保育現場で実践したい!年齢別の絵本の読み聞かせのコツと3つの注意点
絵本の読み聞かせは、子どもの想像力を育む大切な取り組みです。しかし、読み聞かせの方法によっては、これから育つはずの想像力を妨げてしまうことにもなりかねません。
今回は、保育現場で実践できる年齢別の読み聞かせのコツや、注意点についてご紹介します。

【記事監修】ずっと保育士編集部
「ずっと保育士」は、保育ひとすじ28年の株式会社明日香が運営する保育専門のキャリアサポートサービスです。結婚や出産、育児など、目まぐるしく変わるライフステージの中で、その時その時にぴったり合うお仕事を紹介したい。そして、保育の仕事でずっと輝き続けるあなたを応援したい、という想いで保育士の就職、転職、復職などのキャリア支援を行っています。また、「ずっと保育士」では保育士さんの疑問や悩みなどを少しでも解決すべくコラムを通した情報発信も積極的に行っています。
【年齢別】絵本の読み聞かせのコツ
保育園で絵本の読み聞かせを行うときのコツを、年齢別にご説明します。
0~1歳の子どもの読み聞かせ
0~1歳の子どもの読み聞かせでは、文字や物語よりも、視覚的にインパクトのある絵本が選ばれます。
身の回りにあるさまざまなものに興味を持ち始める時期ですから、遊び感覚で読み聞かせをしましょう。
1~2歳の子どもの読み聞かせ
1~2歳の時期には、言葉の面白さを感じられる絵本を選ぶのをおすすめします。
子どもが話そうとする前の段階のため、思わず声に出したくなるようなオノマトペを、楽しくリズミカルに音読しましょう。
3~4歳の子どもの読み聞かせ
想像力が発達する3~4歳では、ストーリー展開のある絵本が読まれ始めます。
抑揚をつけすぎず、お話を聞いているうちに子どもが自然と物語に入っていき、想像力をかきたてられるような、淡々とした読み方を心掛けてください。
5~6歳の子どもの読み聞かせ
5~6歳は次第にお気に入りの絵本ができる時期です。子どもの個性に合わせて、絵本のチョイスを増やしましょう。
ストーリーはしっかりと理解できるため、本文に忠実になりつつ、引き続き淡々と読み聞かせをしてください。
保育園で読み聞かせをするときのコツ
ご家庭で親御さんに読み聞かせをしてもらうのと、保育園で読み聞かせをするのとでは、少し環境が異なるため、気をつけましょう。
以下では、子どもたちに読み聞かせを楽しんでもらうためのコツをご紹介します。
子どもたちを扇状に座らせる
保育園での読み聞かせは、基本的に複数人へ同時に行われます。すべての子どもに絵本が見えるよう、絵本を中心に扇状に座らせましょう。
子どもの座る位置から絵本が見えるかどうか、事前に確認してしっかりと見えるよう注意しながら読み聞かせをしてください。
1対1などの少人数の場合は、膝の上に座らせたり、横に座って隣で読んだりして、子どもが絵本を見やすいように読むと良いでしょう。
絵本はしっかりとページを開いて持つ
絵本のページは、しっかりと開いて持ちましょう。十分にページが開けていないと、角度によってはページが見えにくくなってしまうことがあります。
すべての子どもがきちんと絵を見ながらお話を聞けるように、保育士が配慮することが大切です。
読み聞かせ実践での3つの注意点
保育園で読み聞かせを実践する際に、注意すべきポイントを3つご紹介します。
【1】抑揚を過剰につけすぎない
絵本の読み聞かせでは、読み手が表情を変えたり、声色を変えたりすることで、よりお話の中に入りやすくなることがあります。しかし、過剰に抑揚をつけてしまうと、かえって子どもの想像力を妨げてしまう場合があるため、抑揚をつける場合はほどほどにしましょう。
【2】絵本に集中しやすい環境を整える
好奇心が旺盛な子どもたちは、絵本以外のさまざまなものに注意が向いてしまうこともあります。読み聞かせをするときは、なるべく子どもたちの視界におもちゃなどの注意を引くようなものが少なくなるよう、環境を整えてください。
【3】子どもの想像力を邪魔しない
絵本の読み聞かせでは、保育士のちょっとした言動が子どもたちの想像力を妨げてしまうことがあります。
例えば、読み聞かせの最中にアドリブを加えすぎたり、質問を挟みすぎたり、読み聞かせが終わってから保育士が自分の感想を言い過ぎてしまうと、子どもの自由な想像力を邪魔してしまうことになりかねません。何ごともほどほどにしましょう。
おわりに
保育現場での読み聞かせは、子どもの年齢に合わせた読み聞かせ方法と、子どもたちが快適にお話に集中できる環境づくりが大切です。子どもたちの想像力を刺激するために、保育士は抑揚をつけすぎたり、絵本にアドリブを加えすぎたりしないようにご注意ください。子どもたちのために楽しい読み聞かせの時間を作りましょう。