保育のコラム

ベビーシッターの仕事は資格なしでもできる?資格の種類と取得方法

2021/02/01

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待機児童の増加はすでに広く知られた社会問題の一つです。

各自治体も保育所の増設などの努力を行っていますが、厚生労働省の発表する資料によると待機児童数は残念ながら増えているのが現状です。

そこで今注目が集まっているのがベビーシッターです。

働く母親が増えたことや、保育園に入りたくても入れない状況から、ベビーシッターを依頼するケースも増えています。

保育園時間外の送迎や在宅での子どもの保育など、保育園ではできないような事が柔軟に対応できるのがベビーシッターの魅力です。

今回はそんなベビーシッターについて、どんな資格があればなれるのか、またどんな資格を持っていれば有利なのかについてご紹介いたします。

“ずっと保育士編集部”

【記事監修】ずっと保育士編集部

「ずっと保育士」は、保育ひとすじ28年の株式会社明日香が運営する保育専門のキャリアサポートサービスです。結婚や出産、育児など、目まぐるしく変わるライフステージの中で、その時その時にぴったり合うお仕事を紹介したい。そして、保育の仕事でずっと輝き続けるあなたを応援したい、という想いで保育士の就職、転職、復職などのキャリア支援を行っています。また、「ずっと保育士」では保育士さんの疑問や悩みなどを少しでも解決すべくコラムを通した情報発信も積極的に行っています。

ベビーシッターになるには資格や専門的な勉強や経験が必要?

ベビーシッターの仕事をするために特別な資格は必要ありません。

一般的には「子ども好きであること」や「子育て経験があること」を希望する依頼主が多いようです。

子育て経験がない方であっても、ベビーシッターに関する資格を持っていれば、仕事の中で専門的なスキルを生かすことができ、依頼主にも安心してお任せいただけることがあります。

ベビーシッターの多くが、お客様の自宅に伺い、1対1で子どものお世話をすることが多いため、保護者の立場からすれば、無資格よりは資格を持っているベビーシッターの方が信頼感や安心感があると言えます。

また、ベビーシッター自身においても、資格を持つことは有効に働きます。

保護者に代わって子どもの世話をすることは、子どもの命を守る責任があります。

万が一の時に、冷静に対応するためにも保育に関わること、安全に関わることについては勉強が必要です。

ベビーシッターの専門資格を取得しているということは、子どもの保育方法や安全面など専門的な知識の勉強にもなりますし、身に着けた知識や技術を仕事に直で生かすことができます。

このような理由から、ほとんどのベビーシッターは保護者の信用を得るため、また専門的な知識の習得のためにベビーシッター関連の資格を取得することが多いです。

資格なしのベビーシッターでも求人はある?

ベビーシッターの求人は個人で出されるものとベビーシッター登録会社などから出されるものとの2種類があります。

待機児童問題などで保育園に入れなかったお子さんのお世話や、核家族化が進む中で頼れる人が身近にいないという社会的背景からも近年、ベビーシッターに対するニーズは高まっており、ベビーシッター人数は現在不足しています。

そのため、両者から出される求人ともに資格なしの求人も多数存在します。

しかし、実際には資格取得者の方が優遇される場合が多いです。

個人で求人を出している場合、初対面の相手に大切な子供を預けるわけですから、シッターを見極める時には資格の有無で信頼できるかどうかが異なります。

一方、ベビーシッター登録会社などでは、無資格者でも一定の研修をした上で登録するため、採用時に資格にはこだわりませんが、有資格ですでに知識がある人を教育するのと、無資格で全く知識がない人を教育するのでは、教育コストが全く違ってきます。

そのため、資格取得者は時給の面で優遇されることも多く、資格を取得した方が有利になることは間違いありません。

ベビーシッターに生かせる資格とは?

ベビーシッターに生かせる資格は幾つかあります。

一般的に『保育士』などの国家資格や『幼稚園教諭免許』などが社会的信用を得る上でも、保育に関する知識を得る上でもベストです。

しかし、資格習得をするためには、専門学校に行かなければならなかったり、国家試験を受けなければならないなど、取得するハードルは少し高くなります。

そのため、これからベビーシッターを目指すという事であれば「認定ベビーシッター資格」や「ベビーシッター資格」「ベビーシッター技能認定」など民間の認定資格を取得するのがおすすめです。

ここからはこれらベビーシッターになるために有利な資格について、詳しく解説していきます。

保育士資格

保育士資格は国家資格であり、児童福祉法にて下記のように定義づけられています。

『児童福祉法 第18条の4』この法律で、保育士とは、第18条の18第1項の登録を受け、保育士の名称を用いて、専門的知識及び技術をもつて、児童の保育及び児童の保護者に対する保育に関する指導を行うことを業とする者をいう。

保育士の資格は、児童福祉法第18条の6に基づき、厚生労働大臣の指定する保育士を養成する学校その他の施設で所定の課程・科目を履修し卒業するか、保育士試験に合格するかのいずれかの方法があります。

厚生労働大臣の指定する「保育士を養成する学校その他の施設」とは、指定保育士養成施設といい、指定された科目を全て勉強した上で、保育園と児童福祉施設での校外実習を行い、それらを全てクリアすると保育士の資格を取得することができます。

一方、保育士試験は筆記試験8科目と実技試験の合格をすることで資格を取得できます。

参考:全国保育士養成協議会

保育士試験に合格するために、必ずしも学校に行かなければならないことはありませんが、独学で学ぶには強い意志と勉強量が必要になります。

そのため、資格取得のための予備校や通信教育などを利用する方が多いようです。

幼稚園教諭免許

幼稚園教諭免許は国家資格であり、学校教育法に基づく幼稚園における教員免状のことです。

幼稚園教諭免許状は、教職課程がある大学や短期大学等で必要単位を修得し卒業する方法が最も一般的な取得方法で、その他、保育士として3年以上の正規職員としての実務経験がある場合は、教員資格認定試験により幼稚園教諭免許取得も可能です。

また、平成32年3月までは認定こども園に関連して、保育士資格と幼稚園教諭免許の併有を促す特例制度があり、保育士等として3年以上かつ4320時間以上の勤務経験があれば大学で指定された科目8単位を履修することで幼稚園教諭免許が取得できるようにもなっています。

資格取得には指定養成の大学等のカリキュラムが必須(通信可)のため、時間や費用はかかりますが、教育・保育の知識や経験を得るため、稚園教諭免許を持っているということでの信頼度は高いといえるでしょう。

認定ベビーシッター資格

公益社団法人全国保育サービス協会の「認定ベビーシッター」とは、ベビーシッターとして必要な職業倫理を備え、専門知識や技術、実務経験を持つベビーシッターを証明する資格です。

ベビーシッターの民間認定資格の最も一般的で広く認知されている資格です。

認定ベビーシッター資格は、協会主催の認定試験に合格することによって与えられます。

認定試験は選択式(5肢択一)問題が40問、記述式(400字以内)問題が1問、試験時間は90分です。

ただし、認定試験の受験資格を得るためには在宅保育の実務経験があり、協会主催の研修会を修了する必要があります。

参考:公益社団法人全国保育サービス協会ホームページ

ベビーシッター資格

一般財団法人日本能力開発推進協会(JADP)の「ベビーシッター資格」は、子育てに関する基礎知識や保育に対する心構え、保育スキルを証明する資格です。

協会が指定する認定教育機関が行う教育カリキュラムを全て修了後、試験に合格することによって資格を得られます。

教育カリキュラムの受講期間は4ヶ月程度です。

ベビーシッター資格は教育カリキュラムも、資格認定も在宅で可能なため、忙しい方や家を空けられない方も受験しやすいでしょう。

ベビーシッター資格の合格基準は得点率70%以上です。

参考:一般財団法人日本能力開発推進協会(JADP)ホームページ

ベビーシッター技能認定

一般財団法人医療教育財団の「ベビーシッター技能認定」は、ベビーシッターに必要な知識・技能のレベルを評価、認定します。

ベビーシッター技能認定は特別な受験資格はなく、財団の定めるガイドラインに沿って、筆記試験を行います。

ベビーシッター技能認定の合格基準は得点率90%以上と高めですが、試験には資料の持ち込みも可能なため、安心して受験できます。

シッターとしての仕事をする上で、今回ご紹介する中では最も簡易に取れる資格です。

参考:一般財団法人医療教育財団ホームページ

他にも色々ある!ベビーシッターに生かせる資格

ベビーシッターとして特に活かせる資格は上記にご紹介したものがありますが、その他にも近年、子供にまつわる民間資格はたくさん発行されています。

ベビーシッターに必ず役立つというわけではありませんが、「子供が好き」「子育てに自信がある」と単純に言うよりも、資格を取得していることでその証明にすることもできます。

具体的には、下記の表を参考にしてみてください。

表1:ベビー関連資格と発行元一覧

資格名

発行元

ベビーサインアドバイザー

一般社団法人日本ベビーサイン協会

ベビーダンスアドバイザー

一般社団法人日本ベビーダンス協会

ベビーアドバイザー

株式会社エクセレントホールディングス

ベビーケアアドバイザー

日本チェーンドラックストア協会

産前産後ヘルパー

一般財団法人医療教育財団

産後ケアリスト

一般社団法人日本産後ケア協会

産前産後ママヘルパー

株式会社 ニチイ学館

チャイルドマインダー

株式会社エムシーエヌジャパン

育児セラピスト

一般社団法人日本アタッチメント育児協会

子育て心理カウンセラー

一般社団法人日本子育て心理カウンセラー協会

ベビーセラピスト

NPO法人ベビーセラピスト協会

チャイルドタッチセラピスト

日本チャイルドセラピー協会

キッズ・アートワークセラピスト

クエスト総合研究所

チャイルドケア

JAA日本アロマコーディネーター協会

ベビーマッサージ

ロイヤルセラピスト協会

ベビーヨガインストラクター

一般社団法人日本ハッピーライフ協会

これらの資格以外にも子供の成長や生活を支援する資格はたくさんあります。

各発行元がそれぞれ管理しているため、受験資格や受験要項は異なりますが、自分に合ったものを取得すると、ベビーシッターとしての活躍に広がりが持てるでしょう。

資格は無いよりはあった方が有利!

ここまで解説したように資格はあった方がベビーシッターになるためには有利です。

しかし、今現在はベビーシッターの数が不足しているにもかかわらず、ベビーシッターへのニーズや要望は多くあります。

資格がなくてもベビーシッターとして働きたい場合には、まずは個人でお客様と契約するよりも、明日香のようなベビーシッターとお客様をつなぐ会社に登録し、ベビーシッターとしての研修を受け、お客様の元に行ってみることをお勧めします。

万が一の際に頼れるコーディネーターの存在や提携医の存在は働く上で何よりも心強いものであることは間違いありません。

ベビーシッターになるための研修に興味のあるかたは、こちらからぜひ実際の求人に登録してみましょう。

※平成27年4月以降、ベビーシッターは個人・法人問わず認可外居宅訪問型保育事業の届出が必要になりました。届出方法については各自治体のホームページ等でご確認ください。明日香など従業員としてベビーシッター雇用する企業については事業者が届出を提出しています。

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