保育のコラム

30代の保育士です。今の保育園を辞めたいと考えていますが、上司に相談できず前に進むことができません。

2022/12/27

女性の割合が多い保育士という仕事柄、30代は結婚や出産などのライフイベントが重なり、仕事とプライベートのバランスに苦悩することが多くなる年代です。

 

今回は、30代保育士が辞めたいと感じる主な理由や、辞めたいけどなかなか踏ん切りがつかない場合の判断基準について、28年以上、保育士の働き方や転職をサポートし続けてきた明日香が答えます

ずっと保育士編集部

【記事監修】ずっと保育士編集部

「ずっと保育士」は、保育ひとすじ28年の株式会社明日香が運営する保育専門のキャリアサポートサービスです。結婚や出産、育児など、目まぐるしく変わるライフステージの中で、その時その時にぴったり合うお仕事を紹介したい。そして、保育の仕事でずっと輝き続けるあなたを応援したい、という想いで保育士の就職、転職、復職などのキャリア支援を行っています。また、「ずっと保育士」では保育士さんの疑問や悩みなどを少しでも解決すべくコラムを通した情報発信も積極的に行っています。

30代保育士が辞めたいと感じる主な理由

保育士として仕事を覚え、中堅からベテランに差し掛かった30代保育士が退職を考える理由は実に様々です。

 

それぞれが持つ背景によって転職理由は異なりますが、ここからはいくつか代表的な事例を挙げていきます。

理由1:責任のある仕事を任せられることが多く、プレッシャーが大きい

担任などの保育業務はもちろん、後輩保育士をまとめたり、園長や主任などとの中間役として責任が重い仕事が増える30代の保育士。

 

責任の重さがプレッシャーとなり、自分を追い込んでしまうことから気分が沈んでしまうこともあります。

 

そもそも保育士の仕事は子どもの命を守る責任の重い仕事です。

 

もともと責任が重い仕事なのに、中間管理職的な業務が増えることで仕事にプレッシャーを感じ、押しつぶされそうになることが辞めたいと感じる理由の1つとなっています。

理由2:給料がなかなか上がらないことに不満を感じている

保育士の給料は、新卒時は他の業種とほとんど差はありません。

 

しかし、昇給率が低い傾向にあるため、年齢を重ねるごとにほかの業種に勤める同世代との間に差が生じることがあります。

 

最近は処遇改善によりキャリアアップとともに手当がつくように変更され、改善されてきてはいるものの、給料が上がらないという不満に応えるものとはなっていないのが現状です。

 

働く上で給料はモチベーションの一つです。給料がなかなか上がらない現状に不満を持って辞めたいと考える人は多くいます。

 

しかし、保育士の場合、「今現在の仕事の責任の重さや仕事量に見あった給料額ではない」という意味で不満を持っている方が多い傾向があるので、転職などを考えている場合には、給料額だけではなく、労働環境や制度がきちんと整っているか、などもしっかりと見極めることが重要です。

理由3:結婚や出産、子育てなどによりライフスタイルが変化した

30代の保育士はライフスタイルが変化しやすい時期です。

 

例えば、結婚、出産、子育てなどによりライフスタイルが変化した場合、働き方を再検討する必要があります。

 

また、夫の転勤によりこれまでと同じように通勤するのが難しくなるケースもあります。

 

働き方について再検討した結果、「今の保育園では働き続けられない」と思った場合に辞める決断をする方が多いようです。

理由4:昇進やキャリアアップの見通しが立たない

自分自身の今後のキャリアについて考えた時に、今の努力の先に昇進やキャリアアップの見通しが立たないと感じることも少なくありません。

 

例えば将来的に園長などのマネジメントポジションに進みたいと考えた場合、同族経営の保育園であれば、園長のポジションに親族以外が就くことが難しいことがあります。

 

どれほど努力したとしても将来的なキャリアの見通しが立たないことが理由で転職する方も多くいます。

理由5:職場の人間関係がうまくいかず、居心地が悪い

保育士は未だ9割近くが女性なので、働いている職場の同僚が全員女性である場合も多い仕事です。

 

女性が多い職場なので、人間関係が非常に複雑で、団結しているときはこれ以上にない居心地の良い職場になりますが、一旦輪が崩れてしまうと、途端にギクシャクしてしまいます。

 

保育園は外部の人材が入ることも少なく、保育士自身も別の職場に出向いて勤務することが少ないため、人間関係が固定されやすくなります。

 

園長や上司などが介入し、人間関係が改善することもありますが、努力しても改善が見られない場合は、その職場から離れ、別の職場に移る方が良い場合もあります。

 

このように、人間関係は自分1人の力では変えることが難しいため、人間関係が原因で辞めたいと考える方は多くいます。

理由6:体調やメンタル面に影響が出てきている

保育士は子どもの命を守るという責任の大きい仕事に加え、残業なども多く体調やメンタルを崩してしまうこともは少なくありません。

 

ギリギリの人員で運営している保育園も多いため、休職や休暇の取得を言い出せないケースもあります。

 

こうした体調やメンタルの影響により退職を選択せざるを得ない保育士も一定数いるのが現状です。

30代保育士が辞めたいと思った時は自分の健康状態をよく観察して判断することが大切!

辞めたいと考えたときにまず確認したいのは、自分自身の体調です。

 

保育士の仕事で活躍するためには、身体と心を万全な状態に整えておく必要があるため、辞めるかどうかを判断するときは体調を最優先に考えましょう。

<1>健康状態が悪い場合は、なるべく早く休職や退職の相談をしよう

体調や精神面の限界を感じている場合、すぐにでも休職などの手続きを進めることが大切です。

 

まずはゆっくりと体と心を休め、自分の考えをまとめる時間を作りましょう。

 

休職制度を設けている保育園であれば、手続きを行うことで休職をすることが可能です。

 

万が一休職が取れずに退職となってしまったとしても、失業手当を受けることができます。。

 

保育士の仕事は身体が資本です。

 

まずはゆっくりと自分を労わることを優先し、その後に今後のことを考えていきましょう。

<2>健康状態に特に問題がない場合は、転職を視野に入れよう

現在の体調や精神面に特に問題がない場合は、まずは自分なりに辞めたいと感じる理由や考えをまとめ、相談や転職活動をしてみましょう。

 

転職活動をすると、自分が次の道でやろうとしていることが叶うのかどうかや他の保育園の様子を知ることができます。

 

そこから自分の考えに沿った道が見えることで転職をすることも可能ですし、反対に今の保育園の良いところや向いているところが見えるかもしれません。

 

また、日頃今いる保育園に向けて自分の考えを言ったことがない人の場合、上司などに相談することで解決に向かうこともあるでしょう。

現在の職場にいるうちに派遣保育士登録をしておくのも1つの方法!

派遣と聞くとあまり良いイメージを持っていない方が多いかもしれませんが、実は派遣保育士という働き方は、人によっては良い働き方と言えます。

 

30代保育士が働き続ける上で悩みやすいことに、仕事の責任が重いことによるプレッシャーや、ライフスタイルの変化などが挙げられますが、派遣保育士はすべてをカバーできる働き方となっています。

 

例えば、派遣保育士は基本的に担任やリーダーなどの役割を持たず、保育補助やフリーなどサポート的な立場で働くケースがほとんどなので、担任やリーダーなどの役割を担う必要がある正職員よりも、肩の力を抜いて働くことが可能です。

 

また、派遣保育士はライフスタイルに合わせて勤務時間を選ぶことができるので、家庭の事情や自分の状況に合わせて無理なく働くことができます。

 

保育士の人材派遣会社である明日香で派遣保育士をされている方の中には、「週1日、土曜日のみ」「朝と夕方の2時間のみ」「月2回、土曜日のみ」など、の勤務日数で無理なく働いている方も多くいます。

 

また、明日香ではフルタイム求人の仕事を複数の保育士でシェアし、勤務日数や勤務時間を分割して働く「シェアタイム派遣」という独自制度を実施しています。

 

「この保育園で働きたいけどフルタイム求人しかない」というケースでも、シェアタイム派遣制度を活用すれば週1〜3日の勤務日数で働くことが可能です。

 

1つのフルタイム枠を2〜4名程度でシェアするので、都合が悪くなった際はシェアタイムグループの中で勤務時間の変更を依頼することができます。

 

このように、派遣保育士はフルタイムで働きたいという方だけではなく、時短で働きたいという方にとって非常にメリットのある働き方なのです。

 

現在の保育園を辞めたいと考えている場合は明日香をはじめとする人材派遣会社に登録しておくのがおすすめです。

30代保育士が辞める一般的な流れ

退職を考えたとき、まず最初に行うことは退職の意思を伝えることです。

 

法的には退職希望日の14日前までに申告をするようになっていますが、一般的には1ヶ月程度前に申告するのが良いとされています。

 

まずは直属の上司に退職意思を伝え、その後園長に伝えます。

 

その後、保育園側から退職に関する書類等が発行されるので必要事項を記入して提出します。

 

退職日には保険証や貸与品の返却を行い、退職となります。 

 

一緒に働く同僚に伝える場合は、保育園側の指示に従うようにしましょう。

 

職場の環境などに配慮して情報の解禁日を設ける保育園もあります。

 

また、引き継ぎについても、後任者が困ることのないようにできる限りしっかりと行いましょう。

 

子どもたちや保護者へ退職を伝えるかどうかは、保育園の方針によります。

 

せっかく関わりのあった方々へ直接自分から伝えたいという思いがあったとしても、今後の影響を考えて退職後にプリントなどで伝えるのみにするなど保育園側にも方針があります。

 

周囲への混乱を招かないためにも、退職についてどのように伝えるかは園長や上司に聞いてみてから進めるようにしましょう。

30代の保育士が辞めたいと思った時に抱えやすい悩みやトラブル

仕事も理解し、重要なポジションを任されるようになった40代の保育士が辞めたいと考え始めると、さまざまなトラブルがあります。

 

具体的にどのようなトラブルがあるか、事前に知っておくことで対応も変わります。

 

ここからはよくあるトラブルについて解説します。

その1:園から辞めることを承諾してもらえない

30代の中堅〜ベテランとなった保育士は、保育園にとっても大切な人材です。

 

そのため、退職の意思を示しても受け取ってくれないことがあります。

 

円満な退職を考えた場合、保育園からの要望を待ちたいと考えている様子が伝わってしまうことで、園側が退職意思を理由をつけて先延ばしにしてくることもあるようです。

 

お世話になった保育園なので、円満退職が理想ではありますが、明確に退職意思を伝えて期限を区切るなど毅然とした対応をすることも必要です。

その2:園長や上司との関係が悪く、退職の相談ができない

退職の第一歩は園長や上司へ退職意思を伝えることですが、そもそも人間関係が悪く退職の意思さえ伝えられない、聞いてもらえない場合もあります。 

 

退職の意思を伝えられない、聞いてもらえない場合は、まずはお住まいの地域の労働基準監督署にある退職相談窓口に相談してみることをおすすめします。

 

退職に関するトラブル自体は労働基準監督署が直接介入してくれる問題ではありませんが、窓口の相談員たちは数々の退職に関する相談を受けているため、個々の状況に応じた解決手段について相談に乗ってくれるでしょう。 

 

また、最近では退職代行サービスを提供している業者もあります。

 

どうしても直接交渉ができない場合は、退職代行サービスを利用することも検討してみましょう。

その3:人手不足なのに申し訳ない…と考えてしまい退職を踏みとどまってしまう

30代の保育士は責任のあるポジションにいるだけに、今自分が抜けてしまうことによる周囲への迷惑を考えてしまいます。

 

人員不足と言われる保育業界で、自分のポジションをそのまま引き継ぐことのできる後任保育士がすぐに採用できるわけではないことも理解しているため、辞めるということを「申し訳ない」と、感じてしまい、退職の相談さえ踏みとどまってしまうこともあります。

 

しかし、それは園側が考えるべきことであり、一保育士が考えることでは本来ありません。

 

責任を感じてしまうのは仕方がないことですが、今回ばかりは自分自身の意見を重視してみても良いのではないでしょうか。

その4:そもそも辞める体力や気力が残っていない

退職はとてもエネルギーが必要です。

 

体調もメンタル面も疲弊している場合、辞めるということさえ気力がわかず、何も考えることができなくなっているケースもあります。

 

すでに自分自身で思考することができなくなっている場合は、家族や周囲に助けを求め、なるべくゆっくりと自分自身を落ち着けることを優先して考えましょう。

その5:金銭面の不安から休職や退職に踏み切れない

仕事を辞めるということは、収入が途絶えるということになります。

 

退職後の生活を考えて十分な貯蓄を用意しておくことや、次の職場を決めてから退職するなど事前の準備をしっかりと考えておきましょう。

 

また、急な退職であってもこれまで長年勤めてきた方であれば、失業保険などの手当が支給される要件に当てはまることがほとんどです。

 

行政の制度なども事前にしっかり確認しておきましょう。

 

また、派遣保育士など非正規雇用の場合は、数日〜1週間など比較的早く入職できるのが特徴です。

 

比較的早くお金を得ることも可能なため、場合によっては派遣保育士などの働き方を一時的にしながら、長い目で転職活動をしていく、というのもおすすめです。

その6:30代から新しい環境に馴染めるのかが心配

長年同じ保育園で続けていると、ある程度今の保育園に居心地の良さも感じている方も多いでしょう。

 

また、これまでの経験の中で途中入社してくる保育士などが新しい環境に馴染むために苦労している姿を見ていることもあります。 

 

そのため、転職したり、一旦お休み後に保育士に復職しても同じように心地よい環境で仕事がすぐにできるとは考えられず、辞めることをためらってしまうこともあります。 

 

新しい環境に向かうとき、どんな方でも不安が全くないことはありません。

 

自分がなぜ今の環境を離れると決めたのかやこれから5年後、10年後のキャリアを見据えた決断であることを自分の中でしっかりと考えておくと良いでしょう。

 

どうしても環境への不安があるのであれば、一度派遣保育士として働きながら長い目で転職をするという方法もあります。

 

実際に明日香では、人間関係への不安から一時的に派遣保育士として働き、数年後に正職員に転職された方や、働いている保育園の人間関係が良いということから、そのまま正職員に転向された方もいらっしゃいます。

「まだ大丈夫」は要注意!30代の保育士が辞めたいと思ったら、体力やメンタルが潰れてしまわないうちに判断しよう!

30代というライフステージの変化が激しい時期。

 

保育士としてのキャリアも確実に積み上げている場合、転職などは将来を考えていいタイミングとなることは多いでしょう。

 

また、実務経験、体力共に充実していることを考えると大きな武器となり転職活動が希望通りに進むことも難しいことではありません。

 

ただし、求人自体が多くあるためあまり考えずに転職をしてしまうと同じ理由での転職を繰り返すきっかけにもなりかねません。

 

まずは自分自身の将来をしっかりと見据え、考えを整えて転職に挑むと良い結果が得られることになります。

 

もしも転職に関して相談したいことがあれば、まずは次の登録フォームから保育士登録をして、専任コーディネーターに今現在抱える悩みなどを相談してみてください。

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