保育士を辞めたい!つらい理由や、現状を変えるための解決策
2021/12/18
「保育士を辞めたい」と一度は考えたことはあるのではないでしょうか。
子どもが好き、人の成長を支援したい、幼少期にお世話になった先生のようになりたい、など保育士になるきっかけは人それぞれあると思います。
しかし、実際に保育士になると保育以外にもたくさんの問題を抱え、また社会人となった一人の人として許容できないことなど純粋な気持ちだけで保育士という仕事に向き合えるばかりでもありません。
今回はせっかく憧れの保育士になったにもかかわらず、「保育士を辞めたい!」と考えてしまうつらい理由や、現状を変えるための解決策についてご紹介します。
【記事監修】ずっと保育士編集部
「ずっと保育士」は、保育ひとすじ28年の株式会社明日香が運営する保育専門のキャリアサポートサービスです。結婚や出産、育児など、目まぐるしく変わるライフステージの中で、その時その時にぴったり合うお仕事を紹介したい。そして、保育の仕事でずっと輝き続けるあなたを応援したい、という想いで保育士の就職、転職、復職などのキャリア支援を行っています。また、「ずっと保育士」では保育士さんの疑問や悩みなどを少しでも解決すべくコラムを通した情報発信も積極的に行っています。
保育士の離職率は9.3%。産業全体と比較すると低い数値となっている
保育士不足の報道が相次ぎ、保育士の就業問題が話題となりました。
そのほとんどが働く環境の劣悪さから保育士の就業条件を指摘するものが多く、保育士は一般に比べて離職率が高いのではないかという結論に至っています。
しかし、実際の保育士の離職率について調べてみると意外な結果がわかったのです。
厚生労働省の発表する「保育士の現状と主な取組」をみると、保育士の離職率は9.3%となっています。
一方、日本全体の雇用情報を統計した同じく厚生労働省の「2019 年(令和元年)雇用動向調査結果の概況」から離職率をみると15.6%となっており、保育士に比べて高い数字が出ています。
つまり、一般的に保育士を辞める割合は低いものとされているのです。
では、保育士は本当に辞める人が少ないのでしょうか。
ここには少し複雑な事情があります。
民間調査会社が以前、保育士に調査した結果、現役保育士の76.3%が「辞めたい」と考えたことがある。3人に1人が、保育園以外での働き方を知らないと結論付けているのです。
これらの結果を総合すると、保育士は辞めたいと感じたとしても、他の働き方を知らずに辞めずに我慢して働いているとなってしまっています。
では、保育士は一度就いたら辞められない仕事なのでしょうか。
答えはそうではありません。
保育士を辞めたいと感じている人は一体どのような気持ちや対処法を考えているか、ここからはご紹介していきます。
保育士を辞めたいと感じている人が陥りやすい心理状況
「保育士を辞めたい」と考えること自体を悪いことだとは思っていませんか。
真面目な方ほど、仕事を辞めることは悪いことだったり、自分が甘えているのではないだろうかと考えてしまうものです。
ましてや担任などを受け持つ保育士は「どうにかして頑張らなくては」と考えがちです。
もちろん責任感なく辞めてしまうことはどんな仕事でもいいことではありませんし、続けた先に解決があることも間違いではありません。
しかし、自分なりに努力し、精一杯仕事をしたなかで辞めたり、その場を離れたり、環境を変えることは決して悪いことではありません。
今の環境で保育士を続けること仕事ばかりが人生ではありません。
自分らしく生きるために、その場を辞めることも1つの手段です。
心身の不調を感じたら早めに対処しよう
人は無理をし続けると心身ともに不調に陥ります。
その症状は、うつ状態になったり、やる気がなくなるのはもちろん、ストレスから胃を痛めたり、寝不足により注意不足となり怪我をしやすいなどさまざまです。
保育士は子どもたちの安全を守り、命を守る仕事をしています。
その保育士が心身に不調を抱えてしまうことは子どもたちにとっても大変危険です。
心や体の不調を感じたら無理して働き続けようとせず、休職・退職し、治療に努めましょう。
無理をして一生ものの病気を患ってしまうと、大好きだった保育士の仕事に復帰することもできなくなってしまいます。
また、忙しさのあまり保育士が自分の心身の不調に気が付けず早期の対処ができないことも少なくありません。
日頃から一緒に働く同僚などが思い詰めていないかなど、お互いに気を配りあえる環境にしておくことで、仲間も自分も働きやすい環境になるでしょう。
保育士を辞めたいと思う7つの理由と対処法
では、保育士が仕事を辞めたいと思うのはどんな時が多いのでしょうか。
また、辞めたいと思った時、対処し解決する方法はあるのでしょうか。
ここからは具体的に保育士を辞めたいと思った時の理由や対処法についてご紹介します。
理由1:人間関係が面倒
保育士の悩みに最も多い人間関係の悩み。
人としての相性だったり、組織の体質、ちょっとしたことからズレてしまった綻びを引きずってしまっているなど、理由はさまざまです。
保育士の職場は基本的には女性社会です。
また、外部業者の出入りはほとんどなく、保育士も外出や出張などはほとんどありません。
そのため常に閉ざされた人間関係の中で仕事が進みます。
女性社会はうまく回っているときは心地よいのですが、一旦関係がこじれると一気に環境が変化します。
人間関係のストレスは自分だけではコントロールし難いことのため、出口が見えないストレスに感じるでしょう。
対処法の一つは職場全体で人間関係の改善に取り組めるように意識することです。
そのためには上司や園長などに人間関係の問題があることを報告し、園全体の問題にすることです。
また、人間関係では相手を変えることはできません。
自分の取り組み、問いかけ一つで変わるきっかけとなることもあります。
園とは関係ない第三者に相談をすることで、あなたがやるべき取り組みについて冷静な意見をもらえることもあります。
これらを試した上で変化がないようであれば、転職など環境を変えることも選択してみましょう。
理由2:持ち帰り残業が多い
初めのうちはできなかったから持ち帰り仕事をしていても、徐々にそれが常態化してしまうことで大きなストレスになります。
また自宅で仕事をし始めると常に仕事をしている環境となり、休養することが難しくなります。
正規の残業ではないため、賃金も支払われずやりがいが薄れてきてしまうのは当然です。
対処法としては、業務量の調整が必要であることを上司など仕事の配分を決める人に相談することです。
業務負担が偏っていることなどの改善や持ち帰り残業の発生自体を防ぐことができます。
また、上司自身が持ち帰り残業を問題と思っていないケースの場合は同僚などと一緒に園全体の仕事環境の改善を提案することも必要です。
保育士不足の現在、保育士に長く働き続けて欲しいと願う保育園側は保育士からの要望を無下にすることは少なくなっています。
理由3:保育士に向いていないと感じる
保育士の仕事をしている中で自信を失うことがあると「保育士に向いていないかも」と感じることもあるでしょう。
今後続く仕事の中で、向いていない仕事に向き合うということは辛いものです。
しかし、本当に保育士に向いていないのでしょうか。
まずは保育士になりたいと思った時の気持ちを思い出してみましょう。
どんな保育士になりたかったか、理想の保育士と現状のギャップを冷静に洗い出してみましょう。
改善できることがあるのであれば、保育士として向いていないのではなく、保育士として少し自信を失っているだけです。
仕事自体を誤解して、現状で改善できることとは全く違う事柄ばかりが洗い出されるようであれば、保育士以外の道を模索してみることも選択肢です。
保育士の資格を活かし、子どもに関わる仕事は保育士だけではありません。
自分が本来何をしたかったのか、原点を見つめ直すことで保育士に向いているかどうかをもう一度判断してみましょう。
理由4:給料に見合わない仕事量や責任
保育士の仕事自体は好きだけれど、責任や仕事量がお給料と見合わないと感じることもあります。
保育士はボランティアではなく、仕事なので当然その報酬で生活をしていかなければなりませんし、報酬自体がモチベーションになります。
あまりにも給料のギャップがある場合はまずは転職情報など他の保育園ではどの程度の水準があるのかを確認してみましょう。
現状の報酬体系はすぐに変えられるものではありません。
そのため、自分の理想に沿うお給料の出る保育園に転職することで解決になることが多いです。
保育士の仕事環境は今まさに改善が進み、私立保育園でも給料の差が広がっています。
もちろん、お給料が上がればそれだけ大変なこともあります。
隣の芝は青く見えるものです。
冷静に現在の仕事と比較しながら、より良い給料で働ける場所を探してみましょう。
理由5:事務作業が多い
保育士の仕事には、子どもの保育ばかりではなく事務作業も多いです。
保育園に事務を担当する方がいれば別ですが、ほとんどの保育園には事務専門の社員は配置されていません。
そのため、シフト管理、給与・社会保険事務といった「人事事務」、備品発注・在庫管理、電話・来客対応のような「総務事務」、支払・請求処理、小口現金管理のような「経理事務」などオールマイティに担当しなければならないのです。
これは実際に就職してから感じるギャップかもしれません。
結論から言うと、事務作業はなくすことはできません。
そのため、事務作業が多いと感じる場合は事務の効率化を進めていくことでしか軽減できない問題と考えましょう。
事務作業の効率化には、無駄の削減やIT化、個々のスキルアップで実現します。
惰性でこれまで通りに行うのではなく、どのようにすれば事務作業の効率化になるのかをしっかり考えていくことが大切です。
理由6:保護者からのクレーム
保育士には保護者からのクレームがあります。
真っ当なご意見であれば、当然原因究明や改善に取り組むべきですが、理不尽なクレームも少なくはありません。
集団生活をする上で守るべきルールの無視やプライベートなことへの干渉など、保育士に向けてモンスターペアレンツと呼ばれるクレーマーからのクレームも増えています。
対処法としては、一人で抱えず、園全体の問題として毅然と対応することです。
一人に対し特別を許可すると、全体でのルールを危うくします。
杓子定規にルールを振りかざす必要はありませんが、上司や園長と協議しながら、園としての姿勢をしっかりと打ち出しましょう。
理由7:休みを取得しづらい
保育士は休みを取得しづらい職種のひとつです。
人手不足の現状や担任という仕事を受け持つ際は特にその傾向が強いでしょう。
また正職員だけでなく、パートやアルバイトなどで時間固定で働いている場合も、休んだ際の業務負担が他の人にいくと考えると休みづらく感じることもあります。
特に保育士が辞めたいと考える時は、「自分の子どもの運動会と職場の保育園の運動会が重なった」などのどうしても休めない上に、プライベートでの大切な機会が失われてしまった時などです。
保育士をしている以上、どうしても休めない日はあります。
対処法としては、諦めるしかない部分もあるのは事実です。
ただし、日々の私用や体調不良などで休めないなどは保育園全体の意識改革で変えていくことができるため、積極的に取り組んだ方が良いでしょう。
また、派遣保育士という働き方など働き方を変えることで休みの申請がしやすくなることもあります。
職場全体の空気が変わらない、自分から言い出しにくい、などの問題があった場合は雇用形態を変更させてみるというのも一つの手段です。
悩みはひとりで抱え込まず、第三者に相談することが大切!
悩みを抱えた時に大切なことはひとりで抱え込まないことです。
近しい人に話すことは勇気がいるかもしれませんので、まずは第三者に話してみましょう。
第三者から自分では気づけなかった視点をもらったり、客観的なアドバイスをもらったりすることで選択肢やこの先やるべきことを明確にすることが可能です。
また、話すことで自分自身でも問題を整理できたり、話すことそのものでストレスを開放できることもあります。
そして一旦気持ちが落ち着いたら次に、保育士の友達や保育専門のキャリアコンサルタントに相談してみましょう。
同じ保育業界であっても保育園ごとに全く異なる対処法が取られていたり、業界全体を俯瞰して熟知している保育専門のキャリアコンサルタントであれば現実的な解決方法を提示してくれる可能性が高くなります。
保育士辞めたらどうなる?今の保育園を辞めたあとの選択肢
実際に保育を辞めた後の選択肢はどのようなものがあるのでしょうか。
衝動的に仕事を辞めても社会人として生活していかなければならない現実は変わりません。
ここからは実際に保育士を辞めたあと、どのような選択肢があるのか具体的にご紹介します。
保育士として保育園などの保育施設に転職する
保育園は全国にあります。
同じ保育士であれば、これまで培ってきたスキルを他の保育園で発揮し、さらに働くことができます。
保育士の仕事は保育園ごとに多少違いがあります。
また働く環境や待遇なども異なります。
さらに、保育園以外に保育施設と言われる場所はたくさんあります。
認定こども園や病院内保育所、託児所、企業内保育所など業態は違っても子どもの保育施設であることは変わりません。
あなたにとってぴったりの保育施設を探すことで、大好きな保育の仕事はそのままに、さらに力を発揮することもできるでしょう。
異業種に転職する
保育士とは全く別の異業種に転職することも不可能ではありません。
その場合、経験を一から積むことになりますが、保育士として培ったスキルが全く生きないということは決してありません。
保育士は日頃からたくさんの子どもたちを見守り支援する仕事をしています。
小さなことまで安全配慮する気配り、同時並行で業務を遂行する力などはどんな仕事でも活きてきます。
また、事務作業で培ったスキルや保護者への対応で培ったコミュニケーション能力も一般企業でも活かすことができます。
信頼できる第三者と解決策を見つけよう!
保育士の仕事をしていると辞めたいと思うことも少なくはないでしょう。
そして、それは保育士以外の仕事をしている人も一緒です。
状況や場面は違えど、働くということはストレスを抱えるものなのかもしれません。
だからこそ「保育士じゃないから」「保育園のこと知らないから」ではなく、信頼できる第三者に相談をすることは大切なことです。
自分の気持ちをまとめ、客観的にそれを判断し、その上で保育業界を知る人にさらに相談してみましょう。
自分の気持ちを内に秘めていても解決はしません。
あなたが保育士として輝くためにも、信頼できる人へ相談できるよう心を開いてください。
カテゴリ
保育士ライフ
ずっと保育士は、保育のお仕事を始めたい、転職・復職したい方にライフステージにあった保育のお仕事をご紹介したい。そして保育の仕事でずっと輝き続けるあなたを応援し続けたい、という想いでサービスを運営しています。
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「保育士を辞めたい」と一度は考えたことはあるのではないでしょうか。
子どもが好き、人の成長を支援したい、幼少期にお世話になった先生のようになりたい、など保育士になるきっかけは人それぞれあると思います。
しかし、実際に保育士になると保育以外にもたくさんの問題を抱え、また社会人となった一人の人として許容できないことなど純粋な気持ちだけで保育士という仕事に向き合えるばかりでもありません。
今回はせっかく憧れの保育士になったにもかかわらず、「保育士を辞めたい!」と考えてしまうつらい理由や、現状を変えるための解決策についてご紹介します。
【記事監修】ずっと保育士編集部
「ずっと保育士」は、保育ひとすじ28年の株式会社明日香が運営する保育専門のキャリアサポートサービスです。結婚や出産、育児など、目まぐるしく変わるライフステージの中で、その時その時にぴったり合うお仕事を紹介したい。そして、保育の仕事でずっと輝き続けるあなたを応援したい、という想いで保育士の就職、転職、復職などのキャリア支援を行っています。また、「ずっと保育士」では保育士さんの疑問や悩みなどを少しでも解決すべくコラムを通した情報発信も積極的に行っています。
保育士の離職率は9.3%。産業全体と比較すると低い数値となっている
保育士不足の報道が相次ぎ、保育士の就業問題が話題となりました。
そのほとんどが働く環境の劣悪さから保育士の就業条件を指摘するものが多く、保育士は一般に比べて離職率が高いのではないかという結論に至っています。
しかし、実際の保育士の離職率について調べてみると意外な結果がわかったのです。
厚生労働省の発表する「保育士の現状と主な取組」をみると、保育士の離職率は9.3%となっています。
一方、日本全体の雇用情報を統計した同じく厚生労働省の「2019 年(令和元年)雇用動向調査結果の概況」から離職率をみると15.6%となっており、保育士に比べて高い数字が出ています。
つまり、一般的に保育士を辞める割合は低いものとされているのです。
では、保育士は本当に辞める人が少ないのでしょうか。
ここには少し複雑な事情があります。
民間調査会社が以前、保育士に調査した結果、現役保育士の76.3%が「辞めたい」と考えたことがある。3人に1人が、保育園以外での働き方を知らないと結論付けているのです。
これらの結果を総合すると、保育士は辞めたいと感じたとしても、他の働き方を知らずに辞めずに我慢して働いているとなってしまっています。
では、保育士は一度就いたら辞められない仕事なのでしょうか。
答えはそうではありません。
保育士を辞めたいと感じている人は一体どのような気持ちや対処法を考えているか、ここからはご紹介していきます。
保育士を辞めたいと感じている人が陥りやすい心理状況
「保育士を辞めたい」と考えること自体を悪いことだとは思っていませんか。
真面目な方ほど、仕事を辞めることは悪いことだったり、自分が甘えているのではないだろうかと考えてしまうものです。
ましてや担任などを受け持つ保育士は「どうにかして頑張らなくては」と考えがちです。
もちろん責任感なく辞めてしまうことはどんな仕事でもいいことではありませんし、続けた先に解決があることも間違いではありません。
しかし、自分なりに努力し、精一杯仕事をしたなかで辞めたり、その場を離れたり、環境を変えることは決して悪いことではありません。
今の環境で保育士を続けること仕事ばかりが人生ではありません。
自分らしく生きるために、その場を辞めることも1つの手段です。
心身の不調を感じたら早めに対処しよう
人は無理をし続けると心身ともに不調に陥ります。
その症状は、うつ状態になったり、やる気がなくなるのはもちろん、ストレスから胃を痛めたり、寝不足により注意不足となり怪我をしやすいなどさまざまです。
保育士は子どもたちの安全を守り、命を守る仕事をしています。
その保育士が心身に不調を抱えてしまうことは子どもたちにとっても大変危険です。
心や体の不調を感じたら無理して働き続けようとせず、休職・退職し、治療に努めましょう。
無理をして一生ものの病気を患ってしまうと、大好きだった保育士の仕事に復帰することもできなくなってしまいます。
また、忙しさのあまり保育士が自分の心身の不調に気が付けず早期の対処ができないことも少なくありません。
日頃から一緒に働く同僚などが思い詰めていないかなど、お互いに気を配りあえる環境にしておくことで、仲間も自分も働きやすい環境になるでしょう。
保育士を辞めたいと思う7つの理由と対処法
では、保育士が仕事を辞めたいと思うのはどんな時が多いのでしょうか。
また、辞めたいと思った時、対処し解決する方法はあるのでしょうか。
ここからは具体的に保育士を辞めたいと思った時の理由や対処法についてご紹介します。
理由1:人間関係が面倒
保育士の悩みに最も多い人間関係の悩み。
人としての相性だったり、組織の体質、ちょっとしたことからズレてしまった綻びを引きずってしまっているなど、理由はさまざまです。
保育士の職場は基本的には女性社会です。
また、外部業者の出入りはほとんどなく、保育士も外出や出張などはほとんどありません。
そのため常に閉ざされた人間関係の中で仕事が進みます。
女性社会はうまく回っているときは心地よいのですが、一旦関係がこじれると一気に環境が変化します。
人間関係のストレスは自分だけではコントロールし難いことのため、出口が見えないストレスに感じるでしょう。
対処法の一つは職場全体で人間関係の改善に取り組めるように意識することです。
そのためには上司や園長などに人間関係の問題があることを報告し、園全体の問題にすることです。
また、人間関係では相手を変えることはできません。
自分の取り組み、問いかけ一つで変わるきっかけとなることもあります。
園とは関係ない第三者に相談をすることで、あなたがやるべき取り組みについて冷静な意見をもらえることもあります。
これらを試した上で変化がないようであれば、転職など環境を変えることも選択してみましょう。
理由2:持ち帰り残業が多い
初めのうちはできなかったから持ち帰り仕事をしていても、徐々にそれが常態化してしまうことで大きなストレスになります。
また自宅で仕事をし始めると常に仕事をしている環境となり、休養することが難しくなります。
正規の残業ではないため、賃金も支払われずやりがいが薄れてきてしまうのは当然です。
対処法としては、業務量の調整が必要であることを上司など仕事の配分を決める人に相談することです。
業務負担が偏っていることなどの改善や持ち帰り残業の発生自体を防ぐことができます。
また、上司自身が持ち帰り残業を問題と思っていないケースの場合は同僚などと一緒に園全体の仕事環境の改善を提案することも必要です。
保育士不足の現在、保育士に長く働き続けて欲しいと願う保育園側は保育士からの要望を無下にすることは少なくなっています。
理由3:保育士に向いていないと感じる
保育士の仕事をしている中で自信を失うことがあると「保育士に向いていないかも」と感じることもあるでしょう。
今後続く仕事の中で、向いていない仕事に向き合うということは辛いものです。
しかし、本当に保育士に向いていないのでしょうか。
まずは保育士になりたいと思った時の気持ちを思い出してみましょう。
どんな保育士になりたかったか、理想の保育士と現状のギャップを冷静に洗い出してみましょう。
改善できることがあるのであれば、保育士として向いていないのではなく、保育士として少し自信を失っているだけです。
仕事自体を誤解して、現状で改善できることとは全く違う事柄ばかりが洗い出されるようであれば、保育士以外の道を模索してみることも選択肢です。
保育士の資格を活かし、子どもに関わる仕事は保育士だけではありません。
自分が本来何をしたかったのか、原点を見つめ直すことで保育士に向いているかどうかをもう一度判断してみましょう。
理由4:給料に見合わない仕事量や責任
保育士の仕事自体は好きだけれど、責任や仕事量がお給料と見合わないと感じることもあります。
保育士はボランティアではなく、仕事なので当然その報酬で生活をしていかなければなりませんし、報酬自体がモチベーションになります。
あまりにも給料のギャップがある場合はまずは転職情報など他の保育園ではどの程度の水準があるのかを確認してみましょう。
現状の報酬体系はすぐに変えられるものではありません。
そのため、自分の理想に沿うお給料の出る保育園に転職することで解決になることが多いです。
保育士の仕事環境は今まさに改善が進み、私立保育園でも給料の差が広がっています。
もちろん、お給料が上がればそれだけ大変なこともあります。
隣の芝は青く見えるものです。
冷静に現在の仕事と比較しながら、より良い給料で働ける場所を探してみましょう。
理由5:事務作業が多い
保育士の仕事には、子どもの保育ばかりではなく事務作業も多いです。
保育園に事務を担当する方がいれば別ですが、ほとんどの保育園には事務専門の社員は配置されていません。
そのため、シフト管理、給与・社会保険事務といった「人事事務」、備品発注・在庫管理、電話・来客対応のような「総務事務」、支払・請求処理、小口現金管理のような「経理事務」などオールマイティに担当しなければならないのです。
これは実際に就職してから感じるギャップかもしれません。
結論から言うと、事務作業はなくすことはできません。
そのため、事務作業が多いと感じる場合は事務の効率化を進めていくことでしか軽減できない問題と考えましょう。
事務作業の効率化には、無駄の削減やIT化、個々のスキルアップで実現します。
惰性でこれまで通りに行うのではなく、どのようにすれば事務作業の効率化になるのかをしっかり考えていくことが大切です。
理由6:保護者からのクレーム
保育士には保護者からのクレームがあります。
真っ当なご意見であれば、当然原因究明や改善に取り組むべきですが、理不尽なクレームも少なくはありません。
集団生活をする上で守るべきルールの無視やプライベートなことへの干渉など、保育士に向けてモンスターペアレンツと呼ばれるクレーマーからのクレームも増えています。
対処法としては、一人で抱えず、園全体の問題として毅然と対応することです。
一人に対し特別を許可すると、全体でのルールを危うくします。
杓子定規にルールを振りかざす必要はありませんが、上司や園長と協議しながら、園としての姿勢をしっかりと打ち出しましょう。
理由7:休みを取得しづらい
保育士は休みを取得しづらい職種のひとつです。
人手不足の現状や担任という仕事を受け持つ際は特にその傾向が強いでしょう。
また正職員だけでなく、パートやアルバイトなどで時間固定で働いている場合も、休んだ際の業務負担が他の人にいくと考えると休みづらく感じることもあります。
特に保育士が辞めたいと考える時は、「自分の子どもの運動会と職場の保育園の運動会が重なった」などのどうしても休めない上に、プライベートでの大切な機会が失われてしまった時などです。
保育士をしている以上、どうしても休めない日はあります。
対処法としては、諦めるしかない部分もあるのは事実です。
ただし、日々の私用や体調不良などで休めないなどは保育園全体の意識改革で変えていくことができるため、積極的に取り組んだ方が良いでしょう。
また、派遣保育士という働き方など働き方を変えることで休みの申請がしやすくなることもあります。
職場全体の空気が変わらない、自分から言い出しにくい、などの問題があった場合は雇用形態を変更させてみるというのも一つの手段です。
悩みはひとりで抱え込まず、第三者に相談することが大切!
悩みを抱えた時に大切なことはひとりで抱え込まないことです。
近しい人に話すことは勇気がいるかもしれませんので、まずは第三者に話してみましょう。
第三者から自分では気づけなかった視点をもらったり、客観的なアドバイスをもらったりすることで選択肢やこの先やるべきことを明確にすることが可能です。
また、話すことで自分自身でも問題を整理できたり、話すことそのものでストレスを開放できることもあります。
そして一旦気持ちが落ち着いたら次に、保育士の友達や保育専門のキャリアコンサルタントに相談してみましょう。
同じ保育業界であっても保育園ごとに全く異なる対処法が取られていたり、業界全体を俯瞰して熟知している保育専門のキャリアコンサルタントであれば現実的な解決方法を提示してくれる可能性が高くなります。
保育士辞めたらどうなる?今の保育園を辞めたあとの選択肢
実際に保育を辞めた後の選択肢はどのようなものがあるのでしょうか。
衝動的に仕事を辞めても社会人として生活していかなければならない現実は変わりません。
ここからは実際に保育士を辞めたあと、どのような選択肢があるのか具体的にご紹介します。
保育士として保育園などの保育施設に転職する
保育園は全国にあります。
同じ保育士であれば、これまで培ってきたスキルを他の保育園で発揮し、さらに働くことができます。
保育士の仕事は保育園ごとに多少違いがあります。
また働く環境や待遇なども異なります。
さらに、保育園以外に保育施設と言われる場所はたくさんあります。
認定こども園や病院内保育所、託児所、企業内保育所など業態は違っても子どもの保育施設であることは変わりません。
あなたにとってぴったりの保育施設を探すことで、大好きな保育の仕事はそのままに、さらに力を発揮することもできるでしょう。
異業種に転職する
保育士とは全く別の異業種に転職することも不可能ではありません。
その場合、経験を一から積むことになりますが、保育士として培ったスキルが全く生きないということは決してありません。
保育士は日頃からたくさんの子どもたちを見守り支援する仕事をしています。
小さなことまで安全配慮する気配り、同時並行で業務を遂行する力などはどんな仕事でも活きてきます。
また、事務作業で培ったスキルや保護者への対応で培ったコミュニケーション能力も一般企業でも活かすことができます。
信頼できる第三者と解決策を見つけよう!
保育士の仕事をしていると辞めたいと思うことも少なくはないでしょう。
そして、それは保育士以外の仕事をしている人も一緒です。
状況や場面は違えど、働くということはストレスを抱えるものなのかもしれません。
だからこそ「保育士じゃないから」「保育園のこと知らないから」ではなく、信頼できる第三者に相談をすることは大切なことです。
自分の気持ちをまとめ、客観的にそれを判断し、その上で保育業界を知る人にさらに相談してみましょう。
自分の気持ちを内に秘めていても解決はしません。
あなたが保育士として輝くためにも、信頼できる人へ相談できるよう心を開いてください。