保育中に子どもが発熱!お迎えを待つ間にできる高熱の対処法
2017/10/05
保育園児が突然発熱することは珍しくありません。自分で不調を表現できない乳児の場合は特に、保育士がいち早くいつもと異なる様子やサインに気付き、適切な対処を早急に行う必要があります。
そこで今回は、保育中に子どもが発熱した際、保護者のお迎えを待つ間に保育士ができる高熱の対処法をご紹介します。
【対処法1】クーリングを行う
クーリングとは解熱を目的とした医療行為で、大きな動脈の通っている箇所を冷やすことです。
子どもはもともと大人よりも平熱が高いこともあり、熱があっても元気な場合があります。発熱自体は体の防御反応であって悪いことではないため、本人が望まない場合は、無理に熱を下げようとする必要はありません。
しかし、ぐったりしていて元気がなかったり、体が熱いことがつらくてぐずっていたりする場合は、体を冷やしてあげましょう。氷のうやタオルに包んだ保冷剤などを使用し、首の後ろやわきの下、太ももの内側、手首・足首など、血管やリンパが多く集まっている部分を冷やすと、効果的にクーリングができます。
ただし、熱が出始めの頃は、寒気を感じる場合もあります。その際は、布団や毛布を重ねたり、靴下を履かせたりして、全身を温めてあげます。濡れた服は体から熱を奪うため、汗をかいたらこまめに着替えさせましょう。
【対処法2】こまめに水分補給をする
高熱が出ているときに心配な症状の1つが、脱水症状です。高熱時は体の水分が奪われやすいため、十分に水分補給を行う必要があります。
冷たい飲料はお腹を壊す原因になるため、常温の水やお茶を与えましょう。高熱で食欲もない状態では液体を飲み込むだけでも困難な場合があるため、水分補給が大切だからと一気にたくさん飲ませることは禁物です。少量を数回に分けてこまめに飲ませてください。
高熱とともに嘔吐や下痢の症状がある場合は、水分と一緒に塩分なども失われるため、スポーツドリンクなどのイオン飲料がおすすめです。水分補給がしっかりとできていれば、食欲がなくても無理に食事をさせる必要はありません。
【対処法3】安静にできる環境を整える
病気のときは、大人でさえ心細いもの。親が近くにいない状態の子どもは、なおさら大きな不安を抱えています。そのため、子どもがゆっくりと静かに、安心して休める環境を整えてあげることはとても大切です。
インフルエンザや麻疹(はしか)など、集団感染を引き起こす可能性のある病気が疑われる場合は、他の子どもから離れた場所に移す必要があります。しかし、それ以外の場合は、他の子どもが近くにいた方が安心できるでしょう。一緒の空間に休めるスペースを用意してもかまいません。
他の職員とも相談し、その子の性格などを考慮して判断してください。
また、常に1人は保育士が付き添います。嘔吐や下痢などの症状があった場合にすぐに対応するため、そして子どもに心細さを感じさせないためです。子どもの様子を見ながら、気が紛れるよう絵本の読み聞かせなどをしてあげるのも良いでしょう。
【対処法4】発熱時の状況を記録する
熱が2、3日以上続いたり、発疹や痙攣、嘔吐、頭痛などを伴ったりする場合は、適切な治療を受ける必要があります。
その際に役立つものが、発熱したときの状況や、その後の様子などを記録したメモです。病院に連れて行く保護者は、迎えに来るまでの子どもの様子が分かりません。そのため、発熱してからの様子が分かるメモがあれば、病院を受診する際に適切な診断を受けることができます。
熱を測ったときはその都度体温を記録し、その他にも「高熱以外の症状が見られないか」「食欲はあるか」「機嫌はどうか」などをチェックして、メモに残しておきましょう。そして、保護者が迎えに来られた際は、様子を詳しく説明するとともに、記録したメモを渡してあげてください。
おわりに
子どもにとって発熱は珍しいことではありませんが、子どもの体調が悪くなってしまったときには戸惑ってしまうものです。しかし、高熱があるときに一番心細く、つらい思いをしているのは子どもです。冷静に落ち着いて対処し、保護者が迎えに来るまでの時間、子どもが少しでも安心できるよう努めましょう。
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保育園児が突然発熱することは珍しくありません。自分で不調を表現できない乳児の場合は特に、保育士がいち早くいつもと異なる様子やサインに気付き、適切な対処を早急に行う必要があります。
そこで今回は、保育中に子どもが発熱した際、保護者のお迎えを待つ間に保育士ができる高熱の対処法をご紹介します。
【対処法1】クーリングを行う
クーリングとは解熱を目的とした医療行為で、大きな動脈の通っている箇所を冷やすことです。
子どもはもともと大人よりも平熱が高いこともあり、熱があっても元気な場合があります。発熱自体は体の防御反応であって悪いことではないため、本人が望まない場合は、無理に熱を下げようとする必要はありません。
しかし、ぐったりしていて元気がなかったり、体が熱いことがつらくてぐずっていたりする場合は、体を冷やしてあげましょう。氷のうやタオルに包んだ保冷剤などを使用し、首の後ろやわきの下、太ももの内側、手首・足首など、血管やリンパが多く集まっている部分を冷やすと、効果的にクーリングができます。
ただし、熱が出始めの頃は、寒気を感じる場合もあります。その際は、布団や毛布を重ねたり、靴下を履かせたりして、全身を温めてあげます。濡れた服は体から熱を奪うため、汗をかいたらこまめに着替えさせましょう。
【対処法2】こまめに水分補給をする
高熱が出ているときに心配な症状の1つが、脱水症状です。高熱時は体の水分が奪われやすいため、十分に水分補給を行う必要があります。
冷たい飲料はお腹を壊す原因になるため、常温の水やお茶を与えましょう。高熱で食欲もない状態では液体を飲み込むだけでも困難な場合があるため、水分補給が大切だからと一気にたくさん飲ませることは禁物です。少量を数回に分けてこまめに飲ませてください。
高熱とともに嘔吐や下痢の症状がある場合は、水分と一緒に塩分なども失われるため、スポーツドリンクなどのイオン飲料がおすすめです。水分補給がしっかりとできていれば、食欲がなくても無理に食事をさせる必要はありません。
【対処法3】安静にできる環境を整える
病気のときは、大人でさえ心細いもの。親が近くにいない状態の子どもは、なおさら大きな不安を抱えています。そのため、子どもがゆっくりと静かに、安心して休める環境を整えてあげることはとても大切です。
インフルエンザや麻疹(はしか)など、集団感染を引き起こす可能性のある病気が疑われる場合は、他の子どもから離れた場所に移す必要があります。しかし、それ以外の場合は、他の子どもが近くにいた方が安心できるでしょう。一緒の空間に休めるスペースを用意してもかまいません。
他の職員とも相談し、その子の性格などを考慮して判断してください。
また、常に1人は保育士が付き添います。嘔吐や下痢などの症状があった場合にすぐに対応するため、そして子どもに心細さを感じさせないためです。子どもの様子を見ながら、気が紛れるよう絵本の読み聞かせなどをしてあげるのも良いでしょう。
【対処法4】発熱時の状況を記録する
熱が2、3日以上続いたり、発疹や痙攣、嘔吐、頭痛などを伴ったりする場合は、適切な治療を受ける必要があります。
その際に役立つものが、発熱したときの状況や、その後の様子などを記録したメモです。病院に連れて行く保護者は、迎えに来るまでの子どもの様子が分かりません。そのため、発熱してからの様子が分かるメモがあれば、病院を受診する際に適切な診断を受けることができます。
熱を測ったときはその都度体温を記録し、その他にも「高熱以外の症状が見られないか」「食欲はあるか」「機嫌はどうか」などをチェックして、メモに残しておきましょう。そして、保護者が迎えに来られた際は、様子を詳しく説明するとともに、記録したメモを渡してあげてください。
おわりに
子どもにとって発熱は珍しいことではありませんが、子どもの体調が悪くなってしまったときには戸惑ってしまうものです。しかし、高熱があるときに一番心細く、つらい思いをしているのは子どもです。冷静に落ち着いて対処し、保護者が迎えに来るまでの時間、子どもが少しでも安心できるよう努めましょう。