保育のコラム

保育士4年目です。辞めたいけれど、転職すべきかどうか悩んでいます。どう判断するのが良いのでしょうか

2022/07/28

保育士4年目です。辞めたいけれど、転職すべきかどうか悩んでいます。どう判断するのが良いのでしょうか?

仕事をはじめてある程度全体が見えてきた4年目になると、辞めたいと考える人が増えてくる時期です。

保育士も例外ではありません。

この記事では、4年目の保育士ならではの辞めたい理由や、辞めるかどうかをどのように判断したら良いのかなど、具体的に紹介します。

ずっと保育士編集部

【記事監修】ずっと保育士編集部

「ずっと保育士」は、保育ひとすじ28年の株式会社明日香が運営する保育専門のキャリアサポートサービスです。結婚や出産、育児など、目まぐるしく変わるライフステージの中で、その時その時にぴったり合うお仕事を紹介したい。そして、保育の仕事でずっと輝き続けるあなたを応援したい、という想いで保育士の就職、転職、復職などのキャリア支援を行っています。また、「ずっと保育士」では保育士さんの疑問や悩みなどを少しでも解決すべくコラムを通した情報発信も積極的に行っています。

保育士4年目は周りも見え、働き方も変わる時期!

保育士4年目は、担任を受け持つ同僚の中でも最もキャリアが長くなる場合もあります。

そうすると、これまでの先輩に教えてもらうポジションから教えるポジションとなり、自分で判断したり決断したりしていかなければなりません。

責任がある立場となってくることで、働き方も周りの調整役としての役割が求められるようになります。

保育士4年目の保育士が保育士を辞めたいと思う主な理由

4年間続けてきた保育士を辞めたいと感じてしまう主な理由となるのは、頼られることへのプレッシャーや人間関係、自分が描いている将来と園の方針の相違です。

保育士4年目は知識やスキルをある程度持っている状態なので、どうしてもこれまでよりも責任ある仕事を任せられるようになります

これまでに求められてきた仕事内容や責任の重さとのギャップに、4年目の保育士が辞めたいと感じる理由が隠れているようです。

4年目で辞めたいと感じる保育士たちの主な理由は以下の通りです。

理由1:新人や後輩の育成など責任の重いポジションになり、辛い

4年目の保育士は後輩たちを教える立場になります。

ただし、多くの4年目の保育士の本音は「自分のことでまだまだ手一杯なのに、人に教えている余裕がない」というものです。

自分に余裕がなかったり、そもそも教えることが苦手だった場合、教える立場というポジションそのものが負担になってしまいます。

また、保育士には1〜2年で退職する方も多いのが現状です。

せっかく教えた後輩が辞めてしまうことに責任を感じたり、自分自身の力不足に落ち込んだりすることで辛く感じ、辞めたいという気持ちが芽生えてしまいます。

理由2:周囲から頼られたり、期待されるのはありがたいが、プレッシャーを感じる

同じ保育園で4年目になる保育士は、後輩保育士からだけではなく、先輩や上司、園長などさまざまな人から一人前の保育士として頼りにされます。

また、保護者とも毎日のように顔を合わせるため、先生としての信頼も得ている時期です。

仕事を一生懸命にしてきたからこそ得られた信頼ではあるのですが、過度な期待をプレッシャーに感じてしまい、完璧な保育士でなければならないと感じることがストレスになることもあります。

自分を追い詰めすぎるために、自分のダメなところばかりに目がいってしまい、保育士としての適性に疑問を感じ、辞めたいと感じてしまいます。

理由3:職場に将来性を感じない

保育士4年目は、ただがむしゃらに毎日の仕事をしてきた1〜3年目の頃とは違い、今後のキャリアについてもある程度考えるようになる時期です。

今後のキャリアのロールモデルとなる先輩を見て、自分のキャリアを考えたときに将来性を感じなくなることもあります。

「このままこの保育園で仕事をしていて良いのだろうか」「他にもっと良いキャリアを築ける保育園があるかもしれない」「保育以外のキャリアへ転向するなら、若い今しかないかもしれない」などと考えていくうちに退職を選択する場合があります。

理由4:新人や後輩との人間関係がうまくいかない

新人や後輩の指導係として、責任を負うことが多くなる4年目の保育士。

期待するからこその厳しい指導を行ってみたり、細かなことまで注意をしてしまうこともありますが、その気持ちが必ずしも伝わる訳ではありません。

後輩の育成を行っていく中で、後輩からの反発を受けることや後輩がなかなか成長しないこともあります。

また、さまざまなところで発生するミスやクレームの謝罪や責任を尻拭いさせられるなど、理不尽なことが続いてしまうと辞めたいと感じる原因になります。

このように、新人や後輩との関係がうまくいかないことは、今の保育園での仕事に限界を感じてしまう理由の一つとなります。

理由5:任される仕事が多くなり体力的にきつい

4年目となり任される仕事が多くなると、本来はこれまでの仕事は後輩などに任せていく必要があります。

しかし、仕事を任せる後輩がいない場合や人手不足などの場合、全てを自分でこなす必要があります。

周りの保育士に頼りながら仕事を進められればよいのですが、人に任せることが苦手な人や責任感が強く「自分がやらなければ」と思ってしまう人は、ついつい仕事を抱え込んでしまうことも。

任される仕事が多くなり、一人で抱え込んでしまうことで、毎日が残業続きになったり、持ち帰り仕事などで体力的に厳しい状況が続いたりしてしまうと、退職の引き金になります。

保育士4年目で辞めたいと思った時の判断基準

4年目の保育士が辞めたいと思った時は、体調やメンタルに余裕があるかどうかで判断しましょう。

体調やメンタルに余裕がないのに、そのまま働き続けてしまうと、体を壊す原因になります。

辞めたいと感じた時の具体的な判断基準は以下の通りです。

体調やメンタル面が限界であれば、すぐに休職、もしくは退職を考え、行動しよう!

辞めたいと考えた理由が体調やメンタル面の不調によるものであれば、すぐにその職場は離れるべきです。

離れる手段は退職のみではなく、休職もその一つです。

心身の不調は放っておくと、悪化し、生活に重大な支障をきたすようになります。

まずは休職を打診し、休息をとる時間を作りましょう。

休職をする際は、先に医療機関を受診し、診断書を受け取っておくとスムーズに休職手続きを行うことができます。

これまでメンタルクリニックを受診したことがない方は、初診までに数ヶ月かかることがあるので、早めに予約を取ることをおすすめします。

休職の申請さえ受け入れてもらえない場合は、退職も視野に入れましょう。

体調やメンタル面に少し余裕があれば、上司や園長に相談し、短期の休職などを考えよう!

辞めたいと考え始めた時、体調やメンタル面に余裕があれば、まずは上司や園長に相談をしてみましょう。

現在負担になっていることや不安なことを上司や園長に相談することで、悩んでいることを知ってもらうことができます。

上司や園長も4年目の保育士だった頃があるため、あなたの悩みに共感してもらえたり、今後の対応策を提示してもらえたりするかもしれません。

しっかりと仕事をしているからこそ、上司や園長は悩みに気づかないことがあります。

単純にコミュニケーション不足で行き違いがあり、一人で悩みを抱えてしまっていることはよくあることです。

相談して解決することで今後も同じ職場で保育士を続けていけるのなら、保育士からの相談は保育園にとってメリットになります。

体調やメンタル面に問題がなければ、普通に転職活動をしよう!

体調やメンタル面に余裕があり、相談した上でも解決が難しければ退職する前に転職活動をはじめてみることも一つの手段です。

生活のことを考えたり、保育士としてのブランクはできるだけない方が望ましいため、体調やメンタルに問題がなければ、辞める前に転職活動をしておくのがおすすめです。

転職先が決定していることで、引き止めや罪悪感を強く刺激された場合も自分の思いをしっかりと伝えることができます。

一旦派遣保育士として働きながら今後の転職先を考えるのも一つの方法!

4年目の保育士は、ある程度スキルや経験が蓄積されており、ある程度保育士としての仕事に自信がついてきている時期です。

そのため、結婚や妊娠・出産などのライフスタイルの変化がない限り、正職員としての転職を目指す方は多いと思います。

正職員を目指すことは悪いことではありませんが、体調やメンタルに限界が来ている場合や今後の転職先やキャリアについてゆっくり考えたいと思っている場合は、まずは派遣保育士として働きながら、今後の転職先やキャリアを考えるのも一つの方法です。

派遣保育士の場合、担当するのは保育補助の仕事であることがほとんどです。

基本的に担任やリーダーなどの役割を持つことがないので、身体的・精神的な負担を比較的少なくすることができます。

派遣と聞くと「雇用が不安定」「給料が安い」などのイメージを持つ方は多くいますが、保育士の場合は慢性的な人手不足なので、よほどのことがない限り派遣切りにあうことはありません。

また、賞与が出ない分、年収では正職員に劣りますが、月収では正職員とそれほど差はなく、時給1,200〜1,800円が相場となっています。

正職員の保育士の時給相場は約1,527円なので、それほど差がないことがわかります。※1

このように、「負担」「雇用の安定性」「給料」の3つの点から考えると、派遣として働くデメリットはそれほどないどころか、業務の負担を軽くすることができます。

そのため、「この先の転職先やキャリアについてゆっくり考えたいけど、収入は必要」という方は一旦派遣保育士として働きながら、今後の転職先を考えるのがおすすめです。

派遣保育士として働く際に登録する人材派遣会社は、派遣の求人のみを取り扱っているというイメージを持つ方は多いと思いますが、保育士専門の人材派遣会社である明日香では、派遣だけではなく正職員での就職もサポートしています。

「一旦派遣として働いて、生活や心身を整えてから正職員に戻りたい」という場合にスムーズに転職活動を進めることが可能です。

派遣として働き出したからといってこの先もずっと派遣で働かなければいけないということはありません。

働き方はライフスタイルに合わせて変えることができるので、「一旦派遣として働く」という方法を選択肢の1つとして視野に入れておくと、無理なく次のステップに進むことができます。

※1:厚生労働省「令和3年度賃金構造基本統計調査」より

保育士4年目で辞めたいと思った時のよくあるトラブルと対処法

仕事も理解し、重要なポジションを任されるようになった4年目の保育士が辞めたいと考え始めると、さまざまなトラブルがあります。

具体的にどのようなトラブルがあるか、事前に知っておくことで対応も変わります。

ここからはよくあるトラブルについて解説します。

【1】周囲からの引き留めの圧力がすごい

人員不足に悩む保育園では、4年目という仕事を安心して任せられる保育士に辞められてしまうことは大きな痛手です。

そのため、周囲からは辞めないでほしいというプレッシャーがかかり、自分の意思を示すことができない状態に追い込まれてしまうことがあります。

【2】自分が辞めると周りに迷惑がかかるからと退職への一歩が踏み切れない

仕事全体を見渡せるようになった4年目だからこそ、自分自身の立場を理解し、自分が抜けた後周囲に迷惑がかかることを心配してしまいます。

お世話になった先輩やかわいがってきた後輩が苦労することが容易に想像できる環境であれば、心苦しさから辞めると言い出せなくなります。

また、これまで4年間のうちに辞めていく同僚を何人か見送ることもあった方は、自分が辞めることで周囲へかける迷惑をよくわかっているかもしれません。

こうした配慮から辞めること自体に罪悪感を抱くケースがあります。

【3】上司や園長との人間関係が悪く、相談もできない状態

そもそも人間関係が悪く、仕事の悩みどころか退職を伝えることさえできない場合もあります。

辞めると申し出ても、そのこと自体をたらい回しにされ、退職の手続きがまともにできない機能不全に陥っている保育園の場合、その状況から抜け出すことさえ難しくなってしまいます。

退職の手続きができない場合は一人で動くことが困難になるので、管轄の労働基準監督署の退職に関するトラブル相談窓口に相談してみることも一つの方法です。

【4】職場が退職要望に応じてくれない

辞めたいという要望を受け入れてくれず、退職に必要な書類を出してくれないなど、悪質な嫌がらせをしてくる保育園もあります。

人員不足や後任の採用の難しさが増している昨今、こうしたトラブルは増えています。

要望を聞いてくれないからと言って、勝手に出社しなくなった場合、あなたに問題があったようになっては、今後の転職などにも悪影響が出ます。

最近では退職代行を引き受ける機関も増えていますので、第三者に入ってもらって退職の意思を提出し、まずは要望に対応せざる得ないように周りを固めていく方法を考えていきましょう。

【5】体力的にも精神的にも限界で、退職に踏み切る体力すら残っていない

辞めたいと思っても、実際に辞めるには気力も体力も必要です。

日々の疲れやストレスに向き合うだけで精一杯になっている場合、辞めると申し出ることさえできない状態になってしまうこともあります。

ただし、そこまで限界になっている状態で、そのままズルズルと仕事をしていてもよいことはありません。

まずは限界になっている自分を労わり、まずは休職などの相談をし、ゆっくりと自分の今後について考える時間を作ることを優先させましょう。

【6】年度途中だから辞めてはダメだと言われる

特に担任を受け持っている保育士の場合、3月の年度末までは続けていくことが暗黙のルールになっていることがあります。

子どもたちのことを考えるとできれば、3月まで担任に変更がない方が良いことは事実です。

しかし、それによってあなたの体調やメンタル面に支障をきたしてしまっては、今後の生活にも影響します。

体調やメンタル面に問題がなければ、できるだけ年度末まで続けることを優先しつつ、万が一続けられない場合は保育園のルールよりもあなたの心身の健康を優先しましょう。

【7】金銭的に不安で退職に踏み切れない

仕事を辞めると当然お給料はなくなります。

自分の生活を考えると、毎月あった収入がなくなると辞めることは簡単に決断できるものではありません。

ただし、辞める前に転職活動をすることはできます。

在職中に次の仕事が決まっていれば、金銭的な不安はありません。

また、4年目の保育士であればおおよそ失業手当をもらえる条件には該当するため、自主退職でも一定期間をおけば失業給付金が支給されます。

失業給付金が支給されるまでの生活費など必要経費を計算し、まずはしっかり貯蓄をしましょう。

また、派遣という働き方であれば、最短で数日後から入職することができます。

貯蓄があまりなく、なるべく金銭的なロスをなくしたいという方は派遣保育士として働くことも一つの方法です。

保育士4年目で辞めたいと思った時は自分の体調やメンタル面を第一に考えて判断しよう!

3年間勤めた保育園を辞めるという決断には、勇気が必要です。

思い出もたくさんあり、はじめて受け持った子どもたちが在園している場合は離れがたい気持ちもあるでしょう。

しかし、まず一番に大切にするべきは自分の身体や心です。

辞めたいと考えた時にすでに体調面やメンタル面に限界がきている場合には、情に流されることなく決断をしましょう。

これからも保育士を続けたいと考えるのであれば、自分自身が体調もメンタルも健全であることが子どもたちのためでもあります。

自分自身が心身ともに万全の状態で保育士の仕事ができる環境を選んで転職しましょう。

もしも転職に関して悩んでいる場合は、まずは次の登録フォームから保育士登録をして、専任コーディネーターに今現在抱える悩みなどを相談してみてください。

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