で、全国に145の乳児院があり、計2,560人が入所中です。
入所の理由は、かつては戦災孤児や捨て子が大半でしたが、現在は児童虐待や家庭問題による養育者の不在、児童自身の障害などが多くを占めています。
乳児院の設備や人員配置については「児童福祉施設最低基準(昭和23年厚生省令第63号)」に定められており、乳児院保育士以外にも嘱託医、看護師、保育士、児童指導員、栄養士、調理員などが関わっています。
乳児院の保育士の仕事内容
乳児院の仕事は、乳児の生活の全般のサポートになります。
乳児院は子どもたちの住む場所であり、保育園と違って送迎に来る保護者はいません。
24時間体制の運営のため、保育士の仕事も24時間必要となり、夜勤も含むシフト勤務になります。
特に生後間も無い新生児などは3時間おきのミルクや、夜泣きなどのケアも必要になってきます。
1歳以降は生活リズムも整ってくるため、具体的には下記のようなスケジュールで1日が流れていきます。
表1:乳児院の1日の流れ
7:30
起床
夜勤の保育士からの引き継ぎや起床のお手伝い
8:00
朝食
食事の介助や排泄の介助など
9:00
遊び
歌や絵本の読み聞かせや、外遊びなど子どもと一緒に遊ぶ
11:00
昼食
昼食介助や午睡の準備
12:00
午睡
事務的な手続きや書類の作成を行う
15:00
おやつ
午睡から起こしたり、おやつの介助
18:00
夕食・入浴
夕食介助や入浴介助
19:00
就寝
就寝を見守りつつ、夜勤の担当へ引き継ぎ
乳児院でも日中の保育スケジュールは保育園とさほど違いがありません。
しかし、しつけやマナーなど通常であれば家庭で担うことも、その都度保育士がフォローしていく必要があります。
また、複雑な事情を抱えた子どももいるため、愛着形成にも気を配る必要があります。
ただし、乳児院には保育士以外にも看護師や児童指導員など様々な立場の人が働いているため、お互いに協力しあって仕事をしていける利点もあります。
普通の保育園の保育士との違い
保育園の保育士と、乳児院保育士の仕事内容や仕事のやり方の違いには、大きく3つのポイントがあります。
・保護者に代わり乳児を保育するため、先生というよりは父母がわり
・24時間体制なので夜勤がある
・保健師、医師、看護師、栄養士、調理士と連携して仕事を行う
保育園の保育士は保護者との協力のもと、保育園の先生という立場で保育を行いますが、乳児院では保護者とのやりとりはありませんので、父母代わりに養育をしていきます。
乳児院にもよりますが、保育士はそれぞれ担当の子どもを受け持ち、保育を行います。
担当の子どもの育児の方針は保育士に任せられることも多いため大きな責任が伴いますが、その分やりがいは大きいと言えます。
また、乳児院は子どもにとっての家です。
24時間体制で見守ったり、夜勤があるため、普通の保育士の仕事とは大きく働き方が違ってきます。
また、普通の保育園でも看護師や調理士など他職種との連携は経験がある方もいると思いますが、全員が積極的に育児に関わる体制になる乳児院での働き方はまた一層違うものになると言えます。
それぞれの専門知識を出し合い、協力しながら働く乳児院保育士は保育士としての専門性もより求められます。
乳児院の保育士の働き方について
乳児院の保育士の働きかたは正職員(正社員)、契約社員、派遣社員・・・など多岐にわたりますが、基本的に正職員(正社員)が求められています。
やはり、子どもの親代わりとしての役割が強い乳児院保育士は、長きにわたり安定して働いてくれる人の方が子どもにとっても良いですし、求められているからです。
時間単位でも小刻みに人が入れ替わると、赤ちゃんが安心しないという理由で、正職員(正社員)は基本的に2交代制のシフト制で働きます。
保育士の確保が難しいことや24時間での勤務は保育士の体力的にも厳しいという理由から、パートやアルバイトの保育士を採用したり3交代制を取る乳児院もありますが、これは稀です。
また、日中だけの勤務を希望する人にとっては厳しい職種と言えるでしょう。
他のスタッフへの夜勤の負担がかかり、子どもへの悪影響ももちろん職員同士でも溝を生みかねません。
乳児院保育士になるのであれば、2交代制の正職員(正社員)、夜勤ありのシフトを前提に考えておく必要があります。
※1:関連記事:乳児院でパート・アルバイトとして働ける?仕事内容や待遇、資格の有無などを解説!
有給休暇、育休、産休などは取れる?
乳児院保育士の有給休暇取得は、一般的な仕事と比べることが難しいと言えます。
乳児院保育士はそれぞれ担当の子どもを持って保育士します。
自分の担当の子どものスケジュールを把握しておけば、無理のない範囲で有給休暇も取得自体は可能です。
しかし、一方で乳児院保育士は担当の子どもが病気になれば、休みを返上しても付き添ってあげることがあるなど、想像以上に勤務にイレギュラーが多い職種です。
子育て経験者であればイメージしやすいと思いますが、乳児の体調は見通しがつきにくいため、休暇申請自体は認めれられやすい環境にあっても、当日に変更になるなど、難しい側面があります。
産休や育休についても同様です。
産休育休の取得自体は可能であり、保育士不足の現状から、復帰などは歓迎される環境ではあります。
しかし、乳児院保育士の2交代制のシフト体制は、妊娠中の不安定な体調の中で勤務するにはハードですし、育休復帰後について考えると不安になる方もいらっしゃいます。
また、担当の子どもが伝染病になった時など、妊婦である保育士がうつらないとも限りません。
家庭のように密着した関係の仕事だからこそ、制度自体は整っていても、それを活用できるかというと難しい仕事といえるでしょう。
乳児院の保育士の給料について
給与は月給で平均22万〜24万円程度になります。
一般的な保育士の給与より、少し高めの水準です。
国や自治体、社会福祉法人などが施設を運営することが多いため、賞与や福利厚生についても安定して支給される傾向にあります。
乳児院の保育士に向いているのはこんな人
子どもの生活を支援し、24時間体制で見守る乳児院保育士は、まるで親のような気持ちで、保育に取り組む必要があるため、やりがいは大きいと言えます。
もともと保育士を志すという時点で、「子どもが好き」という気持ちが強い保育士。
環境に恵まれることができない子どもを温かく見守り、愛着関係を築いていくことには、難しさはあるものの、やりがいは大きく、子どもの支援に役立っている実感も持てます。
一方で、不規則な勤務や想定外の出来事で勤務時間が伸びるなど、プライベートを犠牲にしなければならないことも多々あるため、その覚悟が必要になる職種でもあります。
真に子どもの成長を喜び、その成長を支えるために尽力できることを喜びと考えられる人にとっては理想的な職種と言えます。
乳児院の保育士になるためには?資格は必要?
保育士が乳児院保育士になるためには、乳児院の出している求人を探して応募すればなれます。
しかし、乳児院は全国に145院程度しかありません。
全国で39,000園以上ある保育所に比べて保育士の数が圧倒的に少ないので、求人も決して多いわけではありません。
乳児院保育士の採用をより有利に進めるためには、保育士としてのキャリアとともに生活支援の経験があると良いです。
介護施設等でのボランティアや育児経験、病児保育の経験やベビーシッターなどの経験は、乳児院での個別の生活支援に役立つと言えますしアピールポイントになります。
もちろん、上記の経験がない場合でも、乳児院保育士に絶対になれないわけではありません。
乳児院保育士は両親に代わって、子育てをする仕事なので、採用にはキャリアもそうですが、人柄がとても重視されます。
研修や、保育セミナーなどに参加し、乳児院保育士になるための勉強を欠かさない姿勢を示したり、乳児院の保育ボランティアなどに参加することで、直接声をかけてもらえて採用に至るケースもあります。
乳児院の保育士の求人の傾向と探し方
保育士が専門とする子どもの心身ともに成長を支援するスキルは乳児院にとっても必要なものであり、積極的に採用する動きは広がってきています。
しかし、乳児院の求人は非常に少ない傾向にあります。
なぜなら、乳児院は施設自体の絶対数が少ない上、乳児院にはそもそも保育士の配置義務はありません。
しかし、看護師の配置義務はあり、最低設置必要数の看護師以外は保育士または児童指導員に置き換えることができるのです。
つまり、保育士が1人もいなくとも乳児院は運営していくことが制度上はできてしまうのです。
運営に保育士が必ず必要な保育園に比べて、採用の緊急度が低いというのも乳児院の求人が少ない大きな理由です。
乳児院保育士になりたい方の中には、求人自体を見つけることが難しいこともあります。
その場合は、保育士専門のキャリアコンサルタントなどに相談し非公開求人を探してみると良いでしょう。
株式会社明日香など、保育士専門のキャリアコンサルタントを保有している紹介会社には保育士採用に対する強いコネクションを持っていることが多い為、一般に公開されていない求人情報をたくさん保有しています。
無料相談なども行っていますので、乳児院保育士に興味のある方は、まずはキャリアコンサルタントに相談することをお勧めします。
カテゴリ
保育士キャリア
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保育士のはらたく場所は今や保育園だけではありません。
乳児院で働く「乳児院保育士」という仕事をご存知ですか?
保護者の事情により養育がむずかしくなった乳児を預かり保育するお仕事です。
つまり、乳児にとっての「父親」であり「母親」のような存在となり育てていく保育士です。
今回は、乳児院で働く乳児院保育士の役割と仕事内容、求人の傾向についてご紹介します。
【記事監修】ずっと保育士編集部
「ずっと保育士」は、保育ひとすじ30年の株式会社明日香が運営する保育専門のキャリアサポートサービスです。結婚や出産、育児など、目まぐるしく変わるライフステージの中で、その時その時にぴったり合うお仕事を紹介したい。そして、保育の仕事でずっと輝き続けるあなたを応援したい、という想いで保育士の就職、転職、復職などのキャリア支援を行っています。また、「ずっと保育士」では保育士さんの疑問や悩みなどを少しでも解決すべくコラムを通した情報発信も積極的に行っています。
乳児院とは?
乳児院とは、保護者の病気や経済的事情などで、子育てができない状況に置かれた乳児を一時的に預かり養育する施設です。
乳児院の対象となる乳児は原則、0歳から2歳までで、その後は児童養護施設へ行くのが一般的です。
ただし、保護者の状況により、安定した生活が確保されない等、必要であると判断された場合は2歳を超えた幼児も入所しています。
乳児院は家庭に変わって乳児を見守り育てることが目的の施設です。
乳児院の子どもは24時間の保育が必要となるため、保育士の「先生」と言うよりも「父親」「母親」の役割を担うのが保育園で働く保育士との大きな違いです。
厚生労働省「令和4年社会福祉施設等調査の概況 総括表」によると、令和4年10月1日現在で、全国に145の乳児院があり、計2,560人が入所中です。
入所の理由は、かつては戦災孤児や捨て子が大半でしたが、現在は児童虐待や家庭問題による養育者の不在、児童自身の障害などが多くを占めています。
乳児院の設備や人員配置については「児童福祉施設最低基準(昭和23年厚生省令第63号)」に定められており、乳児院保育士以外にも嘱託医、看護師、保育士、児童指導員、栄養士、調理員などが関わっています。
乳児院の保育士の仕事内容
乳児院の仕事は、乳児の生活の全般のサポートになります。
乳児院は子どもたちの住む場所であり、保育園と違って送迎に来る保護者はいません。
24時間体制の運営のため、保育士の仕事も24時間必要となり、夜勤も含むシフト勤務になります。
特に生後間も無い新生児などは3時間おきのミルクや、夜泣きなどのケアも必要になってきます。
1歳以降は生活リズムも整ってくるため、具体的には下記のようなスケジュールで1日が流れていきます。
表1:乳児院の1日の流れ
7:30 |
起床 |
夜勤の保育士からの引き継ぎや起床のお手伝い |
8:00 |
朝食 |
食事の介助や排泄の介助など |
9:00 |
遊び |
歌や絵本の読み聞かせや、外遊びなど子どもと一緒に遊ぶ |
11:00 |
昼食 |
昼食介助や午睡の準備 |
12:00 |
午睡 |
事務的な手続きや書類の作成を行う |
15:00 |
おやつ |
午睡から起こしたり、おやつの介助 |
18:00 |
夕食・入浴 |
夕食介助や入浴介助 |
19:00 |
就寝 |
就寝を見守りつつ、夜勤の担当へ引き継ぎ |
乳児院でも日中の保育スケジュールは保育園とさほど違いがありません。
しかし、しつけやマナーなど通常であれば家庭で担うことも、その都度保育士がフォローしていく必要があります。
また、複雑な事情を抱えた子どももいるため、愛着形成にも気を配る必要があります。
ただし、乳児院には保育士以外にも看護師や児童指導員など様々な立場の人が働いているため、お互いに協力しあって仕事をしていける利点もあります。
普通の保育園の保育士との違い
保育園の保育士と、乳児院保育士の仕事内容や仕事のやり方の違いには、大きく3つのポイントがあります。
・保護者に代わり乳児を保育するため、先生というよりは父母がわり
・24時間体制なので夜勤がある
・保健師、医師、看護師、栄養士、調理士と連携して仕事を行う
保育園の保育士は保護者との協力のもと、保育園の先生という立場で保育を行いますが、乳児院では保護者とのやりとりはありませんので、父母代わりに養育をしていきます。
乳児院にもよりますが、保育士はそれぞれ担当の子どもを受け持ち、保育を行います。
担当の子どもの育児の方針は保育士に任せられることも多いため大きな責任が伴いますが、その分やりがいは大きいと言えます。
また、乳児院は子どもにとっての家です。
24時間体制で見守ったり、夜勤があるため、普通の保育士の仕事とは大きく働き方が違ってきます。
また、普通の保育園でも看護師や調理士など他職種との連携は経験がある方もいると思いますが、全員が積極的に育児に関わる体制になる乳児院での働き方はまた一層違うものになると言えます。
それぞれの専門知識を出し合い、協力しながら働く乳児院保育士は保育士としての専門性もより求められます。
乳児院の保育士の働き方について
乳児院の保育士の働きかたは正職員(正社員)、契約社員、派遣社員・・・など多岐にわたりますが、基本的に正職員(正社員)が求められています。
やはり、子どもの親代わりとしての役割が強い乳児院保育士は、長きにわたり安定して働いてくれる人の方が子どもにとっても良いですし、求められているからです。
時間単位でも小刻みに人が入れ替わると、赤ちゃんが安心しないという理由で、正職員(正社員)は基本的に2交代制のシフト制で働きます。
保育士の確保が難しいことや24時間での勤務は保育士の体力的にも厳しいという理由から、パートやアルバイトの保育士を採用したり3交代制を取る乳児院もありますが、これは稀です。
また、日中だけの勤務を希望する人にとっては厳しい職種と言えるでしょう。
他のスタッフへの夜勤の負担がかかり、子どもへの悪影響ももちろん職員同士でも溝を生みかねません。
乳児院保育士になるのであれば、2交代制の正職員(正社員)、夜勤ありのシフトを前提に考えておく必要があります。
※1:関連記事:乳児院でパート・アルバイトとして働ける?仕事内容や待遇、資格の有無などを解説!
有給休暇、育休、産休などは取れる?
乳児院保育士の有給休暇取得は、一般的な仕事と比べることが難しいと言えます。
乳児院保育士はそれぞれ担当の子どもを持って保育士します。
自分の担当の子どものスケジュールを把握しておけば、無理のない範囲で有給休暇も取得自体は可能です。
しかし、一方で乳児院保育士は担当の子どもが病気になれば、休みを返上しても付き添ってあげることがあるなど、想像以上に勤務にイレギュラーが多い職種です。
子育て経験者であればイメージしやすいと思いますが、乳児の体調は見通しがつきにくいため、休暇申請自体は認めれられやすい環境にあっても、当日に変更になるなど、難しい側面があります。
産休や育休についても同様です。
産休育休の取得自体は可能であり、保育士不足の現状から、復帰などは歓迎される環境ではあります。
しかし、乳児院保育士の2交代制のシフト体制は、妊娠中の不安定な体調の中で勤務するにはハードですし、育休復帰後について考えると不安になる方もいらっしゃいます。
また、担当の子どもが伝染病になった時など、妊婦である保育士がうつらないとも限りません。
家庭のように密着した関係の仕事だからこそ、制度自体は整っていても、それを活用できるかというと難しい仕事といえるでしょう。
乳児院の保育士の給料について
給与は月給で平均22万〜24万円程度になります。
一般的な保育士の給与より、少し高めの水準です。
国や自治体、社会福祉法人などが施設を運営することが多いため、賞与や福利厚生についても安定して支給される傾向にあります。
乳児院の保育士に向いているのはこんな人
子どもの生活を支援し、24時間体制で見守る乳児院保育士は、まるで親のような気持ちで、保育に取り組む必要があるため、やりがいは大きいと言えます。
もともと保育士を志すという時点で、「子どもが好き」という気持ちが強い保育士。
環境に恵まれることができない子どもを温かく見守り、愛着関係を築いていくことには、難しさはあるものの、やりがいは大きく、子どもの支援に役立っている実感も持てます。
一方で、不規則な勤務や想定外の出来事で勤務時間が伸びるなど、プライベートを犠牲にしなければならないことも多々あるため、その覚悟が必要になる職種でもあります。
真に子どもの成長を喜び、その成長を支えるために尽力できることを喜びと考えられる人にとっては理想的な職種と言えます。
乳児院の保育士になるためには?資格は必要?
保育士が乳児院保育士になるためには、乳児院の出している求人を探して応募すればなれます。
しかし、乳児院は全国に145院程度しかありません。
全国で39,000園以上ある保育所に比べて保育士の数が圧倒的に少ないので、求人も決して多いわけではありません。
乳児院保育士の採用をより有利に進めるためには、保育士としてのキャリアとともに生活支援の経験があると良いです。
介護施設等でのボランティアや育児経験、病児保育の経験やベビーシッターなどの経験は、乳児院での個別の生活支援に役立つと言えますしアピールポイントになります。
もちろん、上記の経験がない場合でも、乳児院保育士に絶対になれないわけではありません。
乳児院保育士は両親に代わって、子育てをする仕事なので、採用にはキャリアもそうですが、人柄がとても重視されます。
研修や、保育セミナーなどに参加し、乳児院保育士になるための勉強を欠かさない姿勢を示したり、乳児院の保育ボランティアなどに参加することで、直接声をかけてもらえて採用に至るケースもあります。
乳児院の保育士の求人の傾向と探し方
保育士が専門とする子どもの心身ともに成長を支援するスキルは乳児院にとっても必要なものであり、積極的に採用する動きは広がってきています。
しかし、乳児院の求人は非常に少ない傾向にあります。
なぜなら、乳児院は施設自体の絶対数が少ない上、乳児院にはそもそも保育士の配置義務はありません。
しかし、看護師の配置義務はあり、最低設置必要数の看護師以外は保育士または児童指導員に置き換えることができるのです。
つまり、保育士が1人もいなくとも乳児院は運営していくことが制度上はできてしまうのです。
運営に保育士が必ず必要な保育園に比べて、採用の緊急度が低いというのも乳児院の求人が少ない大きな理由です。
乳児院保育士になりたい方の中には、求人自体を見つけることが難しいこともあります。
その場合は、保育士専門のキャリアコンサルタントなどに相談し非公開求人を探してみると良いでしょう。
株式会社明日香など、保育士専門のキャリアコンサルタントを保有している紹介会社には保育士採用に対する強いコネクションを持っていることが多い為、一般に公開されていない求人情報をたくさん保有しています。
無料相談なども行っていますので、乳児院保育士に興味のある方は、まずはキャリアコンサルタントに相談することをお勧めします。