東京都の保育士の平均年収は445万3,500円!地域によって差はある?
2024/06/12
日本の首都であり、政治や経済の中心地でもある東京都。
人口も日本一で、それに伴ってたくさんの子どもたちが保育施設に通っています。
そんな東京都で働く保育士の月収や年収、待遇など気になっている方もいるのではないでしょうか。
そこで今回は、東京都の保育士の平均年収や受けられる補助・支援制度などを詳しくまとめました。
東京都で保育士として働いている方、働くことを検討している方、気になる方は、ぜひ参考にしてみてください!
東京都の保育士の平均年収は445万3,500円!
はじめに、東京都の保育士の平均年収から見ていきましょう。
厚生労働省「令和5年賃金構造基本統計調査 」によると、全国と東京都の保育士の平均年収は下記の「表1」の通りになります。
全国の保育士の平均年収と比較してみると、東京都の保育士の方が約60万円も高いことがわかりました。
表1:全国・東京都の保育士の平均年収(男女計)
参考:厚生労働省「令和5年賃金構造基本統計調査 」
※平均年収:「決まって支給する現金給与額」×12ヶ月+「年間賞与その他特別給与額」で計算
東京都の保育士の男女別平均年収は?
次は、東京都の保育士の平均年収を男女別に見ていきたいと思います。
同じく、厚生労働省「令和5年賃金構造基本統計調査 」のデータをもとに、全国と東京都の保育士の平均年収を男女別に比較しました。
男性保育士の場合、東京都の方が58万7,200円高い結果となりました。
女性保育士も同様に、東京都が58万9,000円高くなっています。
下記の「表2」に詳しく記載しましたのでご覧ください。
表2:全国・東京都の保育士の平均年収(男女別)
参考:厚生労働省「令和5年賃金構造基本統計調査 」
※平均年収:「決まって支給する現金給与額」×12ヶ月+「年間賞与その他特別給与額」で計算
東京都内で保育士の年収に違いはある?
東京都の保育士の年収は、全国平均に比べ、男女ともかなり高いことがわかりました。
しかし、ここで1つの疑問が浮かびます。
東京都のエリア内において、保育士の年収に違いはあるのでしょうか。
そこで、東京都内の保育士の求人から、エリアごとの平均的な月給を調べてみました。
その結果、トップは品川区で26万円台、次いで江東区、板橋区、杉並区が25万円台で並び、葛飾区が23万円台、町田市が22万円台という結果となりました。
詳しくは下記の「表3」をご覧ください。
表3:東京都内の年収が高いエリア
エリア
月給
品川区
26万2,300円
江東区
25万9,800円
板橋区
25万3,000円
杉並区
25万500円
葛飾区
23万8,700円
町田市
22万8,500円
東京都の保育士の年収が高い理由
ところで、なぜ東京都の保育士の年収は高いと思いますか?
ここでは、東京都の保育士の平均年収が高い理由をお伝えしていきます。
理由1:自治体独自の補助・支援制度があるから
1つ目の理由は、東京都の自治体独自の補助・支援制度があるからです。
東京都は、保育士の定着を促進させるため、自治体独自で保育士向けの補助金制度や支援制度を充実させています。
たとえば、都内の保育施設に勤務する保育士に対して行う家賃補助や、未就学児をもつ保育士に対して保育料の貸付などがあります。
理由2:物価や地価が高いから
2つ目の理由は、東京都の物価や地価が高いからです。
総務省が発表している「消費者物価地域差指数(令和4年)」によると、消費者物価指数の全国平均を「100」とした場合、東京都は全国でもダントツの1位で「104.7」でした。
ちなみに、全国平均100を超えているのは東京都を含めて7都道府県しかなく、2位の神奈川県でも「103.1」、最下位の宮崎県は「96.1」なので、いかに東京都の物価が高いことがわかるかと思います。
このように、東京都の保育園は、高い生活コストを考慮した給料水準が一般的となっています。
そのため、地方の保育園よりも保育士の年収が高めに設定されていることが少なくありません。
表4:消費者物価地域差指数
参考:総務省「消費者物価地域差指数(令和4年)」
東京都の保育士が受けられる補助・支援制度
ここからは、東京都の保育士が受けられる補助・支援制度について見ていきましょう。
昨今は、世界情勢の不安定さや、円安の影響で物価高に歯止めがかからない状況です。
いくら平均年収が高い東京都の保育士とはいえ、経済的な負担は少しでも軽くしたいもの。
そんな東京都で働く保育士にとって、以下に紹介する補助・支援制度は、どれも役立つ心強い制度なので、ぜひチェックしてみてください。
【1】保育従事職員宿舎借り上げ支援事業
保育従事職員宿舎借り上げ支援事業とは、雇っている保育士のために保育園がアパートなどの住宅を借り上げた場合、家賃の一部を国や自治体が補助するという制度です。
ただし、保育士に直接支払われる制度ではなく、住宅を借り上げている保育園に対して支払われます。
たとえば、保育園が保育士に月額8万円のアパートを借り上げた場合、保育園の家賃負担割合は1/8なので、保育園に月額7万円の補助が出ます。
のこりの負担額をどうするかは、保育園の考え方次第となります。
家賃として保育士が支払う場合もあれば、保育園と折半する場合、すべて保育園側が負担して無料になる場合もあるでしょう。
かりに、家賃を保育士が支払うことになったとしても、ふつうに借りれば8万円だった家賃が1万円以下になります。いずれにしても、生活を圧迫させる固定費を軽くできることには間違いありません。
とくに東京都は全国と比較すると、群を抜いて家賃相場が高い地域。
勤務する保育士にとっては貴重な支援となるでしょう。
詳しくは、以下の「表5」をご覧ください。
表5:保育従事職員宿舎借り上げ支援事業 概要
参考:東京都福祉局「保育従事職員宿舎借り上げ支援事業」
【2】未就学児をもつ潜在保育士に対する保育所復帰支援事業
未就学児をもつ潜在保育士に対する保育所復帰支援事業とは、潜在保育士の復帰を目的に、未就学児をもつ保育士に対して、1年間を限度に保育料の一部を貸付する制度です。
東京都内にある保育施設に新しく勤務したり、産休・育休から復帰したりする際に利用できます。
貸付金額は、未就学児の保育料の半額として月額27,000円が上限。そして、保育士が保育施設において、引き続き2年以上勤務すると返還免除となります。
詳しくは、下記の「表6」をご覧ください。
表6: 未就学児を持つ保育士に対する保育料の一部貸付事業
参考:東京都福祉局「未就学児をもつ潜在保育士に対する保育所復帰支援事業」
【3】保育士支援奨学金補助事業
保育士支援奨学金補助事業とは、保育施設に勤務する保育士を対象に、奨学金の返済費用の一部を補助する制度です。東京都ではなく、各自治体が独自に行っている補助事業になります。
以下の「表7」では、保育士支援奨学金補助事業を行っている自治体をまとめましたので参考にしてみてください。
表7: 保育士支援奨学金補助事業を行う自治体
参考①:千代田区「保育士奨学金等返済支援事業補助金」
参考②:荒川区「荒川区保育士等支援奨学金事業補助金のご案内」
参考③:足立区「足立区は保育士・幼稚園教諭のみなさんを応援します」
参考④:葛飾区「葛飾区保育士等奨学金返済支援の申請について」
【4】保育士応援手当
保育士応援手当とは、大田区内の保育施設に勤務する保育士に対して支給される大田区独自の制度です。
大田区内の保育施設に勤務する常勤保育士は、支給要件をクリアすることで月額1万円(年に2回・6万円ずつ)が支給されます。
さらに、一定の勤務年数に達した保育士に対しては一時金10万円の支給も。
詳しくは、以下の「表8」をご覧ください。
表8: 保育士応援手当(大田区)
参考:大田区「大田区内で働く保育士の皆様へ~令和6年度 大田区保育士応援手当及び一時金~」
【5】処遇改善等加算II
処遇改善加算Ⅱとは、保育士の給料アップや、労働環境の改善のために国が策定した処遇改善加算という制度のひとつです。
処遇改善加算の中にあるのは、処遇改善加算Ⅰ・Ⅱ・Ⅲの3つ。
その中の処遇改善加算Ⅱは、「保育士等キャリアアップ研修」を行うことで、役職に就き、給料アップができる制度です。
保育士等キャリアアップ研修を修了し、「副主任保育士」「専門リーダー」「職務分野別リーダー」といった役職に就任できれば、月5千円~4万円の給料アップが可能になります。ただし、役職の枠が決まっていますので、研修を修了した全員が必ず役職に就けるわけではありませんので注意しましょう。
前提として、キャリアアップ研修を受けることができるのは、一定の経験を積み、条件をクリアした保育士となります。
下記の「表9」では、保育士が処遇改善加算Ⅱを利用してキャリアアップするための条件をまとめました。
表9:保育士がキャリアアップするための条件
参考:子ども家庭庁「 処遇改善等加算IIの仕組み」
より詳しく知りたい方は、過去の保育のコラム
「保育士等キャリアアップ研修とは?処遇改善によって給料はどう変わるの?」をご覧ください。
東京都の保育士の待遇はこれからどうなる?
ここまで、東京都の保育士の補助・支援制度を見てきましたが、東京都の保育士の待遇はこれからどうなるのでしょうか。
保育士の待遇は、最近は少しずつ良くなってきているものの、まだまだ十分とは言えません。
なぜなら、待機児童の問題はだいぶ解消されたとはいえ、まだゼロではないこと、さまざまな働き方が増え、保育に対する価値観も多様化しているからです。
そのため、今まで以上に多様化する保育ニーズに引き続き対応していく必要があるでしょう。
保育士の離職者を増やさないためにも、賃金はもとより、労働負担をもっと軽減するなど、待遇改善はさらに進む可能性が高いと思われます。
そして何より、保育士の仕事が社会的に理解され、低賃金のイメージが払しょくされ、尊重される存在になることが願われます。
保育士の地位が上がることで、やりがいを感じる方が増えることが重要ではないでしょうか。
東京都は保育士平均年収が比較的高い地域!
いかがだったでしょうか?
今回は、東京都の保育士にスポットを当てて、平均年収や補助・支援制度などを細かく見てきました。
東京都は、もともと物価や地価が高いうえ、近年の世界情勢の不安定さや、円安の影響での物価高騰が続いています。
とは言うものの、やはり東京都は保育士の平均年収が高いエリアであることには変わりありません。
そして、今回ご紹介した東京都の保育士が受けられる補助・支援制度を上手に活用することで、この荒波を乗り越えることができるのではないでしょうか。
平均年収が全国平均より、約60万円も高い東京都の保育士。
今、保育士としての年収が低いと感じているのであれば、東京都の保育園で働くことを視野に入れてみるのもよいかもしれませんね。
カテゴリ
保育士Q&A
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日本の首都であり、政治や経済の中心地でもある東京都。
人口も日本一で、それに伴ってたくさんの子どもたちが保育施設に通っています。
そんな東京都で働く保育士の月収や年収、待遇など気になっている方もいるのではないでしょうか。
そこで今回は、東京都の保育士の平均年収や受けられる補助・支援制度などを詳しくまとめました。
東京都で保育士として働いている方、働くことを検討している方、気になる方は、ぜひ参考にしてみてください!
東京都の保育士の平均年収は445万3,500円!
はじめに、東京都の保育士の平均年収から見ていきましょう。
厚生労働省「令和5年賃金構造基本統計調査 」によると、全国と東京都の保育士の平均年収は下記の「表1」の通りになります。
全国の保育士の平均年収と比較してみると、東京都の保育士の方が約60万円も高いことがわかりました。
表1:全国・東京都の保育士の平均年収(男女計)
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参考:厚生労働省「令和5年賃金構造基本統計調査 」
※平均年収:「決まって支給する現金給与額」×12ヶ月+「年間賞与その他特別給与額」で計算
東京都の保育士の男女別平均年収は?
次は、東京都の保育士の平均年収を男女別に見ていきたいと思います。
同じく、厚生労働省「令和5年賃金構造基本統計調査 」のデータをもとに、全国と東京都の保育士の平均年収を男女別に比較しました。
男性保育士の場合、東京都の方が58万7,200円高い結果となりました。
女性保育士も同様に、東京都が58万9,000円高くなっています。
下記の「表2」に詳しく記載しましたのでご覧ください。
表2:全国・東京都の保育士の平均年収(男女別)
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参考:厚生労働省「令和5年賃金構造基本統計調査 」
※平均年収:「決まって支給する現金給与額」×12ヶ月+「年間賞与その他特別給与額」で計算
東京都内で保育士の年収に違いはある?
東京都の保育士の年収は、全国平均に比べ、男女ともかなり高いことがわかりました。
しかし、ここで1つの疑問が浮かびます。
東京都のエリア内において、保育士の年収に違いはあるのでしょうか。
そこで、東京都内の保育士の求人から、エリアごとの平均的な月給を調べてみました。
その結果、トップは品川区で26万円台、次いで江東区、板橋区、杉並区が25万円台で並び、葛飾区が23万円台、町田市が22万円台という結果となりました。
詳しくは下記の「表3」をご覧ください。
表3:東京都内の年収が高いエリア
エリア |
月給 |
品川区 |
26万2,300円 |
江東区 |
25万9,800円 |
板橋区 |
25万3,000円 |
杉並区 |
25万500円 |
葛飾区 |
23万8,700円 |
町田市 |
22万8,500円 |
東京都の保育士の年収が高い理由
ところで、なぜ東京都の保育士の年収は高いと思いますか?
ここでは、東京都の保育士の平均年収が高い理由をお伝えしていきます。
理由1:自治体独自の補助・支援制度があるから
1つ目の理由は、東京都の自治体独自の補助・支援制度があるからです。
東京都は、保育士の定着を促進させるため、自治体独自で保育士向けの補助金制度や支援制度を充実させています。
たとえば、都内の保育施設に勤務する保育士に対して行う家賃補助や、未就学児をもつ保育士に対して保育料の貸付などがあります。
理由2:物価や地価が高いから
2つ目の理由は、東京都の物価や地価が高いからです。
総務省が発表している「消費者物価地域差指数(令和4年)」によると、消費者物価指数の全国平均を「100」とした場合、東京都は全国でもダントツの1位で「104.7」でした。
ちなみに、全国平均100を超えているのは東京都を含めて7都道府県しかなく、2位の神奈川県でも「103.1」、最下位の宮崎県は「96.1」なので、いかに東京都の物価が高いことがわかるかと思います。
このように、東京都の保育園は、高い生活コストを考慮した給料水準が一般的となっています。
そのため、地方の保育園よりも保育士の年収が高めに設定されていることが少なくありません。
表4:消費者物価地域差指数
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参考:総務省「消費者物価地域差指数(令和4年)」
東京都の保育士が受けられる補助・支援制度
ここからは、東京都の保育士が受けられる補助・支援制度について見ていきましょう。
昨今は、世界情勢の不安定さや、円安の影響で物価高に歯止めがかからない状況です。
いくら平均年収が高い東京都の保育士とはいえ、経済的な負担は少しでも軽くしたいもの。
そんな東京都で働く保育士にとって、以下に紹介する補助・支援制度は、どれも役立つ心強い制度なので、ぜひチェックしてみてください。
【1】保育従事職員宿舎借り上げ支援事業
保育従事職員宿舎借り上げ支援事業とは、雇っている保育士のために保育園がアパートなどの住宅を借り上げた場合、家賃の一部を国や自治体が補助するという制度です。
ただし、保育士に直接支払われる制度ではなく、住宅を借り上げている保育園に対して支払われます。
たとえば、保育園が保育士に月額8万円のアパートを借り上げた場合、保育園の家賃負担割合は1/8なので、保育園に月額7万円の補助が出ます。
のこりの負担額をどうするかは、保育園の考え方次第となります。
家賃として保育士が支払う場合もあれば、保育園と折半する場合、すべて保育園側が負担して無料になる場合もあるでしょう。
かりに、家賃を保育士が支払うことになったとしても、ふつうに借りれば8万円だった家賃が1万円以下になります。いずれにしても、生活を圧迫させる固定費を軽くできることには間違いありません。
とくに東京都は全国と比較すると、群を抜いて家賃相場が高い地域。
勤務する保育士にとっては貴重な支援となるでしょう。
詳しくは、以下の「表5」をご覧ください。
表5:保育従事職員宿舎借り上げ支援事業 概要
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参考:東京都福祉局「保育従事職員宿舎借り上げ支援事業」
【2】未就学児をもつ潜在保育士に対する保育所復帰支援事業
未就学児をもつ潜在保育士に対する保育所復帰支援事業とは、潜在保育士の復帰を目的に、未就学児をもつ保育士に対して、1年間を限度に保育料の一部を貸付する制度です。
東京都内にある保育施設に新しく勤務したり、産休・育休から復帰したりする際に利用できます。
貸付金額は、未就学児の保育料の半額として月額27,000円が上限。そして、保育士が保育施設において、引き続き2年以上勤務すると返還免除となります。
詳しくは、下記の「表6」をご覧ください。
表6: 未就学児を持つ保育士に対する保育料の一部貸付事業
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参考:東京都福祉局「未就学児をもつ潜在保育士に対する保育所復帰支援事業」
【3】保育士支援奨学金補助事業
保育士支援奨学金補助事業とは、保育施設に勤務する保育士を対象に、奨学金の返済費用の一部を補助する制度です。東京都ではなく、各自治体が独自に行っている補助事業になります。
以下の「表7」では、保育士支援奨学金補助事業を行っている自治体をまとめましたので参考にしてみてください。
表7: 保育士支援奨学金補助事業を行う自治体
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参考①:千代田区「保育士奨学金等返済支援事業補助金」
参考②:荒川区「荒川区保育士等支援奨学金事業補助金のご案内」
参考③:足立区「足立区は保育士・幼稚園教諭のみなさんを応援します」
参考④:葛飾区「葛飾区保育士等奨学金返済支援の申請について」
【4】保育士応援手当
保育士応援手当とは、大田区内の保育施設に勤務する保育士に対して支給される大田区独自の制度です。
大田区内の保育施設に勤務する常勤保育士は、支給要件をクリアすることで月額1万円(年に2回・6万円ずつ)が支給されます。
さらに、一定の勤務年数に達した保育士に対しては一時金10万円の支給も。
詳しくは、以下の「表8」をご覧ください。
表8: 保育士応援手当(大田区)
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参考:大田区「大田区内で働く保育士の皆様へ~令和6年度 大田区保育士応援手当及び一時金~」
【5】処遇改善等加算II
処遇改善加算Ⅱとは、保育士の給料アップや、労働環境の改善のために国が策定した処遇改善加算という制度のひとつです。
処遇改善加算の中にあるのは、処遇改善加算Ⅰ・Ⅱ・Ⅲの3つ。
その中の処遇改善加算Ⅱは、「保育士等キャリアアップ研修」を行うことで、役職に就き、給料アップができる制度です。
保育士等キャリアアップ研修を修了し、「副主任保育士」「専門リーダー」「職務分野別リーダー」といった役職に就任できれば、月5千円~4万円の給料アップが可能になります。ただし、役職の枠が決まっていますので、研修を修了した全員が必ず役職に就けるわけではありませんので注意しましょう。
前提として、キャリアアップ研修を受けることができるのは、一定の経験を積み、条件をクリアした保育士となります。
下記の「表9」では、保育士が処遇改善加算Ⅱを利用してキャリアアップするための条件をまとめました。
表9:保育士がキャリアアップするための条件
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参考:子ども家庭庁「 処遇改善等加算IIの仕組み」
より詳しく知りたい方は、過去の保育のコラム
「保育士等キャリアアップ研修とは?処遇改善によって給料はどう変わるの?」をご覧ください。
東京都の保育士の待遇はこれからどうなる?
ここまで、東京都の保育士の補助・支援制度を見てきましたが、東京都の保育士の待遇はこれからどうなるのでしょうか。
保育士の待遇は、最近は少しずつ良くなってきているものの、まだまだ十分とは言えません。
なぜなら、待機児童の問題はだいぶ解消されたとはいえ、まだゼロではないこと、さまざまな働き方が増え、保育に対する価値観も多様化しているからです。
そのため、今まで以上に多様化する保育ニーズに引き続き対応していく必要があるでしょう。
保育士の離職者を増やさないためにも、賃金はもとより、労働負担をもっと軽減するなど、待遇改善はさらに進む可能性が高いと思われます。
そして何より、保育士の仕事が社会的に理解され、低賃金のイメージが払しょくされ、尊重される存在になることが願われます。
保育士の地位が上がることで、やりがいを感じる方が増えることが重要ではないでしょうか。
東京都は保育士平均年収が比較的高い地域!
いかがだったでしょうか?
今回は、東京都の保育士にスポットを当てて、平均年収や補助・支援制度などを細かく見てきました。
東京都は、もともと物価や地価が高いうえ、近年の世界情勢の不安定さや、円安の影響での物価高騰が続いています。
とは言うものの、やはり東京都は保育士の平均年収が高いエリアであることには変わりありません。
そして、今回ご紹介した東京都の保育士が受けられる補助・支援制度を上手に活用することで、この荒波を乗り越えることができるのではないでしょうか。
平均年収が全国平均より、約60万円も高い東京都の保育士。
今、保育士としての年収が低いと感じているのであれば、東京都の保育園で働くことを視野に入れてみるのもよいかもしれませんね。