子どもが誤飲したときの対応は?保育園で誤飲事故が発生した際の応急処置
2017/10/05
親の代わりに子どもを見守る立場にある保育士にとって、誤飲事故は絶対に防がなければなりません。しかし、事故は予期せず起こってしまうものです。保育士の方は、もしもの場合の対応方法を知っておきましょう。
今回は、保育園で誤飲事故が発生した際の応急処置の方法をご紹介します。
【記事監修】ずっと保育士編集部
「ずっと保育士」は、保育ひとすじ28年の株式会社明日香が運営する保育専門のキャリアサポートサービスです。結婚や出産、育児など、目まぐるしく変わるライフステージの中で、その時その時にぴったり合うお仕事を紹介したい。そして、保育の仕事でずっと輝き続けるあなたを応援したい、という想いで保育士の就職、転職、復職などのキャリア支援を行っています。また、「ずっと保育士」では保育士さんの疑問や悩みなどを少しでも解決すべくコラムを通した情報発信も積極的に行っています。
なぜ誤飲事故は発生するのか?
子どもに危険が及ぶものを極力置かないようにしている保育園は多いでしょう。しかし、子どもは時として、大人が想像もしていなかったものを誤飲することがあります。
子どもの誤飲事故は、つかんだものを口に入れてしまう子どもの習性が主な原因で発生します。また、子どもには、食べ物とそうでないものの区別がつきません。
以上のことを前提として頭に入れておきましょう。
吐かせるべきでない誤飲事故
誤飲してしまったものによって、または、子どもの状態によって、誤飲の際の応急処置の方法は異なります。中には「すぐに吐かせる」ことが不適切な対処になる可能性もあるため、注意しましょう。
ここではすぐに吐かせるべきではない例を2つ挙げます。
意識不明・けいれんしている場合
子どもが誤飲によって意識を失っていたり、けいれんを起こしていたりする場合は、保育士は応急処置を考えず、一刻も早く救急車を呼びましょう。
飲み込んだものが何かわからなくとも、窒息や呼吸困難状態になっていることが多いため、無理に吐かせることは逆効果になります。
強い薬剤や鋭利なものを誤飲した場合
薬剤の誤飲は、子どもの誤飲事故の中でもトップです。強酸性や強アルカリ性の薬剤の場合は、吐かせずに大量の牛乳を飲ませるようにしましょう。
また、鋭利なものを誤飲した場合は、無理に吐かせると食道や臓器を傷つける可能性があります。すぐに吐き出させようとはせず、病院へ行きましょう。
吐かせることで対処可能な誤飲事故
飲み込んだものが少量であれば、吐かせることで対処することができます。
紙、クレヨン、絵の具、シャボン玉などは、遊戯の時間に触れる機会が多いものばかりです。遊びのための道具でさえも、飲み込んでしまう子どもがいるかもしれないことを理解しておきましょう。
これらは少量の誤飲であれば問題ないものばかりです。誤飲したものを吐かせることで取り除き、その後は症状の悪化が見られないかどうかを継続して確認します。もし取り除いた後に異なる症状が現れた場合は、病院で診察を受けるようにしましょう。
年齢によって変わる吐かせ方
吐かせ方にも注意が必要です。紙やクレヨンなどの少量であれば問題のないものでも、吐かせ方を間違えると子どもに大きな負担が掛かることもあります。年齢によって異なる、吐かせ方の違いを覚えておきましょう。
まず、1歳以下の乳児の場合は、大きな力をかけずに行います。しっかりと気道を確保してから、うつ伏せの状態で背中の上部をトントンと叩きましょう。子どもが自身で咳をしようとしているのであれば、無理をせずに様子を見ます。大きな力は子どもの体に負担が掛かりすぎるため、注意が必要です。
1歳以上の小児の場合、乳児とは吐かせ方が異なります。1歳以上の子どもに吐かせる際は、まず後ろから体を抱え込むような体勢をとってください。その状態で、お腹上部を押し上げるように優しく刺激します。この方法においても、吐かないからといって無理に力を入れるのは控えましょう。
おわりに
脳や体の器官が未発達な子どもは、誤飲したものやその状況によって、命を落とす危険性があります。
保育士は、子どもを健やかに保育することが役目です。もしもの場合に備えて、緊急時の対応方法をしっかりと把握しておきましょう。
カテゴリ
保育の知識
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親の代わりに子どもを見守る立場にある保育士にとって、誤飲事故は絶対に防がなければなりません。しかし、事故は予期せず起こってしまうものです。保育士の方は、もしもの場合の対応方法を知っておきましょう。
今回は、保育園で誤飲事故が発生した際の応急処置の方法をご紹介します。
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「ずっと保育士」は、保育ひとすじ28年の株式会社明日香が運営する保育専門のキャリアサポートサービスです。結婚や出産、育児など、目まぐるしく変わるライフステージの中で、その時その時にぴったり合うお仕事を紹介したい。そして、保育の仕事でずっと輝き続けるあなたを応援したい、という想いで保育士の就職、転職、復職などのキャリア支援を行っています。また、「ずっと保育士」では保育士さんの疑問や悩みなどを少しでも解決すべくコラムを通した情報発信も積極的に行っています。
なぜ誤飲事故は発生するのか?
子どもに危険が及ぶものを極力置かないようにしている保育園は多いでしょう。しかし、子どもは時として、大人が想像もしていなかったものを誤飲することがあります。
子どもの誤飲事故は、つかんだものを口に入れてしまう子どもの習性が主な原因で発生します。また、子どもには、食べ物とそうでないものの区別がつきません。
以上のことを前提として頭に入れておきましょう。
吐かせるべきでない誤飲事故
誤飲してしまったものによって、または、子どもの状態によって、誤飲の際の応急処置の方法は異なります。中には「すぐに吐かせる」ことが不適切な対処になる可能性もあるため、注意しましょう。
ここではすぐに吐かせるべきではない例を2つ挙げます。
意識不明・けいれんしている場合
子どもが誤飲によって意識を失っていたり、けいれんを起こしていたりする場合は、保育士は応急処置を考えず、一刻も早く救急車を呼びましょう。
飲み込んだものが何かわからなくとも、窒息や呼吸困難状態になっていることが多いため、無理に吐かせることは逆効果になります。
強い薬剤や鋭利なものを誤飲した場合
薬剤の誤飲は、子どもの誤飲事故の中でもトップです。強酸性や強アルカリ性の薬剤の場合は、吐かせずに大量の牛乳を飲ませるようにしましょう。
また、鋭利なものを誤飲した場合は、無理に吐かせると食道や臓器を傷つける可能性があります。すぐに吐き出させようとはせず、病院へ行きましょう。
吐かせることで対処可能な誤飲事故
飲み込んだものが少量であれば、吐かせることで対処することができます。
紙、クレヨン、絵の具、シャボン玉などは、遊戯の時間に触れる機会が多いものばかりです。遊びのための道具でさえも、飲み込んでしまう子どもがいるかもしれないことを理解しておきましょう。
これらは少量の誤飲であれば問題ないものばかりです。誤飲したものを吐かせることで取り除き、その後は症状の悪化が見られないかどうかを継続して確認します。もし取り除いた後に異なる症状が現れた場合は、病院で診察を受けるようにしましょう。
年齢によって変わる吐かせ方
吐かせ方にも注意が必要です。紙やクレヨンなどの少量であれば問題のないものでも、吐かせ方を間違えると子どもに大きな負担が掛かることもあります。年齢によって異なる、吐かせ方の違いを覚えておきましょう。
まず、1歳以下の乳児の場合は、大きな力をかけずに行います。しっかりと気道を確保してから、うつ伏せの状態で背中の上部をトントンと叩きましょう。子どもが自身で咳をしようとしているのであれば、無理をせずに様子を見ます。大きな力は子どもの体に負担が掛かりすぎるため、注意が必要です。
1歳以上の小児の場合、乳児とは吐かせ方が異なります。1歳以上の子どもに吐かせる際は、まず後ろから体を抱え込むような体勢をとってください。その状態で、お腹上部を押し上げるように優しく刺激します。この方法においても、吐かないからといって無理に力を入れるのは控えましょう。
おわりに
脳や体の器官が未発達な子どもは、誤飲したものやその状況によって、命を落とす危険性があります。
保育士は、子どもを健やかに保育することが役目です。もしもの場合に備えて、緊急時の対応方法をしっかりと把握しておきましょう。