【例文あり】保育士が目標設定を行う目的やポイントは?求められる役割を見出して適切な目標を立てよう!
2022/01/05
保育士をしていると、1年や半年ごとに「目標設定」を決める機会がやってきます。
実はこの目標設定を苦手としている保育士も少なくありません。
「何を設定すればいいの?」「どんな目標が適切なの?」「そもそも意味があるの?」など苦手にする人からは疑問が上がってきますが、子どもたちの保育目標が子どもの成長の手助けになるように、保育士の目標設定もあなた自身の成長にとって不可欠です。
今回の記事では、目標設定の目的から具体的な目標の例文まで、あなたが保育士としてもっと成長していくための目標設定についてまとめました。
【記事監修】ずっと保育士編集部
「ずっと保育士」は、保育ひとすじ28年の株式会社明日香が運営する保育専門のキャリアサポートサービスです。結婚や出産、育児など、目まぐるしく変わるライフステージの中で、その時その時にぴったり合うお仕事を紹介したい。そして、保育の仕事でずっと輝き続けるあなたを応援したい、という想いで保育士の就職、転職、復職などのキャリア支援を行っています。また、「ずっと保育士」では保育士さんの疑問や悩みなどを少しでも解決すべくコラムを通した情報発信も積極的に行っています。
保育士が定期的に目標設定を行う5つの目的
定期的に目標設定を行うことには次のような理由があります。
- 仕事への意欲を高めるため
- 自分の課題を意識してスキルアップするため
- 保育に対する意欲を上司に知ってもらうため
- 保育に対する意欲を上司に知ってもらうため
- 保育園全体の目標を達成するため後輩育成のため
ここからは保育士が定期的に目標設定を行う5つの目的について詳しく説明します。
目的1:仕事への意欲を高めるため
目標設定は仕事への意欲を高める役割を担っています。
仕事は毎日のことですので、ついつい目的が曖昧になってしまったり、達成感を感じることができなくなってしまうこともあるでしょう。
目標を定期的に設定することで、やるべきことやゴールが見え、意欲が高まったりモチベーションを維持して働くことができます。
目的2:自分の課題を意識してスキルアップするため
目標設定をする過程は、自分の課題を見つけてどのようにすれば改善できるのかを考える機会です。
日常の中では忙しくて考えることができなくなっていても、目標設定をすることで冷静に客観的に自分を見つめ直す機会ができると捉えましょう。
その結果、今できていることとこれから身につけるべきことを自分自身が落とし込むこともできます。
自分の課題を振り返って今後の目標を設定することは、スキルアップに繋がっていくでしょう。
目的3:保育に対する意欲を上司に知ってもらうため
管理者は人事評価において、「目標の達成度」や「保育園への貢献度」などを含めて評価します。
そして、評価によって昇給やボーナス、役職のアップが決定します。
保育士の仕事は一般的な営業職などと異なり数値で評価できるものではなく、成果が曖昧になりがちです。
目標を定め、それに対しての達成度などで評価できるポイントを自ら示すことで上司に自分の意欲をアピールすることも大切なことです。
目的4:保育園全体の目標を達成するため
目標設定を行うのは、保育園全体の目標を達成するためでもあります。
保育園全体の目標を達成するには、保育士がそれぞれの役割を全うする必要があり、保育士が個々で目標設定をすることは保育園全体の目標を達成することに繋がるのです。
保育園全体が目標を達成するために、一人ひとりの保育士が行動すれば、当然保育園全体の士気が上がり、働く環境も雰囲気もよくなります。
今は役職のない保育士であっても、保育園全体のために目標設定をし、それに向かって研鑽することが自分のためにも良い結果をもたらすでしょう。
目的5:後輩育成のため
目標を設定するのは自分のためだけとは限りません。
後輩を育成するために必要な課題をブラッシュアップして目標に設定することで、後輩育成の目的や手段を明確にすることができるでしょう。
また、後輩保育士のステップをみるときにも過去の自分の目標などを振り返ることで「ここまではできるはず」「ここは課題になりやすいところだ」という判断もできるようになります。
後輩が一人前の保育士として成長をするためにも、自分の目標設置をしっかりと行うことが大切です。
保育士が目標設定をするときに取り入れたい5つのポイント
保育士が目標設定する時に難しく感じることは、何を書けばいいか整理ができていないことです。
目標設定をする際に取り入れたい視点は下記の5つのポイントです。
- 自分のスキルや状況を棚卸しする
- 同僚や上司からの評価を参考にする
- 目標は高く設定しすぎない
- 数字を用いて具体的な目標を立てる
- 昨年度よりもステップアップした内容にする
これらを取り入れることで自分自身の姿を明確にすることができ、半年後、1年後にどのようになっていたいかも明確化してくるでしょう。
ここからは5つのポイントについて詳しく説明します。
ポイント1:自分のスキルや状況を棚卸しする
今の自分の状況や求められている役割、課題をまずは知ることです。
そのためには自分が今何ができていて、何ができていないのかを冷静に分析しましょう。
目標とは、現時点の自分と理想の保育士のギャップを埋める作業です。
現時点の自分のスキルや状況を棚卸しすることで、今後の目標は見えてきます。
ポイント2:同僚や上司からの評価を参考にする
自分だけではなく、同僚や上司からの評価も参考にしてみることは大切です。
自分自身の評価だけでは、過小評価もあれば過大評価もあります。
冷静な分析をするためにも同僚や上司の意見を参考にしましょう。
もちろん、他者の評価にはその人の主観も入ります。
そのため、自分自身では思ってもいなかった評価に感情的になってしまうこともあるかもしれません。
意見を踏まえた上で謙虚に受け止めつつも、「参考にする」という姿勢を忘れずに考えることも大切です。
ポイント3:目標は高く設定しすぎない
目標は高すぎても意味がありません。
達成できない目標を設定してしまうと、モチベーションが下がったり、できない自分をせめてしまったりして、本末転倒になってしまいます。
将来的な理想として高い目標が明確にある場合は、そのために今自分がやるべきことは何かというスモールステップを心がけましょう。
まだ将来的な理想がまだはっきりしていない場合は、無理に高い目標を掲げる必要はなく、実現可能な目標を立てることでモチベーションを高める目標を設定しましょう。
ポイント4:数字を用いて具体的な目標を立てる
目標を設定したときに大切なことは、達成できたかどうかを確認できることです。
そのため、「○週間継続して行う」「○ヶ月で習得する」など、具体的な期間を設定することで達成が明確になったり、目標達成に向けて行動しやすくなったりします。
半年後、1年後の振り返りの時に自分自身の成長を認識するためにも、具体的な数字目標を掲げ、目標を立てましょう。
ポイント5:昨年度よりもステップアップした内容にする
2年以上勤続している場合は、昨年よりも少し目標のレベルを上げることを意識しましょう。
目標は保育士としての成長のためや日々のモチベーションを保つためにあります。
昨年度と同じようなレベルの目標に設定してしまうと保育士として成長することができないだけではなく、達成しようという意欲が湧きにくいためモチベーションにもなりません。
達成不可能な目標を立てる必要はありませんが、前回立てた目標よりも少し難易度の高い目標を設定してみることで挑戦する気持ちを忘れないようにしましょう。
勤続年齢別!役割から見た目標設定の具体例
保育士としての目標は役割や経験、役職などによっても異なります。
ここでは主に勤続年数によって求められる役割を考慮した目標設定について具体例をあげてご紹介します。
【1年目】職場に慣れ、業務を覚える時期の目標設定
社会人1年目の保育士に求められる役割は、まず保育士として職場に慣れ、自覚を持った行動を身につけることです。
これまで主に机上で習得してきた知識を実践に活かし、スキルを確かにする一歩めとしての役割を目標に落とし込みましょう。
業務を覚えることを目標とした例文
・日常の保育業務を一人でもできるようになる
まずは新人保育士として独り立ちすることが目標です。
保育士は一人で行う仕事ではないので当然先輩保育士とともに仕事をすることにはなりますが、一人の保育士として信頼し業務を任せてもらえるようになるためには時間がかかるものです。
まずは先輩の指示に従い、業務を覚えることを目標としましょう。
スキルアップを目標とした例文
・毎週1つは新しい遊びを提案できるようになる
手遊びや読み聞かせ、歌やおもちゃ作りなど保育士として子どもたちの喜ぶ遊びを提案することは大切なスキルです。
子どもたちを楽しませるための引き出しをたくさん用意しておくことは、保育士としてのスキルアップにつながります。
まずは子どもを保育するという基本の部分のスキルを目標として設定しましょう。
【2年目】ステップアップが求められる時期の目標設定
勤続2年目の保育士になると、後輩の保育士が入ってくることもあります。
これまでフォローされる側だった立場が変わっていくことから、自分の求められている役割を考え目標を設定しましょう。
1年目からのステップアップを目標とした例文
・子どもの興味や関心を汲み取り、保育計画を実行していく
1年目は目の前のことに一生懸命だった方も2年目となると一連の流れについて理解が深まっているものです。
1年目の経験をもとに自分がどのような役割を果たすかなど計画的に動くための目標を設定しましょう。
保護者とのコミュニケーションの向上を目標とした例文
・子どもの成長についてのコミュニケーションを一日3人の保護者と必ずする
子どものちょっとした様子を伝えたり、成長を保護者とともに喜んだりすることは、保育士として保護者からの信頼を得られるようになる一歩です。
良好な信頼関係を築くために敢えて人数の目標なども定め取り組んでみることもおすすめです。
【3年目】クラス運営の中核となる時期の目標設定
勤続3年目になると、徐々にクラス担任を持つことも増え期待も高まってくる頃です。
これまでの保育とは一段上の視点で考えることも求められてきます。
スキルアップを目標とした例文
・子どもの発達を意識し、ねらいを持った行事保育を行う
保育計画やイベントなども積極的に案を出したり、実行していく年次になってくるため、子どもの発達などをしっかり理解した行動をすることなどが大切です。
また、単に行事を行うだけでなく保育のねらいなどを意識した保育計画を練っていけるようにしましょう。
後輩への指導についての例文
・新人保育士のOJTとして、日頃の指導はもちろん週に1度の面談を通じ早期戦力化を行う
3年目になると新人保育士の育成も任されてきます。
新人保育士を育成するための目標も一つの目標設定として付け加えていきましょう。
【5年目】人材育成に携わり、職場の中核を担う時期の目標設定
勤続5年目になると、組織の中核としての役割が求められます。
それに応じた働きができるような目標設定を行いましょう。
後輩保育士の育成を目標とした例文
・後輩保育士からの意見を広く汲みとり、職員会議などで改善提案を行う
後輩保育士と園長や主任など役職のある保育士との間をつなぐ中堅保育士の役割を果たすことが求められています。
現場からの意見を元に園全体の改善につながる目標を設定するのも良いです。
年間行事の計画に関する例文
・年間行事を残業なしでも実行できるように、スムーズな実行計画を立て、園全体の士気を高める。
保育士は行事ごとに残業が多く、多くの保育士が疲弊しています。
これまで4年間の経験をもとに、早くから実行計画を策定し過不足のない行事進行に向けた計画を率先してやっていく姿勢を見せましょう。
職員全体のチームワークを向上させるための例文
・職員同士のコミュニケーションを円滑にし、クラスや学年を超えた情報共有を行う
5年目になると職員同士ともある程度打ち解けた関係を作ってきたと思います。
その関係を業務に活かし、保育の質を向上させる情報共有なども積極的にリーダーシップをはっきしていきましょう。
【7年目】リーダーや副主任などへのキャリアアップが検討される時期の目標設定
勤続7年目の保育士なると、中堅からベテラン保育士へと求められることが変わってきます。
また、役職もリーダーや副主任など重要なポジションになってくるため、普段の保育に加え仕事自体も膨大になってきます。
責任が求められるからこその目標設定を意識していきましょう。
職場の環境を改善するための例文
・より良い職場環境にするための改善議題を月に1つ以上は提案する
職場全体や園全体を良い環境にするためには、日頃からの改善が必要です。
そのために気がついたこと、どのようにすれば全員の士気が上がる職場になるかなどを考え、改善案まで提案することが大切です。
不平不満を持つだけではなく「どうすれば良くなるか」という改善を提案できるようになりましょう。
キャリアアップについての例文
・保育士等キャリアアップ研修の受講を行い、スキルアップに努める
保育士全体のスキルアップを目的とし、自治体の行う保育士等キャリアアップの受講の要件を満たす年次になってきます。
自ら率先してスキルアップを行うことで後輩保育士へ背中を見せることで、自身の給与アップはもちろん、後輩たちへ保育士を続けていけるロールモデルとなる行動を行っていきましょう。
【10年目】後輩保育士のキャリアアップやマネジメントに携わる時期の目標設定
勤続10年目の保育士はベテランです。
これまでの経験をもとに仕事をすることはもちろんですが、残念ながら新人保育士だった時のことを忘れてしまったり、やり方に固執してしまうこともあります。
ベテランだからこそ気が付けることをしっかりと意識しながらも謙虚に保育士としての仕事を行う姿勢を目標設定にすることも良いかもしれません。
マネジメントについての例文
・年次の低い保育士たちのスキルアップ研修会を月に1度開催する
研修会は新人保育士たちへスキルを教えるとともに、コミュニケーションの機会を設けることで現場で困っていることは対応などを汲み取れるようになります。
また、自分自身もスキルを振り返ることによって、現場を理解し共感しながらマネジメントが行えるようになるでしょう。
キャリアアップ支援に関する例文
保育士等スキルアップ研修を受講し、主任保育士へのスキルを身につける
リーダーなどの役職者の場合、これからのスキルアップとして主任や副園長、園長へのキャリアアップがあります。
現場での経験を活かし、よりスキルアップしていくための目標を設定しましょう。
目標設定後の自己評価の目的ややり方
目標設定を行った後は、自己評価をすることが最も大切です。
自己評価のタイミングは概ね3ヶ月に1度くらいを目安にし、たとえ1年間の目標であっても定期的なチェックは必要です。
自分自身の立てた目標に向けて進んでいるのかの進捗はもちろん、忙しさの中で目標とは異なる方向へ進んでいないかなどの軌道修正をしていきましょう。
自己評価の目的
自己評価は設定した目標に対して自分の進捗を確認するための行動です。
自分自身が納得して立てた目標に対して、進捗を確認することで、日頃の保育に対しての目的が発生します。
毎日の業務はついつい流れ作業になってしまうことも多くありますし、それが決して悪いことではありませんが、目標を忘れずに行動することで自分自身を磨いていくことができるようになります。
自己評価の具体的なやり方
自己評価をするためには、目標を設定した時に「スモールステップ」を目安として設定しておくことが大切です。
目標管理シートなどを用意し、いつまでに何をする、という小さなステップを積み重ねるとして目標の進捗が可視化できるようにしましょう。
自己成長するためには自分の課題を見つけて目標設定することが大切!
目標設定は自己成長のために必要です。
目標を立てることが苦手だったり、定期的にやらなければならないから無理矢理設定し、すっかり忘れてしまうことも少なくありませんが、せっかくの機会を逃していることに気が付きましょう。
目標は誰のためでもなく、あなた自身のためのものです。
自分自身が保育士として、社会人として成長していくために、課題を見つけそれをクリアしていくことにより成長を実感できる有意義な機会になるでしょう。
ずっと保育士は、保育のお仕事を始めたい、転職・復職したい方にライフステージにあった保育のお仕事をご紹介したい。そして保育の仕事でずっと輝き続けるあなたを応援し続けたい、という想いでサービスを運営しています。
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保育士をしていると、1年や半年ごとに「目標設定」を決める機会がやってきます。
実はこの目標設定を苦手としている保育士も少なくありません。
「何を設定すればいいの?」「どんな目標が適切なの?」「そもそも意味があるの?」など苦手にする人からは疑問が上がってきますが、子どもたちの保育目標が子どもの成長の手助けになるように、保育士の目標設定もあなた自身の成長にとって不可欠です。
今回の記事では、目標設定の目的から具体的な目標の例文まで、あなたが保育士としてもっと成長していくための目標設定についてまとめました。
【記事監修】ずっと保育士編集部
「ずっと保育士」は、保育ひとすじ28年の株式会社明日香が運営する保育専門のキャリアサポートサービスです。結婚や出産、育児など、目まぐるしく変わるライフステージの中で、その時その時にぴったり合うお仕事を紹介したい。そして、保育の仕事でずっと輝き続けるあなたを応援したい、という想いで保育士の就職、転職、復職などのキャリア支援を行っています。また、「ずっと保育士」では保育士さんの疑問や悩みなどを少しでも解決すべくコラムを通した情報発信も積極的に行っています。
保育士が定期的に目標設定を行う5つの目的
定期的に目標設定を行うことには次のような理由があります。
- 仕事への意欲を高めるため
- 自分の課題を意識してスキルアップするため
- 保育に対する意欲を上司に知ってもらうため
- 保育に対する意欲を上司に知ってもらうため
- 保育園全体の目標を達成するため後輩育成のため
ここからは保育士が定期的に目標設定を行う5つの目的について詳しく説明します。
目的1:仕事への意欲を高めるため
目標設定は仕事への意欲を高める役割を担っています。
仕事は毎日のことですので、ついつい目的が曖昧になってしまったり、達成感を感じることができなくなってしまうこともあるでしょう。
目標を定期的に設定することで、やるべきことやゴールが見え、意欲が高まったりモチベーションを維持して働くことができます。
目的2:自分の課題を意識してスキルアップするため
目標設定をする過程は、自分の課題を見つけてどのようにすれば改善できるのかを考える機会です。
日常の中では忙しくて考えることができなくなっていても、目標設定をすることで冷静に客観的に自分を見つめ直す機会ができると捉えましょう。
その結果、今できていることとこれから身につけるべきことを自分自身が落とし込むこともできます。
自分の課題を振り返って今後の目標を設定することは、スキルアップに繋がっていくでしょう。
目的3:保育に対する意欲を上司に知ってもらうため
管理者は人事評価において、「目標の達成度」や「保育園への貢献度」などを含めて評価します。
そして、評価によって昇給やボーナス、役職のアップが決定します。
保育士の仕事は一般的な営業職などと異なり数値で評価できるものではなく、成果が曖昧になりがちです。
目標を定め、それに対しての達成度などで評価できるポイントを自ら示すことで上司に自分の意欲をアピールすることも大切なことです。
目的4:保育園全体の目標を達成するため
目標設定を行うのは、保育園全体の目標を達成するためでもあります。
保育園全体の目標を達成するには、保育士がそれぞれの役割を全うする必要があり、保育士が個々で目標設定をすることは保育園全体の目標を達成することに繋がるのです。
保育園全体が目標を達成するために、一人ひとりの保育士が行動すれば、当然保育園全体の士気が上がり、働く環境も雰囲気もよくなります。
今は役職のない保育士であっても、保育園全体のために目標設定をし、それに向かって研鑽することが自分のためにも良い結果をもたらすでしょう。
目的5:後輩育成のため
目標を設定するのは自分のためだけとは限りません。
後輩を育成するために必要な課題をブラッシュアップして目標に設定することで、後輩育成の目的や手段を明確にすることができるでしょう。
また、後輩保育士のステップをみるときにも過去の自分の目標などを振り返ることで「ここまではできるはず」「ここは課題になりやすいところだ」という判断もできるようになります。
後輩が一人前の保育士として成長をするためにも、自分の目標設置をしっかりと行うことが大切です。
保育士が目標設定をするときに取り入れたい5つのポイント
保育士が目標設定する時に難しく感じることは、何を書けばいいか整理ができていないことです。
目標設定をする際に取り入れたい視点は下記の5つのポイントです。
- 自分のスキルや状況を棚卸しする
- 同僚や上司からの評価を参考にする
- 目標は高く設定しすぎない
- 数字を用いて具体的な目標を立てる
- 昨年度よりもステップアップした内容にする
これらを取り入れることで自分自身の姿を明確にすることができ、半年後、1年後にどのようになっていたいかも明確化してくるでしょう。
ここからは5つのポイントについて詳しく説明します。
ポイント1:自分のスキルや状況を棚卸しする
今の自分の状況や求められている役割、課題をまずは知ることです。
そのためには自分が今何ができていて、何ができていないのかを冷静に分析しましょう。
目標とは、現時点の自分と理想の保育士のギャップを埋める作業です。
現時点の自分のスキルや状況を棚卸しすることで、今後の目標は見えてきます。
ポイント2:同僚や上司からの評価を参考にする
自分だけではなく、同僚や上司からの評価も参考にしてみることは大切です。
自分自身の評価だけでは、過小評価もあれば過大評価もあります。
冷静な分析をするためにも同僚や上司の意見を参考にしましょう。
もちろん、他者の評価にはその人の主観も入ります。
そのため、自分自身では思ってもいなかった評価に感情的になってしまうこともあるかもしれません。
意見を踏まえた上で謙虚に受け止めつつも、「参考にする」という姿勢を忘れずに考えることも大切です。
ポイント3:目標は高く設定しすぎない
目標は高すぎても意味がありません。
達成できない目標を設定してしまうと、モチベーションが下がったり、できない自分をせめてしまったりして、本末転倒になってしまいます。
将来的な理想として高い目標が明確にある場合は、そのために今自分がやるべきことは何かというスモールステップを心がけましょう。
まだ将来的な理想がまだはっきりしていない場合は、無理に高い目標を掲げる必要はなく、実現可能な目標を立てることでモチベーションを高める目標を設定しましょう。
ポイント4:数字を用いて具体的な目標を立てる
目標を設定したときに大切なことは、達成できたかどうかを確認できることです。
そのため、「○週間継続して行う」「○ヶ月で習得する」など、具体的な期間を設定することで達成が明確になったり、目標達成に向けて行動しやすくなったりします。
半年後、1年後の振り返りの時に自分自身の成長を認識するためにも、具体的な数字目標を掲げ、目標を立てましょう。
ポイント5:昨年度よりもステップアップした内容にする
2年以上勤続している場合は、昨年よりも少し目標のレベルを上げることを意識しましょう。
目標は保育士としての成長のためや日々のモチベーションを保つためにあります。
昨年度と同じようなレベルの目標に設定してしまうと保育士として成長することができないだけではなく、達成しようという意欲が湧きにくいためモチベーションにもなりません。
達成不可能な目標を立てる必要はありませんが、前回立てた目標よりも少し難易度の高い目標を設定してみることで挑戦する気持ちを忘れないようにしましょう。
勤続年齢別!役割から見た目標設定の具体例
保育士としての目標は役割や経験、役職などによっても異なります。
ここでは主に勤続年数によって求められる役割を考慮した目標設定について具体例をあげてご紹介します。
【1年目】職場に慣れ、業務を覚える時期の目標設定
社会人1年目の保育士に求められる役割は、まず保育士として職場に慣れ、自覚を持った行動を身につけることです。
これまで主に机上で習得してきた知識を実践に活かし、スキルを確かにする一歩めとしての役割を目標に落とし込みましょう。
業務を覚えることを目標とした例文
保育士は一人で行う仕事ではないので当然先輩保育士とともに仕事をすることにはなりますが、一人の保育士として信頼し業務を任せてもらえるようになるためには時間がかかるものです。
まずは先輩の指示に従い、業務を覚えることを目標としましょう。
スキルアップを目標とした例文
手遊びや読み聞かせ、歌やおもちゃ作りなど保育士として子どもたちの喜ぶ遊びを提案することは大切なスキルです。
子どもたちを楽しませるための引き出しをたくさん用意しておくことは、保育士としてのスキルアップにつながります。
まずは子どもを保育するという基本の部分のスキルを目標として設定しましょう。
【2年目】ステップアップが求められる時期の目標設定
勤続2年目の保育士になると、後輩の保育士が入ってくることもあります。
これまでフォローされる側だった立場が変わっていくことから、自分の求められている役割を考え目標を設定しましょう。
1年目からのステップアップを目標とした例文
1年目は目の前のことに一生懸命だった方も2年目となると一連の流れについて理解が深まっているものです。
1年目の経験をもとに自分がどのような役割を果たすかなど計画的に動くための目標を設定しましょう。
保護者とのコミュニケーションの向上を目標とした例文
子どものちょっとした様子を伝えたり、成長を保護者とともに喜んだりすることは、保育士として保護者からの信頼を得られるようになる一歩です。
良好な信頼関係を築くために敢えて人数の目標なども定め取り組んでみることもおすすめです。
【3年目】クラス運営の中核となる時期の目標設定
勤続3年目になると、徐々にクラス担任を持つことも増え期待も高まってくる頃です。
これまでの保育とは一段上の視点で考えることも求められてきます。
スキルアップを目標とした例文
保育計画やイベントなども積極的に案を出したり、実行していく年次になってくるため、子どもの発達などをしっかり理解した行動をすることなどが大切です。
また、単に行事を行うだけでなく保育のねらいなどを意識した保育計画を練っていけるようにしましょう。
後輩への指導についての例文
3年目になると新人保育士の育成も任されてきます。
新人保育士を育成するための目標も一つの目標設定として付け加えていきましょう。
【5年目】人材育成に携わり、職場の中核を担う時期の目標設定
勤続5年目になると、組織の中核としての役割が求められます。
それに応じた働きができるような目標設定を行いましょう。
後輩保育士の育成を目標とした例文
後輩保育士と園長や主任など役職のある保育士との間をつなぐ中堅保育士の役割を果たすことが求められています。
現場からの意見を元に園全体の改善につながる目標を設定するのも良いです。
年間行事の計画に関する例文
保育士は行事ごとに残業が多く、多くの保育士が疲弊しています。
これまで4年間の経験をもとに、早くから実行計画を策定し過不足のない行事進行に向けた計画を率先してやっていく姿勢を見せましょう。
職員全体のチームワークを向上させるための例文
5年目になると職員同士ともある程度打ち解けた関係を作ってきたと思います。
その関係を業務に活かし、保育の質を向上させる情報共有なども積極的にリーダーシップをはっきしていきましょう。
【7年目】リーダーや副主任などへのキャリアアップが検討される時期の目標設定
勤続7年目の保育士なると、中堅からベテラン保育士へと求められることが変わってきます。
また、役職もリーダーや副主任など重要なポジションになってくるため、普段の保育に加え仕事自体も膨大になってきます。
責任が求められるからこその目標設定を意識していきましょう。
職場の環境を改善するための例文
職場全体や園全体を良い環境にするためには、日頃からの改善が必要です。
そのために気がついたこと、どのようにすれば全員の士気が上がる職場になるかなどを考え、改善案まで提案することが大切です。
不平不満を持つだけではなく「どうすれば良くなるか」という改善を提案できるようになりましょう。
キャリアアップについての例文
保育士全体のスキルアップを目的とし、自治体の行う保育士等キャリアアップの受講の要件を満たす年次になってきます。
自ら率先してスキルアップを行うことで後輩保育士へ背中を見せることで、自身の給与アップはもちろん、後輩たちへ保育士を続けていけるロールモデルとなる行動を行っていきましょう。
【10年目】後輩保育士のキャリアアップやマネジメントに携わる時期の目標設定
勤続10年目の保育士はベテランです。
これまでの経験をもとに仕事をすることはもちろんですが、残念ながら新人保育士だった時のことを忘れてしまったり、やり方に固執してしまうこともあります。
ベテランだからこそ気が付けることをしっかりと意識しながらも謙虚に保育士としての仕事を行う姿勢を目標設定にすることも良いかもしれません。
マネジメントについての例文
研修会は新人保育士たちへスキルを教えるとともに、コミュニケーションの機会を設けることで現場で困っていることは対応などを汲み取れるようになります。
また、自分自身もスキルを振り返ることによって、現場を理解し共感しながらマネジメントが行えるようになるでしょう。
キャリアアップ支援に関する例文
リーダーなどの役職者の場合、これからのスキルアップとして主任や副園長、園長へのキャリアアップがあります。
現場での経験を活かし、よりスキルアップしていくための目標を設定しましょう。
目標設定後の自己評価の目的ややり方
目標設定を行った後は、自己評価をすることが最も大切です。
自己評価のタイミングは概ね3ヶ月に1度くらいを目安にし、たとえ1年間の目標であっても定期的なチェックは必要です。
自分自身の立てた目標に向けて進んでいるのかの進捗はもちろん、忙しさの中で目標とは異なる方向へ進んでいないかなどの軌道修正をしていきましょう。
自己評価の目的
自己評価は設定した目標に対して自分の進捗を確認するための行動です。
自分自身が納得して立てた目標に対して、進捗を確認することで、日頃の保育に対しての目的が発生します。
毎日の業務はついつい流れ作業になってしまうことも多くありますし、それが決して悪いことではありませんが、目標を忘れずに行動することで自分自身を磨いていくことができるようになります。
自己評価の具体的なやり方
自己評価をするためには、目標を設定した時に「スモールステップ」を目安として設定しておくことが大切です。
目標管理シートなどを用意し、いつまでに何をする、という小さなステップを積み重ねるとして目標の進捗が可視化できるようにしましょう。
自己成長するためには自分の課題を見つけて目標設定することが大切!
目標設定は自己成長のために必要です。
目標を立てることが苦手だったり、定期的にやらなければならないから無理矢理設定し、すっかり忘れてしまうことも少なくありませんが、せっかくの機会を逃していることに気が付きましょう。
目標は誰のためでもなく、あなた自身のためのものです。
自分自身が保育士として、社会人として成長していくために、課題を見つけそれをクリアしていくことにより成長を実感できる有意義な機会になるでしょう。