保育のコラム

保育園によって取りやすさが違うの?保育士の夏休み事情

2021/04/05

※2019年4月より年5日以上の有給休暇取得が義務化されています。(厚生労働省・都道府県労働局・労働基準監督署『年5日の年次有給休暇の確実な取得わかりやすい解説』より)

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保育士の仕事は体力的にも精神的にもとても大変です。

だからこそ、園児たちに毎日笑顔で接するためにも、充実した休暇を過ごすことは大切です。

特にレジャーが楽しい夏休みは、「友人や家族と思いっきり楽しみたい!」と考える方も多いと思います。

今回の記事では保育士の夏休み事情についてまとめてみました。

“ずっと保育士編集部”

【記事監修】ずっと保育士編集部

「ずっと保育士」は、保育ひとすじ28年の株式会社明日香が運営する保育専門のキャリアサポートサービスです。結婚や出産、育児など、目まぐるしく変わるライフステージの中で、その時その時にぴったり合うお仕事を紹介したい。そして、保育の仕事でずっと輝き続けるあなたを応援したい、という想いで保育士の就職、転職、復職などのキャリア支援を行っています。また、「ずっと保育士」では保育士さんの疑問や悩みなどを少しでも解決すべくコラムを通した情報発信も積極的に行っています。

休めないって本当?保育士の夏休みの事情

「保育士が足りない」という話題は、ニュースなどでもよく聞きますし、社会問題としても注目されています。

「そんなに人手不足では、休みが取れないのではないだろうか;」と不安になる方もいらっしゃるでしょう。

夏休みに関する規則などは、就労する保育施設によっても大きく異なりますので、職場を選ぶ際に夏休みは取得できるのか、またその期間についても確認しておくことが大切です。

夏休みを設けている園もある

夏休みを取得できるかについては、勤務する保育園によるところが大きく、有給休暇にプラスして夏季休暇を取得できる保育園もあれば、特に設けられていない保育園など様々です。

これは、各保育園の方針や、認可保育園・認可外保育園などの保育園の種類によるところも大きいので、「夏休みは有給休暇とは別であるのが当たり前、取得できて当たり前」と決めつけて職場を選んでしまうと、後悔につながってしまう可能性もあります。

また、夏休みを設けている場合でも、5日間以上の長期休暇を連続して取得するのは基本的に難しいのが現状です。

夏休みを最も取得しやすいのは、園児の保護者が夏休みを取得する8月中旬のお盆休みの時期で、保育協力日に該当する日です。

保育協力日とは、なるべく園児は保育園をお休みし、家庭で保育をしてもらえるように任意で保護者に協力を要請している日のことで、実際に園児の保護者が勤務する一般企業などが休暇に入ることも多いため、登園する園児の人数は半分以下になります。

他の保育士の夏休みとの兼ね合いもありますが、うまく調整ができれば保育協力日に有給休暇を組み合わせて5日程度の夏休みを取得できる可能性があります。(※)

しかし、連続して休む場合は、やはり2~3日の夏休み取得が一般的なようです。

夏休みだけじゃない!保育士が長期休暇を取得しにくい理由は?

夏休みに限らず、年末年始やゴールデンウィークなど、世間が長期休暇を取得する時期であっても、保育士は休めないことが多くあります。

こちらではその理由について詳しく説明していきましょう。

理由1:日曜のみを休園日とする保育園が多い

そもそも保育園は、保護者が働いているなどの理由で「保育に欠ける乳幼児を預かる施設」です。

そのため、多くの保護者の勤務日となる平日はもちろんのこと、医療機関や接客業に従事する保護者のために土曜日も開園するのが一般的です。

また、認可外保育園では、保護者の要請とサービス重視で日曜・祝日に休日保育を行っているところも多くあります。

そのような事情があるため、ほぼ年中無休で稼働している必要があり、保育士はまとまった休みが取りにくいのです。

理由2:人手が足りていない

保育士の仕事は激務のわりに給与が低いため離職率が高いこと、また待機児童問題の解決のため、各自治体で保育園の新設が進んだことなどが原因で、ただでさえ少ない保育士の奪い合いがますます激しくなっています。

そして、必然的に一保育園当たりの保育士の人数が少なくなり、保育園の運営に余裕がなくなることで、保育士の長期休暇取得をいっそう困難にしているのです。

保育士が夏休みなどの長期休暇を取る方法とは?

保育士は長期休暇を取りにくい職業ではありますが、それでもまとまった休みを取る方法があります。

保育士が長期休暇を取得する方法は大きく分けて2つありますので、以下に説明していきます。

1、有給休暇を利用する

まずは有給休暇を利用することです。

有給休暇の取得は法律によって認められている権利であり、半年以上にわたって勤続している人に、勤務年数に応じた日数が付与されます。

しかし、実際は職場の雰囲気などにより有給休暇を取りにくい事情もあるのが現実です。

・休暇を取得したいタイミングが他の保育士と重なっている

・ぎりぎりの人数で運営しているため、他の保育士に嫌な顔をされがち

こういった理由から、有給休暇があっても思うように取得できずに悩む保育士も少なくないようです。

皆が休みたいと考えるゴールデンウィークやお盆、年末年始などに休む場合は特に注意が必要です。帰省や旅行などの予定が決まっている場合は、なるべく早めに希望を伝えるようにすると良いでしょう。

また、人手不足の中、有給の取得を申し出ることに申し訳なさを感じるかもしれません。感謝の気持ちを忘れず、「お休みいただきまして、ありがとうございます」などと一言添えておみやげを配るなどのフォローをするようにしても良いですね。

さらに、日ごろから他の保育士が有給取得をする際には、代替で出勤することを快く引き受けるようにしておくことも、休暇取得のしやすさにつながります。

保育士の有給休暇取得率の現状は?

全国保育協議会の『会員の実態調査報告書』によれば、施設の種類に関わらず調査対象とした保育園全体で「年間3~6日」の有給休暇を取得しているとの回答が最も多い31.3%となりました。

次いで「年間7~9日」の取得が28.8%、10~15日の取得が25.3%と僅差の結果となっており、思いのほか有給取得が進んでいる様子が伺い知れます。

このことから、有給休暇を取りやすい時期とうまく組み合わせれば、5日程度の連続休暇を取得することも可能であるといえるでしょう。

※2019年4月より年5日以上の有給休暇取得が義務化されています。(厚生労働省・都道府県労働局・労働基準監督署『年5日の年次有給休暇の確実な取得わかりやすい解説』より)

2、休みを取りやすい保育園に転職する

現在勤務している保育園では有給休暇を取得しにくい空気が蔓延していて、とても休みを申請できる環境ではない、という場合は、思い切って転職することを考えてみるのも良いでしょう。

休暇に対する考え方は、園長の価値観や方針によるところも大きく、環境が改善される見込みは薄いと考えられるためです。

夏休みがある保育園や、休みが取りやすい雰囲気の保育園に転職すれば、ストレスなく休暇を取得できるようになり、プライベートの充実と疲労回復など健康面の改善も見込めます。

保育士も夏休みを取得してリフレッシュしよう!

夏休みやゴールデンウィーク、年末年始などであっても、まとまった休暇を取得しにくいのが保育業界の現状です。

しかし、有給休暇が取得しやすい、夏休みを設けているなど福利厚生が充実した保育園が増えてきています。

休みが少ない勤務先で不満を抱き、心身ともに疲弊しているようであれば、この機会に転職を検討してみるのも良いのではないでしょうか。

上手に転職先を選び、福利厚生が充実した保育園に転職できれば、休暇が増えるだけでなく、自身の心身にかかる負担を軽くすることができるでしょう。その結果、体を壊すことなく健康に配慮しながら保育士として長く活躍することにも繋がります。

但し、面接の際に休暇の取得しやすさを直接確認することは「休暇目当てで転職しようとしている」と見なされる危うさもあります。

そんなときのためにも転職エージェントをうまく活用すると良いでしょう。

聞きにくい内容でも代わりに聞いてもらえるので、面接の際には自分の得意分野や実績のアピールに集中することができます。

保育士として、自身に無理を強いることなく、心身ともに健康で穏やかでいることが、なによりも園児たちの成長に良い影響を与えます。

保育士は、社会に必要とされる素晴らしい職業です。長く楽しく働ける職場で充実した毎日を過ごしてください。

 

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