保育のコラム

派遣保育士の働き方は3種類!紹介予定派遣と登録型派遣、その他どれがおすすめ?

2020/06/02

派遣保育士という働き方を知っていますか?

派遣保育士には登録型派遣と紹介予定派遣の2種類があります。

紹介予定派遣は保育園側が将来正社員として雇用することを前提にした派遣のことです。

派遣保育士としての契約満期を迎えると双方の合意で直接雇用に切り替わります。

正社員になる前に保育園の様子をしっかり知ることができるのがメリットです。

登録型派遣は一般的に派遣と呼ばれる働き方です。

紹介予定派遣の求人数は登録型派遣より少ないのでキャリアコンサルタントに聞いてみるのがおすすめ。

紹介予定派遣の求人を見る

保育士業界では今、派遣という働き方が注目されています。

これまで保育士という仕事は、長時間労働や柔軟性の低い労働環境から、女性が家庭や育児などとの両立が難しい仕事だと言われてきました。

また、育児などがひと段落して職場復帰したいと思っても、「今の体力で仕事がこなせるるだろうか・・・」「人様の子どもを預かるという責任を負えるだろうか・・・」そんな不安から復職ができないという潜在保育士の方もたくさんいらっしゃると思います。

そんな中、派遣保育士は、残業などがほとんどなく、また柔軟性の高い労働ができ、正社員並のお給料がもらえることから、保育士の新しい働き方の1つとして注目されているのです。

派遣保育士の働き方には大きく分けて「紹介予定派遣」と「登録型派遣」の2種類があります。

本記事では、「紹介予定派遣」と「登録型派遣」にどういった方が適しているのか、より自分の状況に適した働き方を目指すためにはどちらを選べば良いのかを分かりやすく解説いたします。

“ずっと保育士編集部”

【記事監修】ずっと保育士編集部

「ずっと保育士」は、保育ひとすじ28年の株式会社明日香が運営する保育専門のキャリアサポートサービスです。結婚や出産、育児など、目まぐるしく変わるライフステージの中で、その時その時にぴったり合うお仕事を紹介したい。そして、保育の仕事でずっと輝き続けるあなたを応援したい、という想いで保育士の就職、転職、復職などのキャリア支援を行っています。また、「ずっと保育士」では保育士さんの疑問や悩みなどを少しでも解決すべくコラムを通した情報発信も積極的に行っています。

紹介予定派遣とは?

紹介予定派遣とは、保育園側が将来正社員として雇用する事を前提に、最大半年間、派遣社員として就業する派遣形態のことです。

保育園に正職員として就業した場合、最初の数ヶ月は試用期間となるのが一般的ですが、その期間が紹介予定派遣における派遣社員期間に相当するイメージで考えると分かりやすいと思います。

派遣就業期間は、派遣会社が雇用主となりますので、給与や待遇などは派遣会社の規定に従うことになります。

また、日々の仕事のフォローや保育園と間に起きた様々なトラブルについても仲介してもらえることから、安心して働けるというのも派遣保育士のメリットの1つです。

紹介予定派遣は、予定の派遣期間の満期を迎えると、保育士と保育園の双方の合意によって派遣会社の雇用から、保育園の直接雇用に切り替わります。

つまり、雇用元が派遣会社から保育園に変わり、保育園の正規職員となるという事です。

紹介予定派遣の具体的なイメージは下図の通りです。

図1:紹介予定派遣の仕組み

紹介予定派遣の仕組み

紹介予定派遣のメリット・デメリット

どんな職場なのか不安な保育士側と、どんな保育士か不安な保育園側、両方の要望を叶えたような制度です。

通常、保育園側は、数回の採用試験・面接で保育士を判断し、採用するかどうかを決めなければなりません。

保育園側としては「もっと試験や面接では見えなかった人柄や働きぶりを見てから採用の可否を判断したい」というのが本音です。

一方で保育士側は、保育園の雰囲気やそこで働く保育士同士の人間関係がわからないまま働き始めなければなりません。

これらの不安は入社後に保育士と保育園側双方の「こんなはずじゃなかった!」「こんなこと聞いていない!」という不満につながり、結果として早期退職や職場になじめないなどの問題を生じさせてしまいます。

こういった問題を事前に派遣社員期間を設け、解決できるのが紹介予定派遣という制度の最大のメリットと言えるでしょう。

つまり、保育士側としては入園後に働く職場の雰囲気や環境、人間関係などを、派遣会社の支援を受けながら見極めることができ、転職や就職の際の不安を和らげられると言うメリットがあるという事です。

また、紹介予定派遣には次のようなメリットがあります。

・正職員前提なので、登録型派遣社員に比べて時給が高い

・経験がない業務でも、希望や熱意が伝わることでチャレンジさせてくれる

・トラブルが起きた場合、派遣会社が仲介役としてフォローをしてくれる

一方で、紹介予定派遣の働き方には次のようなデメリットもあります。

・必ずしも直接雇用にならないこともある。

・直接雇用後、有給付与が遅い場合がある。

・紹介予定派遣の受け入れ先が少ない。

紹介予定派遣は双方の合意のもとで直接雇用となるため、必ずしも合意に至るわけではありません。

厚生労働省が発表した報告書によると、紹介予定派遣を利用した人の中で直接雇用された人は54%程度とされています。(※1)

もちろん、職場が合わなくてお断りしてしまうケースもありますが、「能力不足」との判定を保育園から通達されてしまうケースもあります。

また、双方が合意し入社に至った場合も、その入社の時点が起算日になりますので、有給付与が半年後まで制限されてしまうなど、最初だけ労働条件に制約が出てきてしまう事もあります。

また、保育園側としてはいい人材を確保したいと思ってはいるものの、人手不足が深刻化し、紹介予定派遣での雇用には、正規入社までに時間がかかることから、すぐにでも人手不足を解消したい園は待つことができません。

そのため、非常にメリットの多い採用方法であるにもかかわらず、紹介予定派遣を活用する企業は少ないのが現状です。

どんな人に紹介予定派遣はおすすめ?

紹介予定派遣は、派遣期間終了後、双方の合意による直接雇用を前提にしているため、将来正職員を目指す人にとっておすすめの働き方です。

中でも、転職のきっかけが下記の理由によるものであれば、さらにおすすめです。

・職場の人間関係が悪かった

・チャレンジしたい仕事があったが、経験がないからダメだと言われた

・求人内容と実際の仕事内容が全く異なっていた

職場の人間関係は求人票や面接、職場見学だけではわかりません。

紹介予定派遣ならば、実際に数ヶ月入社してみて、職場の雰囲気や人間関係、仕事内容などを直に体感することができます。

このように、実際の職場と仕事を体験して入社を決めることができるということのメリットは、大変大きいものです。

また、転職だけではなく、職場に正職員として復帰したいけれど自分が保育士としての仕事が全うできるか不安・・・という方にとっても紹介予定派遣はおすすめの働き方です。

なぜなら、派遣期間がリハビリ期間となり、徐々に以前の勘を取りもどしながら、正職員に戻ることができるためです。

もし転職や、復職などに何かしらの不安を抱えているのであれば、紹介予定派遣という働き方も選択肢の一つとして検討してみてはいかがでしょうか。

登録型派遣とは?

登録型派遣とは、いわゆる一般的に「派遣」と呼ばれる働き方です。

「派遣社員」と言われたら多くの人が一番にイメージする働き方がこの「登録型派遣」です。

保育士自身は派遣会社に雇用され、派遣会社より指定された保育園で仕事をします。

つまり、保育園から直接雇用されている訳ではなく、派遣保育士の雇用主は人材派遣会社となります。

保育園では、派遣社員に業務上の指揮命令は行いますが、給与、福利厚生、勤怠管理は、派遣会社の就業規則に従います。

雇用や仕事の指示・命令についての下記図のようなイメージです。

図2:登録型派遣の仕組み

登録型派遣の仕組み

登録型派遣のメリット・デメリット

登録型派遣の働き方のメリットは、ライフスタイルに合わせた柔軟性のある働き方ができることです。

例えば、保育士を悩ませる要因の一つである残業も、保育園側が直接雇用している訳ではないため、ほとんどありません。

また、保育園側と何かしらのトラブルにあった際には、正職員の場合は自分で解決しなければなりませんが、派遣保育士であれば、派遣会社が仲介に入り、話をまとめてくれます。

このように、ご自身のライフスタイルに合わせた働き方を、派遣会社がサポートしてくれるということは、派遣保育士という働き方の大きなメリットと言えるでしょう。

一方で、契約期間が決まっていることで職場が安定しない、職場での疎外感を感じてしまうことなどは仕事がし辛いと感じるデメリットになるかもしれません。

その他、詳しい登録型派遣保育士のメリットデメリットについては次の記事で詳しくご紹介していますので、合わせてご覧ください。

>>「派遣保育士という新しい働き方!保育士が派遣で働くメリットとデメリット

どんな人に登録型派遣はおすすめ?

保育士の約90%以上は女性が占めています。

そのため、保育士には、家庭との両立や育児、介護など、様々なライフステージで仕事との両立に悩まされるという現状があります。

ライフステージが変わっても、保育士というやりがいある仕事、誇りある仕事を続けたい人にとってはその時々で日程や時間に柔軟な選択ができる登録型派遣という働き方はおすすめです。

少ない時間でも、保育士としての仕事を続けることで、復職した時に保育士としての勘を落とさないようにすることができます。

また、登録型派遣の保育士は、一般的なパート・アルバイトの保育士よりも時給が高い傾向にあります。

そのため、「事情があって短い時間しか働くことができない。でも、しっかりお金は稼ぎたい」という人にもおすすめの働き方です。

より自分のライフスタイルや目標に合わせた働き方を選ぼう!

より自分のライフスタイルや目標に合わせた働き方を選ぼう!

ここまで、「紹介予定派遣」「登録型派遣」という派遣の2つの働き方についてご紹介してきました。

どちらの働き方が良い、悪いということでなく、ご自身のライフスタイルや目標にあわせて選択することが大切です。

また、派遣という働き方を選択するのであれば、どの派遣会社に登録するのかも重要になってきます。

なぜなら、派遣保育士のフォローどころか連絡さえままならない派遣会社も中には存在するからです。

派遣保育士として登録をされる際には、あなたの目指したい働き方を理解してくれる会社なのかどうか、登録後にきちんとフォローしてもらえるのかどうかを確認することが大切です。

保育専門の明日香では、専任のコーディネーターが派遣保育士の方が一体どういう働き方を求めているのか、きめ細やかなヒアリングから就業後のフォローまでをしっかりと行っています。

もし、あなたの働き方を一番に理解してくれるコーディネーターを探す方は、是非一度明日香までご相談ください。

※1:参考元:厚生労働省:平成25年度 労働者派遣事業報告書の集計結果

 

 

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