保育士として働くのが辛い、でも保育士としては働き続けたい!保育士の悩みの解決方法とは?
2021/04/05
子ども達の笑顔と、成長を支援する保育士という仕事は、やりがいに溢れています。
しかし、厚生労働省の発表する『保育士等における現状』によると、保育士の離職は年間約3.3万人、離職率は約10.3%と言われています。
また退職者のうち、8割以上は同じ業界内で転職していることがわかります。
つまり、「保育士という仕事は好き!でも今の環境や保育園では続けられない!」という悩みを抱えた保育士が多くいることがわかります。
保育士の仕事が好きなのに、働くのが辛いという悩みとは一体どんなものなのでしょうか。
今回は保育士の抱える悩みやその解決方法などについて詳しくご紹介します。
【記事監修】ずっと保育士編集部
「ずっと保育士」は、保育ひとすじ28年の株式会社明日香が運営する保育専門のキャリアサポートサービスです。結婚や出産、育児など、目まぐるしく変わるライフステージの中で、その時その時にぴったり合うお仕事を紹介したい。そして、保育の仕事でずっと輝き続けるあなたを応援したい、という想いで保育士の就職、転職、復職などのキャリア支援を行っています。また、「ずっと保育士」では保育士さんの疑問や悩みなどを少しでも解決すべくコラムを通した情報発信も積極的に行っています。
保育士が抱えがちな悩みとは?
もともと「子供が好き」「子供の成長を支援したい」と憧れと希望を持って保育士になった方々は、なぜ保育園で働くことが辛く、悩む結果になってしまったのでしょうか。
「悩みは人それぞれ違う」と思われるかもしれませんが、保育士ならではの悩みとしてある共通点があります。
ここからは保育士が抱えがちな悩みを10個の分野に分けそれぞれ解説していきます。
給料が仕事量に見合っていない
『保育士等における現状』によると、就業している保育士における現在の職場の改善希望として、「給与・賞与等の改善」が約6割と、圧倒的に給料体系に関する不満が高いことがわかります。
ただ、保育士の多くが女性ということを考慮した場合、一般の女性の平均給与に比べて極端に低いというわけではありません。
表1:【比較】保育士の給料と一般平均給与
平均年齢
年収
公立保育園※1
45歳
約555万円
私立保育園※2
36歳
約327万円
一般平均年収(男女)
46歳
約422万円
一般平均年収(女)
46歳
約280万円
※1:参考元厚生労働省「平成28年度賃金構造基本統計調査」
※2:参考元:東京都練馬区「平成28年度練馬区人事行政の運営等の状況の公表」
※3:参考元:国税庁「平成28年分民間給与実態統計調査結果」
しかし、保育士内でも公立保育園と私立保育園の保育士の賃金格差が大きいことは事実です。
働く保育士の多くが私立保育園で働くことを考えると、「仕事内容は同じなのに…」と思う気持ちがあるのは当然です。
また、保育士はその労働時間も責任も、一般企業でいう総合職と同じような立場にあると言っても良いでしょう。
一般平均女性の年収よりも高いとはいえ、仕事量や責任を考えた場合、一般平均年収(男女)と比べると割が合わない気持ちになることも多く、そういった悩みが不満へと発展してしまうケースが多いと言えます。
仕事量が多すぎる・・・
保育士にはたくさんの仕事があります。
その中でも特に負担をかけているのが書類作成だとも言われています。
日案、月案、年間計画、行事計画、個人記録、健康記録…等々、書式はとても細かく、手間がかかるものを国の指針によって作成することが義務付けられています。
しかも、保育園によっては手書きでなければならないなどアナログな作業がたくさんあります。
「子供ともっと遊んであげたい」「行事のためにもっと手間をかけたかわいい壁面を作ってあげたい」「子供の様子をもっと保護者に伝えたい」そんな風に思う保育士にとって、書類の作成に時間が取られてしまうことはとても苦痛になるでしょう。
また、その書類を作った上で、子供たちのためにいろいろな制作物を作っていると、規定の時間内に仕事は終わらない事もしばしばあります。
業務が多すぎることで、自分の理想の保育ができないことは、保育士にとって本意ではないはずです。
やらなくてはいけないことと、やりたいことのジレンマに悩んでしまう保育士は少なくありません。
労働時間が長すぎる・・・
保育士の仕事は基本的にシフト制の勤務体系です。
朝早い保育園だと朝6時〜7時ごとに園児の受け入れが始まり、お迎えは延長保育がある遅い保育園だと21時ごろまでの保育の場合もあります。
そのため、「早番」「中番」「遅番」のシフト制で働くことが多いのです。
基本的にはそれぞれ8時間労働で組み合わせてある保育園が多いです。
早番の場合は通常15時〜16時ごろに帰宅できるはずですが、突発的なトラブルが起こると早く帰れることばかりではありません。
また、早くお迎えに来た保護者に保育の様子をお話ししたり、クラス便りの作成、他の保育士が働いていると帰りにくいなどついつい時間が長くなってしまうこともあります。
遅番の場合は保護者のお迎えが遅くなると、預かっている子供を置いて帰宅することはできませんし、戸締りや後片付けなど思うように進まないことがあると、帰宅時間が遅くなることもあります。
保育士の仕事は子供や保護者という「人」相手の仕事のため、時間通りに終了というわけにはいかなくなることが労働時間の長時間化につながっています。
職場の人間関係が悪くて疲れる
日本の保育士の約9割以上は女性です。
男性保育士が増えていると言っても、ほとんどの保育園で働く大多数は女性であるため、人間関係は複雑になりやすいと言えます。
女性特有のグループやマウンティング、嫉妬や妬みなどとてもドライとは言えない人間関係ができてしまうことは、女性の職場にありがちな問題といえるでしょう。
しかも人間関係の悩みは、相談してもなかなか改善できないという苦しみもあります。
信頼している友人、パートナーや親など、共感してくれたり、愚痴を聞いてもらうことでストレスの解消になることもありますが、翌日以降にその職場の人間関係が変わることはありません。
保育園は閉鎖的な職場になりやすいので、この人間関係の問題で息苦しさを感じる人はとても多くいます。
保育士として向いてないのだろうか・・・
保育士として働いている中で、自分に自信を失ってしまうこともあると思います。
・自分は保育士に向いていないのかな…
・あの時〇〇って声をかけてあげられなかったなんて、ひどい保育士だな…
・大事なところでピアノ伴奏を間違えてしまって保育士失格だ…
そんな風に思って落ち込んでしまうこともあるでしょう。
保育士の向き、不向きについては「保育士に向いている人・向いていない人の特徴は?保育士の適性について」の記事に詳しくありますが、自分が保育士に適性があるのかどうか悩む人は多いようです。
しかし、この悩みを真剣に考えている人は「保育士」という仕事に正面から向き合っている人でもあります。
保育士のあり方や自分の行動を振り返っているからこその悩みですので、まずは冷静に考えることで自ずと答えが出てくるでしょう。
精神的にも体力的にも辛い
保育士の仕事は精神的にも肉体的にもハードな仕事です。
子どもの突飛な行動にも常に気をくばり、安全を確保しなければなりません。
ケンカの仲裁をしていると、別の子供がケンカを始めるなどといったことは、日常茶飯事です。
お散歩中は車道を通ることもあったり、自転車とのすれ違いなど、保育士が気をぬくことは一瞬たりとも許されない状況が多々あります。
また、おんぶや抱っこを求めてきたり、かけっこをしたり、無限のパワーを秘めた子供たちと一緒になって遊ぶことは体力も使います。
ただでさえ多い業務量で疲れているにもかかわらず、精神的、肉体的にも疲れる仕事を今後もずっと続けていけるのか悩む人は多いようです。
保護者対応などに疲れる
保護者への対応は保育士にとって、気をつかうところでしょう。
保護者と言っても最近では「モンスターペアレンツ」と言われる難癖、言いがかりレベルの要求をしてくる人もいます。
また、保護者間で起きたトラブルの仲裁を、保育園に依頼してくるケースもあるようです。
一方、どんな働きかけをしても反応が薄く、心を開いてくれない保護者もいるでしょう。
なんとなく、人間的に「私とは合わないな」と感じる人がいることもあるでしょう。
しかし、子供たちの親として先入観なく平等にお付き合いしなければならない「先生」という立場に悩む人はとても多いです。
子育て・家事との両立が難しい・・・
保育士の仕事と子育て、家事との両立に悩む人は多いです。
保育士の待遇改善の波を受け、子育てや家庭と両立をしやすい環境は整ってきているとはいえ、まだまだ個人の頑張りに依存しているのが現状です。
・みんなやっているよ
・両立が大変なのは保育士だけじゃないし
そんな言葉に心が折れそうになることもあるでしょう。
「自分も頑張らなければ…」「みんなやっているんだから…」と自分に言い聞かせながら、必死に働くこともありますが、自分の子を預け、他の子の面倒を見るという心情的な辛さは保育士ならではで、なかなか理解してもらうことはできません。
詳しくは「保育士と子育ては両立できるの?育児と保育士を両立したい方に適した働き方」の記事にありますが、保育士特有の環境で両立することに悩む保育士はたくさんいます。
妊娠・出産で産休や育休を取れるのか?
保育士の多くは女性で、かつ子供が好きな人です。
ライフプランの中に出産を考えている人も多いでしょう。
「保育士は産休や育休は取れるの?保育士が知っておくべき産休・育休の基礎知識」の記事でご紹介した通り、今産休や育休は制度として整ってきています。
その取得率も上がっていますし、誰でも取れる権利として定着していることは間違いがないでしょう。
しかし、実際に自分がその立場になったらやっていけるのか不安になって退職するケースも多くあります。
「実家は近くにないので、自分で全部やるには仕事と両立は無理だなぁ・・・」「ウチの保育園は妊娠を歓迎するムードではないなぁ・・」そんな不安から、産休育休を取ること自体を悩むケースも増えています。
結婚生活と両立が難しい・・・
共働きの家庭が増えたり、男性の家事参加が積極的になってきたとはいえ、家事などを女性が担当することはまだまだ多いです。
結婚とともに居住地が変わり、職場への通勤が困難になることもあります。
また配偶者の転勤によって、引越しをしなければならないなど、自分の意思とは別に保育園を離れる決断をしなければならないこともあるでしょう。
「資格があるから、どこへ行っても働けるでしょ?」などと軽く言われてしまうかもしれませんが、人間関係や制度、園の雰囲気など全く違う環境に行くことは簡単ではありません。
「いいよね、資格を持ってて」と言われる悩みは、誰にも相談できない孤独な気持ちになって悩む保育士も多いようです。
こういった悩みはどうやって解決したらいいの?
悩みの解決の方法のひとつに、周りの人に相談するという解決策があります。
身近な友人や家族などに相談する人は多いと思いますが、実は相談は、同じような悩みや同じ辛さを持つ人にすることが効果的だと言われています。
同じ悩みや辛さを持つ人は共感性が高く、理解も深いので問題解決につながりやすいということもありますし、相手の悩みを聞くことで、悩んでいるのは自分だけではないという安心にもつながります。
また、相手の悩みを解決してあげられた時、役に立ったという自信もつき、前向きな気持ちになれるでしょう。
周りに気軽に相談できる人はいますか?
あなたの周りに同じように保育士としての悩みを抱えている人はいますか。
同僚や専門学校など保育士を志した時の仲間などで、心から信頼できる人で気軽に相談できる人がいたら、ぜひ落ち着いて相談してみましょう。
お互いに現在の立場を理解しあい、前向きな結論が出せることでしょう。
ご自身の立場を客観的に見てもらえるいい機会にもなるかもしれません。
しかし、もしご自身の周りに気軽に同じような立場で相談できる人がいない方は、第三者の保育専門のキャリアコンサルタントがオススメです。
第三者のキャリアコンサルタントに相談した方が良い理由とは?
キャリアコンサルタントにどんなイメージがあるでしょうか。
キャリアコンサルタントは、転職や就業先を斡旋するイメージが強いかもしれません。
確かに、多くのキャリアコンサルタントは人材紹介会社や人材派遣会社に所属しており、職業斡旋をしています。
しかし、本来の業務は斡旋ではありません。
その方のこれまでのキャリアや悩みを整理し、今後のキャリアをどうすれば、理想のあなたの姿になれるかを相談する人です。
保育専門のキャリアコンサルタントは、保育士の業界のことをよく知っていることはもちろん、多くの保育士が悩んでいること、その解決の方法を知っています。
つまり、悩みに共感してくれた上で、解決方法を提示してくれる存在なのです。
悩みに対して、トンチンカンなアドバイスがないことはもちろんの事、保育業界の常識を無視した回答が行われることもないでしょう。
また、第3者だからこそ、知り合いには言えない本音を話しやすいということもあります。
保育の仕事に悩みがあるのは、当然です。
一人で悩まず、周りに積極的に相談することで解決したり、前向きになることは多々ありあます。
身近で相談する人がいない場合、キャリアコンサルトと問いう選択肢もぜひ頼ってみてください。
カテゴリ
保育士キャリア
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子ども達の笑顔と、成長を支援する保育士という仕事は、やりがいに溢れています。
しかし、厚生労働省の発表する『保育士等における現状』によると、保育士の離職は年間約3.3万人、離職率は約10.3%と言われています。
また退職者のうち、8割以上は同じ業界内で転職していることがわかります。
つまり、「保育士という仕事は好き!でも今の環境や保育園では続けられない!」という悩みを抱えた保育士が多くいることがわかります。
保育士の仕事が好きなのに、働くのが辛いという悩みとは一体どんなものなのでしょうか。
今回は保育士の抱える悩みやその解決方法などについて詳しくご紹介します。
【記事監修】ずっと保育士編集部
「ずっと保育士」は、保育ひとすじ28年の株式会社明日香が運営する保育専門のキャリアサポートサービスです。結婚や出産、育児など、目まぐるしく変わるライフステージの中で、その時その時にぴったり合うお仕事を紹介したい。そして、保育の仕事でずっと輝き続けるあなたを応援したい、という想いで保育士の就職、転職、復職などのキャリア支援を行っています。また、「ずっと保育士」では保育士さんの疑問や悩みなどを少しでも解決すべくコラムを通した情報発信も積極的に行っています。
保育士が抱えがちな悩みとは?
もともと「子供が好き」「子供の成長を支援したい」と憧れと希望を持って保育士になった方々は、なぜ保育園で働くことが辛く、悩む結果になってしまったのでしょうか。
「悩みは人それぞれ違う」と思われるかもしれませんが、保育士ならではの悩みとしてある共通点があります。
ここからは保育士が抱えがちな悩みを10個の分野に分けそれぞれ解説していきます。
給料が仕事量に見合っていない
『保育士等における現状』によると、就業している保育士における現在の職場の改善希望として、「給与・賞与等の改善」が約6割と、圧倒的に給料体系に関する不満が高いことがわかります。
ただ、保育士の多くが女性ということを考慮した場合、一般の女性の平均給与に比べて極端に低いというわけではありません。
表1:【比較】保育士の給料と一般平均給与
平均年齢 |
年収 |
|
公立保育園※1 |
45歳 |
約555万円 |
私立保育園※2 |
36歳 |
約327万円 |
一般平均年収(男女) |
46歳 |
約422万円 |
一般平均年収(女) |
46歳 |
約280万円 |
※1:参考元厚生労働省「平成28年度賃金構造基本統計調査」
※2:参考元:東京都練馬区「平成28年度練馬区人事行政の運営等の状況の公表」
※3:参考元:国税庁「平成28年分民間給与実態統計調査結果」
しかし、保育士内でも公立保育園と私立保育園の保育士の賃金格差が大きいことは事実です。
働く保育士の多くが私立保育園で働くことを考えると、「仕事内容は同じなのに…」と思う気持ちがあるのは当然です。
また、保育士はその労働時間も責任も、一般企業でいう総合職と同じような立場にあると言っても良いでしょう。
一般平均女性の年収よりも高いとはいえ、仕事量や責任を考えた場合、一般平均年収(男女)と比べると割が合わない気持ちになることも多く、そういった悩みが不満へと発展してしまうケースが多いと言えます。
仕事量が多すぎる・・・
保育士にはたくさんの仕事があります。
その中でも特に負担をかけているのが書類作成だとも言われています。
日案、月案、年間計画、行事計画、個人記録、健康記録…等々、書式はとても細かく、手間がかかるものを国の指針によって作成することが義務付けられています。
しかも、保育園によっては手書きでなければならないなどアナログな作業がたくさんあります。
「子供ともっと遊んであげたい」「行事のためにもっと手間をかけたかわいい壁面を作ってあげたい」「子供の様子をもっと保護者に伝えたい」そんな風に思う保育士にとって、書類の作成に時間が取られてしまうことはとても苦痛になるでしょう。
また、その書類を作った上で、子供たちのためにいろいろな制作物を作っていると、規定の時間内に仕事は終わらない事もしばしばあります。
業務が多すぎることで、自分の理想の保育ができないことは、保育士にとって本意ではないはずです。
やらなくてはいけないことと、やりたいことのジレンマに悩んでしまう保育士は少なくありません。
労働時間が長すぎる・・・
保育士の仕事は基本的にシフト制の勤務体系です。
朝早い保育園だと朝6時〜7時ごとに園児の受け入れが始まり、お迎えは延長保育がある遅い保育園だと21時ごろまでの保育の場合もあります。
そのため、「早番」「中番」「遅番」のシフト制で働くことが多いのです。
基本的にはそれぞれ8時間労働で組み合わせてある保育園が多いです。
早番の場合は通常15時〜16時ごろに帰宅できるはずですが、突発的なトラブルが起こると早く帰れることばかりではありません。
また、早くお迎えに来た保護者に保育の様子をお話ししたり、クラス便りの作成、他の保育士が働いていると帰りにくいなどついつい時間が長くなってしまうこともあります。
遅番の場合は保護者のお迎えが遅くなると、預かっている子供を置いて帰宅することはできませんし、戸締りや後片付けなど思うように進まないことがあると、帰宅時間が遅くなることもあります。
保育士の仕事は子供や保護者という「人」相手の仕事のため、時間通りに終了というわけにはいかなくなることが労働時間の長時間化につながっています。
職場の人間関係が悪くて疲れる
日本の保育士の約9割以上は女性です。
男性保育士が増えていると言っても、ほとんどの保育園で働く大多数は女性であるため、人間関係は複雑になりやすいと言えます。
女性特有のグループやマウンティング、嫉妬や妬みなどとてもドライとは言えない人間関係ができてしまうことは、女性の職場にありがちな問題といえるでしょう。
しかも人間関係の悩みは、相談してもなかなか改善できないという苦しみもあります。
信頼している友人、パートナーや親など、共感してくれたり、愚痴を聞いてもらうことでストレスの解消になることもありますが、翌日以降にその職場の人間関係が変わることはありません。
保育園は閉鎖的な職場になりやすいので、この人間関係の問題で息苦しさを感じる人はとても多くいます。
保育士として向いてないのだろうか・・・
保育士として働いている中で、自分に自信を失ってしまうこともあると思います。
・自分は保育士に向いていないのかな…
・あの時〇〇って声をかけてあげられなかったなんて、ひどい保育士だな…
・大事なところでピアノ伴奏を間違えてしまって保育士失格だ…
そんな風に思って落ち込んでしまうこともあるでしょう。
保育士の向き、不向きについては「保育士に向いている人・向いていない人の特徴は?保育士の適性について」の記事に詳しくありますが、自分が保育士に適性があるのかどうか悩む人は多いようです。
しかし、この悩みを真剣に考えている人は「保育士」という仕事に正面から向き合っている人でもあります。
保育士のあり方や自分の行動を振り返っているからこその悩みですので、まずは冷静に考えることで自ずと答えが出てくるでしょう。
精神的にも体力的にも辛い
保育士の仕事は精神的にも肉体的にもハードな仕事です。
子どもの突飛な行動にも常に気をくばり、安全を確保しなければなりません。
ケンカの仲裁をしていると、別の子供がケンカを始めるなどといったことは、日常茶飯事です。
お散歩中は車道を通ることもあったり、自転車とのすれ違いなど、保育士が気をぬくことは一瞬たりとも許されない状況が多々あります。
また、おんぶや抱っこを求めてきたり、かけっこをしたり、無限のパワーを秘めた子供たちと一緒になって遊ぶことは体力も使います。
ただでさえ多い業務量で疲れているにもかかわらず、精神的、肉体的にも疲れる仕事を今後もずっと続けていけるのか悩む人は多いようです。
保護者対応などに疲れる
保護者への対応は保育士にとって、気をつかうところでしょう。
保護者と言っても最近では「モンスターペアレンツ」と言われる難癖、言いがかりレベルの要求をしてくる人もいます。
また、保護者間で起きたトラブルの仲裁を、保育園に依頼してくるケースもあるようです。
一方、どんな働きかけをしても反応が薄く、心を開いてくれない保護者もいるでしょう。
なんとなく、人間的に「私とは合わないな」と感じる人がいることもあるでしょう。
しかし、子供たちの親として先入観なく平等にお付き合いしなければならない「先生」という立場に悩む人はとても多いです。
子育て・家事との両立が難しい・・・
保育士の仕事と子育て、家事との両立に悩む人は多いです。
保育士の待遇改善の波を受け、子育てや家庭と両立をしやすい環境は整ってきているとはいえ、まだまだ個人の頑張りに依存しているのが現状です。
・みんなやっているよ
・両立が大変なのは保育士だけじゃないし
そんな言葉に心が折れそうになることもあるでしょう。
「自分も頑張らなければ…」「みんなやっているんだから…」と自分に言い聞かせながら、必死に働くこともありますが、自分の子を預け、他の子の面倒を見るという心情的な辛さは保育士ならではで、なかなか理解してもらうことはできません。
詳しくは「保育士と子育ては両立できるの?育児と保育士を両立したい方に適した働き方」の記事にありますが、保育士特有の環境で両立することに悩む保育士はたくさんいます。
妊娠・出産で産休や育休を取れるのか?
保育士の多くは女性で、かつ子供が好きな人です。
ライフプランの中に出産を考えている人も多いでしょう。
「保育士は産休や育休は取れるの?保育士が知っておくべき産休・育休の基礎知識」の記事でご紹介した通り、今産休や育休は制度として整ってきています。
その取得率も上がっていますし、誰でも取れる権利として定着していることは間違いがないでしょう。
しかし、実際に自分がその立場になったらやっていけるのか不安になって退職するケースも多くあります。
「実家は近くにないので、自分で全部やるには仕事と両立は無理だなぁ・・・」「ウチの保育園は妊娠を歓迎するムードではないなぁ・・」そんな不安から、産休育休を取ること自体を悩むケースも増えています。
結婚生活と両立が難しい・・・
共働きの家庭が増えたり、男性の家事参加が積極的になってきたとはいえ、家事などを女性が担当することはまだまだ多いです。
結婚とともに居住地が変わり、職場への通勤が困難になることもあります。
また配偶者の転勤によって、引越しをしなければならないなど、自分の意思とは別に保育園を離れる決断をしなければならないこともあるでしょう。
「資格があるから、どこへ行っても働けるでしょ?」などと軽く言われてしまうかもしれませんが、人間関係や制度、園の雰囲気など全く違う環境に行くことは簡単ではありません。
「いいよね、資格を持ってて」と言われる悩みは、誰にも相談できない孤独な気持ちになって悩む保育士も多いようです。
こういった悩みはどうやって解決したらいいの?
悩みの解決の方法のひとつに、周りの人に相談するという解決策があります。
身近な友人や家族などに相談する人は多いと思いますが、実は相談は、同じような悩みや同じ辛さを持つ人にすることが効果的だと言われています。
同じ悩みや辛さを持つ人は共感性が高く、理解も深いので問題解決につながりやすいということもありますし、相手の悩みを聞くことで、悩んでいるのは自分だけではないという安心にもつながります。
また、相手の悩みを解決してあげられた時、役に立ったという自信もつき、前向きな気持ちになれるでしょう。
周りに気軽に相談できる人はいますか?
あなたの周りに同じように保育士としての悩みを抱えている人はいますか。
同僚や専門学校など保育士を志した時の仲間などで、心から信頼できる人で気軽に相談できる人がいたら、ぜひ落ち着いて相談してみましょう。
お互いに現在の立場を理解しあい、前向きな結論が出せることでしょう。
ご自身の立場を客観的に見てもらえるいい機会にもなるかもしれません。
しかし、もしご自身の周りに気軽に同じような立場で相談できる人がいない方は、第三者の保育専門のキャリアコンサルタントがオススメです。
第三者のキャリアコンサルタントに相談した方が良い理由とは?
キャリアコンサルタントにどんなイメージがあるでしょうか。
キャリアコンサルタントは、転職や就業先を斡旋するイメージが強いかもしれません。
確かに、多くのキャリアコンサルタントは人材紹介会社や人材派遣会社に所属しており、職業斡旋をしています。
しかし、本来の業務は斡旋ではありません。
その方のこれまでのキャリアや悩みを整理し、今後のキャリアをどうすれば、理想のあなたの姿になれるかを相談する人です。
保育専門のキャリアコンサルタントは、保育士の業界のことをよく知っていることはもちろん、多くの保育士が悩んでいること、その解決の方法を知っています。
つまり、悩みに共感してくれた上で、解決方法を提示してくれる存在なのです。
悩みに対して、トンチンカンなアドバイスがないことはもちろんの事、保育業界の常識を無視した回答が行われることもないでしょう。
また、第3者だからこそ、知り合いには言えない本音を話しやすいということもあります。
保育の仕事に悩みがあるのは、当然です。
一人で悩まず、周りに積極的に相談することで解決したり、前向きになることは多々ありあます。
身近で相談する人がいない場合、キャリアコンサルトと問いう選択肢もぜひ頼ってみてください。