保育士はストレスとどう向き合うべき?原因と現実的な対策
2021/02/01
保育士の仕事でも、ストレスを感じる場面はあります。多忙な業務に追われる毎日はで、イライラしてしまうこともあるでしょう。
しかし、保育士は保育のプロフェッショナルとして、イライラが日々の保育に影響しないように、ストレスと上手に付き合う必要があります。
ここでは、保育士のストレス解消に役立つ方法をご紹介するとともに、日頃からストレスを溜めないための予防法についてもご説明します。
【記事監修】ずっと保育士編集部
「ずっと保育士」は、保育ひとすじ28年の株式会社明日香が運営する保育専門のキャリアサポートサービスです。結婚や出産、育児など、目まぐるしく変わるライフステージの中で、その時その時にぴったり合うお仕事を紹介したい。そして、保育の仕事でずっと輝き続けるあなたを応援したい、という想いで保育士の就職、転職、復職などのキャリア支援を行っています。また、「ずっと保育士」では保育士さんの疑問や悩みなどを少しでも解決すべくコラムを通した情報発信も積極的に行っています。
保育士には多くのストレスがかかっている
保育士はかわいい子どもたちの成長を支援する仕事です。
しかし、実際に子どもたちの保育をするのはただ可愛がり、ただ遊べばいいわけではありません。
一人ひとりの子どもに目を配り、その成長を支援するには多くのストレスがかかっています。
原因1:子どもの命を預かるプレッシャー
子どもたちの日常は、常に命を預かるプレッシャーがあります。
子どもは大人からすると考えられない行動を起こします。
例えば、散歩に行くだけでも20人以上の子どもを2〜3人の少人数で出かけなければなりません。
公道には車も通りますし、自転車や他の歩行者がもいます。
おしゃべりに夢中になった子どもたちが、列を乱すだけでも危険はすぐそばに近付いてきます。
室内で遊んでいる時も、どこで転倒するかわかりません。
万が一棚の角で頭を打つような事故が発生するか、常に目をくばらなければならないプレッシャーは相当です。
子どもたち全員が日々安全に過ごすための危機管理は保育士にとって大きなプレッシャーとなっています。
原因2:子どもが言うことを聞いてくれない
基本的に子どもは素直です。
しかし、自我が発達し、自分の意思を発揮する時、時にいうことを聞いてくれない場合もあります。
また、同じことを伝えても理解力は子どもによって様々です。
そのため、同一の指示出しをしても、必ずしも全員がいうことを聞いてくれるわけではありません。
単にゲームや遊びの間であれば問題ない場合もありますが、クラス全員で行う行事やイベントなどにおいて、子どもが言うことを聞いてくれず、スムーズに事が運ばないときはストレスに感じてしまうこともあります。
原因3:保護者対応
保護者、と一口に言ってもその背景は様々です。
教育熱心なご家庭、放任主義のご家庭、片親家庭、育児放棄が発生している可能性のあるご家庭、また最近ではモンスターペアレンツなどというクレーマーに近い保護者がいるのも事実です。
そのため、子どもの成長において必要な指導がご家庭によっては「行き過ぎた指導」になってしまう場合もありますし、逆に「指導力不足」と捉えられることもあります。
複数のご家庭の方針を理解し、各ご家庭ごとに対応する保育士には大きなストレスとなります。
原因4:職場の人間関係
保育士、と言っても子どもと向き合うだけが仕事ではありません。
職員室では上司となる主任保育士や園長、また後輩指導などもあります。
一般的な事務処理も発生し、お互いに協力関係を作らなければなりませんが、人と人が関わる場所には少なからずトラブルも発生します。
大人同士であれば、多少の距離をおいた付き合いなども可能ですが、「子どもが見ている」と思うと、良好な関係を見せなければならない場面もあるでしょう。
一般的な仕事とは多少違う人間関係のストレスが発生しています。
原因5:労働環境や待遇
保育士の労働環境はシフト制が一般的で、規則正しい勤務時間の仕事よりもストレスがたまります。
また、大きなトラブルでなくても、保護者への連絡や報告などで残業をしたり、行事の前の準備で夜遅くなったりもあります。
最近は幾分減ってきた保育園も多いですが、持ち帰って壁面を作ったりしなければならないなど、業務自体が過多のことも事実です。
仕事は忙しくても休みがきちんと取れたり、お給料が高ければまだ許容範囲と捉えられるかもしれませんが、多くの保育士はあまり休みがとりやすいとは言えず、薄給の場合も多いため、そのストレスが緩和されにくい環境にあります。
原因6:保育方針の違い
保育士を目指そうと思った時、誰にでも自分なりの理想の保育があります。
それが正しいとか、間違いというわけではありませんが、勤務する保育園と合致しているかどうかはまた別です。
最初は理想と思っていたことも、実際に働き出すことで考え方が変化したり、違う方向を考える可能性もあります。
保育の現場では日々ねらいを元に行動しています。
そのため、保育園の方針と自分の方針が合わないストレスは日々少しずつ心を消耗させてしまうかもしれません。
ストレスによって出やすい症状とは?セルフストレスチェック
では、実際ストレスが重なった場合、どのような症状が現れるのでしょうか?
ストレスによって出現しやすい症状をいくつかピックアップします。
・疲れているのに眠れない日が続く
・食欲が湧かない
・休みの日は何もしないことが多い
・出勤前に体調が悪くなることが多い
・前触れもなく涙が出てくる
・きちんと寝ているはずなのに倦怠感がある
これ以外にももちろんストレス症状はありますが、時折ストレスをセルフチェックすることで対策もできます。
無意識なストレス症状を事前に把握するためにも、しっかりと意識しておくようにしましょう。
ストレスを放置するとどうなるの?
ストレスは一種の緊張感なので、全くなくするということはできません。
むしろ、いい緊張感は仕事において必要な場合もあります。
しかし、嫌悪を伴うストレスは放置していたり、見て見ぬふりをしていると、うつ病などに発展してしまうこともあります。
また、いったんうつ病になってしまうと、その後の人生が大きく変わってしまうことも大袈裟ではありません。
ストレスには放置が一番危険です。
知らず知らずに悪いストレスをためていないか、自分自身を労ってあげることが大切です。
現実的なストレス対策の方法とは?
大前提として、ストレスは無意識に感じていることが多く、それが一定量を超えるとまるで糸がぷっつりと切れたように一気にうつ病などに発展してしまうケースが多いです。
そのため、日頃ストレスを感じていないと思っている時にこそ、下記のような対策が必要です。
・運動する
・歌う
・泣く
・趣味を楽しむ
・部屋の模様替え
体を蝕むストレスは自分で「ストレスを感じる」ということを判断基準とするよりも、セルフストレスチェックのような症状が体に出ているかどうかで判断する方が賢明と言えるでしょう。
もしそういった症状が出ているようであれば、ご紹介した対策よりも第三者に相談するのがおすすめです。
現実的なストレス対策:第三者に相談する
ストレスに陥った環境に関係のある人だと愚痴が言いづらいなどがあるので、カウンセラーなど人間関係のない第三者に相談するのがおすすめです。
公正な立場であなたの話を聞いてもらうことだけでも、あなたにとってストレス緩和になりますし、具体的なアドバイスや冷静な視点を聞くことができるでしょう。
現実的なストレス対策:とにかく休む
ストレス状態にある時は、心と体が疲れている状態です。
その時は、とにかく責任云々を考えず休むことが大切になります。
ストレスから鬱になる人は責任感が強い傾向にあります。
「休んでしまっては他に迷惑がかかる」「休職後は退職するしかないかも」と不安を感じるかもしれません。
しかし、結果的に心身共に疲弊し、倒れてしまっては結局同じ結果しか生みませんし、あなたの状態はもっと悪い状態です。
ある程度割り切って考えることも大切です。
状況が変わらなければ環境を変える決断も大切!
ストレス症状を見て見ぬふりをしてしまってうつ病など重大な症状に発展してしまったケースは多々あります。
そのため、ストレスを感じるのであればまず一度休み、その後第三者に相談をしながら転職など環境を変え、自分に何らかのストレスを与えている環境から逃げることも時には重要です。
ストレスに追われている時は冷静に判断することが難しいこともありますので、まずは第三者に相談し、アドバイスをもらってください。
そして、環境を変えること、逃げることは決して悪いことではありません。
保育士といえど、1人の人間です。
長い人生を健やかに過ごすために、時に決断することも大切なことです。
株式会社明日香では、転職等の相談について保育士専門のコーディネーターがいつでもご希望を伺える状況になっています。
今後の転職について気になることがあればご相談ください。
カテゴリ
保育士ライフ
ずっと保育士は、保育のお仕事を始めたい、転職・復職したい方にライフステージにあった保育のお仕事をご紹介したい。そして保育の仕事でずっと輝き続けるあなたを応援し続けたい、という想いでサービスを運営しています。
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保育士の仕事でも、ストレスを感じる場面はあります。多忙な業務に追われる毎日はで、イライラしてしまうこともあるでしょう。
しかし、保育士は保育のプロフェッショナルとして、イライラが日々の保育に影響しないように、ストレスと上手に付き合う必要があります。
ここでは、保育士のストレス解消に役立つ方法をご紹介するとともに、日頃からストレスを溜めないための予防法についてもご説明します。
【記事監修】ずっと保育士編集部
「ずっと保育士」は、保育ひとすじ28年の株式会社明日香が運営する保育専門のキャリアサポートサービスです。結婚や出産、育児など、目まぐるしく変わるライフステージの中で、その時その時にぴったり合うお仕事を紹介したい。そして、保育の仕事でずっと輝き続けるあなたを応援したい、という想いで保育士の就職、転職、復職などのキャリア支援を行っています。また、「ずっと保育士」では保育士さんの疑問や悩みなどを少しでも解決すべくコラムを通した情報発信も積極的に行っています。
保育士には多くのストレスがかかっている
保育士はかわいい子どもたちの成長を支援する仕事です。
しかし、実際に子どもたちの保育をするのはただ可愛がり、ただ遊べばいいわけではありません。
一人ひとりの子どもに目を配り、その成長を支援するには多くのストレスがかかっています。
原因1:子どもの命を預かるプレッシャー
子どもたちの日常は、常に命を預かるプレッシャーがあります。
子どもは大人からすると考えられない行動を起こします。
例えば、散歩に行くだけでも20人以上の子どもを2〜3人の少人数で出かけなければなりません。
公道には車も通りますし、自転車や他の歩行者がもいます。
おしゃべりに夢中になった子どもたちが、列を乱すだけでも危険はすぐそばに近付いてきます。
室内で遊んでいる時も、どこで転倒するかわかりません。
万が一棚の角で頭を打つような事故が発生するか、常に目をくばらなければならないプレッシャーは相当です。
子どもたち全員が日々安全に過ごすための危機管理は保育士にとって大きなプレッシャーとなっています。
原因2:子どもが言うことを聞いてくれない
基本的に子どもは素直です。
しかし、自我が発達し、自分の意思を発揮する時、時にいうことを聞いてくれない場合もあります。
また、同じことを伝えても理解力は子どもによって様々です。
そのため、同一の指示出しをしても、必ずしも全員がいうことを聞いてくれるわけではありません。
単にゲームや遊びの間であれば問題ない場合もありますが、クラス全員で行う行事やイベントなどにおいて、子どもが言うことを聞いてくれず、スムーズに事が運ばないときはストレスに感じてしまうこともあります。
原因3:保護者対応
保護者、と一口に言ってもその背景は様々です。
教育熱心なご家庭、放任主義のご家庭、片親家庭、育児放棄が発生している可能性のあるご家庭、また最近ではモンスターペアレンツなどというクレーマーに近い保護者がいるのも事実です。
そのため、子どもの成長において必要な指導がご家庭によっては「行き過ぎた指導」になってしまう場合もありますし、逆に「指導力不足」と捉えられることもあります。
複数のご家庭の方針を理解し、各ご家庭ごとに対応する保育士には大きなストレスとなります。
原因4:職場の人間関係
保育士、と言っても子どもと向き合うだけが仕事ではありません。
職員室では上司となる主任保育士や園長、また後輩指導などもあります。
一般的な事務処理も発生し、お互いに協力関係を作らなければなりませんが、人と人が関わる場所には少なからずトラブルも発生します。
大人同士であれば、多少の距離をおいた付き合いなども可能ですが、「子どもが見ている」と思うと、良好な関係を見せなければならない場面もあるでしょう。
一般的な仕事とは多少違う人間関係のストレスが発生しています。
原因5:労働環境や待遇
保育士の労働環境はシフト制が一般的で、規則正しい勤務時間の仕事よりもストレスがたまります。
また、大きなトラブルでなくても、保護者への連絡や報告などで残業をしたり、行事の前の準備で夜遅くなったりもあります。
最近は幾分減ってきた保育園も多いですが、持ち帰って壁面を作ったりしなければならないなど、業務自体が過多のことも事実です。
仕事は忙しくても休みがきちんと取れたり、お給料が高ければまだ許容範囲と捉えられるかもしれませんが、多くの保育士はあまり休みがとりやすいとは言えず、薄給の場合も多いため、そのストレスが緩和されにくい環境にあります。
原因6:保育方針の違い
保育士を目指そうと思った時、誰にでも自分なりの理想の保育があります。
それが正しいとか、間違いというわけではありませんが、勤務する保育園と合致しているかどうかはまた別です。
最初は理想と思っていたことも、実際に働き出すことで考え方が変化したり、違う方向を考える可能性もあります。
保育の現場では日々ねらいを元に行動しています。
そのため、保育園の方針と自分の方針が合わないストレスは日々少しずつ心を消耗させてしまうかもしれません。
ストレスによって出やすい症状とは?セルフストレスチェック
では、実際ストレスが重なった場合、どのような症状が現れるのでしょうか?
ストレスによって出現しやすい症状をいくつかピックアップします。
・疲れているのに眠れない日が続く
・食欲が湧かない
・休みの日は何もしないことが多い
・出勤前に体調が悪くなることが多い
・前触れもなく涙が出てくる
・きちんと寝ているはずなのに倦怠感がある
これ以外にももちろんストレス症状はありますが、時折ストレスをセルフチェックすることで対策もできます。
無意識なストレス症状を事前に把握するためにも、しっかりと意識しておくようにしましょう。
ストレスを放置するとどうなるの?
ストレスは一種の緊張感なので、全くなくするということはできません。
むしろ、いい緊張感は仕事において必要な場合もあります。
しかし、嫌悪を伴うストレスは放置していたり、見て見ぬふりをしていると、うつ病などに発展してしまうこともあります。
また、いったんうつ病になってしまうと、その後の人生が大きく変わってしまうことも大袈裟ではありません。
ストレスには放置が一番危険です。
知らず知らずに悪いストレスをためていないか、自分自身を労ってあげることが大切です。
現実的なストレス対策の方法とは?
大前提として、ストレスは無意識に感じていることが多く、それが一定量を超えるとまるで糸がぷっつりと切れたように一気にうつ病などに発展してしまうケースが多いです。
そのため、日頃ストレスを感じていないと思っている時にこそ、下記のような対策が必要です。
・運動する
・歌う
・泣く
・趣味を楽しむ
・部屋の模様替え
体を蝕むストレスは自分で「ストレスを感じる」ということを判断基準とするよりも、セルフストレスチェックのような症状が体に出ているかどうかで判断する方が賢明と言えるでしょう。
もしそういった症状が出ているようであれば、ご紹介した対策よりも第三者に相談するのがおすすめです。
現実的なストレス対策:第三者に相談する
ストレスに陥った環境に関係のある人だと愚痴が言いづらいなどがあるので、カウンセラーなど人間関係のない第三者に相談するのがおすすめです。
公正な立場であなたの話を聞いてもらうことだけでも、あなたにとってストレス緩和になりますし、具体的なアドバイスや冷静な視点を聞くことができるでしょう。
現実的なストレス対策:とにかく休む
ストレス状態にある時は、心と体が疲れている状態です。
その時は、とにかく責任云々を考えず休むことが大切になります。
ストレスから鬱になる人は責任感が強い傾向にあります。
「休んでしまっては他に迷惑がかかる」「休職後は退職するしかないかも」と不安を感じるかもしれません。
しかし、結果的に心身共に疲弊し、倒れてしまっては結局同じ結果しか生みませんし、あなたの状態はもっと悪い状態です。
ある程度割り切って考えることも大切です。
状況が変わらなければ環境を変える決断も大切!
ストレス症状を見て見ぬふりをしてしまってうつ病など重大な症状に発展してしまったケースは多々あります。
そのため、ストレスを感じるのであればまず一度休み、その後第三者に相談をしながら転職など環境を変え、自分に何らかのストレスを与えている環境から逃げることも時には重要です。
ストレスに追われている時は冷静に判断することが難しいこともありますので、まずは第三者に相談し、アドバイスをもらってください。
そして、環境を変えること、逃げることは決して悪いことではありません。
保育士といえど、1人の人間です。
長い人生を健やかに過ごすために、時に決断することも大切なことです。
株式会社明日香では、転職等の相談について保育士専門のコーディネーターがいつでもご希望を伺える状況になっています。
今後の転職について気になることがあればご相談ください。