保育園でもしものケガや事故がおきた時には保育士はどう対応すれば良いの?気をつけるべきポイントとは?
2020/07/01
子どもはちょっと目を離した隙に予想外の行動をすることがあります。
そのため、保育士は常に子ども達の身にケガや事故が起きないように目を配っておかなければなりません。
しかし、保育士がいくら配慮していても、ケガや事故は発生してしまうことがあります。
そんな時にどう対処をすれば良いのか?今回はもしも事故がおきた時にとるべき保育士の対応方法について解説していきます。
【記事監修】ずっと保育士編集部
「ずっと保育士」は、保育ひとすじ28年の株式会社明日香が運営する保育専門のキャリアサポートサービスです。結婚や出産、育児など、目まぐるしく変わるライフステージの中で、その時その時にぴったり合うお仕事を紹介したい。そして、保育の仕事でずっと輝き続けるあなたを応援したい、という想いで保育士の就職、転職、復職などのキャリア支援を行っています。また、「ずっと保育士」では保育士さんの疑問や悩みなどを少しでも解決すべくコラムを通した情報発信も積極的に行っています。
保育園での事故にはどのようなものがある?
厚生労働省が発表した『「平成 29 年教育・保育施設等における事故報告集計」の公表及び事故防止対策について」によると、保育園等で発生した平成29年度の事故は全体で880件だったそうです。
その内訳は下記の表の通りです。
最も多い事故が負傷で872件(99.0%)を占めています。
さらに負傷のうち698件(80.0%)は骨折となっており、保育施設で発生する負傷事故の多くが骨折となっています。
また、保育園で最も恐ろしいのが死亡事故は、残念ながら、平成28年度で8件発生しています。
認可外保育園の方が死亡事故が起きやすい傾向にある!
下記の年度別死亡事故の報告件数を見てみると、死亡事故は認可保育所よりも認可外保育所の方が2倍近く多く発生しています。
認可外保育所は一定の施設設備、人員配置の基準をクリアしていない保育所のことを言います。
つまり、行政からの補助の対象外となっており、当然検査や行政指導等が行き渡る施設ではありません。
そのため、一部の認可外保育施設では、子どもの人数に対して保育士が少なかったり、資格を保有していない人でも保育士として働いているという現状があるのも事実です。
施設内部の死角に気がつかず、安全対策が不十分な面があっても、誰もチェックできない状態にあることが原因の一つでもあります。
死亡事故の多くは睡眠中に!
死亡事故の発生は、一体どんな時におきているのでしょうか。
上記報告内容から、死亡事故のほどんとが睡眠中に発生しています。
保育士が交代で休憩に入ったタイミングであったり、会議や事務作業で目をはなした隙など、ほんの少し手薄になる時間帯に事故が起こっていると考えられます。
もちろん、目を離さなかったからといって事故が防げるわけではありません。
乳児突然死症候群(SIDS)の発生は睡眠中に起こるため、これを防ぐことは難しいと言えます。
こういった報告を受けて、最近では、睡眠中の5分間チェックを実施している保育園も多くなってきています。
睡眠中の5分間チェックとは、キッチンタイマーなどを使用し、5分ごとに必ず子どもの様子をチェックするというものです。
お便りを作成したり、日報を作ったり、連絡帳を書いたり、午睡中には保育士も多くの作業を抱えており、ついついチェックの時間が伸びてしまうこともあるかもしれません。
タイマーなどを用意することで、しっかりと時間管理をし、5分間チェックを行うことで、少しでも睡眠中の事故を防ぐようにしましょう。
死亡する園児の年齢的傾向
次の報告によると、最も死亡事故が多いのが0〜1歳の乳幼児の事故だということが分かります。
0〜1歳の乳児期には、乳児突然死症候群(SIDS)の危険性もあり、数が多くなっています。
また、睡眠中に布団が顔にかかったり、うつ伏せになってしまったりしても、まだ動くことや取り払うことができない状態の場合、そのまま死に至ってしまうこともあります。
自発的に意思を持たない段階の子どもに対しては特に注意が必要と言えるでしょう。
また、4歳以降の子どもの死亡事故については、遊び中やふざけているつもりでの転倒、転落などがあります。
保育園でのもしものケガや事故への対処法・予防法
保育士は保育士になる前から、事故への対応や予防法について勉強していると思いますが、実際にケガや事故が起きてしまった場合にはどうすればいいのかをもう一度、実例を交えながら確認しておきましょう!
プール事故
夏はプール遊びをする保育園が多いと思います。
プールは子ども達も楽しみにしている遊びであり、普段以上にはしゃいでしまう子もでやすい傾向があります。。
2014年神奈川県大和市の幼稚園で起きた事故では、水深わずか20センチという浅いプールで3歳の男の子が溺死するという事故がありました。
また、2017年には埼玉県さいたま市の認定こども園で保育士が目を話した1分以下の間に4歳の女の子が亡くなりました。
いずれもほんの僅かの間、保育士がほんのちょっと見逃した間に起きてしまった事故です。
プール遊びにはこれらの死亡事故の危険はもちろん、転倒などの事故も多く起こりやすい傾向があります。
子どもをプールで遊ばせる場合には以下のことに配慮しておくようにしましょう。
・子ども達全員に目を配れる人員配置を行う
・片付けや準備は子ども達が全員プールから上がって行う
・職員同士のコミュニケーションを円滑にし、危険に対するシミュレーションを行う
・子ども自身にも危険であることを認識させ、繰り返し向き合う
プール遊びでは、子どもも気分が上がってしまい、いつもとは違う行動や普段以上にはしゃいでしまうこともあります。
また、逆に水に対する恐怖心からパニックを起こす子どももいます。
常に危険が伴うことを認識し、ほんの僅かな隙が大きな事故につながることを意識して行動することが大切です。
誤飲
誤飲も保育園に多い事故です。
なんでも口に入れてしまう子は少なくはありません。
0歳児はもちろんのこと、1歳くらいまではこういった行動をしてしまう子どもがいます。
誤飲は何も大きいものだけを詰まらせるわけではありません。
ビニールやラップなど、器官をぴったりと塞いでしまうようなものも誤飲の危険があります。
また、大きなクラスの子ども達であっても、遊んだ風船などの割れた破片などを飲んでしまった事故も報告されています。
また、2歳以降は食事中の事故も気をつけなければなりません。
2012年には栃木県の保育所と東京都の保育所で白玉をつまらせた死亡事故が報告されています。
白玉などを噛まずに飲み込んでしまうケースは幼児には良くあります。
年齢に合わせてあらかじめ小さくしておくなどの対策が必要でしょう。
誤飲の危険を防ぐために、以下のことに注意しておくと良いでしょう。
・0〜1歳クラス周辺には口に入りやすいおもちゃや破片がないように気を配る
・1歳以降は年齢に合わせた食材の提供を行う
・子ども達には食事のマナーとして丸呑みせず、しっかりと咀嚼することの大切さを伝える
誤飲は日常の生活や遊びの時間、食事中といつ何時発生するかわかりません。
常にある危険としてしっかりと気を配っておく必要があります。
遊具での事故
遊具での事故は3歳以上の子どもに多い事故です。
自分で自由に遊具を使ったり、多少危険な遊びにチャレンジして見たいという好奇心が出てきやすく、事故が起こりやすい傾向があります。
そのため遊具での事故を防ぐためには、次のような約束事を、繰り返し根気強く納得いくように言い聞かせることが大切です。
・すべり台では前のお友達を押したり、一緒に滑るなどはしない
・すべり台を危険な姿勢で降りない
・すべり台の滑る部分を登らない
・ブランコは乗っているお友達以外は柵の外から見学する
もちろん子どもに言い聞かせるだけではなく、遊具には保育士が傍について見守ることも大切です。
ある程度の自主性に任せながらも、安全に遊べるように積極的に遊びに参加したり、声かけを行っていくと良いでしょう。
また、保育士の人数によっては遊ぶ遊具を限定し、しっかりと全体に目を配れる範囲を決めることも大切なことと言えます。
転倒による事故
転倒による事故が多いのも3歳以降の子どもです。
はしゃぎすぎによる転倒はもちろん、かけっこなどを本気で行うあまり足が絡まって転倒してしまうこともあります。
また、男の子などは戦いごっこやヒーローごっこが喧嘩に発展することも多々あるでしょう。
相手を突き飛ばしてしまっての転倒は日常茶飯事かもしれません。
始めはじゃれあいから始まった遊びは次第にエスカレートする前に、保育士は声かけを行うことを意識しましょう。
日頃からヒヤリハットを共有することも事故やケガの予防に有効!
事故やケガなどは突然起こるという意識があるかもしれません。
しかし、実際に事故が起きた後から検証してみると、実は防げたという事故はたくさんあります。
事前に防ぐために必要なことは、ヒヤリハットの共有です。
ヒヤリハットの共有とは、ヒヤッとした経験やハッとした経験を職員同士で報告し合うことです。
どんな小さなことも「小さなこと」のうちに共有し合うことが事故やケガの最大の予防につながります。
例えば、ちょとした段差で躓いてしまいコケた子がいたなどもその一つです。
他にも大人であれば引っかからないような、同じような段差がないか点検することにもつながるでしょう。
また、それが公園に行く道中であれば、どの年齢の子ども達もその場所は注意が必要な箇所になり、地図などに書き込むのも良いかもしれません。
こうしたヒヤリハットの共有の際に必要なことは、職員同士のコミュニケーションです。
保育士も一人の人間ですから、「報告をしたら怒られる」「先輩からの嫌味が怖い」「ボーナスの査定に響くかも」などという気持ちがあった場合、なるべく小さな失敗は隠しておきたくなるのも、当然です。
ですが、子ども達の安全を守るためにはそのようなことは言っていられません。
保育士としてキャリアを積んでいる人は、後輩保育士が少しでも報告しやすい環境を、保育士としてキャリアの浅い人は、報・連・相を徹底して行い、起きた事柄を誰かの責にするのではなく、おきた事実をどう改善するかに全員が意識を集中できるような環境を作ることを優先して考えて行くことが大切です。
もしケガや事故があった場合には再発防止もしっかりと!
どんなに注意しても、子どもの行動を100%予測することは不可能です。
ヒヤリハットだけではなく、実際に起きてしまった場合も想定して普段から素早い対処ができるようなシミュレーションをしておくことも重要なことです。
ケガをしたらまずどんな応急手当てがあるのか、連絡は誰が行うのか、外出先での事故発生についてはどのような連絡を行うのかなど、非常事態に備えての訓練は必要不可欠です。
また、ケガや事故が発生した場合は、その後の再発防止策をしっかりと検討することが大切です。
死亡事故の場合は、当然警察や第3者委員会などが入るのと同等に、小さな事故やケガでも、職員同士で再発防止について常に考えておくことが必要なことです。
ケガや事故を1つでもなくすために!
普段から周囲に目を配り、整理整頓を行い、清掃を行い、子ども達や職員同士で連携もしていると思いますが、それでも起きてしまうのがケガや事故です。
ケガや事故が起きてしまうのは、ほんの僅か、ほんの数分のうちに起こってしまうところが怖いところです。
子ども達の命を預かる保育士として、気の緩みこそが一番の問題になります。
常に周囲と連携しコミュニケーションやヒヤリハットの共有を重ねながら、子どもの安全を守る意識を高めて行きましょう。
カテゴリ
保育の知識
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そのため、保育士は常に子ども達の身にケガや事故が起きないように目を配っておかなければなりません。
しかし、保育士がいくら配慮していても、ケガや事故は発生してしまうことがあります。
そんな時にどう対処をすれば良いのか?今回はもしも事故がおきた時にとるべき保育士の対応方法について解説していきます。
【記事監修】ずっと保育士編集部
「ずっと保育士」は、保育ひとすじ28年の株式会社明日香が運営する保育専門のキャリアサポートサービスです。結婚や出産、育児など、目まぐるしく変わるライフステージの中で、その時その時にぴったり合うお仕事を紹介したい。そして、保育の仕事でずっと輝き続けるあなたを応援したい、という想いで保育士の就職、転職、復職などのキャリア支援を行っています。また、「ずっと保育士」では保育士さんの疑問や悩みなどを少しでも解決すべくコラムを通した情報発信も積極的に行っています。
保育園での事故にはどのようなものがある?
厚生労働省が発表した『「平成 29 年教育・保育施設等における事故報告集計」の公表及び事故防止対策について」によると、保育園等で発生した平成29年度の事故は全体で880件だったそうです。
その内訳は下記の表の通りです。
最も多い事故が負傷で872件(99.0%)を占めています。
さらに負傷のうち698件(80.0%)は骨折となっており、保育施設で発生する負傷事故の多くが骨折となっています。
また、保育園で最も恐ろしいのが死亡事故は、残念ながら、平成28年度で8件発生しています。
認可外保育園の方が死亡事故が起きやすい傾向にある!
下記の年度別死亡事故の報告件数を見てみると、死亡事故は認可保育所よりも認可外保育所の方が2倍近く多く発生しています。
認可外保育所は一定の施設設備、人員配置の基準をクリアしていない保育所のことを言います。
つまり、行政からの補助の対象外となっており、当然検査や行政指導等が行き渡る施設ではありません。
そのため、一部の認可外保育施設では、子どもの人数に対して保育士が少なかったり、資格を保有していない人でも保育士として働いているという現状があるのも事実です。
施設内部の死角に気がつかず、安全対策が不十分な面があっても、誰もチェックできない状態にあることが原因の一つでもあります。
死亡事故の多くは睡眠中に!
死亡事故の発生は、一体どんな時におきているのでしょうか。
上記報告内容から、死亡事故のほどんとが睡眠中に発生しています。
保育士が交代で休憩に入ったタイミングであったり、会議や事務作業で目をはなした隙など、ほんの少し手薄になる時間帯に事故が起こっていると考えられます。
もちろん、目を離さなかったからといって事故が防げるわけではありません。
乳児突然死症候群(SIDS)の発生は睡眠中に起こるため、これを防ぐことは難しいと言えます。
こういった報告を受けて、最近では、睡眠中の5分間チェックを実施している保育園も多くなってきています。
睡眠中の5分間チェックとは、キッチンタイマーなどを使用し、5分ごとに必ず子どもの様子をチェックするというものです。
お便りを作成したり、日報を作ったり、連絡帳を書いたり、午睡中には保育士も多くの作業を抱えており、ついついチェックの時間が伸びてしまうこともあるかもしれません。
タイマーなどを用意することで、しっかりと時間管理をし、5分間チェックを行うことで、少しでも睡眠中の事故を防ぐようにしましょう。
死亡する園児の年齢的傾向
次の報告によると、最も死亡事故が多いのが0〜1歳の乳幼児の事故だということが分かります。
0〜1歳の乳児期には、乳児突然死症候群(SIDS)の危険性もあり、数が多くなっています。
また、睡眠中に布団が顔にかかったり、うつ伏せになってしまったりしても、まだ動くことや取り払うことができない状態の場合、そのまま死に至ってしまうこともあります。
自発的に意思を持たない段階の子どもに対しては特に注意が必要と言えるでしょう。
また、4歳以降の子どもの死亡事故については、遊び中やふざけているつもりでの転倒、転落などがあります。
保育園でのもしものケガや事故への対処法・予防法
保育士は保育士になる前から、事故への対応や予防法について勉強していると思いますが、実際にケガや事故が起きてしまった場合にはどうすればいいのかをもう一度、実例を交えながら確認しておきましょう!
プール事故
夏はプール遊びをする保育園が多いと思います。
プールは子ども達も楽しみにしている遊びであり、普段以上にはしゃいでしまう子もでやすい傾向があります。。
2014年神奈川県大和市の幼稚園で起きた事故では、水深わずか20センチという浅いプールで3歳の男の子が溺死するという事故がありました。
また、2017年には埼玉県さいたま市の認定こども園で保育士が目を話した1分以下の間に4歳の女の子が亡くなりました。
いずれもほんの僅かの間、保育士がほんのちょっと見逃した間に起きてしまった事故です。
プール遊びにはこれらの死亡事故の危険はもちろん、転倒などの事故も多く起こりやすい傾向があります。
子どもをプールで遊ばせる場合には以下のことに配慮しておくようにしましょう。
・子ども達全員に目を配れる人員配置を行う
・片付けや準備は子ども達が全員プールから上がって行う
・職員同士のコミュニケーションを円滑にし、危険に対するシミュレーションを行う
・子ども自身にも危険であることを認識させ、繰り返し向き合う
プール遊びでは、子どもも気分が上がってしまい、いつもとは違う行動や普段以上にはしゃいでしまうこともあります。
また、逆に水に対する恐怖心からパニックを起こす子どももいます。
常に危険が伴うことを認識し、ほんの僅かな隙が大きな事故につながることを意識して行動することが大切です。
誤飲
誤飲も保育園に多い事故です。
なんでも口に入れてしまう子は少なくはありません。
0歳児はもちろんのこと、1歳くらいまではこういった行動をしてしまう子どもがいます。
誤飲は何も大きいものだけを詰まらせるわけではありません。
ビニールやラップなど、器官をぴったりと塞いでしまうようなものも誤飲の危険があります。
また、大きなクラスの子ども達であっても、遊んだ風船などの割れた破片などを飲んでしまった事故も報告されています。
また、2歳以降は食事中の事故も気をつけなければなりません。
2012年には栃木県の保育所と東京都の保育所で白玉をつまらせた死亡事故が報告されています。
白玉などを噛まずに飲み込んでしまうケースは幼児には良くあります。
年齢に合わせてあらかじめ小さくしておくなどの対策が必要でしょう。
誤飲の危険を防ぐために、以下のことに注意しておくと良いでしょう。
・0〜1歳クラス周辺には口に入りやすいおもちゃや破片がないように気を配る
・1歳以降は年齢に合わせた食材の提供を行う
・子ども達には食事のマナーとして丸呑みせず、しっかりと咀嚼することの大切さを伝える
誤飲は日常の生活や遊びの時間、食事中といつ何時発生するかわかりません。
常にある危険としてしっかりと気を配っておく必要があります。
遊具での事故
遊具での事故は3歳以上の子どもに多い事故です。
自分で自由に遊具を使ったり、多少危険な遊びにチャレンジして見たいという好奇心が出てきやすく、事故が起こりやすい傾向があります。
そのため遊具での事故を防ぐためには、次のような約束事を、繰り返し根気強く納得いくように言い聞かせることが大切です。
・すべり台では前のお友達を押したり、一緒に滑るなどはしない
・すべり台を危険な姿勢で降りない
・すべり台の滑る部分を登らない
・ブランコは乗っているお友達以外は柵の外から見学する
もちろん子どもに言い聞かせるだけではなく、遊具には保育士が傍について見守ることも大切です。
ある程度の自主性に任せながらも、安全に遊べるように積極的に遊びに参加したり、声かけを行っていくと良いでしょう。
また、保育士の人数によっては遊ぶ遊具を限定し、しっかりと全体に目を配れる範囲を決めることも大切なことと言えます。
転倒による事故
転倒による事故が多いのも3歳以降の子どもです。
はしゃぎすぎによる転倒はもちろん、かけっこなどを本気で行うあまり足が絡まって転倒してしまうこともあります。
また、男の子などは戦いごっこやヒーローごっこが喧嘩に発展することも多々あるでしょう。
相手を突き飛ばしてしまっての転倒は日常茶飯事かもしれません。
始めはじゃれあいから始まった遊びは次第にエスカレートする前に、保育士は声かけを行うことを意識しましょう。
日頃からヒヤリハットを共有することも事故やケガの予防に有効!
事故やケガなどは突然起こるという意識があるかもしれません。
しかし、実際に事故が起きた後から検証してみると、実は防げたという事故はたくさんあります。
事前に防ぐために必要なことは、ヒヤリハットの共有です。
ヒヤリハットの共有とは、ヒヤッとした経験やハッとした経験を職員同士で報告し合うことです。
どんな小さなことも「小さなこと」のうちに共有し合うことが事故やケガの最大の予防につながります。
例えば、ちょとした段差で躓いてしまいコケた子がいたなどもその一つです。
他にも大人であれば引っかからないような、同じような段差がないか点検することにもつながるでしょう。
また、それが公園に行く道中であれば、どの年齢の子ども達もその場所は注意が必要な箇所になり、地図などに書き込むのも良いかもしれません。
こうしたヒヤリハットの共有の際に必要なことは、職員同士のコミュニケーションです。
保育士も一人の人間ですから、「報告をしたら怒られる」「先輩からの嫌味が怖い」「ボーナスの査定に響くかも」などという気持ちがあった場合、なるべく小さな失敗は隠しておきたくなるのも、当然です。
ですが、子ども達の安全を守るためにはそのようなことは言っていられません。
保育士としてキャリアを積んでいる人は、後輩保育士が少しでも報告しやすい環境を、保育士としてキャリアの浅い人は、報・連・相を徹底して行い、起きた事柄を誰かの責にするのではなく、おきた事実をどう改善するかに全員が意識を集中できるような環境を作ることを優先して考えて行くことが大切です。
もしケガや事故があった場合には再発防止もしっかりと!
どんなに注意しても、子どもの行動を100%予測することは不可能です。
ヒヤリハットだけではなく、実際に起きてしまった場合も想定して普段から素早い対処ができるようなシミュレーションをしておくことも重要なことです。
ケガをしたらまずどんな応急手当てがあるのか、連絡は誰が行うのか、外出先での事故発生についてはどのような連絡を行うのかなど、非常事態に備えての訓練は必要不可欠です。
また、ケガや事故が発生した場合は、その後の再発防止策をしっかりと検討することが大切です。
死亡事故の場合は、当然警察や第3者委員会などが入るのと同等に、小さな事故やケガでも、職員同士で再発防止について常に考えておくことが必要なことです。
ケガや事故を1つでもなくすために!
普段から周囲に目を配り、整理整頓を行い、清掃を行い、子ども達や職員同士で連携もしていると思いますが、それでも起きてしまうのがケガや事故です。
ケガや事故が起きてしまうのは、ほんの僅か、ほんの数分のうちに起こってしまうところが怖いところです。
子ども達の命を預かる保育士として、気の緩みこそが一番の問題になります。
常に周囲と連携しコミュニケーションやヒヤリハットの共有を重ねながら、子どもの安全を守る意識を高めて行きましょう。