企業内保育所で働く保育士の仕事内容とは?給料や求人は?
2020/08/06
企業内保育所が増えているということをご存知ですか?
女性が社会で活躍する機会が増え、企業の女性への期待が高まる一方で、待機児童の深刻化による復職の遅れ、妊娠出産による退職、子育てとの両立での疲弊など、能力ある女性の実力を発揮することができない現実もあります。
そこで、自社で働く従業員のために企業内で子どもを預かることができる企業内保育所の新設や増設に踏み切る企業が増えてきているのです。
ケーズホールディングスやダイハツ、新日鉄住金など、すでに企業内保育所を設けている企業もあります。
また、企業内保育所の増加は、保育士の新しい働き方の一つとしても注目されています。
ここでは企業内保育所での仕事内容や給与体系などの待遇、普通の保育所との違いなどについて詳しく解説いたします。
【記事監修】ずっと保育士編集部
「ずっと保育士」は、保育ひとすじ28年の株式会社明日香が運営する保育専門のキャリアサポートサービスです。結婚や出産、育児など、目まぐるしく変わるライフステージの中で、その時その時にぴったり合うお仕事を紹介したい。そして、保育の仕事でずっと輝き続けるあなたを応援したい、という想いで保育士の就職、転職、復職などのキャリア支援を行っています。また、「ずっと保育士」では保育士さんの疑問や悩みなどを少しでも解決すべくコラムを通した情報発信も積極的に行っています。
企業内保育所とは?普通の保育所と何が違うの?
企業内保育所とは、従業員の子どもを保育するための、企業内に設けられた施設のことです。
子どもが保育所に入ることができず、なかなか復職できない従業員や、子どもの預け先確保のために奔走している従業員のために企業側が提供するいわゆる福利厚生の一環のような形で提供されています。
では、企業内保育所は普通の保育所と何が違うのでしょうか。
まず、大前提として「子どもを保育する場所」という意味では、普通の保育園との違いはありません。
また、保育士の子どもとの関わりについても同じです。
大まかな違いは次の4点です。
・勤務時間
・勤務場所
・イベントの量
・保育年齢や人数
ここからは、それぞれの違いについて詳しく説明していきます。
違い1:勤務時間
企業内保育所は、ほとんどの場合その企業の施設内に設けられ、企業の営業時間のみ保育を行なっています。
普通の保育園の場合は、「月曜日から土曜日の7時半頃から18時半頃」までの保育時間が一般的ですが、親がなかなか迎えに来ないために延長保育が実施されるケースが多く見られます。
しかし、企業内保育所については、「月曜日から金曜日の8時半頃から18時半」と完全土日週休二日制となっている場合もあれば、「月曜日から日曜日までの24時間」の中でシフト勤務制になる場合もあり、保育時間が企業の営業時間により変わってくるという点が普通の保育園と違います。
デパートなどのサービス業であれば土日も仕事があるため子どもを預けなければなりませんし、工場など24時間勤務の場合、夜間のお泊まり保育もお願いしなければなりません。
企業の営業時間イコール保育時間という点が、普通の保育園との大きな違いであり、勤務時間の違いになります。
違い2:勤務場所
企業内保育所は多くの場合、企業の敷地内に開設されているので、従業員である保護者との距離が近いという点も普通の保育園との大きな違いです。
急な発熱やケガなど、保護者に連絡を取りたい場合、スムーズに繋がることが多いため、普通の保育園に比べて「親と連絡が取れない」といったことがあまり起きません。
違い3:イベントの量
企業内保育所の場合、運動会や発表会などを行わないことも多いです。
イベントは楽しいものですが、保育士としては準備が大変だったり、残業が多くなったりなど負担も多いものです。
もちろんこれは保育所にもよりますが、企業内保育所の場合、残業や持ち帰りの仕事などが普通の保育所に比べて少ないと言われています。
違い4:保育年齢や人数
企業内保育所では、0歳〜2歳のお子様を対象に預かることが多いです。
なぜなら、待機児童が深刻化している現在であっても、3歳以降は保育園に空きが出たり、幼稚園などの延長保育を使用する人が増えるためです。
また、一つの企業内でこの年齢の子どもが年間何百人といるというわけではありませんので、比較的少人数のお子様のみの預かりが中心になります。
ただし、土日や24時間対応の場合はこの限りではありません。
企業内保育所の種類
企業内保育所と一口で言っても、助成金有無などで次の4つの種類に分けられます。
・認可保育所
・企業主導型保育所
・認可外保育所
・託児所
これらは申請先の違いや、認可の有無などによって異なりますが、それぞれ保育士の配置基準などが異なりますので、下記表1のように保育士の働き方にも違いが出てきます。
※企業主導型保育所:内閣府が始めた企業主導型の事業所内保育事業です。事業所内に保育施設を完備し、従業員の家庭を支援するための制度。
表1:保育所の種類と特徴、助成申請先一覧
種類
特徴
助成金
認可保育所
児童福祉法に基づく児童福祉施設。国が定めた設置基準(施設の広さ、保育士等の職員数、給食設備、防災管理、衛生管理等)をクリアし、都道府県知事から認可された施設。
あり
企業主導型保育所
内閣府が始めた企業主導型の事業所内保育事業です。助成申請は自治体ではなく、内閣府へ申請を行います。
認可外にも関わらず、認可保育所と同程度の金額が助成されます。
あり
認可外保育所
企業主導型のうち、企業主導型保育所の申請を行っていない施設または、審査外となった施設。
無し
託児所
企業内の託児スペースなどで一時預かりを行うなど。乳幼児のみを対象とすることや、企業内イベント中や会議中のみなど、比較的短時間のことが多い。
無し
認可保育所
企業内保育所にも、国の認可基準をクリアし、企業の従業員の子どもだけではなく、地域の子どもたちを受け入れている保育所もあります。
認可保育所の募集は基本的に市区町村が行いますので、企業内の設備とはいえ、企業とは関係がない子どもが入所するのも珍しくはありません。
いわば私立認可保育園のようなものになります。
企業主導型保育所
内閣府が主導した企業型保育所は、認可外保育園ながら保育士の配置基準や面積等に指定があります。
基準自体は認可保育園よりも緩やかですが、保育士の配置人数がある程度決まっています。
そのため保育士の人数不足で業務過多になったり、保育士資格保有者と無資格者のバランスが崩れてしまうことも少ないと言えます。
また、内閣府からの助成金が認可保育園なみに出るため、運営についても安心できます。
しかし、企業主導型の保育所を福利厚生で設置するには、補助があっても多額の運営資金がかかります。
従業員のために、その運営資金を投じる企業なので、資金的にも考え方にも保育所へ対する理解が高いといえ、保育士の給与も総じて高めの傾向にあります。
認可外保育所
企業内保育所のうち、上記の企業主導型保育所としての申請を行っていなかったり、審査基準外になった保育所です。
院内保育所などの多くがこれに当たります。
国からの補助金はありませんが、企業自体に運営する体力がある場合が多いので、安心して働くことができる環境には違いありません。
認可外保育所で働くことに保育士の資格はある方が有利ですが、規制自体があるわけではないので、無資格者でも活躍することが可能です。
託児所
保育所とは違い、子どもの一時的な預かりを行う施設が託児所です。
お預かりするお子さんは保育所のように「週◯日、何時〜何時」といった決まった時間ではなく、「母親がパートする間」のみなどの限定的な保育が多いです。
そのほか「育休復帰前の面談時」のみや「パパママ交流会」「育休復帰後の仕事の仕方」などのイベントを行う時間のみ預かるなどの例があります。
長時間のお預かりではないので、保育士も比較的短い時間で働くことができます。
託児所は、働くことに保育士の資格はある方が有利ですが、規制自体があるわけではないので、無資格者でも活躍することが可能です。
企業内保育所での保育士の仕事内容とは?
企業内保育所での保育士の仕事は、小規模保育園に近いと考えて良いと思います。
0歳から3歳のお子様が多いため、赤ちゃんから、少し自由に遊べるようになった幼児までいます。
安全配慮には十分に注意しましょう。
企業内保育所ならではの仕事ってあるの?
「企業内保育所だから」という特別な仕事はありません。
ただし、保護者の方が近いということもあり、普通の保育園ではない密接なコミュニケーションが取れることは特徴の1つです。
例えば、休憩中に少し抜け出して、授乳をしにくるお母さんがいたりなどは、普通の保育園では出会うことのない光景です。
また、企業内保育所に預けるのは何も母親が働いている従業員とは限りません。
父親の働く会社の保育所という場合もあれば、両親ともに働いているということもあります。
普通の保育園ではどうしても母親主体で送迎や話し合いがなされることがありますが、父親の参加も非常に多いのが企業内保育所の特徴です。
保護者とともに子どもの成長を支援するという意味においては、親の「無関心」などの心配は必要なさそうです。
企業内保育所の保育士の待遇
企業内保育所の待遇も、企業によってで違います。
企業内保育所の運営には二つのパターンがあります。
- 企業そのものが運営
- 企業が委託した保育園運営会社が運営する
1の場合は、保育士もその企業の従業員の一人として働きます。
この場合、企業内保育所を設置する余裕のある会社なので、大企業であったり、比較的業績の良い会社であることが多いと言えます。
2の場合は、保育士は委託業者の従業員になります。
この場合は、保育関連企業の従業員なので、保育士の雇用や立場などを理解してくれる会社のことが多いです。
給料体系について
企業内保育所で働く保育士の給与や待遇については、その運営会社によって異なります。
上記の通り、企業内保育所を設置した会社か委託運営された会社かどちらかに雇用されますが、その会社の従業員としての規定に準じた給与が支払われるということは同じです。
雇用形態についても、正社員、契約社員、パート・アルバイトなど様々です。
多くの場合、正社員であればボーナスの支給も期待できます。
労働時間・休暇について
労働時間については、会社によって異なります。
例えば、24時間稼働の工場や病院などの企業内保育の場合、お泊まり保育がある場合もあります。
その場合、保育士も当然24時間でのシフト制になりますので、夜勤を含めて対応が必要です。
また、不動産会社などの企業内保育所であれば、土日は仕事だけれども平日水曜日などはお休みという会社もあります。
つまり、働く企業内保育所によって時間などは異なることが多く、不規則になる可能性があるのです。
ただし、行事などは少ない傾向にありますので、残業や持ち帰り仕事はほとんどありませんし、シフト制の場合であっても、申し送りなどが中心で仕事を残すということはないでしょう。
企業内保育所で働くことに向いている人は?
小規模保育に似た傾向があるため、低年齢児や少人数での保育を得意とする方には向いています。
また、保護者との距離も近いため、保護者との連携を取りながら一緒に子どもを育てていきたいと考える人には良いでしょう。
保護者同士は同じ会社で働く方々です。
もちろん知り合いであることや全く別部署で働いているなど、関わりの大小はあるものの、基本的にお互いに協力してくれます。
また、同じ会社であるがゆえに無理な要求をしてくる保護者が少ないのも企業内保育所の特徴の一つです。
そのため、後ろ向きな理由ではありますが、保育園を悩ます「モンスターペアレンツ」のような存在はほとんどないため、理不尽な要求に疲れた方にとっては恵まれた環境と言えるでしょう。
企業内保育所で働くには?求人はどこで探せる?
企業内保育所は企業主導型保育所を内閣府が推進していることもあり、今現在その数をどんんどん増やしています。
ただし、保育士の確保には苦労している保育所がほとんどなので、求人サイトなどでも企業内保育所の求人は多いと言えます。
また、新しく開設する場合は求人サイトなどを利用するのではなく、保育専門の人材会社に紹介を依頼することが多く、オープニングスタッフとして関わることができたり、世間に出ていない求人を知ることができるなど、非公開情報を紹介してもらうことも可能です。
企業内保育所で働くことに興味がある場合には、まずは面談の相談をしてみてください。
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企業内保育所が増えているということをご存知ですか?
女性が社会で活躍する機会が増え、企業の女性への期待が高まる一方で、待機児童の深刻化による復職の遅れ、妊娠出産による退職、子育てとの両立での疲弊など、能力ある女性の実力を発揮することができない現実もあります。
そこで、自社で働く従業員のために企業内で子どもを預かることができる企業内保育所の新設や増設に踏み切る企業が増えてきているのです。
ケーズホールディングスやダイハツ、新日鉄住金など、すでに企業内保育所を設けている企業もあります。
また、企業内保育所の増加は、保育士の新しい働き方の一つとしても注目されています。
ここでは企業内保育所での仕事内容や給与体系などの待遇、普通の保育所との違いなどについて詳しく解説いたします。
【記事監修】ずっと保育士編集部
「ずっと保育士」は、保育ひとすじ28年の株式会社明日香が運営する保育専門のキャリアサポートサービスです。結婚や出産、育児など、目まぐるしく変わるライフステージの中で、その時その時にぴったり合うお仕事を紹介したい。そして、保育の仕事でずっと輝き続けるあなたを応援したい、という想いで保育士の就職、転職、復職などのキャリア支援を行っています。また、「ずっと保育士」では保育士さんの疑問や悩みなどを少しでも解決すべくコラムを通した情報発信も積極的に行っています。
企業内保育所とは?普通の保育所と何が違うの?
企業内保育所とは、従業員の子どもを保育するための、企業内に設けられた施設のことです。
子どもが保育所に入ることができず、なかなか復職できない従業員や、子どもの預け先確保のために奔走している従業員のために企業側が提供するいわゆる福利厚生の一環のような形で提供されています。
では、企業内保育所は普通の保育所と何が違うのでしょうか。
まず、大前提として「子どもを保育する場所」という意味では、普通の保育園との違いはありません。
また、保育士の子どもとの関わりについても同じです。
大まかな違いは次の4点です。
・勤務時間
・勤務場所
・イベントの量
・保育年齢や人数
ここからは、それぞれの違いについて詳しく説明していきます。
違い1:勤務時間
企業内保育所は、ほとんどの場合その企業の施設内に設けられ、企業の営業時間のみ保育を行なっています。
普通の保育園の場合は、「月曜日から土曜日の7時半頃から18時半頃」までの保育時間が一般的ですが、親がなかなか迎えに来ないために延長保育が実施されるケースが多く見られます。
しかし、企業内保育所については、「月曜日から金曜日の8時半頃から18時半」と完全土日週休二日制となっている場合もあれば、「月曜日から日曜日までの24時間」の中でシフト勤務制になる場合もあり、保育時間が企業の営業時間により変わってくるという点が普通の保育園と違います。
デパートなどのサービス業であれば土日も仕事があるため子どもを預けなければなりませんし、工場など24時間勤務の場合、夜間のお泊まり保育もお願いしなければなりません。
企業の営業時間イコール保育時間という点が、普通の保育園との大きな違いであり、勤務時間の違いになります。
違い2:勤務場所
企業内保育所は多くの場合、企業の敷地内に開設されているので、従業員である保護者との距離が近いという点も普通の保育園との大きな違いです。
急な発熱やケガなど、保護者に連絡を取りたい場合、スムーズに繋がることが多いため、普通の保育園に比べて「親と連絡が取れない」といったことがあまり起きません。
違い3:イベントの量
企業内保育所の場合、運動会や発表会などを行わないことも多いです。
イベントは楽しいものですが、保育士としては準備が大変だったり、残業が多くなったりなど負担も多いものです。
もちろんこれは保育所にもよりますが、企業内保育所の場合、残業や持ち帰りの仕事などが普通の保育所に比べて少ないと言われています。
違い4:保育年齢や人数
企業内保育所では、0歳〜2歳のお子様を対象に預かることが多いです。
なぜなら、待機児童が深刻化している現在であっても、3歳以降は保育園に空きが出たり、幼稚園などの延長保育を使用する人が増えるためです。
また、一つの企業内でこの年齢の子どもが年間何百人といるというわけではありませんので、比較的少人数のお子様のみの預かりが中心になります。
ただし、土日や24時間対応の場合はこの限りではありません。
企業内保育所の種類
企業内保育所と一口で言っても、助成金有無などで次の4つの種類に分けられます。
・認可保育所
・企業主導型保育所
・認可外保育所
・託児所
これらは申請先の違いや、認可の有無などによって異なりますが、それぞれ保育士の配置基準などが異なりますので、下記表1のように保育士の働き方にも違いが出てきます。
※企業主導型保育所:内閣府が始めた企業主導型の事業所内保育事業です。事業所内に保育施設を完備し、従業員の家庭を支援するための制度。
表1:保育所の種類と特徴、助成申請先一覧
種類 |
特徴 |
助成金 |
認可保育所 |
児童福祉法に基づく児童福祉施設。国が定めた設置基準(施設の広さ、保育士等の職員数、給食設備、防災管理、衛生管理等)をクリアし、都道府県知事から認可された施設。 |
あり |
企業主導型保育所 |
内閣府が始めた企業主導型の事業所内保育事業です。助成申請は自治体ではなく、内閣府へ申請を行います。 認可外にも関わらず、認可保育所と同程度の金額が助成されます。 |
あり |
認可外保育所 |
企業主導型のうち、企業主導型保育所の申請を行っていない施設または、審査外となった施設。 |
無し |
託児所 |
企業内の託児スペースなどで一時預かりを行うなど。乳幼児のみを対象とすることや、企業内イベント中や会議中のみなど、比較的短時間のことが多い。 |
無し |
認可保育所
企業内保育所にも、国の認可基準をクリアし、企業の従業員の子どもだけではなく、地域の子どもたちを受け入れている保育所もあります。
認可保育所の募集は基本的に市区町村が行いますので、企業内の設備とはいえ、企業とは関係がない子どもが入所するのも珍しくはありません。
いわば私立認可保育園のようなものになります。
企業主導型保育所
内閣府が主導した企業型保育所は、認可外保育園ながら保育士の配置基準や面積等に指定があります。
基準自体は認可保育園よりも緩やかですが、保育士の配置人数がある程度決まっています。
そのため保育士の人数不足で業務過多になったり、保育士資格保有者と無資格者のバランスが崩れてしまうことも少ないと言えます。
また、内閣府からの助成金が認可保育園なみに出るため、運営についても安心できます。
しかし、企業主導型の保育所を福利厚生で設置するには、補助があっても多額の運営資金がかかります。
従業員のために、その運営資金を投じる企業なので、資金的にも考え方にも保育所へ対する理解が高いといえ、保育士の給与も総じて高めの傾向にあります。
認可外保育所
企業内保育所のうち、上記の企業主導型保育所としての申請を行っていなかったり、審査基準外になった保育所です。
院内保育所などの多くがこれに当たります。
国からの補助金はありませんが、企業自体に運営する体力がある場合が多いので、安心して働くことができる環境には違いありません。
認可外保育所で働くことに保育士の資格はある方が有利ですが、規制自体があるわけではないので、無資格者でも活躍することが可能です。
託児所
保育所とは違い、子どもの一時的な預かりを行う施設が託児所です。
お預かりするお子さんは保育所のように「週◯日、何時〜何時」といった決まった時間ではなく、「母親がパートする間」のみなどの限定的な保育が多いです。
そのほか「育休復帰前の面談時」のみや「パパママ交流会」「育休復帰後の仕事の仕方」などのイベントを行う時間のみ預かるなどの例があります。
長時間のお預かりではないので、保育士も比較的短い時間で働くことができます。
託児所は、働くことに保育士の資格はある方が有利ですが、規制自体があるわけではないので、無資格者でも活躍することが可能です。
企業内保育所での保育士の仕事内容とは?
企業内保育所での保育士の仕事は、小規模保育園に近いと考えて良いと思います。
0歳から3歳のお子様が多いため、赤ちゃんから、少し自由に遊べるようになった幼児までいます。
安全配慮には十分に注意しましょう。
企業内保育所ならではの仕事ってあるの?
「企業内保育所だから」という特別な仕事はありません。
ただし、保護者の方が近いということもあり、普通の保育園ではない密接なコミュニケーションが取れることは特徴の1つです。
例えば、休憩中に少し抜け出して、授乳をしにくるお母さんがいたりなどは、普通の保育園では出会うことのない光景です。
また、企業内保育所に預けるのは何も母親が働いている従業員とは限りません。
父親の働く会社の保育所という場合もあれば、両親ともに働いているということもあります。
普通の保育園ではどうしても母親主体で送迎や話し合いがなされることがありますが、父親の参加も非常に多いのが企業内保育所の特徴です。
保護者とともに子どもの成長を支援するという意味においては、親の「無関心」などの心配は必要なさそうです。
企業内保育所の保育士の待遇
企業内保育所の待遇も、企業によってで違います。
企業内保育所の運営には二つのパターンがあります。
- 企業そのものが運営
- 企業が委託した保育園運営会社が運営する
1の場合は、保育士もその企業の従業員の一人として働きます。
この場合、企業内保育所を設置する余裕のある会社なので、大企業であったり、比較的業績の良い会社であることが多いと言えます。
2の場合は、保育士は委託業者の従業員になります。
この場合は、保育関連企業の従業員なので、保育士の雇用や立場などを理解してくれる会社のことが多いです。
給料体系について
企業内保育所で働く保育士の給与や待遇については、その運営会社によって異なります。
上記の通り、企業内保育所を設置した会社か委託運営された会社かどちらかに雇用されますが、その会社の従業員としての規定に準じた給与が支払われるということは同じです。
雇用形態についても、正社員、契約社員、パート・アルバイトなど様々です。
多くの場合、正社員であればボーナスの支給も期待できます。
労働時間・休暇について
労働時間については、会社によって異なります。
例えば、24時間稼働の工場や病院などの企業内保育の場合、お泊まり保育がある場合もあります。
その場合、保育士も当然24時間でのシフト制になりますので、夜勤を含めて対応が必要です。
また、不動産会社などの企業内保育所であれば、土日は仕事だけれども平日水曜日などはお休みという会社もあります。
つまり、働く企業内保育所によって時間などは異なることが多く、不規則になる可能性があるのです。
ただし、行事などは少ない傾向にありますので、残業や持ち帰り仕事はほとんどありませんし、シフト制の場合であっても、申し送りなどが中心で仕事を残すということはないでしょう。
企業内保育所で働くことに向いている人は?
小規模保育に似た傾向があるため、低年齢児や少人数での保育を得意とする方には向いています。
また、保護者との距離も近いため、保護者との連携を取りながら一緒に子どもを育てていきたいと考える人には良いでしょう。
保護者同士は同じ会社で働く方々です。
もちろん知り合いであることや全く別部署で働いているなど、関わりの大小はあるものの、基本的にお互いに協力してくれます。
また、同じ会社であるがゆえに無理な要求をしてくる保護者が少ないのも企業内保育所の特徴の一つです。
そのため、後ろ向きな理由ではありますが、保育園を悩ます「モンスターペアレンツ」のような存在はほとんどないため、理不尽な要求に疲れた方にとっては恵まれた環境と言えるでしょう。
企業内保育所で働くには?求人はどこで探せる?
企業内保育所は企業主導型保育所を内閣府が推進していることもあり、今現在その数をどんんどん増やしています。
ただし、保育士の確保には苦労している保育所がほとんどなので、求人サイトなどでも企業内保育所の求人は多いと言えます。
また、新しく開設する場合は求人サイトなどを利用するのではなく、保育専門の人材会社に紹介を依頼することが多く、オープニングスタッフとして関わることができたり、世間に出ていない求人を知ることができるなど、非公開情報を紹介してもらうことも可能です。
企業内保育所で働くことに興味がある場合には、まずは面談の相談をしてみてください。