保育のコラム

絵本トーク10月号 実りの秋、どんぐりの絵本を楽しもう!

2017/10/05

◆◇◆◇◆◇◆実りの秋、どんぐりの絵本を楽しもう!◆◇◆◇◆◇

 

 天高く馬肥ゆる秋。実りの秋。山にも里にも秋の味覚がいっぱい。自然の草花も動物も虫たちもみんな、秋を満喫しています。今月は秋満喫の絵本をご紹介いたします。

 

★秋満喫の絵本(*お薦めの年齢は目安です) 

  ①0歳~    ②1歳半~   ③2歳半~     ④3歳~        ⑤4歳~        ⑥5歳~

                
          

 

①『どんどこどん』和歌山静子/作 福音館書店 

 

*つちのなかで どんどこ どんどこ//にんじん・じゃがいも・さつまいも・・・。根菜類がどっしり力強く、みんなをすこぶる元気にしてくれます。

②『りんごがコロコロコロリンコ』三浦太郎/作 講談社

*リズミカルなオノマトペ満載の絵本。おはなし会でも出番が多い。りんごがおいしい今の季節に、是非皆で楽しみたい。

③『もりいちばんのおともだち』ふくざわゆみこ/さく 福音館書店

*おおきなクマさんとちいさなヤマネくんの友情を描いた絵本。秋の味覚いっぱいのケーキを頂いた後は、どんなお楽しみが・・・? シリーズ『ふゆじたくのおみせ』『あめのもりのおくりもの』など、どれも心温まるお話。

④『おならうた』谷川俊太郎/原詩 飯野和好/絵 絵本館

*いもくって ぶ/すかして へ/わらって ぴ// 飄逸な谷川さんの詩に、挿絵がさらにユーモア感を漂わす。おいもの美味しい季節。子どもたちと群読はいかがですか?

⑤『かぼちゃスープ』ヘレン・クーバー/さく せなあいこ/やく  アスラン書房

*ねことりすとあひるの三人が作るかぼちゃスープは、世界一の味。独特の厚みのある画に誘われ、すーっと物語の世界に引き込まれます。ケイト・グリーナウェイ賞受賞作品。

⑥『ごんぎつね』新美南吉/文 箕田源二郎/絵 ポプラ社

*新美文学の最高傑作。ごんと兵十との物悲しくも心温まる物語。秋の夜長じっくり読んであげたい。多くの画家により絵本化されているので、読み比べてみても楽しい。

 

★どんぐりの絵本を楽しもう!!(*お薦めの年齢は目安です) 

 

  どんぐりの絵本と一口にいっても、手遊びや工作、そして創作物、さらに科学絵本と、非常に幅の広い分野です。ここでは、遊び・物語・科学と、少しずつですがご紹介を・・・。

 下記⑦のわらべうた絵本『どんぐりころちゃん』は、赤ちゃんから楽しく歌って遊べる絵本。⑧の『どんぐりとんぽろりん』は、文中の言葉がリズミカルで弾けるようです。⑨の『どんぐり』は、、植物としてのどんぐりとそれを食する動物たちとの応酬が、力強い画と絶妙な訳で、歯切れよく展開。⑩の『どんぐりむらのどんぐりえん』の18つぶのどんぐりが織りなす園生活は、魅力にあふれ共感度の高い作品。⑪『子リスのアール』は、どんぐりを探すちっちゃな子リスの愛らしい冒険物語。モノクロの絵の中に、真っ赤なスカーフが印象的な作品。⑫『どんぐり』は、スタンダードな科学絵本。シンプルで理解しやすい。他に個人収集家による『ひろった・あつめた ぼくのドングリ図鑑 』(盛口満=絵・文 岩崎書店)も興味を引く。そして、願わくば⑬宮沢賢治『どんぐりと山猫』の世界にも足を踏み入れたい。

 

 ⑦0歳~    ⑧1歳半~    ⑨2歳半~    ⑩3歳~     ⑪4歳~  ⑫5歳~    ⑬6歳~        

 

      

 

⑦『どんぐりころちゃん』みなみじゅんこ/作 アリス館

 

⑧『どんぐり とんぽろりん』武鹿悦子/作 柿本幸造/絵 ひさかたチャイルド

⑨『どんぐり』エドワード・ギブス/作 谷川俊太郎/訳 光村教育図書

⑩『どんぐりむらのどんぐりえん』なかやみわ/さく 学研教育出版

⑪『子リスのアール』ドン・フリーマン/さく やましたはるお/やく BL出版

⑫『どんぐり』こうやすすむ/作・絵 福音館書店

⑬『どんぐりと山猫』宮沢賢治/作 田島征三/絵 三起商工

 

★さっそくトライ!今月のミニおはなし会                  

 

 今月は赤ちゃんから楽しめるミニおはなし会をご紹介します。

 

上記⑦の『どんぐりころちゃん』『どんぐりころころおやまへかえるだいさくせん』(スギヤマカナヨ/作・絵 赤ちゃんとママ社)を読む前または読んだ後で、♪どんぐりころちゃんの手遊びはいかがでしょう。

 

 

 

1:歌詞⇒♪どんぐりころちゃん あたまはとんがって おしりはぺっちゃんこ どんぐりはちくりしょ

 

 

2:遊び方⇒

 

 

①両手でどんぐりをはさみ、そのまま両手をふりながら歌う。これだけでも楽しい。

 

 

②あてっこ遊び。①の遊びの最後のどんぐりはちくりしょで、どんぐりをどちらかの手に隠し持ち、両手をげんこつ握りにし、どちらの手にはいっているか当てる遊び。小さい子には大人が遊んでやりますが、2歳位からは、自分で遊びたがる子が多くなります。

 

 

③小さい子をどんぐりに見立て、歌に合わせて、子どもの手や頭やおしりに触って、スキンシップやふれあいを楽しむ。

 

 

 

*どんぐりといえども、くれぐれも小さいお子様の誤飲には気をつけましょう。

 

 

*参考図書:『うたおうあそぼうわらべうた』木村はるみ・蔵田友子著 雲母書房

 

 

         

 

 では次回をお楽しみに…。

 

(「はぐはぐの樹子ども図書館」館長 金澤和子)

 

 

 

 【プロフィール】

 

  「はぐはぐの樹子ども図書館」館長。司書・保育士。
   横浜市・南区地域子育て支援拠点内「はぐはぐの樹子ども図書館」で、絵本相談・おはなし会・わらべうたなどを通し、子育て支援に従事。

  子どもと本をつなぐ活動を始めて25年。

  市民グループ「子どもと本」代表。

  著書:『赤ちゃんと絵本であそぼう!』一声社

 

 

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