保育のコラム

保育士を辞めたいと思っているのですが、誰にどのように相談したらよいのでしょうか?

2023/05/29

保育士を辞めたいと思った時、誰に相談したらよいのか、どう進めていいのかわからず二の足を踏むケースもあるでしょう。

こういった問題はスムーズに解決したいですよね。

この記事では、「辞めたい」と思った時、誰に相談したらよいのか、どのように相談したらよいのかなど、取るべき行動についてお話します。

 

保育士を辞めたいと思った時は誰に相談すべき?

 

では、保育士を辞めたいと思ったら誰に相談すべきでしょうか。

あなたの気持ちが、どこまで固まっているかによって違います。

 

【1】辞める意思が固まっていない場合は、信頼できる同僚や保育士友だちなどに相談しよう

 

「辞めたいけど、でも……」と、思いとどまる理由があり迷っている状態の時は、まだ上司や園長に言うのは早いと言えます。

辞める意思が固まっていない場合は、信頼できる同僚や保育士の友人などに、まずは相談してみましょう。

案外、同じような悩みを他の人も抱えていることに気付き、「自分だけじゃない」と感じた事で気持ちが楽になり、また頑張れる事もあります。

解決のヒントも得られるかもしれません。

 

日々の業務のつらさや「辞めたい」と思ったきっかけ、理由を話すだけで、1人で抱えているよりずっと楽になります。

 

ただし、噂というのは怖いもので、他の人に知られてしまうと何かとトラブルの原因になりかねないので、誰に話すか、どこで話すか、などは慎重に選びましょう。

 

【2】保育士を辞める意思が固まっている場合は、まずは直属の上司に相談しよう

 

保育士を辞める意思が固まっている場合は、まずは直属の上司に相談しましょう。

ほとんどの場合、主任保育士が該当します。

 

保育園ではなく、経営主体の本社採用で配属されている場合は、採用担当が直接の上司であることもありますが、まずは現場の直属の上司に相談します。

 

【3】直属の上司に相談した後は、園長に辞めたいことを伝えよう

 

直属の上司に相談して、退職の意思を受け入れてもらえたら、その後に、園長に辞めたい事を伝えます。

 

園長は多忙で外出スケジュール等が入っていることも多いため、落ち着いて話せる時間と場所を選ぶ必要があります。

そのため相談する時は、あらかじめ「相談したいことがあるので、お時間をいただけないでしょうか?」と申し出て、園長の都合を確認しましょう。

また、「他の人には聞かれたくない事」と一言添えます。

そうすれば、他の職員や保護者に聞かれないような場所と時間を、検討して指示してくれます。

 

園長の判断次第では、業務の改善や休職が可能になるケースも

 

園長の判断次第では、あなたが「辞めたい」と思った理由やきっかけに対して真摯に受け止め、業務の改善に取り組んでくれる可能性もあります。

また、理由によっては退職ではなく休職という選択が可能になる場合もあります。

例えば家庭の事情や自身の体調が原因であれば、休職も視野にいれることが可能になります。

 

園長や直属の上司に相談できない人間関係、職場環境であれば、辞める選択をしよう

 

しかし、園長や直属の上司に相談できない、といった人間関係や職場環境であれば、辞める選択をおすすめします。

なぜなら、人間関係や職場環境はそう簡単には改善されないからです。

あなたの心身が疲弊してしまう前に、転職活動を検討しましょう。

 

自分で退職手続きを行うのが難しい場合は、退職代行サービスを利用しよう

 

退職理由が園長や直属の上司にあり、自分で退職手続きを行うのが難しい場合は、退職代行サービスを利用するのも選択肢のひとつです。

すでにメンタルや体調に影響が出ている場合や、引き留められてしまうと断り切れなくなってしまう時などに有効です。

 

退職の交渉がうまくいかない場合や、退職に必要な書類を発行してもらえない場合は、労働局や労働基準監督署に相談するのも1つの方法!

 

もしも園長が、あなたの退職に納得いかない、人手不足なので退職を受け入れることが出来ない、などと無理強いしたら、退職の交渉が進まない可能性があります。

事務手続き等も行なってくれないという、ありえないような園もなかにはあると聞きます。

 

退職の交渉がうまくいかない場合や、退職に必要な書類を発行してもらえない場合は、労働局や労働基準監督署に相談するのも1つの方法です。

具体的に仲介するということはないかもしれませんが、なんらかのヒントを得られるかもしれません。

さらに、現保育園や園長が法律違反の体質や言動があるのでは?という事になれば、調査の上指導が入る可能性もあります。

 

保育士を辞めたいことを相談する場合にベストなタイミングとは?

 

「保育士を辞めたい」と思った時に行動すべき事がわかったところで、相談する場合のタイミングについて見てみましょう。

保育園は、年度単位で担任や行事担当・業務担当が組まれているため、タイミングが悪いとなかなか退職できない、という事になりかねません。

 

相談するベストなタイミングを把握しておきましょう。

 

退職時期がクラス編成やイベント前後になる場合は、早めに相談しておこう

 

退職を希望する時期が年度末であれば、新年度のクラス編成を決めるより前のタイミングで相談するのがベストです。

せっかく来年度のクラス編成を決めたのにまた組みなおすことになると、スムーズに退職できなくなる恐れがあるからです。あなた自身のためにも、退職していく園への配慮をすべきなのです。

保育士に欠員が出るので、新たに募集しなければいけませんから、園側にもあなたの代わりの保育士を探す時間が必要です。

 

来年度のクラス編成を決める時期は園によってもまちまちですが、年末12月ごろまでに相談するのが良いとされています。

 

また、保育園行事でバタバタする直前等は避けた方が良いでしょう。

園行事でも大きめのイベント、例えば運動会や発表会の前後の時期に退職を希望する場合、イベントが終わったタイミングで退職する事とし、準備でバタバタする直前のタイミングではなく早めに相談しておきましょう。

 

法律では退職希望日の14日前までに申告をする事が定められており、一般的には1ヶ月程度前に申告するのが良いとされています。

しかし、保育園の場合は、園行事やクラス編成等を考慮したうえで、早めの相談がベターです。

 

保育士を辞めたいことを相談する時に気を付けるべき3つのポイント

 

ここまでで、保育士を辞めたい事を相談するタイミングがわかりましたね。

では、引き留められたりトラブルになったりしないためには、どのように進めていけば良いのでしょうか?

相談する時に気を付けるべき、3つのポイントについてお話します。

 

ポイント1:退職の意思ははっきりと伝える

 

保育士は人手不足の園が多いため、引き留められたたり、なんやかやと丸め込まれたりするような事もあります。

そうすると心が揺らいでしまい、退職の決意が鈍ってしまう事があります。

退職の意思ははっきりと伝えましょう。

 

ポイント2:直属の上司よりも先に園長に相談しない

 

直属の上司を飛び越えて園長に伝えてしまうと、上司は後であなたの退職意思を知ることになり、「知らなかった」とトラブルに発展する可能性があります。

上司には監督責任がありますので、上司が園長に責められてしまう事もあり得ます。

 

一般企業においても、いきなり社長に退職届を提出するというのはなく、直属の上司にまずは相談という形で話を切り出すのが社会のルールとされています。

 

まずは、直属の上司に相談しましょう。

 

ポイント3:園のマイナス部分を退職理由として伝えない

 

退職理由をすべて正直に話す必要はありません。

ましてや、「給料が低い」「人間関係が悪い」など、園全体のマイナス部分を退職理由として伝えるのは避けるべきです。

なぜなら、「改善するから辞めないで欲しい」などと上司に引き留められ、余計な労力を使う事になるからです。

退職の交渉をスムーズにして、面倒なやりとりを避けるためには、出来れば別の退職理由を探すことをおすすめします。

 

個人的な理由や前向きな理由を伝えよう

 

しかし、別の理由と言っても、嘘は言わない方が良いです。

嘘をつくと、ばれてしまった時に思わぬトラブルになってしまい、あなたの今後に影響しかねません。

 

個人的な理由や前向きな理由を探してみましょう。

ここからは具体例を挙げていきます。

 

おすすめの退職理由例1 ほかにやりたい事があります。

例えば全く別のジャンルや、同じ保育士でも今の保育園では成し遂げられない夢や目標を見つけ、やってみたい、転職してみたい、などです。

これであれば、あなたの未来をつぶしてしまうようなことは誰にもできないので、応援するしかない、と納得するでしょう。

 

おすすめの退職理由例2 転職先がすでに決まっています。

転職先がすでに決まっている場合、多くを語らずストレートに言うしかありません。

上司や園長も引き留めようがありません。

なぜ転職することにしたか、根掘り葉掘り聞かれるようなことがあっても、転職先での〇〇の方針に惹かれた、様々な園で経験を積みたい、等キャリアアップを視野に入れるようなポジティブな理由を用意しておきましょう。

 

おすすめの退職理由例3 家庭の事情で退職します。

介護や育児、家族の引っ越し等々、家庭の事情による退職であることを強調します。

家庭の事情でこれ以上勤務が難しいとなれば引き留めるわけにはいかないでしょう。

ただし、時短勤務等を進められてしまう可能性もありますので、毅然とした態度で退職の意思を伝える事が大切です。

 

トラブルを防ぐため、嘘は言わない方が良いです。こちらの理由は、本当に家庭の事情も退職理由のひとつである場合にのみ使いましょう。

 

相談する順番とタイミングをしっかりと守れば円満退職が可能!

 

「保育士を辞めたい」と思ったら、誰に相談すれば良いのかや、年間を通してクラス担任や行事計画等がある保育園でタイミングはどうしたら良いのかなど、行動のヒントになりましたでしょうか?

 

相談する順番とタイミングをしっかり守れば、円満退職は可能です。

 

勇気を出して、行動してみてください。

 

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